公益財団法人日本ソフトボール協会

〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町4番2号 Japan Sport Olympic Square
日本ソフトボール協会 TEL.03-5843-0480 FAX.03-5843-0485

公益財団法人
日本ソフトボール協会

ニュース

ニュース その他競技部門

令和7年度全国審判員・記録員中央研修会を開催!

「令和7年度 全国審判員・記録員中央研修会が愛知県刈谷市で開催された

研修会・開講式で主催者を代表し、挨拶する(公財)日本ソフトボール協会・西常務理事

長年、この研修会を開催してくれている愛知県協会・亀田理事長が歓迎の言葉を述べた

審判員・記録員合同でガバナンス・コンプライアンス研修

2026年のルール改正点を審判員・記録員が一緒に研修

「審判の部」の研修で挨拶する神谷審判ルール委員長

「審判の部」待望久しかった「オフィシャル ソフトボールルール ケースブック」改訂第7版がこの研修会でお披露目された

「記録の部」研修のテーマを説明する遠藤記録委員長

「記録の部」公式記録員の「原点」に立ち返る研修となった

「審判の部」実技研修では「仮想ストライクゾーン」が立体的に再現され、ストライクゾーンを確認

「審判の部」厳しい寒さの中、愛知県下のチームの協力も得て、実戦を想定した実技研修が行われた

「記録の部」スコアカードの記帳・点検といった公式記録員の「原点」となる業務の研修に時間が割かれた

「記録の部」より正確で間違いのない「公式記録」を残すため、「声」を出しプレイ、確認しながらスコアカードを記帳していく研修が実施された

「閉講式」で挨拶する(公財)日本ソフトボール協会・岡本専務理事兼事務局長

「審判の部」研修参加者全員で記念撮影

「記録の部」研修参加者全員で記念撮影
※画像はクリックで拡大表示されます

令和7年度 全国審判員・記録員中央研修会

 「球春」を告げる「全国審判員・記録員中央研修会」が2月6日(金)〜8日(日)の3日間、愛知県刈谷市で開催された。
 この「全国審判員・記録員中央研修会」には、全国47都道府県協会の審判委員長・記録委員長、またはそれに準ずる「指導的役割」を担う審判員・記録員が集結。来るべき「新たなシーズン」に向け、ルール改正点や審判委員会、記録委員会に関する「競技者必携」の改訂・修正点等を研修した。

●研修会初日/2月6日(金)●
【開講式】

 研修会、初日(2月6日/金)、愛知県刈谷市・刈谷市産業振興センターを会場に「開講式」が行われ、まず主催者を代表して、(公財)日本ソフトボール協会・西康弘常務理事(事業運営本部長)が挨拶に立ち、「この研修会に参加する皆さんは各都道府県支部協会の『指導的役割』を担う審判員・記録員の皆さんであり、各都道府県の審判員・記録員を引っ張っていく『リーダー』である。ここで研修したことをしっかりと各ブロック、各都道府県支部、市町村に至るまで、間違いのない内容を伝達し、各都道府県がここで示される『統一見解』『委員会方針』に則り、同じ目線、同じ歩幅で、歩んでいけるよう実りある研修にしてほしい」と期待を込めて激励した。
 また、「今回は数年に一度の厳しい寒波の中での研修となるが、シーズンが始まれば、昨シーズン同様、酷暑・猛暑の中での大会運営が予想される。個々が健康管理、体調管理に努めると同時に、『仲間』の様子にも気を配り、皆で力を合わせ、シーズンを乗り切っていってほしい」と、このところ毎年のように襲来する「酷暑」「猛暑」を想定した「暑熱対策」「熱中症予防」を含めた健康管理・体調管理にも言及した。

 続いて、この「全国審判員記録員中央研修会」の開催を引き受け、主管してくださっている愛知県協会・亀田正隆理事長が登壇し、「この全国審判員・記録員中央研修会を愛知県で開催するようになり、15年(刈谷市で開催するようになって14年)もの月日を重ねてきた。この研修会を実りあるものとするために、愛知県協会、刈谷市連盟総力を挙げてサポートしていきたいと考えている」と全面的なバックアップを約束してくれたが、「2年に一度の隔年開催になったとはいえ、この研修会の開催には準備段階から大変な労力が必要になる。それでも皆さんに喜んで帰ってもらえること、いい研修ができたといってもらえることが何よりのやり甲斐であり、次も愛知県でこの研修会が開催されるのであれば、よりよいものとできるよう努力していきたい」と開催地の苦労を忍ばせながらも歓迎の言葉を述べた。

【審判の部・記録の部合同研修】

 この後、研修会は本格的な研修内容に入り、まずは審判委員会・記録委員会合同で「ガバナンス・コンプライアンス研修」を実施。(公財)日本ソフトボール協会の大嶽雄輝顧問弁護士を講師として研修が進められた。
 ここでは「中央競技団体」(NF)として(公財)日本ソフトボール協会の「公認審判員」「公式記録員」がどのように位置づけられ、どれほどの責任・使命を負っているのかが改めて研修され、何か不祥事があれば、その「日本ソフトボール協会公認審判員」「日本ソフトボール協会公式記録員」の肩書とともに報道されてしまうこと、組織の一員として、そのようなことが起こった場合、「ソフトボール」という競技・スポーツにとって、大きなマイナスとなり、その競技・スポーツにとって大きなイメージダウンにつながり、多くのステークホルダー(企業・組織の活動において直接・間接的に利害関係(影響)を持つ人や組織のこと(利害関係者)。株主、従業員、顧客、取引先などの直接的な関係者に加え、地域社会、行政、金融機関なども含まれる)に大きな損失を与えることになる「責任の重さ」を伴う「立場」にあることが改めて強調され、位置づけられていることが改めて強調され、自覚を促すとともに、それぞれの言動や行動に「責任を持つ」こと、社会的な影響力を考慮・自覚し、自らの言動・行動を律していくこと、ガバナンス・コンプライアンスに関するリテラシーを持つことの大切さ、重要性を研修参加者全員で再確認する機会となり、それぞれが置かれた立場の「重さ」を再認識する機会ともなった。

 続いて、(公財)日本ソフトボール協会審判ルール委員会・神谷和宏委員長、同記録委員会・遠藤正人委員長により、「2026オフィシャル ソフトボールルール」の改正点の研修が行われた。
 まず神谷審判ルール委員長が「2026オフィシャル ソフトボールルール」の「まえがき」を引用する形でルール改正点の概要を説明。2026年はWBSC(世界野球ソフトボール連盟)の4年に一度の国際ルール改正年にあたっていたものの、すぐにそのルール改正をJSAルール(国内ルール)に導入するのではなく、年明け1月5日に公表された国際ルールの改正内容をどのような形でJSAルール(国内ルール)に反映させていくかを慎重に協議・検討し、WBSC主催のワールドカップ等でのルール適用・運用を実際に確認・検証した上で、次年度以降、JSAルール(国内ルール)の改正を進めていく方針であることが説明された。
 その上で、プレイヤーの「安全面」を考慮した出血を伴わない頭部外傷への「代替プレイヤー」の適用範囲拡大の継続、投手・野手の「フェイスマスク」着用の明文化、試合のスピードアップへの取り組み、新たに「ゴムボール種別」で採用され、使用が開始される「新意匠ゴムボール」に関連するルール改正等の概要が説明された。
 これに続き、遠藤記録委員長が今度はそのルール改正点を資料に基づき、一つひとつ確認。何がどう変わったのか、前年までと比較しながら詳細な説明・解説を行った。

【審判の部】

 この後、研修会は「審判の部」「記録の部」に分かれての研修となり、「審判の部」の研修は、神谷委員長が改めてルール改正点・修正点、その具体的な適用について解説。次に水野直輝副委員長が講師を務め、「競技者必携」の改訂点・修正点を確認。ルール、必携ともに、大きな改正点、改訂・修正点はないことが報告された。

 続いて、足袋抜豊松副委員長が講師となり、「審判実務について」の研修。翌日の「実技研修」へ向け、「試合のスピードアップ」、「打者走者の防具の取り外し」、「基本動作の確認」(球審の構え)、「三振振り逃げのゼスチュアと動きについて」を重点項目とし、研修が進められた。
 また、ここで研修する内容は(公財)日本ソフトボール協会として「機関決定」したものであり、勝手に個人の解釈・見解や意見を付け加えたり、修正を加えたりすることはできないものであることが説明された。
 「試合のスピードアップ」については、試合の長時間化が問題となっている「日本男子ソフトボールリーグ」での試合進行において、「二塁塁審もしくは副審」がストップウォッチで投球間隔を計時。捕手が投球を捕球してから25秒以内に投球を行わなかった場合には「クロックバイオレーション」を適用し、「ペナルティワンボール」とすることが確認・研修された。
 また、イニング間の攻守交代についても、攻撃終了となる「第3アウト」から「1分間」で次のイニングを始めるルールを遵守するため、1分間の目安となるBGM(音楽)を流し、45秒が経過したところで音楽を止め、その時点で準備投球は「残り1球」とすることの徹底が求められた。
 これらに付随し、選手間の打ち合わせは1イニング1回とすること、内野手のボール回しもできる限り円滑にスピーディーに行うこと等、試合のスピードアップにつなげるべく徹底が図られた。

 「打者走者の防具の取り外し」については、打者が自打球・死球等から身を守るために着用している「アームガード」(肘あて)、「フットガード」(打者用プロテクター)を、四死球等で出塁し、一塁に達する前に取り外す場合は、プレイが行われていないことを確認して「タイム」を宣告し、打者走者はその場で防具を取り外して自チームの選手に渡し、一塁に達するのを確認したら「プレイ」を宣告。安打で出塁した場合は、プレイが一段落していることを確認し、「タイム」を宣告。塁上で防具を取り外し、自チームの選手がその防具を取りに行き、取りに行った選手がフェア地域を離れたのを確認して「プレイ」をかける。
 以上が改めて確認され、徹底していくこととなった。

 「基本動作の確認」(球審の構え)については、全国の大会を視察すると、地域ごと、都道府県ごとにバラつきがあり、「競技者必携」に掲載されている基本動作を再度徹底してほしいと強く求め、「オフィシャルソフトボールルール ケースブック」改訂第7版には、この「基本動作の確認」(球審の構え)の「動画」が掲載されていることも紹介。そこには投球、ファウルチップから身を守るための「応用編」の動画も掲載されており、それらを活用して研修を進めることが推奨された。
 また、これに関連し、「競技者必携」の基本動作の「イラスト」を「写真」に差し替え、従前以上に「基本動作の確認」を見やすく、分かりやすくする変更を加えていることも紹介・説明された。

 「三振振り逃げのゼスチュアと動きについて」も、同じく「オフィシャル ソフトボールルール ケースブック」改訂第7版に「動画」が掲載されていることが紹介され、すでにJDリーグ・日本女子ソフトボールリーグ担当審判員」が先行導入していた「三振振り逃げのゼスチュアと動き」についても研修を進め、全国の審判員に広め、実践していくことになった。

 この後、待望久しかった「オフィシャル ソフトボールルール ケースブック」改訂第7版について、本書の改訂作業を行った佐藤和哉委員から、その内容が紹介・説明された。「オフィシャル ソフトボールルール ケースブック」改訂第7版では、新たに「動画」17本が導入され、スマホでQRコードを読み込めば、関連する動画を見ることができ、新設問題も23題掲載。新設問題は一目でわかるよう枠で囲み、従前の問題についても、設問の状況やどのようなルール適用とし、何を基準に進塁させ、帰塁させるのか、あるいは試合再開の状況はどうすべきか等、より具体的に、より明確に、理解できるよう解説が加えられ、充実の内容となっていることが力説され、「審判員必携の書」として手元に置き、熟読することが勧められた。

 最後に、神谷委員長が昨シーズンの大会を振り返り、総括。より円滑な大会運営をめざし、ともに努力していくことを誓って「審判の部」初日の研修を終了した。

【記録の部】

 「記録の部」初日の研修は、講師となる記録委員会の委員が紹介された後、遠藤記録委員長が挨拶に立ち、「今回の研修では『公式記録員の原点』に立ち返る研修を行いたいと思っている。『原点』とは何ぞや……ということについては、各研修項目の際に説明していく。この研修会は、単なる研修会ではなく、『伝達研修会』である。ここで研修した内容を各都道府県に持ち帰り、間違いなく伝えてほしい」と、この研修会の趣旨を改めて全員で確認した。

 この後、「競技者必携」の改訂・修正点についての研修が、安東文雄副委員長を講師として行われ、「公式記録員規程」の第2条(公式記録員の種別と任務)3において、「日本女子ソフトボールリーグ」「JDリーグ」を除く、「全国大会」(全日本大会)で、支部記録委員長が認めた場合のみではあるものの、「第2種公式記録員」であっても全国大会の記録業務に携われるようになった。
 これは全国的に公式記録員の登録数が減少傾向にあり、全国大会開催時に第1種公式記録員だけで大会の記録業務を担い、円滑に大会を運営することが難しい現状にあることを考慮した規程改正・緩和措置である。
 また、同規程第8条(認定会参加資格)においても、第1種公式記録員認定会、第2種公式記録員認定会への参加資格が、「資格取得から1年以上経過」のところに「応答月以上」の文言を追加し、「認定会参加にあと1日足りない」といったことを防ぎ、参加資格を緩和する方向での修正が行われた。
 その他は、「3.公式記録員手引」のP150〜P155が例年通り、最新の大会のものに差し替えられていることが報告・説明された。

 続いて、遠藤記録委員長が昨シーズンの大会を振り返り、各大会に派遣された記録員からの報告で取り上げられた「課題」「問題点」に言及。現状の問題点を把握すると同時に、それらの「課題」や「問題点」をいかに克服していくか、今後の取り組みについて研修が進められた。
 また、「打順表提出後の選手交代について」スターティングプレイヤーは、試合開始30分前に、チームから打順表が提出され、審判員・公式記録員によって確認されたとき、公式のものとなる、これはルール4―4項1に明記されており、この時点でスターティングプレイヤーが確定。同4―4項2に、「突発的なケガや急病」の場合のみ、試合開始前の審判員と監督との打ち合わせ(打順表の最終確認時)に、他のプレイヤーと交代することができ、交代したプレイヤーがスターティングプレイヤーとなる、と明記されていることから、それ以外の理由での交代は、打順表の最終確認の際、選手交代を申し出ても「スターティングプレイヤーの変更」ではなく、「通常の選手交代」となる(「競技者必携」P39:審判委員会申し合わせ事項5.(ウ)参照)。
 また、打順表の最終確認時にDPがFPの守備を兼務する選手交代は可能だが、この場合も「スターティングプレイヤーの変更」ではなく、「通常の選手交代」となる(「競技者必携」P40:審判委員会申し合わせ事項5.(4)①参照)ことも併せて再確認された。

 次に、本部享副委員長が講師となり、「記録委員会統一事項」を確認。基本的な内容に変更はないが、(10)打球等への「発声」を心掛け、プレイに対する正しい記録を残すこと。(11)記録帳票(特に3号、4号)の提供には間違いやモレが無いよう事前に点検を行うこと。以上の2点が強調され、(10)はまさに公式記録員の「原点回帰」、今回の研修の「テーマ」であり、正しい記録を残すために「公式記録員」として「できること」「やらなければならないこと」は何かが改めて問われ、(11)は報道関係、各種メディアに提供され、新聞報道等に使われることから、より慎重に対応し、せっかくの「公式記録」が「間違ったもの」として世間一般に広まってしまうようなことのないよう注意が促された。
 また、この中で、公式記録員の増員についても言及し、その「入口」となる第3種公式記録員には「公式記録を残すことの意味・大切さ」を伝えると同時に、その「楽しさ」「面白さ」を知ってもらい、共感してもらえるような指導を心がけてほしいとの話もあった。

 「記録の部」初日、最後を締めくくる研修は「グループ討議」。昨シーズン、実際に起こったDP、FP、OPOの兼務、兼務解除の絡む選手交代事例を題材に、ブロックごとに分かれて事例検証と意見交換を行い、最終的に記録委員会としての「統一見解」を導き出し、初日の研修を終了した。

●研修会2日目/2月7日(土)●
【審判の部】

 「審判の部」2日目の研修は場所を双葉グラウンドに移し、「実技研修」。凍てつく寒さの中での研修となったが、唐橋仁委員が先頭に立ち、「ウォーミングアップ」を行い、身体を温め、ほぐした後、中島健二委員を講師に「基本動作」の確認。グラウンド中に「ストライク」「ボール」「アウト」「セーフ」の大きな声が響きわたり、その「基本動作」一つひとつを全員で再確認していった。

 続いて、渡瀬達生委員を中心に「ストライクゾーン」を確認。ベース上に5角柱の「仮想ストライクゾーン」を立体的に再現する「秘密兵器」、このための「研修器具」が用意され、そのどこを通過すれば「ストライク」になるのかを全員で検証・確認。その後、県下の日本男子ソフトボールリーグ所属チーム、大学生・高校生のチームの協力を得て、実際にピッチャーが投げるボールを一球一球見極め、「ストライク」「ボール」を判定。日本全国どこへ行っても、どの審判員が判定しても「ストライクゾーン」が統一されるよう研修に力が注がれた。
 また、神谷委員長から「イリーガルピッチの判定基準」についても説明・確認があり、このところの男子、女子の国際大会でのルール適用・判定基準の検証を進めてきた結果、その適用状況を見る限り、正しく投手板から投球をスタートさせていれば、一連の投球動作の中で、いわゆる「投手板の踏み替え」を行い、軸足が投手板から離れ、瞬間的に宙に浮いたり、投手板後方にズレたりしたとしても「イリーガルピッチ」とはみなさず、「合法的な投球動作」とされている国際的なルール適用の動向も紹介された。

 次に、球審、一塁塁審の「実務指導の要点」の研修が、球審は渡瀬委員、一塁塁審は遠藤裕美委員、二塁塁審は松本雄二委員、三塁塁審は各務敏委員が中心となり、進められた。
 球審では、従前「基本」とされてきた「左手を前にして両手を組む」という形でなく、膝の裏に両手を隠す形や両手の指を握りこんで保護する「安全性重視」の「応用編」の指導にも時間が割かれた。この「応用編」は「オフィシャルソフトボールルール ケースブック」改訂第7版の「動画」でも紹介・解説されている。
 一塁塁審では「競技者必携」で修正された判定位置の確認が行われ、二塁塁審、三塁塁審においても各塁における「実務指導の要点」が説明され、伝達の際、必要となる指導上の要点が詳細に解説された。

 午後はローテーションの実技研修。「競技者必携」に掲載されているローテーションのイラストに基づき、それぞれの動きを確認。厳冬のグラウンドを必死に駆け回った。各都道府県では「指導的立場」にあり、後進の指導にあたる機会が増え、自分自身が実際にグラウンドに立つ機会が少なくなっていることもあり、このローテーションの研修では「悪戦苦闘」する姿も見られたが、徐々に「往年の勘」を取り戻し、「さすが!」の動きを見せる場面も……。自分自身が実際に動く中で、何を、どう指導すればいいか、その指導のポイントをつかもうと懸命の研修が続けられていた。

【記録の部】

 「記録の部」2日目の研修は、「スコアカードの点検に関する留意点」の研修でスター卜。福田律子委員、鈴木豊委員を中心に、スコアカードの点検を行う上で、注意すべき点、誤りやすい、見落としやすい「ポイント」が列挙され、全員で一つひとつ確認していった。

 その上で、テスト形式で実際にスコアカードを点検。50分の制限時間が設けられ、その時間内に点検を済ませ、「完璧」なスコアカードが仕上げられるかの「試験」が行われた。
 また、今回のスコアカードの点検「試験」は、研修生だけでなく、講師を務めた記録委員会のメンバーも参加。制限時間は研修生の制限時間・50分より10分短い40分に設定され、「試験」に挑むことになった。
 結果は……この日の研修の最後にスコアカードが採点され、戻されることになり、研修生のみならず、講師の面々も緊張の面持ちでその結果を待つこととなった。

 この日の午後は、スコアカードの記帳の研修。下村征二委員、宮堂正博委員を中心に、実際の試合映像を見ながらスコアカードを記帳していった。ただ……この記帳の内容は第3種公式記録員のスコアカード記帳の「練習」に使われるようなもの。複雑な選手交代や判断の難しいプレイがあるわけではない。ここでのテーマは「発声」。実際の試合映像を見ながら「ストライク」、「ボール」、「5 — 3」(サードゴロで一塁アウト)、「レフトフライ」等、一球一球、一つひとつのプレイに対し、「声」を出すことが求められた。
 それがこの研修の「テーマ」でありながら、恥ずかしさからか遠慮からか、当初はなかなか「声」が聞こえず、遠藤委員長がたまりかねて個々にマイクを差し出す場面も……。
 この研修を踏まえ、再度、試合の映像を流し、研修。今度は記帳者、補助者の役割を決め、その役割を入れ替えながら何度も「発声」しながらスコアカードを記帳していった。
 まず試合を、グラウンド上で起こるプレイを注視し、そのプレイを「声」を出して確認し、記帳していく。公式記録員の「原点」にこだわり、立ち返る研修が繰り返された。

 最後に、各ブロック長から「スコアカードの点検」の試験結果が各自にフィードバックされ、その回答・正解については、最終日の研修で検証・確認することとし、2日目の研修を終了した。

●研修会最終日/2月8日(日)●
【審判の部】

 「審判の部」最終日の研修は、「ルール・必携に関する質疑応答」の研修から始まり、まず神谷委員長が「試合のスピードアップ」、「打者走者の防具の取り外し」、「基本動作の確認」(球審の構え)、「三振振り逃げのゼスチュアと動きについて」の実施内容・伝達内容を再確認。
 その中で、「20秒ルール(実際の適用・運用の際は25秒になる)を適用する際、『投球動作に入った』と判断するのはどの時点か」「試合前の用具点検はどこまでやれば良いのか。各都道府県によって対応が異なる場面もあり、統一できないか」「指導者資格の本人確認書類で、運転免許証ですでに更新され、期限が切れ、無効となっているものに穴を開け、記念に持ち帰らせてくれたものを持ってきたケースがあった。その場合でも住所・氏名・生年月日が確認できればいいのか」といった質問が出され、「投球動作に入ったと判断されるのは、両手を合わせて完全停止後、球をグラブから離したとき」「用具点検はその試合で使用するバット、ヘルメット、捕手用プロテクター・レガース、マスク等、検定マークの有無や安全性を確認し、ロジンについても、チームが用意したものについては確認を行う」「指導者資格の確認は、指導者資格を有しているか、その資格保有期限を過ぎていないかの確認が第一義であり、本人確認書類については本人であることが証明・確認できると判断されたものであれば問題ない」との回答があった。

 また、「競技者必携」については、水野副委員長から「追いタッチになると判断されるようなプレイのときには、『競技者必携』に掲載されているローテーションの図の位置にこだわらず、『見える位置』『正しく判定できる位置』をとることが大切である」と、前日の実技研修に対する補足説明があり、「競技者必携」に掲載されている内容に忠実に、基礎・基本を守りながら実践する中でも、時と場合によっては、それ以上に優先すべき事柄が生じる場合、「応用」が必要となるケースもあることが説明された。
 併せて、「JDリーグ・日本女子リーグ担当審判員」選考会に各都道府県から推薦される審判員の人選についても触れ、「運よく選考会を通過し、リーグを担当していく中で『育ててもらおう』というような期待値込み、将来性込みの人選ではなく、これまでの成果を選考会で出し、見事、リーグの舞台を勝ち獲ってこい! というような誰が見ても、どこから見ても『リーグ審判員』にふさわしい人材を送り出してほしい。私たちも精一杯指導し、成長は期待しているが、それだけの資質を有した人材でないと指導にも『限界』がある。まずは各都道府県で自信を持って送り出せるだけの水準まで指導・育成してほしい」と、リーグ担当審判員選考会の「実状」が報告され、その人選・推薦に関する「強い要望」が出された。

 続いて、小牧司副委員長から「低コスト」「少人数」でも指導可能な「審判員育成に関する指導資料」が提示され、今回の研修会のように大がかりなものでなくても、審判員2〜3人、4〜5人で実現可能な研修方法が紹介された。「ピッチャーが投げるボールを実際に判定しなくては」「チームの協力がなければ研修会が実現できない」「広いグラウンドや体育館を借りなければ研修できない」といった既成概念、固定観念にとらわれることなく、新たな視点と柔軟な発想で研修を進めていくことも可能であることが示された。

 真鍋朗委員と岡野秀子委員からは女性審判員の育成へ向けた提言があり、かつて実施・開催されていた「女性審判員研修会」の再開・復活へ向けた動きやジェンダーフリーが進む現状をしっかりと認識・把握しながらも「女性ならでは」の問題にも取り組み、「女性ならでは」の発想を取り入れていくこと、体力差・体格差を考慮した上での育成・養成方法、複数人のグループ・仲間を作って育成していく方法論等、興味深い提案がなされた。
 併せて、各ブロックの「女性リーダー」の皆さんが紹介され、今後この活動をさらに活発化させていくと同時に、ブロックのみにとどまらず、各都道府県でも「女性リーダー」を発掘・育成し、審判員の増員につなげ、組織全体を活性化させていくことをめざす展望が語られ、共有された。

 これに続いて、足袋抜副委員長が「地区別研修会」における徹底事項を最終確認。この研修会での伝達内容は「機関決定」されたものであり、個人の勝手な解釈や見解、意見を付け加えることなく、しっかりと伝達を行うよう改めて強く要請された。

 最後に、神谷委員長が研修会を総括。3日間にわたる研修の全日程を終了した。

【記録の部】

 「記録の部」最終日の研修は、「スコアカードの点検の確認」で始まり、試験結果を振り返りながら、誤りやすいポイント、見落としがちな箇所等について説明・解説し、どうすればそれを防ぐことができるか、改めて研修・確認を行った。

 続いて、八木美代子委員が「国際大会の派遣報告」を行い、昨年、中国・成都で開催された「ワールドゲームズ」の様子を大会期間滞在中の宿舍や食事といった日常生活から国際大会における記録員の業務等に至るまで、細かく、丁寧に紹介した。
 また、今後は国際大会派遣の記録員は「ライセンス制」となる見込みであり、そのための人材育成も必要になってくるとの報告がなされた。

 最後に、遠藤記録委員長が3日間にわたる研修会を総括し、「記録の部」の研修は全日程を終えた。

【閉講式】

 「閉講式」では、(公財)日本ソフトボール協会・岡本友章専務理事兼事務局長が「3日間にわたる研修お疲れ様でした。ここでの研修会での内容を、各ブロック、各都道府県へと持ち帰り、しっかりと間違いなく伝達していただくことをお願いし、新たに始まるシーズンでの審判員・記録員の皆さんのさらなるご活躍を祈念し、それぞれの地区・都道府県での審判員・記録員の増員に向けた取り組みにも期待しています。また、この研修会を長年開催してくださっている愛知県協会、刈谷市連盟の多大なるご尽力に心より感謝申し上げます」と主催者を代表し、挨拶。

 最後に研修生を代表し、令和8年度の国民スポーツ大会開催地である青森県・安斉正美審判長が謝辞を述べ、3日間にわたる「全国審判員・記録員中央研修会」の全日程を終了した。

PageTop