●ISF第2回男子ワールドカップ(チェコ・プラハ)
(2011.6.18) 


日本、チェコとの「死闘」を制し、決勝進出!

この日は
いよいよ予選リーグ最終日

予選リーグ最終戦
の相手は地元・プラハスターズ

日本打線が爆発
22点を挙げ、4回コールド勝ち
予選リーグを7勝1敗の1位で通過した

次戦(予選リーグ1位対2位戦)では
優勝を争う「ライバル」チェコと激突

日本は小刻みな継投で必勝を期した

チェコの強力打線の前に
この試合も苦戦を強いられたが……

驚異的な「粘り」を見せ大逆転
日本、ファイナル進出!

ファイナルはホスト国・チェコとの再戦か!?
がんばれ!日本!!


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ISF第2回男子ワールドカップ第5日、4日連続でダブルヘッダーとなる日本は、予選リーグ最終戦でプラハスターズと対戦した。

〈6月17日(金)/予選リーグ第8戦〉

  1 2 3 4
日     本 0 9 5 8 22
プラハスターズ 0 0 0 1 1
(5回得点差コールド)
  (日)○松田(3回)・中村(1回)−鈴木
〔本塁打〕上杉、川田、小田澤、鈴木A
〔三塁打〕槙田
〔二塁打〕川田、鈴木

 日本は2回表、相手守備の乱れから一死二塁の先制機をつかみ、6番・小田澤正紀がセンター前にはじき返し、まず1点を先制。さらにパスボールで一塁走者・小田澤正紀が二塁に進塁、7番・鈴木周平のレフトオーバーのタイムリーツーベースで2点目を挙げた。8番・伊藤皓二のレフトライナーの間に、二塁走者が三塁へ進み、9番・槙田直也が意表を突くセーフティーバント。これが見事に決まり、3点目を挙げた。ここから、1番・上杉大輝、2番・楠本圭、3番・中村健二、4番・川田直諒、5番・筒井拓友が怒涛の5連打。この回8安打を集中し、大量9点を挙げ、あっさり初回で勝負を決めた。
 日本はその後も攻撃の手を緩めず、「頼れるキャプテン」鈴木周平が1試合2本塁打、今大会大活躍の「旭化成トリオ」の上杉大輝、川田直諒も相次いで本塁打を放ち、小田澤正紀も豪快にツーランを放つなど、打線が爆発。19安打で22点を奪う猛攻でプラハスターズを圧倒した。
 守っては、先発・松田光が相変わらずの元気のよいピッチングで3回を無失点に抑え、4回裏にリリーフした中村健二が1点を失ったものの、大勢に影響はなく、4回コールド勝ち。地元・チェコとの対戦以外はすべてコールド勝ちという圧倒的な強さで予選リーグ1位通過を決めた。
 日本は予選リーグ7勝1敗で地元・チェコと同率に並び、直接対決の勝敗は1勝1敗ながら、その直接対決2試合での失点差(日本は2試合で5+1=6、チェコは4+4=8で失点の少ない日本の順位が上となる)で1位通過が決定。
 セミ・ファイナルで、まず予選リーグ2位のチェコと三度目の対戦を迎えることになる。これに勝てば決勝進出が決まり、もし敗れるようなことがあれば、敗者復活戦に回り、予選リーグ3勝5敗で3位のデンマーク、予選リーグ2勝6敗で4位のプラハスターズの対戦の勝者と対戦することになる。

〔予選リーグ第8戦/最終戦(プラハスターズ戦)日本代表・スターティングラインアップ〕

1番・ライト 上杉 大輝(旭化成)
2番・セカンド 楠本  圭(Neo長崎)
3番・DP 中村 健二(大阪桃次郎)
4番・ライト 川田 直諒(旭化成)
5番・サード 筒井 拓友(大阪桃次郎)
6番・センター 小田澤正紀(高崎市役所)
7番・キャッチャー 鈴木 周平(岐阜エコデンSC)
8番・ファースト 伊藤 皓二(大阪桃次郎)
9番・ショート 槙田 直也(デンソー)
FP/ピッチャー 松田  光(平林金属)
▽選手交代
4回表 中村 健二OUT→西森  雄(トヨタ自動車)IN ※代打
4回裏 西森  雄OUT→中村 健二(大阪桃次郎)IN ※DPの中村健二が再出場し、FPのピッチャーの守備を兼務。。




 ISF第2回男子ワールドカップ第5日、予選リーグを7勝1敗の1位で通過した日本は、決勝トーナメントの初戦で予選リーグ2位の地元・チェコと対戦した。
 この試合も地元テレビ局が生中継、予選リーグ1位と2位の対戦にふさわしい熱戦が展開された。


〈6月17日(金)/決勝トーナメントセミファイナル(1位・2位戦)〉

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
チェコ 0 0 2 0 0 1 0 4 0 7
日 本 0 1 2 0 0 0 0 4 1x 8

  (日)高橋(2回)・中島(2回)・嶋田(3回1/3)・〇高橋(1回2/3)−片岡
〔本塁打〕川田、片岡
〔三塁打〕片岡、横山
〔二塁打〕横山

 日本は、「期待の若手」高橋速水を先発に起用。チェコとの対戦では、予選リーグの初戦、3失点でサヨナラ負けを喫し、二度目の対戦では見事にリベンジ。日本の予選リーグ1位通過に大きく貢献した。
 高橋速水は、2番・Petr Vachaにいきなり二塁打を打たれたものの、落ち着いて後続を断ち、無難な立ち上がりを見せた。
 先手を取ったのは日本。2回裏、この回先頭の5番・川田直諒がセンターバックスクリーンへ先制のソロ本塁打。今大会大活躍の若武者が、この大事な試合の先取点を一振りで叩き出した。
 しかし、地元の大声援を受けるチェコも黙ってはいない。先制を許した直後の3回表、この回から代わった中島幸紀を攻め、ファーストゴロエラー、四球、パスボールと日本の守備の乱れにつけ込み、二死二・三塁のチャンスを作ると、3番・Jaroslav Mikulecがライト前にタイムリー。二者を迎え入れ、逆転に成功した。
 日本はその裏、チェコ守備陣の乱れから一死三塁の同点のチャンスをつかむと、2番・片岡大洋がセンターオーバーのタイムリースリーベース。まず同点に追いつくと、3番・上杉大輝のピッチャーゴロの間に三塁走者が生還。1点を勝ち越し、すぐに試合をひっくり返した。
 日本は5回から嶋田智希を投入。1点リードのまま、逃げ切りを図るが、6回表、チェコは死球、安打などで二死一・二塁とすると、7番・Tomas Petrがセンター前に同点のタイムリー。2−2の同点のまま、試合は延長タイブレーカーへともつれ込んだ。
 勢いに乗るチェコは8回表、タイブレーカーの走者を二塁に置き、3番・Jaroslav Mikulecがライト前へ運び、まず1点を勝ち越し。続く4番・Vaclav Svobodaがセンターバックスクリーンへ豪快なツーランを叩き込み、さらに2点を追加。一死後、6番・Lukas Holubが再びセンターバックスクリーンへソロ本塁打。この回4点を挙げ、スタジアムの熱狂は最高潮! 誰もが地元・チェコの決勝進出を確信した。
 しかし、日本がここから驚異的な粘りを見せる。その裏、一死から1番・横山拓が左中間を破る二塁打を放ち、まず1点を返すと、2番・片岡大洋が「お返し」とばかりにセンターバックスクリーンへ突き刺さるツーランを放ち、アッという間に1点差。二死後、4番・松岡真央が四球で歩き、5番・川田直諒がセンター前ヒット。一塁走者・松岡真央が一気に三塁を狙うと、三塁手がこの送球を後逸。その間に松岡真央が生還し、同点。4点のビハインドを跳ね返す日本の粘りに、熱狂したスタンドが一転、凍りついたような静寂に包まれた。
 日本は9回表、延長8回途中からリリーフした高橋速水が二死満塁の絶体絶命のピンチを招きながら、チェコの「主砲」4番・Vaclav Svobodaを見逃し三振に切って取り、このピンチを切り抜けると、その裏、この回先頭の7番・鈴木周平のファーストファウルフライでタイブレーカーの二塁走者・筒井拓友が好判断を見せ、タッチアップから三塁へ進塁。チェコ守備陣の一瞬の隙を突き、一打サヨナラのチャンスを作り、8番・伊藤皓二のショートゴロの間に三塁走者・筒井拓友が好スタートで一気に本塁へ突っ込み、サヨナラのホームイン。地元・チェコとの死闘を制し、日本が決勝進出を決めた。
 チェコは持前のパワーを生かし、豪快な本塁打でリードを奪い、勝利をほぼ手中にしながら、日本の大技・小技を織り交ぜた変幻自在の試合運びの前に逆転負けを喫した。延長9回、ヒットなしでも点を取る術があった日本。タイムリー、本塁打が出ないと得点できないチェコ。この差が勝負の分かれ目となった。
 しかし、両チームの特徴・持ち味が見事に生かされた好ゲームであり、ヨーロッパの地でこれだけの「死闘」を演じる「良きライバル」が誕生したことは、喜ぶべきことである。再び決勝で「両雄」がぶつかる可能性が高いが、決勝でも今大会のクライマックスを飾るにふさわしい試合が展開されることを期待したい。

〔決勝トーナメントセミファイナル(1位・2位戦/チェコ戦)日本代表・スターティングラインアップ〕

1番・センター 横山  拓(岐阜エコデンSC)
2番・キャッチャー 片岡 大洋(高知パシフィックウェーブ)
3番・ライト 上杉 大輝(旭化成)
4番・ショート 松岡 真央(旭化成)
5番・レフト 川田 直諒(旭化成)
6番・サード 筒井 拓友(大阪桃次郎)
7番・DP 鈴木 周平(岐阜エコデンSC)
8番・ファースト 伊藤 皓二(大阪桃次郎)
9番・セカンド 西森  雄(トヨタ自動車)
FP/ピッチャー 高橋 速水(高知パシフィックウェーブ)
▽選手交代
3回表 高橋 速水OUT→中島 幸紀(大阪桃次郎)IN ※投手交代
5回表 中島 幸紀OUT→嶋田 智希(環太平洋大)IN ※投手交代
5回裏 筒井 拓友OUT→中村 健二(大阪桃次郎)IN ※代打
6回表 中村 健二OUT→筒井 拓友(大阪桃次郎)IN ※再出場し、サードの守備に入る。
6回裏 西森  雄OUT→楠本  圭(Neo長崎)IN ※代打
7回表 楠本  圭OUT→西森  雄(トヨタ自動車)IN ※再出場し、セカンドの守備に入る。
8回表 嶋田 智希OUT→高橋 速水(高知パシフィックウェーブ)IN ※再出場、投手交代。


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