
大会も、いよいよクライマックス!
王者・オーストラリアと「再戦」 !!
コロンビアの観衆で球場は超満員
立ちはだかるのは、「世界一の左腕」
好調を維持するジャック・ベスグローブ
日本打線が食らいつき、4点を奪う !!
4-2で快勝! 見事「世界一」に !!
「WBSC第2回男子U23ワールドカップ」第9日(大会最終日)、前日のスーパーラウンド最終戦(メキシコ戦)に2-1で勝利! 「自力」でワールドチャンピオンシップファイナル(優勝決定戦)進出を決めた男子U23日本代表は、スーパーラウンド1位「前回チャンピオン」のオーストラリアと世界一の座をかけ「再戦」することになった。
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大会第9日/5月3日(日)
ワールドチャンピオンシップファイナル
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
| 日 本 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 |
| オーストラリア | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
日本:◯高橋理央(7回)ー上野結来
〔三塁打〕山本陸人
〔二塁打〕宇宿雅哉
オーストラリアはスーパーラウンド初戦と同じく、「世界No.1サウスポー」「絶対的エース」のジャック・ベスグローブが先発登板。日本は前回の対戦で8イニングを投げた八木孔輝ではなく、「3連投」の右腕・高橋理央を先発起用し、「勝負」に出た。
先攻の日本は初回、1番・津田龍輝が ″高めのライズボール″ をしっかり見極め、四球で出塁。2番・安形恭悟は空振り三振に倒れたが、3番・宇宿雅哉のセカンドゴロがエラーを誘い、一塁走者・津田龍輝が一気に三塁まで進塁。続く4番・八木孔輝のセンターフェンス際まで運ぶ犠牲フライで1点を先取! なお二死二塁のチャンスが続き、5番・山本陸人がレフト頭上をライナーで越えるタイムリースリーベース!! この回2点を先制した。
日本は2点リードのまま、迎えた5回表にも、一死から1番・津田龍輝がファースト内野安打で出塁。2番・安形恭悟がサードゴロで一塁アウトとなる間に二塁へ進むと、3番・宇宿雅哉がライトへタイムリーツーベース! なお二死二塁の好機で4番・八木孔輝がワンボール・ツーストライクと追い込まれながら、チェンジアップに食らいつき、しぶとく一・二塁間を破るタイムリー! さらに2点を追加し、4-0とリードを広げた!!
投げては、先発・高橋理央が「高低」を大胆に突きつつ「緩急」も巧みに交え、オーストラリア打線を翻弄。7回裏、一死から7番打者にソロホームランを浴び、その後、安打、エラー、タイムリー等で2点目を返され、二死一・二塁のピンチが続いたが、最後は3番打者がセカンドゴロに打ち取り、一塁走者が二塁フォースアウト! 4−2で逃げ切り、男子U23日本代表が「世界No.1サウスポー」ジャック・ベスグローブを見事攻略。4−2で快勝、前回大会の「リベンジ」を果たし、「初の世界一」へ登り詰めた。
「WBSC第2回男子U23ワールドカップ」最終日は、このチャンピオンシップファイナルの前にブロンズメダルゲーム(3位決定戦)が行われ、ニュージーランド(スーパーラウンド3位)とメキシコ(スーパーラウンド4位)が対戦。メキシコが13安打の猛攻で11-5と勝利を飾り、「第3位」の座をつかんだ。
オーストラリア ジャック・ベスグローブとの前回(スーパーラウンド初戦)の対戦は、延長タイブレーク以降 ″制球の乱れ″ に乗じて5点を挙げはしたものの、「3安打・20三振」と大会の1試合最多三振記録を更新する「屈辱」の試合内容。この二度目の対戦で日本打線の「対応力」が問われるところであったが、初回、5回表といずれも「打って!」得点。試合開始直後、先頭打者・津田龍輝がハイライズをしっかり見極め、四球で出塁した時点で「前とは違う」雰囲気を感じ取ることができ、闇雲に振りまわすのではなく、コンパクトなスイングで「狙い球」をとらえ、7安打。それでも11三振を奪われたが限られた時間の中で自らを振り返り、「課題の修正」に努めたことが非常に大きかったと言える。
決勝戦前のフリーバッティングでは、今回「打撃投手」の役割を兼ねる野本誠士マネージャーが「球威ある高めのライズ」を徹底して投げ込み、各打者がそれを繰り返し打ち続けた。「自分がイメージするボールの軌道より『もっと上』を叩こう! バットのヘッドを立て、極端にかぶせていかないと『ベスグローブのライズ』は当たらない!! 」かつて自身も「男子TOP日本代表」として世界に挑み続けた中村健二ヘッドコーチが、選手個々の「意識」を今一度見直し、具体的に指示。前回の「9イニング、ベスグローブの球を見ることができた」実体験も、「打者の目慣れ」という部分で貴重なものとなり、その経験・反省がチャンピオンシップファイナル ″世界一をかけた最後の戦い″ で活かされたと強く感じている。
ニュージーランドのリアム・ポッツ、メキシコのカルロス・パラ、そしてオーストラリアのジャック・ベスグローブと、今大会には「世界一線級投手」が多数参戦。文字通り「トップレベル」と対峙し、「激闘」を繰り広げ、男子U23日本代表チームは着実に「成長・進化」し、ついには「頂点」へと登り詰めた。
世界の名だたる投手と実際に対戦を重ね、勝利したこの「国際経験」は彼らにとってまさに「財産」であり、今後TOPカテゴリーへつなげ、日本男子ソフトボールが未だ成し遂げたことのない「真の世界一奪取」(TOPカテゴリーにおけるワールドカップファイナル優勝)を実現させるための確かな「指標」になることだろう。
また、今回、男子U23日本代表チームを指揮した中村健二ヘッドコーチのスタイルは ″パワーソフトボール全盛″ の現代(日本のソフトボールも年々力勝負重視の傾向にある)に「一石投じた」ように思う。
前述した打撃面のみならず、ピッチングにおいても「制球力」「投球術」(相手打者と駆け引きすること)の重要性を改めて説き、 ″打たれても失敗から学ぶ″ ″決して同じミスを繰り返さない″ 言わば「考え、工夫するソフトボール」を繰り返し求めていた。
オープニングラウンド2戦目のアルゼンチン戦、終盤ドロップ一辺倒となり、 ″逆転ツーラン″ を被弾した高橋理央の投球が「幅のあるもの」へ変化・進化していった背景にも、「緩急自在」さらには「相手打者の心理を読み切り、手玉に取る」クレバーなピッチングを売りにした中村健二ヘッドコーチの現役時代「日本代表」として「世界の舞台」で戦った「実体験に基づくアドバイス」がある。
この「JAPANクオリティ」を追求する選手育成・強化を、もう一度原点に立ち返り、考えてみる。そんなヒントを与えてくれた、「2026男子U23日本代表チーム」の戦いぶりではなかっただろうか。
第2回男子U23ワールドカップ「初優勝」。
世界の頂点に立つことができた要因を、整理し、日本男子ソフトボール全体で共有しながら、「さらなる高み」をめざそう!
この「大きな成果」を本当の意味でTOPカテゴリーへつなげていかなければならない。
ワールドカップの舞台を戦った日本代表選手たちはもちろんのこと、そこに携わった私たちの使命・役割でもあるのだから。
●文・写真
男子U23日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)