公益財団法人日本ソフトボール協会

〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町4番2号 Japan Sport Olympic Square
日本ソフトボール協会 TEL.03-5843-0480 FAX.03-5843-0485

公益財団法人
日本ソフトボール協会

ニュース

ニュース その他競技部門

「令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員研修会」を開催

「令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員研修会」を開催

日本トップレベルの選手が集う「熊野オープン」で研修会を実施

「実戦形式」での研修が繰り返された

出番が終われば、すぐに「反省会」を行い、問題点・課題を洗い出し、改善・克服をめざした

夜は宿舎で「リーグ担当審判員」としての心構えや取り組む姿勢を再確認

日本トップレベルのチーム・選手のプレーに触れ、それに相応しい審判員となるべく研修を積んだ

昨シーズンを振り返り、実際の試合で起こった「事例」を全員で確認・検証した

新たなシーズンの「開幕」は目前! チーム・選手も審判員も「球春」に備える!!

「令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員」 研修会

 去る3月5日(木)~8日(日)、2026年のシーズン「開幕」を目前に控え、三重県熊野市を会場に「令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員」研修会が実施された。
 研修会は、去る12月12日(金)~14日(日)の3日間、静岡県伊豆市・天城ドームを会場に実施された「令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員選考会」(第2次選考会/実技選考)を通過した50名を対象に行われ、諸事情のため、研修会に参加が叶わなかった者、どうしても外せない仕事のため、全日程参加できなかった者もいたが、シーズン「開幕」を前に、元気に顔を揃えた(令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員名簿はこちら)。

 「令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員」は、「第1次選考」として実施された「書類選考」に、各都道府県支部協会の「推薦」を受けた65名が選考書類を提出。「リーグ担当審判員」に求められるキャリア、実績、資質を有していると判断され、全員が見事「合格」。「第2次選考会」となる「実技選考」へ臨んだ。
 「第1次選考」を通過した審判員のうち、2025シーズンの「JDリーグ」プレーオフ、ダイヤモンドシリーズに選出された審判員12名は「第2次選考」を免除。残る53名が「第2次選考」に臨む予定であったが、不慮のケガ等、やむを得ない事情により、2名が選考会に参加することが叶わず、当日は「リーグ担当審判員」として「晴れの舞台」をめざす51名が厳しい選考会に臨み、「令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員」として「晴れの舞台」に立つことになった(令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ選考会の記事・動画はこちら)。

 研修会は、3月5日(木)に参加者が宿泊先のホテルに集合。翌6日(金)から開催される「熊野オープン」(JDリーグ所属14チーム、大学4チームの計18チームが参加して開催されるオープン戦)の審判員を「令和8年度 JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員」が務め、「実戦形式」での研修が行われた。

 大会はA・B・C・D・E球場の5会場で試合が行われ、その日ごとに各会場を担当する審判員を振り分け、その会場ごとの試合を担当。実際の試合を担当する中では、様々な場面に直面。どんな状況に置いても、冷静に、正しく、適切なルール適用を行い、試合を円滑に進めていくことができるか、研修が進められた。
 試合開始前には、その試合を担当する球審・一塁塁審・二塁塁審・三塁塁審が入念な打ち合わせを行い、想定される状況の中で、誰が、どう動くか、その際、誰がフォローに入り、各塁を空けることなく判定を行うか等、確認を行いながら試合に臨んでいた。
 また、研修の都合上、試合途中で、球審・一塁塁審・二塁塁審・三塁塁審全員が交代する形で研修が進められたが、その際にも、交代した審判員たちへ、即座に各会場を担当する(公財)日本ソフトボール協会・審判ルール委員会の面々が問題点や課題を指摘。また、各会場に実際のリーグ開催時同様、「責任審判員」を指名・配置。これまでリーグ担当審判員として長いキャリアを誇り、「実績」を積み上げてきた審判員が「責任審判員」として一緒に研修を行いながら、改善点をアドバイス。互いに意見を交わしながら「より正確な判定」「状況に応じた適切なジャッジ」をめざし、研修に励んでいた。

 一日の研修を終え、宿舎に帰っても、座学の研修を行い、(公財)日本ソフトボール協会審判ルール委員会・神谷和宏委員長、足袋抜豊松副委員長、水野直輝副委員長、小牧司副委員長、岡野秀子委員、渡瀬達生委員が、それぞれ「講師」を務め、自らリーグ担当審判員を務めた「経験」に基づき、JDリーグ・日本女子リーグの試合環境やその中で求められる資質・能力、心構えや取り組む姿勢について、温かくも厳しいアドバイスを送った。
 特に、「JDリーグ」は「東京2020オリンピック」の金メダリストをはじめとする「日本代表」選手がプレーしているのはもちろん、アメリカをはじめ世界の強豪国の「代表選手」が集う「世界最高の競技レベル」のリーグである。
 それだけに各選手が所属するチームの「応援」にも力が入っており、大音量で音楽が流され、応援団やチアリーダーが観客を煽り、盛り上げ、試合会場は独特の雰囲気に包まれている。
 さらには、全試合「LIVE配信」が実施されており、日本全国はもちろん世界中で試合を視聴できる環境にある。

 こういった状況を踏まえ、「そんな発声・ジャッジではチーム・選手はおろか、観客の皆さんにも伝わらない」「選手は一つひとつのプレーに『生活』がかかっている。そのプレー、成績の評価で給与が変わり、待遇が変わる。審判員のジャッジ一つでそれを左右する『重み』を意識して判定してほしい」「選手が日々猛練習を積んで試合に臨むように、審判員も常に研鑽を積み、自分を成長させていかなければ選手たちのプレーのレベルについていけなくなる」と、「特別なリーグ」に審判員として立つことの意味・意義、その使命と責任の重さ、高い意識と自覚が促され、日々精進を続けていく姿勢、より高いレベルをめざす努力の積み重ねが必要となることが強調された。

 また、「審判員である前に、人としてなすべきことをなさなければならない。推薦してくれた支部協会、審判長への感謝を忘れず、常に報告・連絡を怠らない。派遣された開催地への敬意・礼節を持ち、謙虚な姿勢で取り組むこと。支えてくれる審判員の仲間、職場、家族へも感謝の気持ちを持ち続け、審判技術だけでなく、誰からも見本・手本となるような審判員になってほしい」「自分自身が審判員として成長するだけでなく、後に続く審判員たちの『憧れ』となり、一人でも二人でも『仲間』を増やし、後進の育成にも努めてほしい」と、リーグ担当審判員としての心構えや取り組む姿勢、また、それだけにとどまることなく「人として」のあるべき姿を忘れることなく、「次」に続く人材の育成にも注力するよう期待を込めた講話が続いた。

 さらには、「LIVE配信」によって、判定が何度もリプレイされたり、繰り返し再生・録画され、球場の観客席にいても、それが見られる、確認できる、環境にあることにも言及。どんな状況に直面しても、瞬時にそのルール適用を正しく行うことができるよルールへの理解を深め、精通しておく必要があること。そのために、ルールブック、競技者必携を熟読し、今年2月に改訂・発行された「オフィシャル ソフトボール ルール ケースブック」改訂第7版を活用することで、試合で起こり得る様々なケースについてシミュレーションしておくことの重要性が改めて強調された。その場に立たされたときに「どうしよう……」と迷い、悩むのではなく、どんな状況に直面しても「このときはこうすればよい」「この状況ならこのルールを適用し、こう処置する」という「備え」をしておくこと、日々学び、準備しておくことが、「心の余裕」を生み、正しく、適切なルール適用を可能とすることが再確認され、その「オフィシャル ソフトボール ルール ケースブック」改訂第7版に掲載された事例問題を取り上げ、どのルールを適用し、どう処置し、どのような状況で試合を再開するか、観客に説明する「マイクパフォーマンス」の研修も実施された。

 翌7日(土)の研修も「熊野オープン」で実際の試合に審判員として入る「実戦形式」での研修が行われた。この日のA・B・C・D・E、5会場に審判員が割り振られ、前日同様の形で研修が進められた。
 この日は試合会場によっては、通常では起こり得ないような状況をあえて作り出し、リーグ担当審判員が公式戦では担当することのない二塁、三塁が「空いてしまったとき」、リーグ担当審判員が担当している球審、一塁塁審がどうフォロー、サポートするか、といった研修も行われた。
 リーグ担当審判員は、各支部に帰れば、文字通りその支部で屈指の実力を有する審判員である。それだけにリーグ同様、プレーが行われる頻度の高い球審、一塁塁審に配置されることが多く、二塁塁審、三塁塁審を担当する機会が少なくなる傾向が強い。
 また、大会における準決勝、決勝といった「重要な試合」を任されることが多く、そうなると他の審判員もそれに続く「実力者」と組むことになり、優秀な審判員同士で試合を行えば、当然、スムーズに試合が進み、結果として「何もなく試合が終わる」ことが多くなる。もちろん、試合としては、大会としては、それで「成功」ではあるのだが、その一方で、突発的な状況やアクシデントに弱くなり、審判員としての自らの成長をストップさせることにもなりかねない。
 通常は起こり得ない状況、突発的な状況、そんな状況を「あえて」作り出すことで、そんなときにも、そこですべきことは何か、自分はどの位置に入り、どの塁の判定が行えるよう備えればよいか、冷静に、適切に、対応できる審判員をめざす研修も課されていた。

 この日も宿舎に帰れば座学研修。リーグ担当審判員として200試合以上のキャリアを誇る濱崎哲一審判員(機関誌「JSAソフトボール」第473号(2024年6月号)P20・P21に関連記事掲載)が講師を務め、昨シーズンの実際の試合における事例等を検証。自分自身がその場に立たされたとき、「どうするか?」「どう処置するか??」を実際の試合映像を見ながら再確認。互いに意見を出し合いながら議論する時間を持った。
 リーグ担当審判員は、シーズン中、このような「反省会」を定期的に行っており、審判技術の向上、レベルアップに向けた取り組みを進めていることが報告され、共有されていた。

 研修会最終日(3月8日/日)、この日の「熊野オープン」で「実戦形式」の研修を行い、これまでの研修で洗い出された課題・問題点を克服すべく、最後の最後まで熱心な研修が繰り返された。
 全体の研修は午前中に終了したが、中には午後も残って「自主研修」を行う審判員の姿も見られた。

 JDリーグ「開幕」まであと1カ月、その翌週には日本女子リーグもスタートする。審判員として「リーグ担当審判員」は一つの大きな「目標」であり、「憧れ」でもある。ただ……決してここが「ゴール」ではない。あくまでもここは「スタート」であり、「通過点」に過ぎない。
 「リーグ担当審判員」として「JDリーグ」「日本女子リーグ」の舞台に立つことは、「目標」や「憧れ」を現実のものとしたと同時に、それだけの「使命」と「責任」も背負うことになる。自分が「目標」としてきた舞台に立つことで、今度は自らが誰もが憧れ、お手本となるような審判員にならなければならない。また、「JDリーグ」「日本女子リーグ」という国内トップレベルのリーグの審判員としての経験を「次」なる世代へとつなげていかなければならないし、国内トップレベルを経験した以上、オリンピックやワールドカップといった「世界の舞台」をめざしてほしいものである。
 また、日本協会としても、そこまでの「道筋」を示し、「世界の舞台」に立つ国際審判員の育成にも力を注ぎ、審判員に大きな「目標」と「夢」を与えられる環境を整えなければならない。越えるべきハードルがいくつもあり、決して簡単なことではないと思うが……まずはどうすればそのハードルを越えていくことができるのか、考えるところから始めていかなければならない。

PageTop