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2018 SOFT JAPAN Winter Camp IN 沖縄
女子日本代表、全カテゴリーが沖縄に集結!

「2018 SOFT JAPAN Winter Camp IN 沖縄」
女子日本代表の全カテゴリーが沖縄に集結!

「Winter Camp」初日、各カテゴリーでミーティングを実施

「Winter Camp」第2日、女子TOP日本代表の
「直接指導」が実現。「憧れの選手」と一緒に練習

「現役・日本代表」に打撃指導を受けるGEM2のメンバー

GEM1は守備を中心に女子TOP日本代表の指導を受けた

「Winter Camp」第3日は各カテゴリー対抗のテストマッチ。
まずGEM1とGEM2が対戦。GEM1が「大金星」

GEM2対GEM3の対戦はGEM3が3-1で勝利

女子GEM1(U14)日本代表メンバー

女子GEM2(U16)日本代表メンバー

女子GEM3(U19)日本代表メンバー

 去る12月18日(火)~21日(金)、沖縄県読谷村で「2018 SOFT JAPAN Winter Camp IN 沖縄」が実施され、「女子日本代表」の全カテゴリーが集結。互いの交流を図るとともに、「女子TOP日本代表」を「頂点」とする「GEM1(U14)」(GEM1選手名簿はこちら)「GEM2(U16)」(GEM2選手名簿はこちら)「GEM3(U19)」(GEM3選手名簿はこちら)の各カテゴリーの「日本代表」が連携を密にしながら、互いのさらなる「強化」をめざした。

 「2018 SOFT JAPAN Winter Camp IN 沖縄」初日(12月18日/火)、全国からGEM1、GEM2、GEM3の各カテゴリー「日本代表」に選出された選手たちが、「女子TOP日本代表」が「第9次国内強化合宿」を行っている沖縄県読谷村に全国各地から集結。「Winter Camp」冒頭、実施された「オープニングセレモニー」では、(公財)日本ソフトボール協会・三宅豊副会長兼選手強化本部長が挨拶に立ち、「ここに集う皆さんは各カテゴリーの優秀選手であり、各年代のトップランナーでもあります。ただ、皆さんの最終的な目的は、『女子TOP日本代表』として『世界の舞台』で戦い、『世界一』を勝ち獲ることにあり、それぞれのカテゴリーでTOPに立つだけでなく、GEM1からGEM2へ、GEM2からGEM3へ、GEM3から女子TOP日本代表へとステップアップしていくことが目標であり、強化の目的であるということを忘れないでください」と、この「Winter Camp」の実施趣旨・目的を改めて強調した。

 続いて、矢端信介選手強化副本部長が「皆さんは保護者の方々、学校関係者、顧問の先生、チームメイト等、たくさんの方々の支え・協力があって、この場に立っていられるということに、まず『感謝の気持ち』を持ってほしいと思います。女子TOP日本代表を頂点として、すべてのカテゴリーの代表選手が一堂に会する、この『貴重な機会』『恵まれた環境』を最大限活かし、自らの成長につなげ、2020年東京オリンピックでの『金メダル獲得』をめざす女子TOP日本代表に続き、2024年あるいは2028年のオリンピックで『主役』となれるよう頑張ってほしいと思います」と参加選手たちを激励した。

 最後に、佐藤理恵女子強化委員長が「この『Winter Camp』で一つでも多くのことを学び、GEM1の皆さんはGEM2へ、GEM2の皆さんはGEM3へ、GEM3の皆さんは女子TOP日本代表へと、成長の階段を登っていってくれることを期待しています。GEM1の皆さんは年明け早々に台湾遠征が控えておりますし、GEM2の皆さんはカナダカップ、日台交流から続く強化事業の集大成となります。また、GEM3の皆さんは来年、アメリカ・アーバインで開催される『第13回世界女子ジュニア選手権大会』(来年度からWBSC(世界野球ソフトボール連盟)の方針で『世界選手権』は『World Cup』に大会名称が改称される予定)でアメリカの大会3連覇を阻止しての『王座奪還』、6回目の『世界一』を是が非でも実現してほしいと思います」と、選手たちへの「期待」の言葉を口にし、オープニングセレモニーを締めくくった。

 この後、選手たちは髙松久美子、光本雅美、竹内有加各トレーナーの指示に基づき、屋外で日々のコンディショニングチェック、体調管理の方法についてレクチャーを受けた後、軽く身体を動かし、翌日からの本格的なプログラムに備え、汗を流した。

 その間、各カテゴリーの指導スタッフが、三宅豊選手強化本部長、佐藤理恵女子強化委員長の下、今回の「Winter Camp」の実施趣旨・狙い、指導方針を改めて確認。また、この日、夜の各カテゴリーのミーティングからはじまる4日間の「Winter Camp」の実施プログラムについて入念な打ち合わせを行った。

 夕食後、各カテゴリー別にミーティングが行われ、GEM1では年明けの台湾遠征(1月13日集合、翌14日・出発~19日・帰国/台湾・台中)で「チームリーダー」を務め、このGEMプロジェクト(女子ジュニア強化プロジェクト)を統括する清水正GEMディレクターが、11月の選手選考会(11月16日~18日:静岡県伊豆市、選手選考会の詳細記事はこちら)後、初めて招集された選手たちに「日本代表」としての「心構え」を説き、「GEM1、GEM2、GEM3、そして女子TOP日本代表へとステップアップしていくには『現状』に満足してはならない。常に『さらなるレベルアップ』『より強く上手くなるにはどうしたらいいか』を考え抜き、追い求め、勇気を持って自らを『変えていく』姿勢が必要になる。『今のままでいい』と満足してしまった瞬間に成長は止まり、そんな選手に明日はなく、未来はない」と、より高いレベルに自らを引き上げていくたには、現状に満足することなく、変化を求め、新たな取り組みにチャレンジしていく姿勢を持つことの重要性が説かれた。

 すでにカナダカップ、日台交流を経験しているGEM2は、今回の「Winter Camp」を一連の強化事業の「集大成」と位置づけ、増淵まり子ヘッドコーチ、二瓶雄樹アシスタントコーチを中心に、この「Winter Camp」の狙いを全員で再確認。カナダカップ、日台交流でも行ってきた「チームの徹底事項」を基に、今回の「Winter Camp」での「チームの徹底事項」改めて確認し、設定。その周知徹底を図った。

 来年8月の世界選手権(World Cup/2019年8月11日~17日:アメリカ・アーバイン)で「世界一」の座の「奪還」をめざすGEM3は、こちらも9月の選手選考会(9月5日~7日:静岡県伊豆市、選手選考会の詳細記事はこちら)後、初招集。佐藤洋介ヘッドコーチを中心に、スタッフ・選手の自己紹介が行われ、その後、「チーム」としてのスタートに際し、チームの基本方針、チーム作りを進めていく上での考え方、チーム戦術・戦略等が確認され、白石千晴選手がチームの「キャプテン」に選出された。

 「Winter Camp」第2日(12月19日/水)、この日から本格的なプログラムに入り、午前中は各カテゴリーに分かれての練習。GEM1は「すべての基本」となるキャッチボールの指導に時間が割かれ、守備の基本技術の確認が重点的に行われた。

 GEM2は、シートノックを中心に、一・三塁に走者を置いた場合の連係プレー、守備のフォーメーションの確認を行った後、ロングティー等の打撃練習も行った。

 GEM3は、来年の8月に世界選手権(World Cup)を見据え、基本的な打撃・守備の練習を行った後、シートノックではそれぞれのポジションの適性、複数ポジションをこなせる選手の本来のポジション以外での起用法等が試され、ピッチャーが投球してのフリーバッティング(シートバッティング)も行われた。

 また、練習の合間を縫って、「第9次国内強化合宿」を実施中の女子TOP日本代表の練習を見学。「世界のTOP」を争う選手たちの高い技術、パワー・スピードを肌で感じ、時折、思わず「オォ!」と歓声とも溜め息ともつかぬ声が漏れる場面も見られた。女子TOP日本代表の練習を見学したGEMの選手たちは、文字通り世界の「TOP」にある選手たちの磨き抜かれた技術、卓越したパワー・スピードはもちろんのこと、その練習に取り組む姿勢・意識の高さにも感銘を受けた様子だった。

 午後は、その女子TOP日本代表の選手たちがGEMの選手たちを「直接指導」。まずTOPカテゴリーに一番年齢の近いGEM3の選手たちが女子TOP日本代表と一緒にシートノック。最初は「憧れの選手」と一緒に練習するという「夢のような機会」に緊張したのか、ボールが手につかず、普段は見られないようなミスプレーも見られたが、「世界一」と評される女子TOP日本代表の高い守備の技術を間も当たりにし、その「世界最高レベル」の守備陣の中に身を置き、揉まれることで、GEM3の選手たちが「覚醒」。秘めた潜在能力、可能性が引き出され、女子TOP日本代表にも負けないようなプレーを随所に見せるようになった。

 GEM3投手陣は、女子TOP日本代表投手陣に変化球の握り、投げ方のコツ等をアドバイスされ、懸命にその習得に取り組んだ。女子TOP日本代表の投手陣が手取り足取り熱心に指導。時には自らが「手本」を示し、実際に投球しながら、その握りや投げ方を丁寧に解説。GEM3投手陣もそれぞれの悩みや疑問点、習得したい変化球等を積極的に質問。女子TOP日本代表が見守る中、アドバイスを受けた内容をその投球に反映させるべく、一球一球熱のこもった投球を行い、その投球をチェックした女子TOP日本代表の投手陣からの「愛あるダメ出し」を受け、何度も何度も試行錯誤しながら投球を行い、それを自分のものにしようとする姿が印象的であった。

 キャッチャーは、1996年アトランタ、2000年シドニー、2004年アテネと三度もオリンピックに出場し、シドニーで銀メダル、アテネで銅メダルを獲得した輝かしい経歴を持つ女子TOP日本代表の山路典子アシスタントコーチが直々に指導。「世界の舞台」で戦った者にしかわからない「貴重な経験」に基づく「理想のキャッチャー像」が次世代を担う選手たちに伝承された。

 守備練習を終えると、今度は打撃指導。「ソフトボール界のイチロー」山田恵里選手を中心に、GEM3の選手たちの打撃技術をチェック。ちょっとしたアドバイス、改善点を示すだけで、GEM3の選手たちのスイングが変わり、打球が変わった。TOPカテゴリーの選手たちとの交流・指導を受ける中でみるみるうちに上達していく選手たちの姿……その姿にこそ「Winter Camp」の実施意義があり、この「夢のような時間」が選手たちの成長をさらに加速させる契機となるはずである。

 その後、バッテリーはGEM1・GEM2・GEM3合同で、GEM3の野手が打撃指導を受ける間に、GEM2野手、GEM1野手もそれぞれ個別に「直接指導」を受ける機会が設けられた。憧れの「世界のエース」上野由岐子投手に直々に手ほどきを受ける場面や、「世界の頂点」争う女子TOP日本代表選手たちのハイレベルな打撃・守備に触れ、驚き、圧倒されながらも、その指導を何とか自分のものにしようと奮闘する姿がそこにはあり、女子TOP日本代表の選手たちも「熱血指導」でこれに応えていた。
 また、その指導内容も、さすが日本を代表するTOPプレーヤーだけあって、端的にして明快。まさに「的を得た」指導でわかりやすく、自らのプレーでその「お手本」を示すことでできるとあって、説得力も抜群。GEM3の選手たち同様、GEM2・GEM1の選手たちもその指導に触発され、打撃・守備ともに見違えるようなプレーを見せるようになった。

 夜の各カテゴリー別のミーティングでは、この日、女子TOP日本代表の選手たちから「直接指導」を受けた内容を一言一句漏らさぬよう、これを書き出し、発表し合って、全員で共有。改めて女子TOP日本代表と「一緒にプレー」し、「直接指導」を受けるという「貴重な機会」を得たことを振り返り、その一つひとつを必ずや自らの「成長」につなげようという「強い気持ち」が感じられた。

 「Winter Camp」第3日(12月19日/木)は、各カテゴリー対抗の「テストマッチ」が実施された。
 まずGEM1とGEM2のテストマッチが行われ、GEM1は投球距離(投手板からホームプレートまでの距離)が13.11mでなく、約1mほど短い12.19mであったこともあり、投手陣が好投。GEM2打線を無得点に抑える「大健闘」を見せれば、打線もこれに応え、4回表、二死一塁から右中間を破るタイムリースリーベースが飛び出し、1点を先制。
 「お姉さん格」のGEM2も「意地」を見せ、5回裏、二死三塁からライト前に運び、「同点」と思われたが、GEM1守備陣の素晴らしい守備もあり、「まさか……」のライトゴロ。同点に追いつくチャンスを逃してしまった。
 GEM1は4投手を小刻みにつなぐ投手リレーでGEM2打線に最後まで得点を許さず、1-0の完封勝利。「一つ上」のカテゴリーを相手に「大金星」を挙げた。

 続いて行われたGEM2とGEM3のテストマッチでは、今度はGEM2が「一つ上」のカテゴリーであるGEM3と互角の試合を展開。過去のGEM3(U19)で「世界一」となったチームと比べても遜色なく、「史上最強では……」との声すらあるほど前評判の高い今回のGEM3を相手に大健闘を見せ、2回表の二死一・二塁のピンチもレフト前ヒットを浴びながら、見事な連係プレーで本塁タッチアウト。得点を許さず、両チーム一歩も譲らぬまま、0-0で最終回を迎え、最後はGEM3が二死満塁からライト頭上を越えるタイムリースリーベースを放ち、走者を一掃。3点を挙げ、大健闘のGEM2を振り切ったが、それでもGEM2も最後まで粘り、その裏、1点を返す「意地」を見せてくれた。結局、GEM3が3-1で勝利を収めたものの、どちらの試合も「さすが世代最強同士のぶつかり合い」という白熱した試合を見せてくれた。

 この日のテストマッチの試合内容・結果でもわかる通り、「ソフトボール」という競技は「投手力」が大きな部分を占めている。GEM1・GEM2・GEM3では、当然のことながら「年齢差」もあり、実際のチーム力、選手個々の力量では「大きな差」があるはずである。しかし……その「世代」を代表する「好投手」に短いイニングを「全力投球」されると、簡単に打てるものではないし、その攻略は容易ではない。
 逆にいえば、ソフトボールという競技においては、一人「スーパー」な投手が出現すれば、ある程度のチーム力の差は一瞬にして「無」にすることができる、ということでもある。
 ただ、これまでも「上野由岐子二世」「ポスト上野由岐子」と呼ばれた投手がいなかったわけではない。にもかかわらず、未だに女子TOP日本代表の「エース」に君臨しているのは上野由岐子であり、現在も「第一人者」であり続けている。それはまさに上野由岐子が「レジェンド」と呼ぶにふさわしい存在であり、日本が世界に誇る選手であることは間違いないのだが、もはや言い古された言葉だが、いつまでも上野由岐子一人に頼っているわけにもいかない。この「GEM」(宝石)を今後、どう育て、成長させていくか……日本のソフトボール界が総力を結集し、取り組んでいかなければいけない「課題」でもある。

 夕食後、高松久美子トレーナーが講師を務め、「アンチ・ドーピング」の研修。その後、各カテゴリーの選手代表とヘッドコーチが、この「Winter Camp」に参加した感想と今後の抱負を語り、女子TOP日本代表との交流、各カテゴリーとのテストマッチ等、「貴重な経験」を今後の成長につなげていく、という「強い意志」と「決意」が表明された。
 これを受けて、佐藤理恵女子強化委員長が「自らに『限界』を作ることなく、より高いレベルをめざし、努力してほしい。強化合宿を重ね、苦しく厳しい練習を積み重ねている女子TOP日本代表の2020年東京オリンピックでの『金メダル獲得』を後押ししていくと同時に、皆さんがそれに続いていかなければなりません。また、技術・体力だけでなく、日本代表にふさわしい『人間性』を磨き、皆さんの手で強い『TEAM JAPAN』」を作ってほしいと思います」との言葉を贈った。

 「Winter Camp」第4日(12月21日/金)、各カテゴリーで「解散式」を行い、この「Winter」での収穫と課題を全員で最終確認。「次なるステージ」での「再会」を誓い合い、そのときには必ず「さらに成長した姿」で会うことを約束して、「2018 SOFT JAPAN Winter Camp IN 沖縄」の4日間にわたる全日程を終了した。

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