
ソフトボールコーチ「有資格者35名」が参加。
第2回目となる「プレミアムサミット」を開催!
本サミットの「開催趣旨」を再確認し、想いを述べた
ファシリテーター・柳田信也 氏(日ソ協指導者委員)
招待講演①のパネリスト/恩塚 亨 氏
招待講演②のパネリスト/菊原 伸郎 氏
最後に、各々の ″コーチングメソッド″ を創成・共有。
「大局的な視点」でソフトボールをとらえ、前進する!
自己研鑽を重ねることを惜しまず、「成長」し続けて !!
去る1月25日(日)、東京都新宿区/日本青年館ホテルを会場に「ソフトボールコーチ プレミアムサミット」が開催された。
本サミットは昨年(2025年)に続き「2度目」の開催。今回は参加者の枠を「ソフトボールコーチ3以上」から「すべてのソフトボールコーチ:有資格者」(※日本スポーツ協会公認ソフトボールスタートコーチ、コーチ1、コーチ2、コーチ3、コーチ4のいずれかの指導者資格を有する者であれば参加可能)に広げ、ソフトボール指導者間における情報共有は当然のことながら、「他競技に学ぶ」をよりクローズアップ。バスケットボール、サッカーのトップコーチを招き、講演・ディスカッションを展開、研鑽を重ねた。
冒頭では、今回「ファシリテーター」を務めた(公財)日本ソフトボール協会指導者委員会・柳田信也 委員がサミットの開催趣旨を改めて確認。
【開催趣旨】▼
「日本ソフトボール協会では、競技種別のみならず、学生種別や生涯種別においても『公認指導者資格の取得・運用』を広く制度化し、ソフトボールコーチの質の向上に努めてきた。一方で、この施策は資格の取得自体を目的とするものではなく、グッドコーチ育成の一手段となるべきものであり、取得後の自己研鑽や切磋琢磨によって成長し続けることを忘れてはならないと考える。本サミットは、ソフトボールコーチのコーチングスキル向上と情報共有を目的として、ソフトボールトップスタッフや他競技のトップコーチとのディスカッションを展開し、ソフトボールの普及・発展に寄与することができるコーチの育成をめざして開催するものである」
の内容に加え、「男女の性別やカテゴリー、競技レベル等の垣根にとらわれることなく、『もっと大局的な視点で』ソフトボールというスポーツを見つめ、その中にある指導者の意義・役割、そして『未来』を考えていく」ことの重要性が熱く語られ、この後早速、2名の招待講演へと入った。
イベントⅠ:招待講演①
私のコーチングメソッド『恩塚メソッド ワクワクが最強』
パネリスト:恩塚 亨(おんづか・とおる)氏
東京医療保健大学特任教授 女子バスケットボール部ヘッドコーチ
元・バスケットボール女子日本代表ヘッドコーチ
現在、「東京医療保健大学 女子バスケットボール部ヘッドコーチ」であり、昨年12月の全日本大学選手権(インカレ)では3年ぶり7回目の王座返り咲き。2021年に開催された「東京オリンピック」でトム・ホーバス ヘッドコーチのもとアシスタントコーチを務め、バスケットボール女子日本代表チームの「快進撃」「銀メダル獲得」に貢献。2024年パリオリンピックでは同チームのヘッドコーチとして ″日の丸″ を背負い、戦った経歴を持つ「恩塚 亨」氏が、「恩塚メソッド ワクワクが最強」と題し、講演。
まず、自らの主戦場である「大学女子バスケットボール」のカテゴリーにおいて、2025シーズン「関東トーナメント・新人戦・新人インカレ・リーグ戦・インカレ」の「5冠」を達成できたことを嬉しく、誇らしく思い、その偉業を成し遂げた背景には「選手たちの日々の積み上げ」「スタッフの献身的なサポート」「たくさんの方々のご支援・ご声援」があった……と現時点の心境を語り、本題のコーチングメソッドへ。
「『困難を面白がる』マインド、そして力を持つこと。これは私が常に選手たちへ求めていることです。コーチングにおける言葉ってすごく大事で、 ″楽しもう″ より ″面白がろう″ と伝える。似た言葉ですが、 ″楽しむ″ より ″面白がる″ のほうが感覚をつかみやすいのではないかと。相手も必死にやってきて、自分たちも必死に戦うからこそどんどん面白くなってくるという、グロウスパッション(何事もやっていくうちに情熱が湧いてくる)的なイメージです。困難な状況が来たとき『よし、来た来た!』と思えるようなマインド、それこそ『SLAM DUNK』の仙道が言う『おもしれぇ……!』の精神。そういう前向きな姿勢がパフォーマンスにも出ると考えています」。
「ネガティブな状況と対峙したとき、その対応を誤ることこそ、最も良くないことです。成し遂げたいことに対して信念を持って、ネガティブな状況下でも、いかにぶれずにやれるかが勝負。良いプレーをすることや活躍することが勝利には必要だと思われがちですが、それ以上に、悪い状況を悪化させない、ネガティブな状況にも踏み止まって脱落しないことが必要です。そのときカギになるのが『ぶれないマインド』。何よりも優先すべき、勝利を求めるマインドです」。
「本当に勝ちたいのなら、自然と状況の改善に集中するもの。最近は、しきりに ″勝利至上主義ではなく成長至上主義だ″ とか ″勝つこと以上に大切なことがある″ と唱えられますが……私はすごく違和感があります。要するに『それって、終わってから言えばいいのでは?』と思うのです。もちろん成長は大事ですが、戦う前から ″勝利より成長だ″ と開き直ってしまっては、結局どこに向かっているのか分からなくなりませんか?? 勝利を本気で求めて全力を尽くした上で、後から振り返ったら成長が付いてきた、というのが『真の成長』なのではないかと考えます」等、次々に想い・考えが述べられ、最後に「勝利を本気で追い求めることで得られるのは、『困難を面白がる力』とか『何とかする力』です。試合というのは状況がランダムで起こりますから、その時々のチャンスやピンチに反応して『何とかする力』が勝つためには必要。そういう力は ″勝利より成長だ″ と考えていたら、なかなか引き出せません。やっぱり選手が本気で勝ちたいからこそ、自然と『何とかする力』が生まれて発揮される。『勝ちたい気持ち』って、シンプルですが、一番の本質だと思います!」と自身が貫くコーチング哲学を締めくくった。
イベントⅡ:招待講演②
私のコーチングメソッド『菊原メソッド ″4+1″ 』
パネリスト:菊原 伸郎(きくはら・のぶお)氏
埼玉大学准教授 サッカー部監督
読売サッカークラブジュニアユース、神奈川県立相模原高等学校、筑波大学を経て、1994年に浦和レッドダイヤモンズに選手として入団。現役引退後、サッカーを中心とした球技(ボールゲーム)のコーチング法や指導法を学び、確立し、現在は「埼玉大学 教育学部准教授」として専門分野の研究と教鞭をとりながら、サッカー部を指導する「菊原 伸郎」氏は、「菊原メソッド ″4+1″ 」と題し、講演。
クラブのジュニアユースや高校および大学の部活動にて「サッカー」を続け、卒業後「プロサッカー選手」として短い期間ながらもピッチに立ちプレーできたこと、大学時代には当時から「世界トップレベル」にあったドイツへの「サッカー留学」を経験したこと等、自らの選手時代を振り返りながら、現時点の、そして未来へ向けた「研究・取り組み」を紹介。
「私はコーチングの信念として、プレイヤー(=仕事人)が『己』に気づき、『高み』をめざし、自身で『道程』を探れるように、専門的・技術的・精神的なバックアップをしながら、ともに歩みを進めることを掲げています。これはプレイヤーが自分の心身の特徴を客観視できるようになること、次に目的地を決め、道程を検討すること、そしてある種の試練とも言える道程を探る過程に、選手と指導者が向き合い、並走することを実践するよう心掛ることです」と本題に入ると、「サッカーの指導でよくキーワードに挙げられる ″認知・判断・実行″ をブラッシュアップさせ、「観る」「探す」「選ぶ」「試す」+「振り返り」から成る『4+1メソッド』を考案しました。私の専門である「サッカー」をはじめとするボールゲームや「囲碁」というマインドスポーツの指導法から派生し、思考・戦略・戦術を伴うすべての競技に活用できるものとなっています」と一見ベールに包まれた「菊原メソッドの中身」を公開・解説。
さらに「この『4+1メソッド』を体得することにより、思考回路が ″やらされる″ 受動型から ″自分で考え、判断 → 決断 → 実行する″ 能動型へと変化。めざすべきゴールや戦略・戦術が選手本人の意識の中で明確に描ければ、運動の技術や技能はおのずとスムーズに運ぶようになります」と続け、「コーチングは使い方の意識や心持を変えるだけで、学校教育や社会に求められる人材を育てることができる『有効なツール』となり得ます。なぜなら『4+1メソッド』の効果は、運動競技の技術やプレーの向上だけに留まらず、一人ひとりの精神性や人間力を磨くことができるからです。 ①強い意志を持って最後までやり遂げる『断行力』 ②何度もチャレンジして、『自分が納得する答え』を出せるようになる『たくましい思考力』 ③複数の事態を予測し、対応できるようになる『しなやかな適応力』 これらは一般的な ″テクニック論″ ではありません。今、学校や社会で『責任感・適応力・行動力』を鍛えることが急務とされています。これからも『4+1メソッド』というコーチング理論を積極的に指導現場で活用し、体育・スポーツのみならず、社会で活躍していく若者たちが、たくましく、しなやかな人間性を育み、人生を豊かに進んでいくことをサポートしていきます」と日頃抱く自らの想い・今後への決意も口にした。
イベントⅢ:スモールグループディスカッション
『 ″私のコーチングメソッド″ の創成と共有』
ファシリテーター:柳田 信也(やなぎた・しんや)氏
(公財)日本ソフトボール協会指導者委員会 委員
2名の講演を拝聴した後は、「ファシリテーター」柳田信也 氏が再び登壇。サミットの総まとめとして「 ″私のコーチングメソッド″ の創成と共有」をテーマに参加者35名をグループ分けし、ディスカッション。
各々がこのサミットで得た情報・知識を他者へ「アウトプット」し、意見を交わすことによって改めて「指導者の意義・役割・未来」を考えるとともに、「ソフトボールへの熱い想い」「コーチングメソッド」を創成・共有。 ″指導者資格を取得すること″ をゴールとするのではなく、常に「その先」を見据え、自己研鑽・切磋琢磨することを惜しまず、ソフトボールコーチとして成長し続けること。冒頭でも触れたように「より大局的な視点」(※物事を全体的にとらえ、長期的な影響や目的を見据える考え方)でソフトボールの普及・発展をとらえ、「具体的なアクション」に着手していくことを誓い合い、第2回目となる「ソフトボールコーチ プレミアムサミット」の幕を閉じた。