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北京オリンピック 第2日
中国・北京/豊台ソフトボール場(2008.8.13)


日本、台湾に辛勝し、2勝目!


 8月13日(水)、昨日、予選リーグ前半戦の「山場」と目されたオーストラリア戦を4−3で競り勝ち、4年前のアテネオリンピックの「リベンジ」を果たした日本は、この日の第3試合で台湾と対戦した。


8月13日(水)/予選リーグ第2戦

  
  1 2 3 4 5 6 7
 日 本 0 0 0 1 1 0 0 2
 台 湾 0 0 0 0 0 0 1 1

(日)○坂井(7回)−乾(5回)・峰(2回)
(台)●頼(4回2/3)・闕(1回1/3)・呉(1回)−東(7回)
〔本塁打〕馬渕(日)


 先攻の日本は初回、2番・西山の四球、3番・山田のセンター前ヒット、5番・三科の故意四球(Intentional Walk)で二死満塁の先制機をつかんだが、6番・佐藤がファーストゴロ。ここで一本出れば一方的な展開にもなりかねなかったが、この絶好の先制機を逃したことが、試合の流れを決定づけてしまった。日本は3回表の一死二塁も3番・山田の会心の当たりがショート真正面のライナーとなり、ゲッツー。走者を得点圏に進めながら、先制点を奪えないストレスの溜まる試合展開が続いた。
 ようやく4回表、この回先頭の4番・馬渕が2試合連続となるホームランをレフトスタンドに叩き込み、先制。続く5回表にも、二死三塁から3番・山田が一・二塁間を鋭く破るタイムリーを放ち、2点目を挙げた。
 守っては、先発・坂井が安定感溢れるピッチングで台湾打線を封じ込み、最終回に1点を失ったものの、6安打1失点の完投勝ち。昨日に続き、1点差の接戦をモノにし、2勝目を挙げた。
 試合後、斎藤ヘッドコーチは、「台湾に勝ち、2勝目を挙げられてよかったと思っている。勝ったとはいえ、反省点もあり、特に好機にたたみかけるような攻撃ができず、集中打が出なかった。もっと得点できたと思うし、一人ひとりがつなぐ意識を持ち、さらに集中力を高めていけば、もう少し楽な試合展開にできたはずだが……」と、2勝目を挙げたことを喜びながらも、今後の戦いへ向け、気を引き締め直していた。
 完投勝利を挙げた坂井は、「奇しくも4年前と同じく、台湾戦が私にとっての開幕戦となり、前回の完封勝利のように、無失点でいければと思っていたのですが……。情けないピッチングで申し訳ありません」と、まず反省の言葉が口をついた。「投球内容的には本当にいいところがなくて……。ただ、内野ゴロを打たせ、ゲッツーで切り抜けるなど、ドロップを有効に使ったピッチングはできたと思う」と、試合を振り返った。また、「シドニーオリンピックの選考で最後の最後で漏れ、その悔しさを晴らしたい一心でつかんだのが4年前のアテネオリンピックの日本代表の座だったし、アテネは自分のために投げたオリンピックだった。今回は一度は現役を引退し、いろんな人のおかげや後押しで、今この場に立たせてもらっていると感じている。4年前に比べ、投手陣の中での自分自身の役割、比重も大きく重くなっているだけに、それに見合う働きをしっかりと果たしたいと思う」と、現在の心境を語った。
 キャプテンの山田は、「2試合を終え、ともに競った試合をモノにできたのは、チームにとってはプラスだと思う。ただ、今日のゲームに関しては、ヒットも多く、チャンスもあったにも関わらず、2点しか取れなかった。これから先の戦いを考えると、やはりチャンスは必ずモノにしていかなければならないし、自分が打線を引っ張り、ピッチャーを助けられるような試合をしたい」と、チームリーダーとして、打線の「核」として、自らを鼓舞する言葉で会見を締めくくった。
 4番・馬渕に2試合連続のホームランが飛び出し、この試合も9安打と決して打線が湿っているわけではないし、振れていないわけでもない。しかし、相変わらず、「試合の流れを決める一打」「勝負を決める1点」といった「詰め」の部分での厳しさを欠き、攻撃面での課題を克服できずにいる。また、相手に合わせてしまう「悪癖」も顔をのぞかせ、昨日のオーストラリア戦とは「別人」のような試合を展開してしまった。
 ただ、投手陣は安定しており、昨日、1イニングに2発被弾した上野も、この日の坂井も点差以上の「余裕」を感じたのは事実だ。終わってみれば1点差の辛勝だが、その得点差以上の落ち着き、余裕を感じる。負ける気はまったくしなかったし、追い詰められた感じもなかった。
 だが、日本が「世界一」をめざし、「金メダル」を狙うなら、あのアメリカに勝たなければならない。世界選手権6連覇、オリンピック3大会連続金メダル、まさに「史上最強の王者」の名にふさわしい、あのアメリカを倒さなければ、金メダルはないのだ。この北京オリンピックも「完璧」なまでに仕上げてきている。昨日はベネズエラにコールド勝ち。今日はオーストラリア相手に、エース・オスターマンがノーヒット・ノーラン。すべてにまったく隙はなく、死角はない。
 だとすれば……ここまでの勝利に満足するわけにはいかない。金メダルを手にするためには、打倒・アメリカを果たすためには、一つのミスも許されない。「パーフェクトな試合運び」。アメリカに勝つためには、間違いなく、それが要求される。

 
北京オリンピック 予選リーグ第2戦 台湾戦スターティングラインアップ

1番・ライト    狩野亜由美(豊田自動織機)
2番・ショート   西山  麗(日立ソフトウェア)
3番・センター   山田 恵里(日立ソフトウェア)
4番・レフト    馬渕 智子(日立ソフトウェア)
5番・セカンド   三科 真澄(ルネサス高崎)
6番・ファースト  佐藤 理恵(レオパレス21)
7番・サード    廣瀬  芽(太陽誘電)
8番・キャッチャー 乾  絵美(ルネサス高崎)
9番・DP     藤本 索子(レオパレス21)
DEFO/ピッチャー 坂井 寛子(太陽誘電)

※選手交代

6回表 乾OUT→峰  幸代(ルネサス高崎)IN ※代打
6回裏 代打・峰がそのままキャッチャーの守備に入る


第29回オリンピック競技大会(2008/北京) ソフトボール競技 予選リーグ戦績表

予選リーグ第2日終了現在

チーム名 日本 アメリカ オースト
ラリア
中国 カナダ ベネズエラ 台湾 オランダ 順位
日本 ──   ○4─3       ○2─1   2 0 1
アメリカ   ── ○3─0     ○11─0     2 0 1
オーストラリア ●3─4 ●0─3 ──           0 2 5
中国       ──   ○7─1   ○10─2 2 0 1
カナダ         ──   ○6─1 ○9─2 2 0 1
ベネズエラ   ●0─11   ●1─7   ──     0 2 5
台湾 ●1─2       ●1─6   ──   0 2 5
オランダ       ●2─10 ●2─9     ── 0 2 5




 
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