第4回アジア男子ジュニア選手権大会 


   (2010.12.17)


第4回アジア男子ジュニア選手権大会が
インド・ムンバイを会場に開催された

大会のために会場に特設された観客席。
日本では考えられない光景が見られた

大会の試合会場。ここでも日本とは
まったく異なる環境がそこにあった

大会MVPを獲得するなど、
大活躍を見せた宮路 充

「日の丸」のもと、チーム一丸となり、
「アジアの頂点」まで一気に登り詰めた

大差がつく試合の連続であったが、谷田ヘッド
コーチの指揮の下、全試合「全力」で戦い抜いた

大会を通じて安定した働きを見せた投手陣。
大会7試合でわずか1失点と「完璧」だった

アジアに敵なし! 無敗のまま、頂点に登り詰め、
今大会「7戦全勝」で「完全優勝」を成し遂げた!

 

 

 


男子U19日本代表、圧倒的強さで完全優勝!

 12月13日(月)〜16日(木)、インド・ムンバイで開催されていた「第4回アジア男子ジュニア選手権大会」(兼第9回世界男子ジュニア選手権大会アジア地区予選)に出場していた男子U19日本代表(今大会の出場選手名簿はこちら)は、圧倒的な強さで予選リーグ・最終順位決定戦を無敗のまま駆け抜け、「完全優勝」を飾った(日本戦全試合のイニングスコア、予選リーグ戦績表、最終順位決定戦の試合結果はこちら)。

 「第4回アジア男子ジュニア選手権大会」(兼第9回世界男子ジュニア選手権大会アジア地区予選)には、当初、日本をはじめホスト国のインド、フィリピン、マレーシア、シンガポール、パキスタンの6カ国が大会へのエントリーを表明していたが、大会直前になってフィリピン、パキスタンが急遽出場をキャンセル。大会の試合方式もシングルラウンドロビン(1回戦総当たりのリーグ戦)の予選リーグを行い、上位4チームを決定し、ページシステム(敗者復活戦を含むトーナメント)での決勝トーナメントによって覇を競う試合方式が採用される予定であったが、出場4カ国によるダブルラウンドロビン(2回戦総当たりのリーグ戦)で予選リーグを行い、予選1位と予選2位、予選3位と予選4位が対戦し、最終順位を決定する試合方式に変更された。

 このアジア男子ジュニア選手権大会は、過去1997年に第1回大会、2002年に第2回大会がインド、マレーシアで開催され、日本が不参加であったこともあり、フィリピンが連覇。2005年にシンガポールで開催された第3回大会には、その年のインターハイを制した新島学園高(群馬)が日本代表として参加。優勝を飾っている。
 今大会は、4回目の開催にして初めて「世界選手権のアジア地区予選」を兼ねて開催された(すべてのカテゴリーの世界選手権は、16カ国の参加によって「世界一」の座が争われ、ホスト国1、アフリカ地区2、アジア地区3、ヨーロッパ地区3、北・中・南アメリカ地区5、オセアニア地区2の出場枠が各地区に割り当てられている)。アジア地区の場合、3位までに入れば世界選手権への出場権を手にすることができることになる。
 男子U19日本代表は、「アジアチャンピオン」の座はもちろん、2012年にアルゼンチン・パラナで開催が予定されている「第9回世界男子ジュニア選手権大会」の出場権獲得をめざし、今大会に臨んだ。

 日本は大会初日(12月13日/月)、初戦のマレーシア戦で大事な開幕戦の先発を任された深津悠平(中京大)がノーヒットピッチングを見せれば、宮路充(鹿屋農業高)、古敷谷亮(日本体育大)、大崎航(高知パシフィックウェーブ)、山内直人(御調高)、川原光(中京学院大)が相次いで長打を放つなど、打線が爆発。16−0の3回コールドで大勝すると、予選リーグ第2戦のシンガポール戦では、チームを引っ張る「キャプテン」中西康太(日本体育大)の本塁打などで13−1の5回コールド勝ち。連勝を飾った。

 翌14日(火)は、インド戦で宮路充(鹿屋農業高)が2本の本塁打を放つ活躍を見せ、先発・森田雄介(平林金属)が4イニングを完封。13−0の4回コールド勝ちを収めると、続くマレーシア戦では大崎航(高知パシフィックウェーブ)の本塁打などで10−0と4試合連続の二桁得点を挙げると、津波真斉(読谷高)が無失点の力投。2試合連続の4回コールド勝ちで無傷の4連勝を飾った。

 大会3日目(15日/水)には、3日連続のダブルヘッダーをものともせず、「キャプテン」中西康太(日本体育大)、川原光(中京学院大)、金井駿樹(新島学園高)に本塁打が飛び出し、今大会2試合目の登板となった深津悠平(中京大)がまたしてもノーヒットピッチング。まずインドに16−0で4回コールド勝ちし、予選リーグ最終戦となったシンガポール戦も今大会大活躍の宮路充(鹿屋農業高)の本塁打などで、15−0の3回コールド。予選リーグ6試合すべてコールドで勝利を収め、6戦全勝。総得点83・失点わずかに1の圧倒的強さで決勝進出を決めた。

 大会最終日(16日/木)、日本の決勝の相手は、予選リーグで日本から唯一の得点を挙げ、マレーシア、インドと2勝4敗の同率ながら、同率チーム同士の対戦の失点差で2位となったシンガポールが対戦相手となった。先攻の日本は初回からシンガポールを圧倒。初回にいきなり4点を先制すると、2回表に2点、3回表に2点、4回表に2点と着々と加点。10−0の4回コールド勝ちを収め、優勝。予選リーグ、そしてこの決勝を含めた今大会7試合すべてで二桁得点を挙げ、全試合コールド勝ちという圧倒的な強さで「アジアチャンピオン」の座を手にした。
 日本は、最優秀選手賞(MVP)に宮路充(鹿屋農業高)、最優秀投手賞に山脇佑也(高知工業高)、最優秀打撃賞に大崎航(高知パシフィックウェーブ)に輝くなど、個人賞も総ナメ。チームとしてはもちろん、個人成績でも「王者」にふさわしい成績を残し、アジアの「頂点」に登り詰めた。

 2012年にアルゼンチン・パラナで開催される「第9回世界男子ジュニア選手権大会」への出場権は、優勝した日本、準優勝のシンガポール、第3位のインドが獲得。今後は「世界の舞台」へ向けた準備・強化が進められることになる。