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GEM4(女子U23)日本代表
第1次国内強化合宿を実施!

 去る6月12日(月)~16日(金)、福島県福島市・十六沼運動公園(十六沼運動公園の施設紹介はこちら)で「GEM4(女子U23)日本代表」の第1次国内強化合宿が実施された。

 この合宿には、4月11日(火)~13日(水)の3日間、静岡県伊豆市・天城ドーム、ふるさと広場野球場を会場に開催された選考会(平成29年度 GEM4(女子U23)日本代表選手選考会の記事はこちら)を経て、94名もの参加者の中から、選び抜かれた精鋭17名が参加。選考会終了後、日本リーグ前半戦で中西舞衣(ビックカメラ高崎)、巽麗菜(デンソー)がケガのため、残念ながら代表を辞退。倉本美穂(日立)、音地萌(デンソー)が追加招集されることになり、最終的にはその17名で合宿を実施(GEM4(女子U23)日本代表の選手・スタッフはこちら)。この福島での5日間にわたる第1次国内強化合宿を経て、6月18日(日)に青森県弘前市で熱戦の火蓋が切られる「第6回東アジアカップ」へ参加することとなった(第6回東アジアカップの大会概要はこちら)。

GEM4(女子U23)日本代表 第1次国内強化合宿を実施!

「チーム」としては「初」の招集。代表選手17名が顔を揃えた

日本リーグ1部の強豪・戸田中央総合病院と2試合のテストマッチを行う

激励に駆けつけてくれた内堀雅雄福島県知事と記念撮影

福島県・福島市を挙げての全面的バックアップのもと実施された合宿。
選手たちは恵まれた環境の中、練習に励み、東アジアカップに備えた

 6月12日(月)、GEM4(女子U23)日本代表の選手・スタッフが福島駅に到着すると、いきなり熱烈な歓迎セレモニーが催され、その日は福島県下の高校生を対象に、「ソフトボール教室」を実施。夜には、福島市長主催の歓迎レセプションも催され、選手たちは翌日からの本格的な強化合宿のスタートに備え、英気を養った。

 合宿2日目(6月13日/火)、午前中、「チーム」としての初練習を行った後、午後からは日本リーグ1部の強豪・戸田中央総合病院とテストマッチを実施。先発・小薗美希が2回裏、ソロホームランを浴び、先制を許すと、5回裏には、4回から登板していた山口清楓がバント安打で出塁した走者を一塁に置き、右中間を破る二塁打を浴び、2点目。
 打線も戸田中央総合病院の投手陣をとらえられず、6回まで無得点。最終回、相手守備の乱れから一死二・三塁の「一打同点」のチャンスをつかみ、「追加招集」された倉本美穂がライト前に運ぶ同点のタイムリーを放ち、二者を迎え入れ、土壇場で同点に追いついた。
 しかし、その裏、山口清楓が一死から左中間二塁打を浴び、得点圏に走者を背負うと、次打者のファーストゴロを内藤実穂が「まさか……」の後逸。あっけない幕切れでサヨナラ負けを喫してしまった。

 翌日(6月14日/水)の午前中も戸田中央総合病院とテストマッチを実施。この日は、初回から打線がつながり、敵失で走者を出すと、2番・内藤実穂が送りバントの構えで相手守備陣を引きつけ、バスターで三遊間を破り、無死一・二塁。3番・奥田茉優希が手堅く送り、この「GEM4(女子U23)日本代表」で「キャプテン」を務める4番・數原顕子がしぶとくセカンド後方に落とすタイムリーを放ち、二者を迎え入れ、2点を先制した。
 しかし、その裏、先発・原奈々が二死二塁からタイムリーを浴び、1点を返され、1点差。その直後の2回表、7番・倉本美穂のレフト前ヒット、送りバント、9番・田中麻美のセンター前ヒットで一死一・三塁とし、1番・松岡くるみがヒットエンドランを決め、三塁走者が生還。3点目を挙げ、再び2点差にリードを広げたが、その裏、原奈々がソロホームランを浴び、またも1点差に詰め寄られてしまう。
 その後は、4回から登板した藤嶋涼菜が戸田中央総合病院打線に追加点を許さず、3-2と1点のリードを保ったまま、最終回を迎えたが、3本の安打を浴び、二死満塁の「一打逆転サヨナラ」のピンチを招くと、勝利を目前にしながらレフト前に運ばれ、二者生還。最後の最後で踏ん張ることができず、2試合連続のサヨナラ負けを喫した。

 テストマッチを終え、チームの指揮を執る伊藤良恵ヘッドコーチは、「課題がたくさん出た試合でした(苦笑)。ただ、チームとしては初めて顔を合わせたばかりであり、当然といえば当然の結果でもあります。ここにいる選手たちには、TOPチームの選手を脅かす存在になってほしいと思いますし、一人でも二人でもTOPチームに取って代わる選手が出てきてほしいと思っています」と語り、「福島県ソフトボール協会、福島市ソフトボール協会の皆さまはもとより、福島県・福島市の熱烈な歓迎と温かなおもてなしには本当に感激しました。ここ福島はオリンピックの会場となることも決定していますし、その地で合宿の機会を持てたことを嬉しく思います。今回の合宿地となった十六沼運動公園は練習環境も整っており、存分に練習を積むことができました。再びこの地を訪れる機会があることを期待しています」と、熱烈な歓迎と温かなおもてなしで迎えてくれた福島の皆さんに心からの謝辞を述べた。

 このGEM4(女子U23)のカテゴリーは、この後、「第6回東アジアカップ」に参戦することが決定しているが、そもそも「チーム」として「熟成」させることや「完成」させることを目的としているわけではない。
 あくまでも「TOP」チームに続く人材を見出し、場合によっては、それに「取って代わる」存在を育成・供給することが「目的」であり、「使命」であるといえよう。

 その意味では、今回のテストマッチも、その「結果」や「勝敗」を気にする必要はないし、東アジアカップにおいても、「チーム」としての試合結果、勝敗にさほど大きな意味はないのは事実である。
 ただ、そこに選出され、プレーしている選手たちにとっては「またとないチャンス」でもある。この場で自分の存在をアピールし、その能力、資質を認められれば、「オリンピック」という「夢の舞台」が近づき、その場に立つことができるのである。

 古い話で恐縮だが、早稲田大学ラグビー部が「全盛」を極めた頃、そのレギュラー選手たちに、一番厳しかった試合、恐かった相手を訪ねたとき、こう答えたという。一番厳しかった試合は、伝統の「早明戦」でも「早慶戦」でもなく、「部内の紅白戦」であり、一番怖かった相手は自チームの「二本目」(二軍)だというのである。
 そう…「二本目」の選手たちは、自分のトイメン(対面する同じポジションの選手)を潰せば、自分に出場機会が回ってくる、「一本目」(一軍)に上がるために、「本気」で同じチームの「仲間」「チームメイト」を潰しに行き、そのタックルは「殺気」帯びていたと聞く。

 もちろん、競技も違えば時代も違う。それがそのままソフトボールに当てはまるとは思わないが、これほどの「苛烈」なチーム内の「競争」があったからこそ、「早稲田のラグビー」は一時代を築くことができ、「黄金時代」を謳歌することができたのである。
 そう考えれば、今、「GEM4(女子U23)日本代表」の選手たちが置かれている立場もこれに近いものがあるといえないだろうか。
 「目標」は目の前にあり、それを乗り越えさえすれば、自分自身に「オリンピック」への道が拓けるのだ。もっともっと「欲」を出していいはずである。手を伸ばせば届くところにチャンスはあり、そのチャンスを与えられているのは、日本中でこの17名しかいないのだから……

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