ISF第2回男子ワールドカップに向け、
 新生・男子日本代表17名が決定!
(2011.5.11) 


男子日本代表選考会が実施され、
新生・男子日本代表17名が決定!

前回の世界選手権に引き続き、
丹下淑裕ヘッドコーチがチームの指揮を執る

「世界」と戦うべく、各選手の能力が厳しくチェックされた

選考会には全国から計64名が参加
「走・攻・守」を積極的にアピール

1点を奪い、1点を守るためには……
各選手に意見交換をさせ、チーム内での
コミュニケーション能力もチェックされた

今回は「若い力」が台頭!
新たな顔ぶれが出揃った

2年後の世界選手権に向けて、
いよいよ日本代表の「強化」がはじまる

6月に出場するワールドカップでは、
「初代チャンピン」として連覇をめざす日本
ヨーロッパの地で、男子ソフトボールをアピールしたい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 去る4月29日(金)〜5月1日(日)の3日間、愛知県岡崎市において平成23年度男子日本代表選考会が実施され、来る6月13日(月)〜18日(土)、チェコ・プラハにおいて開催される「ISF第2回男子ワールドカップ」に出場する男子日本代表17名が決定した。
(※平成23年度 男子日本代表選手名簿はこちら
(※ISF第2回男子ワールドカップ組み合わせはこちら

〈新たな日本代表を編成すべく、代表選手選考会を実施

 今回実施された選考会は、2年後にニュージーランドで開催が予定されている世界選手権を見据え、新たな男子日本代表の強化をスタートさせるとともに、来月(6月)にチェコ・プラハにおいて開催される「ISF第2回男子ワールドカップ」に派遣する男子日本代表選手の選考を目的としたもので、選考会当日は、日本リーグ、実業団、クラブ、大学から計64名の選手が参加。(財)日本ソフトボール協会選手強化本部会男子強化委員の面々が選考委員を務め、連日厳しい選考が行われた。

 選考会冒頭では、今回のチームの指揮を執る男子日本代表・丹下淑裕ヘッドコーチが挨拶に立ち、「前回の世界選手権から早2年がたち、昨年は1年間を通して強化事業を実施できずにいたが、いよいよ今年は新たな日本代表を編成し、強化をスタートさせることになる。今後の日本代表の活動、また当面の目標としては、2年後にニュージーランドで開催が予定されている世界選手権に向けて強化を図り、まずは来年開催されるアジア予選を勝ち抜き、世界選手権への出場権を勝ち取ることである。今回の選考会は、今年の強化事業である『ISF第2回男子ワールドカップ』に向けた日本代表を編成するためのものであるが、ここに集まった皆さんには、ぜひ2年後の世界選手権を見据え、継続したチャレンジを続けてほしいと考えている。その意味でも今回の選考会が男子日本代表の『新たなスタート』であり、『世界への挑戦』の第一歩である」と、今後の日本代表の活動方針について述べると、「今回のワールドカップへの出場については、日本代表の強化を図るということはもちろんのことであるが、『アジアのリーダー』として、野球・ソフトボールに馴染みの薄いヨーロッパの地で、男子ソフトボールをアピールし、ソフトボールを世界に普及させるという大きな目的がある。ISFにおいては、このワールドカップを、男子ソフトボールを世界にアピールするための重要な国際大会と位置づけており、我々日本としても、今回は単に強化を図るためだけではなく、この大会を通じてソフトボールの魅力、醍醐味を伝え、『男子ソフトボールここにあり!』と、世界にアピールしたいと考えている。今回の選考会では、日本代表選手として必要不可欠なトップレベルの技術はもちろんのこと、『自分たちがこれからの男子ソフトボールを引っ張っていく!』という強い意気込みを、ぜひ我々に見せてもらいたい」と、選考会に臨む選手への期待を語った。

 選考会初日は、64名の選手を3つのグループ(A・B・Cグループ)に分け、各グループごとに打撃・守備・基礎体力測定が行われ、打撃・守備に関しては、ゲーム形式で、様々な状況に応じたプレーができるか否かを評価。
 また、初日はこの実戦形式の選考と並行して、各選手の個人面談も実施。各選考委員がそれぞれの選手に対し、全日本大会や国際大会での実績について、また、今回自らがアピールしたい打撃・守備はどのようなプレーかを質問。過去に日本代表の経験のある選手には、これまで日本代表として国際大会を戦ってきた中で、何を考え、何を感じてきたか。またその経験を踏まえ、今後どのような日本代表選手をめざしていきたいかという選手の精神面、メンタルな部分にまで踏み込んだ内容の面談が行われた。

 選考会2日目は、A・B・Cに振り分けられた3つのグループがそれぞれ対戦する紅白戦形式での選考が行われ、選手たちは初日に引き続き、打撃・守備をアピール。
 この日は紅白戦形式の選考と並行して、投手の投球測定も実施。野手はケースノックでの守備の評価も行われ、投手の投球測定では、それぞれの投手が選考委員に自らの持つ球種を申告の上、投球を計測。球速、コントロール、変化球の切れが入念にチェックされた。
 野手のケースノックでは、捕手のスローイングや統率力、内・外野では各ポジション間の連携に加えて、守備範囲、スローイングの正確さが細かくチェックされ、外野手は、打球に回り込むまでの速さや、肩の強さ、左中間・右中間の深い打球への対応、中継プレーなどが確認された。また、このケースノックの中では、丹下淑裕ヘッドコーチが、あえて選手間での話し合いの場を持たせ、グループ内で意見交換を行うことも要求するなど、各選手のグループ内での行動も評価。一つひとつのプレーに対して選手がしっかりと考えを持っているか。また、チーム内で他の選手とコミュニケーションを図り、問題点を改善していく能力があるかといった部分にも詳細に目が配られ、選手選考のポイントとされていた。

〈2年後の世界選手権を見据え、若い選手たちの可能性に期待

 今回の選考会により、新たに選び抜かれた男子日本代表17名は、前回の世界選手権に出場した日本代表メンバーとは大きく様変わりし、2年後の世界選手権を見据え、新たな可能性を探すべく、若い選手を積極的に選出。フレッシュな顔ぶれが出揃った。
 投手では、これまで日本代表投手陣の「兄貴分」であり、リーダーであった飯田邦彦(日新製鋼)。野手では、前回の世界選手権で功守にチームを引っ張った原田泰光(高崎市役所)、枦山竜児(岐阜エコデンSC)、塚本正和(日新製鋼)らが今回は選出されず、「若く、新たな可能性を秘めた選手にチャンスを与え、強化していきたい」という今後の日本代表の強化方針が、はっきりと映し出された形となったといえるだろう。
 今回、投手では、昨年のインカレを制した嶋田智希(環太平洋大)。2005年の世界ジュニア選手権で準優勝を経験した松田光(平林金属)が初の日本代表入り。捕手は、大学でインカレ優勝、全日本総合選手権準優勝を経験している片岡大洋(高知パシフィックウェーブ)が新たに日本代表に選ばれ、内野手では、松田光と同じく、2005年の世界ジュニア選手権準優勝メンバーでもある伊藤皓二(大阪桃次郎)。日本リーグで攻守に「光るプレー」を見せ、チームを引っ張っている槙田直也(デンソー)。U23日本代表経験のある楠本圭(Neo長崎)が初めて日本代表に選出された。外野手も、日本リーグでベストナインを獲得するなど、「勢いのある若手」として評価の高い、上杉大輝、川田直諒(ともに旭化成)、2008年の全日本総合選手権優勝の実績を持つ小田澤正紀(高崎市役所)らニューフェイスが選出され、これまでの日本代表メンバーとの「世代交代」をうかがわせるチーム編成となっている。しかし、今回選ばれなかった選手にチャンスがなくなったというわけではない。来年開催されるアジア選手権(世界選手権アジア予選)、また、2年後に開催される世界選手権前には、その都度代表選手選考会が実施される予定となっており、すべての選手にチャンスは残されているのである。日本代表をめざす熾烈な争いは、まだまだはじまったばかりといえるだろう。

〈ヨーロッパの地に、ソフトボールを!

 このワールドカップは、2007年に同じくチェコ・プラハで第1回大会が開催され、日本、アメリカ、ベネズエラ、チェコ、デンマークの代表チームに加えて、チェコ、スペイン、オランダのクラブチームを含めた9チームが参加し、日本は「初代チャンピオン」に輝いている。
 しかし、出場国の顔ぶれとしては、現在「世界のトップ3」と評されているオーストラリア、ニュージーランド、カナダがいずれも大会に参加しておらず、今大会も、日本、インドネシア、チェコ、デンマークの4カ国に加えて、チェコのクラブチームが1チーム参加と、出場国の顔ぶれはまだまだ寂しい。「世界トップレベルの国際大会をヨーロッパで開催し、ソフトボールの普及を図る」というISF本来の目的に、残念ながら達していないのが現実である。今回、「初代チャンピオン」として大会に臨む日本には、このワールドカップでは、ただ単に勝利をめざすだけではなく、「アジアのリーダー」として、ソフトボールの魅力、醍醐味を伝え、男子ソフトボールを世界にアピールするという重要な役割があることを忘れてはならない。男子日本代表のソフトボールが、国境を越え、たくさんの人々の心を動かし、ヨーロッパの地で「男子ソフトボールここにあり!」と、そんな魅力溢れるソフトボールを展開してくれることを期待したい。

 男子日本代表は、今後、6月10日(金)に日本を出発。一路、チェコ・プラハへと向かい、現地で調整、テストマッチを行った後、「ISF第2回男子ワールドカップ」へと臨む予定である。新たな顔ぶれの出揃った新生・男子日本代表が、初陣となる国際大会でどのような戦いを見せてくれるのか。その戦いに注目したい!