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北京オリンピック 第6日
中国・北京/豊台ソフトボール場(2008.8.17)


日本、ベネズエラに逆転勝ち
予選リーグ2位通過、メダルが確定!!



 8月17日(日)、昨日の中国戦に勝利し、通算成績を4勝1敗とした日本は、今日のベネズエラ戦に勝てば決勝トーナメント進出が決まる。また、ここまで3勝2敗の同率3位で並ぶ、カナダとオーストラリアの直接対決が第3試合に組まれており、ここでカナダがオーストラリアに敗れると、日本の予選リーグ2位通過が決定し、同時にメダルも確定することになる。
 日本にとって「非常に重要な一日」は、昨日の最終ゲームでカナダ相手に大金星を挙げ、勢いに乗るベネズエラと対戦することからはじまった。


8月17日(日)/予選リーグ第6戦

  
  1 2 3 4 5 6 7
 ベネズエラ 0 0 1 1 0 0 0 2
 日   本 0 0 0 1 4 0 5

(ベ)ゴメス(3回1/3)・●ボガド(1回)・カステラノス(1回)・ゴメス(2/3)
−ロドリゲス(6回)
(日)○坂井(7回)−乾(7回)
〔本塁打〕馬渕、山田(日)
〔二塁打〕シメメレ、アリカルト(ベ)佐藤、廣瀬(日)


 日本の先発は坂井。早くも今大会4試合目の登板となるベテランは初回、2回を三者凡退に打ち取り、上々の立ち上がりを見せた。しかし、3回表、一死から8番・リエラがファーストの頭上をワンバウンドで越える安打で出塁。送りバントで二死二塁となった後、1番・ソトが完全に詰まりながらも力で運ぶレフト前ポテンヒット。ベネズエラが先取点を挙げた。勢いづいたベネズエラは4回表、この回先頭の3番・フエンマヨルがパワーに任せて振り切ると、これがセンター前に落ちるポテンヒット。4番・ロハスが手堅く送り、二死後、6番・アリカルトが右中間を深々と破る二塁打を放ち、1点を追加。さらに7番・ ピメンテレがセンター前ヒット。「3点目か……」と思われたが、ここは「ソフトボール界のイチロー」の異名をとるセンター・山田の好返球で二塁走者の本塁突入を阻止。キャプテン・山田の「ビッグプレー」で試合の流れが変わった。
 日本はその裏、4番・馬渕が今大会第3号となるソロホームランを放ち、反撃の狼煙を上げると、5回裏には、一死一塁から3番・山田が起死回生の逆転ツーラン。「チームリーダー」の一振りで試合をひっくり返すと、5番・佐藤、7番・廣瀬にもタイムリーツーベースが飛び出し、この回一挙4点を挙げ、試合を決めた。
 苦しい試合だった。今大会抜群の安定感を誇っていた坂井が先に失点してしまうという予想外の展開。打線は相変わらず、チャンスを作りながら「もう一本」が出ないという今大会「お決まりの展開」に陥り、特に4回裏、馬渕のホームランで1点差に迫り、なお一死満塁と攻め立てた場面で、代打・伊藤、9番・藤本が凡退したときには、「またか……」と重苦しい雰囲気がスタジアムを支配した。さらに5回裏、1番・狩野がセンター前ヒットで出塁しながら、2番・西山がスリーバント失敗で送れず……と続いた嫌な流れを「キャプテン」の一振りで一掃。重苦しいな雰囲気をそのバットで切り裂き、チームを勝利へと導いた。
 課題がないわけではない。試合内容も褒められたものではない。しかし、それでも「結果」はついてきている。今日の第3試合のカナダ対オーストラリア戦でオーストラリアが4−0でカナダを破り、予選リーグの2位通過が決定し、「メダル」も確定した(ソフトボール独特のページシステムでは予選リーグを1位・2位で通過したチームは3位以下になることはない)。「結果」にこだわるオリンピックである以上、何より「勝つこと」が優先である。そして……完璧な試合運びができていなくても、勝つことができるということは、このチームの潜在能力の高さ、底力を証明しているともいえるだろう。やはり、アメリカに勝てる可能性があるチームは、日本以外にはないのだ。
 ただ……決勝トーナメントを見据えて、修正すべき点は修正することも必要だろう。なぜ打線がつながりを欠いているのか、失点の原因はどこにあったのか、それらをもう一度洗い出し、確認・修正しておく必要がある。
 特に、アメリカ相手の戦いはほんのわずかな隙も許されない。日本が考えるゲームプランを完璧に実行して、はじめて互角に戦える相手である。相手のペースで試合を進められてしまえば、この間のような「大敗」もあり得る。「世界一の投手」上野を中心に、アメリカの強力打線を封じ込み、「世界一の守備」で守り抜く、1点を争うロースコアに持ち込まない限り、日本に勝機はない。
 そのためにも、「ミス」は許されない。チャンスがあれば、「一発でモノにする」集中力が必要である。アテネからの4年間、積み上げてきたものを出すのは「今、このとき」しかない。

 
北京オリンピック 予選リーグ第6戦 ベネズエラ戦スターティングラインアップ

1番・ライト    狩野亜由美(豊田自動織機)
2番・ショート   西山  麗(日立ソフトウェア)
3番・センター   山田 恵里(日立ソフトウェア)
4番・レフト    馬渕 智子(日立ソフトウェア)
5番・ファースト  佐藤 理恵(レオパレス21)
6番・セカンド   三科 真澄(ルネサス高崎)
7番・サード    廣瀬  芽(太陽誘電)
8番・キャッチャー 乾  絵美(ルネサス高崎)
9番・DP     藤本 索子(レオパレス21)
DEFO/ピッチャー 坂井 寛子(太陽誘電)

※選手交代

4回裏 乾OUT→伊藤 幸子(トヨタ自動車)IN ※代打
5回表 伊藤OUT→乾  絵美(ルネサス高崎)IN ※キャッチャーにリエントリー



第29回オリンピック競技大会(2008/北京) ソフトボール競技 予選リーグ戦績表

予選リーグ第6日終了現在
(戦績表はその日の最終試合が終了次第、更新します)

チーム名 日本 アメリカ オースト
ラリア
中国 カナダ ベネズエラ 台湾 オランダ 順位
日本 ── ●0─7 ○4─3 ○3─0   ○5─2 ○2─1 ○3─0 5 1 2
アメリカ ○7─0 ── ○3─0   ○8─1 ○11─0 ○7─0 ○8─0 6 0 1
オーストラリア ●3─4 ●0─3 ── ○3─1 ○4─0   ○3─1 ○8─0 4 2 3
中国 ●0─3   ●1─3 ── ●0─1 ○7─1 ●1─2 ○10─2 2 4 5
カナダ   ●1─8 ●0─4 ○1─0 ── ●0─2 ○6─1 ○9─2 3 3 4
ベネズエラ ●2─5 ●0─11   ●1─7 ○2─0 ── ●0─3 ○8─0 2 4 5
台湾 ●1─2 ●0─7 ●1─3 ○2─1 ●1─6 ○3─0 ──   2 4 5
オランダ ●0─3 ●0─8 ●0─8 ●2─10 ●2─9 ●0─8   ── 0 6 8




 
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