
この日から「勝負」のスーパーラウンドに突入
初戦で「前回王者」オーストラリアと激突!
延長タイブレーク以降は「一進一退」の攻防。
オーストラリアを断崖絶壁まで追い詰めたが…
9回表の「3失点」が決勝点に…
あと一歩(1点)及ばず、5-6で惜敗。
ここから先は、 ″勝って″ 道を切り拓くのみ !!
「WBSC第2回男子U23ワールドカップ」第6日、大会はいよいよ最終日・ワールドチャンピオンシップファイナル(優勝決定戦)進出へ「勝負」のかかる「スーパーラウンド」(2次リーグ)に突入。
オープニングラウンド(予選リーグ)グループA1位・日本、2位・ニュージーランド、3位・チェコ、グループB1位・オーストラリア、2位・メキシコ、3位・ベネズエラの「上位6チーム」が駒を進め、日本は初戦で ″ここまで無敗″ の ″前回チャンピオン″ オーストラリアと対戦することになった。
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大会第6日/4月30日(木)
スーパーラウンド第1戦
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
| オーストラリア | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 6 |
| 日 本 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 5 |
| ※延長9回タイブレーク |
日本:八木孔輝(8回)、●高橋理央(1回)ー上野結来
オーストラリア ジャック・ベスグローブ、日本・八木孔輝の「両エース」が満を持して先発登板。ジャック・ベスグローブが「世界No.1サウスポー」の名に偽りなしの「球速130㎞/h超」のライズボールで押しまくれば、八木孔輝は「豊富な球種」を駆使した「投球術・緩急」で応戦。ジャック・ベスグローブが「剛」の投球で三振の山を築くのに対し、八木孔輝は膝元への鋭いドロップボール、チェンジアップを巧みに投げ分ける「柔」のピッチングで打者のタイミング・バットの芯を絶妙に外し、互いに一歩も譲らぬ緊迫の試合展開。0-0のまま、延長タイブレークに突入することとなった。
迎えた8回表、オーストラリアはタイブレークの走者を二塁に置き、2番打者の三遊間深く転がる内野安打で無死一・二塁。ワイルドピッチで二・三塁となった後、3番打者は見逃し三振に倒れたが、4番打者が四球で満塁。ここで「投打二刀流」の5番 ジャック・ベスグローブがワンボールからの2球目、レフト線を抜くタイムリーツーベース。満塁の走者を一掃し、3点を先制した。
その裏、日本も7番・高橋理央の打席での「2球連続のワイルドピッチ」でタイブレークの走者が還り、1点を返すと、高橋理央は四球を選び、出塁。8番・永吉飛斗がワンボール・ツーストライクと追い込まれながら、三遊間深く転がす内野安打(この試合初ヒット)。さらに9番・芝海人の送りバントがショートまで転がる内野安打となり、無死満塁と攻め立て、1番・津田龍輝は空振り三振に倒れたものの、2番・安形恭悟への2球目がワイルドピッチとなり、三塁走者が生還! なお一死二・三塁の状況から安形恭悟のファーストゴロの間に三塁走者がホームイン!! 3-3の同点に追いついた。
9回表、日本はDP・高橋理央が投手の守備を兼務し、登板(ピッチャー・八木孔輝がOPO/打撃専門選手となる)。9番打者、1番打者を連続三振に斬って取ったが、2番打者にフォアボール(四球となる投球がパスボールとなり、二塁走者が三塁へ進塁)。この後、一塁走者が二塁に進塁し、二死二・三塁。3番打者がショート後方のフライを打ち上げ、ショート・永吉飛斗が懸命に背走し、追いつき、捕球したかに見えたが……打球がグラブからこぼれ、二者生還。なおも連続四球で二死満塁のピンチが続き、6番打者にライト前へ運ばれ、再び3点を勝ち越されてしまう。
日本は9回裏、空振り三振で一死後、死球、ワイルドピッチでタイブレークの走者を生還させ、なお一死二塁から6番・田宮有貴がライト前にタイムリー! 1点差に!! 7番・高橋理央は空振り三振で二死一塁。8番・永吉飛斗の打席、ワイルドピッチで一塁走者が二塁へ進塁。「一打同点」の場面を迎えたが……最後はチェンジアップを空振り三振。王者・オーストラリアを、難攻不落のジャック・ベスグローブを断崖絶壁のところまで追いつめたが……「あと一歩」及ばず、5-6で惜敗。スーパーラウンド初戦を落とした。
「WBSC第2回男子U23ワールドカップ」第6日・スーパーラウンドは、この日本戦の他、ベネズエラ vs チェコ、ニュージーランド vs メキシコが行われ、ベネズエラ(チェコに9-1)、ニュージーランド(メキシコに10-1)がそれぞれ勝利。
スーパーラウンド初日を終えた時点の順位は、1位・オーストラリア(3勝0敗)、同率2位・日本、ニュージーランド(2勝1敗)、同率4位・メキシコ、ベネズエラ(1勝2敗)、6位・チェコ(0勝3敗)という状況になっている。
オーストラリアの「絶対的エース」ジャック・ベスグローブに7回までノーヒット(立ち上がり7連続三振)、試合を通じても「3安打・20三振」と抑え込まれながら、最終スコアは ″6-5″ の1点差。特に延長タイブレーク以降は「誰も予想できなかった展開」が待ち受けており、改めて「勝利することの難しさ」「1勝の重み」を感じさせられるオープニングラウンド1位同士の対決であった。
ここまで「圧倒的な成績」を残してきた「世界No.1サウスポー」ジャック・ベスグローブでさえ、 ″プレッシャーがかかる状態″ を強いられると制球を乱し、慌てることがある。今日の日本のように、決して諦めることなく、辛抱強く・しつこく、食らいつく「我慢」「集中力」を持続させ、数少ないチャンスをモノにすることができれば……「勝機はある」ことを確認することができた。
ただ、試合内容がどうであれ「結果、競り負けた……」という事実は残る。
この一戦をオーストラリア側も分析してくるだろうし、ジャック・ベスグローブ自身としても、次なる対戦で「課題」を「修正」してくるはずだ。
今日の試合(立ち上がり7連続三振を含め、7回までノーヒットピッチングの快投を見せたジャック・ベスグローブ。8回表に自ら先制タイムリーを放ち(満塁の走者を一掃、3点を先制、そこで『勝ちを確信』した感があった……)を見る限り、ジャック・ベスグローブに「一瞬の気の緩み」が生じたことは確かである。いや、むしろ、終盤まで「ほぼライズボールで押してくる」シンプルな投球内容を振り返れば……日本は「まだ、舐められている」のかもしれない。
相手の「油断・慢心につけ込む」のは有効な策ではあるが、これがジャック・ベスグローブの ″真の姿″ とは、まだ思わないほうがいい。
延長9回・1点差の大接戦を演じたことを評価するよりも、「3安打・20三振」このウィークポイントの改善に矢印を向けること。「次戦では必ず勝利する!」その大金星を実現させるための「周到な準備」に取りかからなければならない。
●文・写真
男子U23日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)