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ニュース 女子日本代表

日米対抗ソフトボール2017
「世界の頂上決戦」
日米激突、3連戦を振り返る

6月23日(金)、宮城県仙台市「シェルコムせんだい」での
第1戦を皮切りに日米両雄が3試合にわたり激突した

女子TOP日本代表の「現在地」を測るには絶好の相手・
「宿敵」アメリカと3連戦で見えてきたものとは……

常に「世界の頂点」を争うアメリカ。世界選手権、オリンピックの
「決勝」のカードが仙台、横浜で再現されることになった

「杜の都」仙台で第1戦、第2戦を実施!

初戦は3-0で女子TOP日本代表、第2戦はアメリカが5-4で勝利!

最終戦となる第3戦は神奈川県横浜市「横浜スタジアム」で開催された

最終戦は1万人を超える観客が詰めかけ、期待にたがわぬ熱戦を展開!

「新たなスター」の出現を期待! 「スーパー高校生」勝股美咲が力投!!

アメリカは「DPルール」を最大限活用した複雑な投手起用が得意技

山本優のあまりにも劇的な「逆転サヨナラ満塁ホームラン」に
大観衆は酔いしれ、オリンピックへ強烈なインパクトを残した

 「日米対抗ソフトボール2017」は、去る6月23日(金)に宮城県仙台市の「シェルコムせんだい」で開幕し、6月23日(金)の第1戦、翌24日(土)の第2戦は「シェルコムせんだい」を舞台に実施され、最終第3戦は6月25日(日)、2020年東京オリンピックの会場となることが決定している「横浜スタジアム」に舞台を移し、開催された(大会の試合結果はこちら)。

 試合結果を振り返ってみると、第1戦が3-0(第1戦の試合レポート詳細はこちら)、第2戦が4-5(第2戦の試合レポート詳細はこちら)、第3戦が5-3(第3戦の試合レポート詳細はこちら)と「宿敵」アメリカに2勝1敗と勝ち越し、2020年東京オリンピックの舞台ともなる「横浜スタジアム」で、「オリンピックの決勝」をイメージさせるよう「死闘」「激戦」を演じ、最高の形で勝利をつかんだことは、興行的な盛り上がり、ソフトボール競技のイメージアップ、3年後への期待感という面で申し分のない大会となった。
 また、いつも日本の窮地を救い、世界の王座へと導いてくれた「エース」上野由岐子が2点を勝ち越されながら、それを跳ね返し、チーム「全員の力」で勝利を得たことにも大きな意味があり、まさに「最高」のエンディングとなった。

 今回のこの「日米対抗ソフトボール2017」は、昨年のこの大会が「世界選手権の前哨戦」と位置づけられ、開催されたのに比べると、両チームとも試行錯誤、様々なテストを試みている段階にあった。

 日本は登録した全選手に出場機会を与え、7人の投手すべてに登板機会を与えた。結果として、投球回数は藤田倭の5回1/3が最多投球回数で、「エース」上野由岐子、濱村ゆかりが4イニング、勝股美咲が3イニングを投げ、中野花菜が1回2/3、泉礼花が1回1/3、岡村奈々が2/3という投球回数となっている(大会通算成績(投手成績・打撃成績)の詳細はこちら)。

 この中では、やはり「次なるエース候補」に挙げられている藤田倭、濱村ゆかりが安定したピッチングを見せた。第1戦の先発に起用された濱村ゆかりは、2回2/3を無失点。二死満塁というピンチを招いたところで早めの交代となったが、そこまで4三振を奪う快調なピッチングを見せていただけに、「もう少し見てみたい」と思ったのが正直なところだ。
 ここで代わった藤田倭が次打者をたった1球で仕留めた場面にも「成長」が感じられた。昨年の世界選手権のセミファイナルでは同じような場面(同じ3回表、アウトカウントは一死と二死の違いがあり、得点差も2点差と1点差の違いはあるが、打者はそのときと同じアマンダ・チデスター)では、いきなり死球を与えてしまい、同点とされ、さらには逆転のタイムリーを浴びるという「苦い経験」を味わったが、今回はたった1球で簡単に料理し、ピンチを切り抜けてみせてくれた。この試合、最後は「エース」上野由岐子にバトンを渡し、締めくくりを任せたが、この二人で十分に試合を作れる手応えがあった。
 第2戦は、藤田倭はベンチを外れたが、濱村ゆかりは5回裏に大量4点を失った直後の6回裏に登板。荒れかけた試合をもう一度引き締め、無失点に抑えることで、最終回の猛反撃につなぐ契機を作ってくれた。
 第3戦は先発・上野由岐子と発表されたが、試合開始と同時に7番・DPに入っていた藤田倭がFP・上野由岐子のピッチャーの守備を兼務。「実質的な先発投手」となり、3回まで味方守備陣の好守にも助けられ、無失点の好投。ただ、4回表、この回先頭の4番・バレリエ・アリオトに「初球」を狙われ、同点のソロホームラン。見逃せばボールとなるような高めのボール、完璧な当たりというわけではなく、打った瞬間はレフトフライと思われたが、レフト・原田のどかが少しずつ後ずさりし、最後はフェンスに張りつき、懸命にジャンプして手を伸ばしたが届かず……同点とされてしまった。
 「完全な失投」「なぜあそこに……」というようなボールではなかったとはいえ、イニング開始の「初球」であり、アメリカの「主砲」「4番打者」で長打、とりわけ「ホームラン」を警戒しなければならない打者であることを考えれば、もっともっと細心の注意を払って投じるべき1球ではなかったか。
 「たった1球」が試合の流れ、勝敗を左右するという「恐さ」がピッチャーには常について回る。打者は3打席凡退していても、最後の1打席でヒーローになれることもある。逆にピッチャーはそれまでの99球が完璧でも、試合終了となるはずの「最後の1球」ですべてを失うこともある。その「1球の恐さ」を知り、「1球足りとも気を抜かない」「試合終了の最後の1球まで細心の注意を払う」ことができないと、真の意味で大事な試合を任される、チームの命運を託される「エース」になることなどできない。
 また、同点ホームラン以上に痛かったのは、次打者に与えた四球である。「ホームラン」と「四死球」だけは守っている野手は何もできない。「世界一」と評される日本の守備陣をもってしても、これだけは防ぎようがないのだ。ホームランを打たれて同点に追いつかれ、さらに四球を与え、無死一塁で降板。この場面を引き継ぎ、登板した濱村ゆかりもこの流れを断ち切るどころか、ワイルドピッチで火に油を注ぎ、一死三塁と傷口を広げてしまう……。バックを信じ、打たせて取る勇気。時にはバックのミスさえ背負い、それをカバーしていく心意気。「次なるエース」の座を争う二人には、この場面を「エース」上野由岐子の力に頼ることなく乗り切ってほしかったところだ。

 結局、この試合では、この一死三塁を引き継いだ「エース」上野由岐子がタイムリーを浴び、勝ち越し点を献上。さらに6回表にもソロホームランで1点を失う……という「想定外」の事態に陥った。
 では、上野由岐子の「現状」はどう評価すべきか。昨シーズン前半戦をケガのため棒に振り、長期戦線離脱。出場予定であった日米対抗も世界選手権も参加できず、シーズン後半になってようやく戦列復帰。地元・群馬県高崎市で開催された「JAPAN CUP」で復帰登板を果たし、全日本総合女子選手権大会では4連投で優勝を飾ったものの、日本リーグの決勝トーナメントで「連覇」を逃し、4位に終わると「年齢的な衰え」を指摘する声が増えはじめている。
 しかし、球速はいまだ「チームNo.1」であり、その卓越した洞察力・投球術は他の追随を許さない「神の領域」に到達しつつあるのでは……と思わされるときがある。これに関しては、上野由岐子自身も某テレビ局のインタビューで「打者の構え、バットの出方、出し方を見れば、『ここへ投げれば打たれない』ということがわかるんです」と答えている。
 その一方で、今シーズンの日本リーグ前半戦、あるいはこの試合のように、「以前なら簡単に抑えていたのに……」と思えるような場面で失点し、すんなり完封で試合を終える、あるいは未然にピンチを防ぐ、というケースが少なくなっているようにも見える。
 ただ……「大事な一戦」、本当の「勝負どころ」では、相手に簡単に先手を許すようなこと決してさせないし、「1点取られたら負け」といった「絶体絶命」の場面に追い込まれれば追い込まれるほど、その投球は冴えわたり、ピンチを切り抜けていく姿には「凄み」すら感じられる。やはり「勝てる投手」であり、その「勝負強さ」には舌を巻くしかない。
 これも上野由岐子自身の言葉を借りる形になるが、「時には打たれることも必要。打たれて、点を取られて、何がいけなかったのかを反省する。打たれて覚えなきゃいけないときもあるんです」の言葉にあるように、時には「打たれる」とわかっていても要求通り投げ、あえて「痛い思い」をさせることで、バッテリーを組むキャッチャーを、チームを、育てることもあるという。
 今回の失点が「あえて打たれた」ものなのかどうかはわからない。久しぶりのアメリカとの対戦でいろいろと試しながら、探りながら、投げていたことも確かだろう。それでも、どんなピンチでも動じることなく、相手を抑え込んできた「エース」上野由岐子が、打たれ、点を取られる……というシーンを目の当たりにしてしまうと心は揺れる。「さすがの上野も限界なのか!?」「いつかはそういう日が来る」と、心のどこかでいつもその「覚悟」が問われている。
 それでも……世界中の誰よりも数多くの「修羅場」をかいくぐり、その中で実績と経験を積み重ね、それに裏打ちされた高い技術を習得し、今なおそれを「進化」させていこうとしているピッチャーが日本にいる、という「事実」を今は素直に受け入れたい。そして、北京の金メダルに続く、「金メダルのその先」にある物語を、この横浜スタジアムで見せてくれることを期待しよう。

 では、その上野由岐子に代わる「エース」は誰なのか!? 「次なるエース」の座の最短距離にいるのは藤田倭、濱村ゆかりの二人であることは衆目の一致するところだろうが、もしかするとそれを一気に追い越していく!? 可能性を秘めた「新たな才能」「Next Generation」が芽吹きはじめた。
 まだ高校生の勝股美咲が「アジア」に続き、「世界」の舞台でも十分に通用する「力」を見せてくれた。投球回数はわずか3イニングに過ぎないが、第2戦では先発に起用され、ソロホームランを浴びはしたものの、打たれたヒットはその1本のみ。今大会2試合に登板し、失点1・被安打1・奪三振1の投球内容は「次」を期待させるに十分なものがあった。
 残念ながらUSAワールドカップ、カナダカップ(カナディアンオープン)には帯同しないが、8月の「2017 JAPAN CUP 国際女子ソフトボール大会in高崎」には再び招集が予定されている。「世界の強豪」アメリカ、カナダ、オーストラリアを相手に、どんなピッチングを見せてくれるか、今から期待が膨らんでくる。

 岡村奈々、泉礼花、中野花菜については投球回数も短く、評価は難しいところだが、岡村奈々、泉礼花については、その数字・結果が示す通り、かなり厳しい評価となりそうだ。まだUSAワールドカップ、カナダカップ(カナディアンオープン)とチャンスは残されており(岡村奈々は8月の「2017 JAPAN CUP 国際女子ソフトボール大会in高崎」にも出場予定)、そこでアピールするしかない。
 中野花菜は無失点で大会を終え、少ない登板機会ながら限られたイニング、与えられた役割はしっかりと果たした。USAワールドカップ、カナダカップ(カナディアンオープン)でも「結果」を残すことで「次」なるチャンスへとつなげてほしい。

 捕手は、今大会も我妻悠香、佐藤みなみの二人体制。第2戦、第3戦ではワイルドピッチが得点に結びつくケースが見られた。もちろん、記録上は「ワイルピッチ」であり、ピッチャーの責任だが、こちらから見る限り、「何とか止めることはできなかったか……」と思えるプレーもあった。それが結局、得点に結びつくと、「あのプレーさえなければ……」となることも多い。正確なキャッチングの技術の向上・習得はもちろんのこと、最低限「前に止める」プレーを身につける必要があるだろう。

 野手では、「抜群の存在感」を見せつけたのは、やはり「打の進化形レジェンド」山田恵里。最終戦の逆転サヨナラ満塁ホームランの山本優に目を奪われがちだが、その「打撃技術の高さ・確かさ」という点では山田恵里に「一日の長」があった。

 第1戦で山本優は3回裏、山田恵里は6回裏、ともに一死一・三塁で打席に入っているが、山本優はショートゴロで三塁走者が本塁タッチアウト。山田恵里はレフトへ犠牲フライを打ち上げ、三塁走者が生還と結果が分かれている。この場面、山田恵里は「最低でも犠牲フライ」を打ち上げることを第一義とし、初球から高めのボールを打ちに行き、体勢を崩しながらもレフトに運んでいる。一方、山本優はツーボール・ワンストライクのバッティングカウント(打者有利のボールカウント)にありながら、タイミングを外され、ショートゴロに終わっている。「この場面で何をすべきか」「ここで必要とされるものは何か」という打席での意識、狙い球の絞り方、技術的な選択肢・引き出しの多さ……。この差が対照的な結果を生んだのではないだろうか。

 第2戦の最終回にもこんなシーンがあった。1-5と4点をリードされ、無死満塁のチャンスでセンター前にタイムリーを放った山田恵里は一塁塁上でニコリともしていない。もちろん、まだ3点差を追う状況にあったこともあるが、このタイムリーは山田恵里にとって「打ち損じ」であった気がする。本来はセンターのスタンドまで運び、「一振り」で試合を振り出しに戻す気でいたのでは……。そうだとすれば塁上での不満げな姿にも合点がいく。この試合、日本は1点差まで追い上げ、二死二塁の場面で4番・山本優を打席に迎えたが、三球三振でゲームセット。2球目のストライクの判定は気の毒だったかもしれないが、みんながつないできたチャンス、あと1点で追いつける場面だっただけに、「4番」としてはもっと「粘り」と「勝利への執着心」を見せてほしい打席だった。

 1-3と2点をリードされた第3戦の最終回でも、無死一・二塁から山田恵里は「狙い」に行っている。わずかにスタンドまでは届かなかったが……明らかに「狙った」スイングであり、一打だった。もちろん最終回、2点をリードされている状況を考えれば、「進塁打でまず同点の場面を作るべき」「送りバントでもいいのでは……」という議論・意見もあるだろうが、日本の「顔」として、打線の「中心」として、勝負を「決め」に行ったのである。
 そんな山田恵里の「想い」や第2戦での「反省」が山本優のバットに乗り移ったのか、あるいは1万人を超える観客の皆さんの声援が後押ししてくれたのか、二死満塁からライトスタンド遥か後方へと飛んでいった一発……。あのボールを、あの方向に、あそこまで飛ばせるのも山本優、唯一人だろう。

 この「日米対抗ソフトボール2017」の象徴的場面、勝負を決する場面で図らずも山田恵里、山本優の二人を比較するような形となってしまったが、二人が同じようなタイプのプレーヤーではなく、一方が求道者のように技術の粋を極め抜き、かたや本能の趣くままにプレーすることで予測不能の結果を導く……そんな好対照の二人が打線の中心に座るからこそ、今の「日本の強さ」があるともいえる。

 他では、今大会でも3割3分3厘と安定した数字を残した洲鎌夏子。初戦の先制ツーラン、2戦目の1点差に詰め寄る犠牲フライ、最終戦の逆転満塁サヨナラホームランのお膳立てを整える四球での出塁と、時には勝負を決める一打を放ち、時には打線のつなぎ役を果たし……と、まさに日本打線に「なくてはならない存在」として活躍した。
 内野はこの洲鎌夏子がファースト、山本優がサード、渥美万奈がショートとこの3ポジションはほぼ固定。レギュラーが固まりつつあるが、セカンドのポジション争いは依然混沌。この「日米対抗ソフトボール2017」では、川畑瞳が3打数2安打の打率6割6分7厘、チームトップの4得点と数少ない出場機会の中で自らの役割をしっかりと果たして見せた。今後しばらくは市口侑果、那須千春と「三つ巴」の争いが続きそうだ。
 また、他の3つのポジションでもレギュラーポジションをつかみつつある選手たちを脅かすような「新たな力」の出現を期待したいところである。

 外野手では、「第6回東アジアカップ」でMVPに輝いた原田のどかは打率2割8分6厘としぶとく数字を残し、レギュラーポジションをキープ。ここにケガで戦列を離れている「天才打者」長﨑望未が帰ってくると外野のレギュラー争いはますます激しいものとなる。江口未来子も4打数2安打の打率5割と奮闘し、代走での起用も含め2盗塁と出場機会は少ないながらも自らの持ち味をアピール。出場機会の増えそうなUSAワールドカップ、カナダカップ(カナディアンオープン)でさらにアピールできるか、期待と注目が集まる。

 一方、アメリカの執拗なまでの「左対策」の前に苦しんだのが河野美里だ。山田恵里、河野美里が打席に入ると、判で押したように左投手をぶつけてくる。現時点でアメリカが「日本に最も相性が良い」と判断し、昨年の世界選手権でもセミファイナル、ファイナルで先発に起用されたアリソン・カルダのバッティングが良いこともあって、DPや野手としても起用しておき、DPのピッチャーの守備兼務やOPO(打撃専門選手)とするルールを活用。山田恵里、河野美里に代表される日本の「左の好打者」には左ピッチャーを「ワンポイント」もしくは左打者が続く限り投げさせ、右打者に打順が回ると右のアリソン・カルダを再登板させる。あるいは他の右ピッチャーを登板させておき、左打者に打順が回ると再び左投手をぶつける……という戦術を繰り返した。
 その結果、アメリカは第1戦で5人の投手をフル活用し、投手交代5回。第2戦では再出場を含め、投手交代6回、最終第3戦では再出場を含め、9回の投手交代を繰り返し、とにかく左打者には左投手を、右打者には右投手をぶつけることにこだわった。
 結局、日本打線のチーム打率は今大会3試合を通じて2割7分8厘・計12得点を奪われたことを考えると、必ずしも効果があったとは言い難いが、河野美里は第1戦の第1打席で今大会唯一の安打となる二塁打を放った後は4打数ノーヒット。勝負どころでのヒットエンドランの失敗や2三振等、精彩を欠いた。

 アメリカがこのような戦術を繰り返す裏には、かつてのような「絶対的エース」の不在と日本に左打ちの好打者が多いという事情がある。基本的に日本戦では「先発完投」など毛頭考えておらず、継投策でかわしていくという戦術を選択している。
 ただ、その効果はさておき、このような複雑な選手交代がソフトボールという競技、そのルールを「難解なもの」「わかりずらいもの」としてしまっている感は否めない。
 その結果として、選手交代に時間がかかり、せっかく盛り上がった球場の雰囲気が間延びし、熱気は冷めていく……。山本優の逆転サヨナラ満塁ホームランが出たから救われたものの、あのまま試合が終わっていたら、あの日、横浜スタジアムに足を運んだお客様はどんな気持ちで帰途についただろうか……。「ソフトボールって訳わかんない!」「ソフトボールのルールって難し過ぎる」そんな印象しか残らなかったのではないかと心配になる。
 もちろん、すべてルールに則った選手交代であり、勝つための選手起用・戦術であることは間違いない。
 ただ……この「DPルール」が本当に必要なのだろうか??? もちろん、使い方によっては選手起用の幅、戦術的な広がりは確かに期待できるが、それはこのルールを熟知したチームに限られ、一般的に普及させ、認知してもらうにはあまりにも複雑にして難解過ぎないか。
 原点に返り、「DH」(指名打者)制へと戻し、「DH」は打撃専門の選手で守備につくことはできない。ただし、スターティングメンバーであれば、他の選手同様、一度に限り、再出場することはできる(DH制を採用した場合には、DHの守備者となる守備専門の選手を置かなければならない。この選手は打撃を行うことはできない)。この程度に留めてもいいのではないだろうか。

 これだけ野球・ソフトボールという競技が「文化」として根付いている日本であっても、アメリカの選手交代を正しく理解した人、何が起こっているのかを把握できていた人が果たして何人いただろう……。少なくとも「誰のためのルールなのか!?」と「ソフトボールはどこへ向かうべきなのか」を真剣に議論するときがきていると感じた「日米対抗ソフトボール2017」であった。

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