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晴天に恵まれ、4種別で熱戦を展開!
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長崎が種別総合(男女総合)優勝に輝く
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地元・山口県勢では、少年男子が初戦を突破!
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成年男子は宮崎が2年連続4度目の優勝
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成年女子は「本命」群馬を破った神奈川が頂点に
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少年男子は「主砲」朝長聖斗の
劇的なサヨナラ安打で長崎が優勝
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少年女子は接戦の連続を勝ち上がった
大阪が14年ぶり4度目の優勝を飾った
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国体を契機として、ソフトボールの魅力を伝えようと、
宇津木妙子氏によるソフトボール教室も実施された
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10月8日(土)〜10日(月/祝)の3日間にわたり、東日本大震災復興支援・第66回国民体育大会(おいでませ!山口国体)が山口県下関市(成年男子・成年女子)・宇部市(少年男子・少年女子)を会場に開催された。
2007年の秋田国体、2008年の大分国体、そして昨年の千葉国体が悪天候のため、無念の途中打ち切り。まるで「悪夢」のように、4チーム同時優勝、8チーム同時優勝という「異例の事態」に見舞われ続けてきたが、今年は3日間とも晴天に恵まれ、成年男子・女子、少年男子・女子の4種別で熱戦が展開された。
結果は、天皇杯(男女総合)では、4種別すべてに出場し、少年男子が優勝、成年男子でも準優勝を果たした長崎が男女総合優勝を飾り、皇后杯(女子総合)は成年女子優勝の神奈川、少年女子優勝の大阪、少年女子で第3位、成年女子で第5位の愛媛、少年女子で第3位、成年女子で第5位の成績を収めた福岡。以上の4チームが1位に並び、女子総合優勝を分け合った。
開催県・山口は、少年男子が1回戦を突破した以外は、いずれも初戦敗退。成年男子は京都を相手に終始リードを奪う展開で勝利を目前にしながら、延長9回裏、逆転サヨナラホームランを浴び、5−6の惜敗。成年女子は日本リーグ1部の壁は厚く、健闘したものの、兵庫に1−6の大敗。少年女子は大阪と対戦し、初回に守備の乱れから1点を失うと、その1点が遠く、0−1の完封負け。少年男子だけが、和歌山に2点を先制されながら、後半逆転し、4−2で勝ち、初戦突破。しかし、準々決勝では、広島に9安打・7点を奪われ、0−7で大敗し、大会最終日を待たずに全種別で地元が姿を消した。
各種別の成績に目を向けると、下関市・長府扇町第2運動広場を会場に開催された成年男子は、全日本クラブ男子選手権、全日本総合男子選手権で優勝し、「二冠」に輝く平林金属を中心とした岡山が、初戦で姿を消す波乱があった。
岡山は1回戦、長崎と対戦し、日本代表でも活躍する「若手のホープ」松田光が投打に活躍。自らの本塁打で先制すると、その1点を終盤まで守り、勝利を目前としながら、守備の乱れから逆転を許すと、長崎・平山靖に勝負を決める本塁打を浴び、1−4の逆転負け。クラブ、総合に続く「三冠」は成らなかった。
この勝利で勢いづいた長崎は、続く準々決勝で「優勝候補本命」大阪も撃破。現役日本代表、元日本代表、元U19日本代表ら輝かしい経歴を持つ「タレント軍団」をキャプテン・永山大志、平山靖の本塁打等で4−2と競り勝ち、準決勝でも東日本リーグ・埼玉県庁クラブを主体とした埼玉を3−1で破り、決勝進出。
もう一方のゾーンからは、初戦となった準々決勝で京都を16−0の大差で破り、準決勝では元日本代表の好投手・村里和貴を攻略。8−0で愛知を破った宮崎が決勝へ駒を進めた。
決勝でも、宮崎の打線が爆発。チームのキャプテンであり、「日本現役最強打者」とも称される松岡真央が2本の本塁打を放つ等、その「称号」に偽りなしの「実力」を見せつけ、それに引っ張られるように大量8点を奪うと、エース・金丸昭太が終盤長崎打線の反撃を受け、4点を失ったものの、打線の大量援護にも守られ、完投。2年連続4度目の優勝を果たした。
下関市・下関球場・下関第2球場で開催された成年女子は、こちらも大会初日から波乱の幕開け。「日本代表のエース」上野由岐子をはじめ、日本代表をズラリと並べる「優勝候補の大本命」群馬が、神奈川に2−0の完敗。日本代表では、「チームメイト」であり、「中心打者」でもある山田恵里に本塁打を浴びる等、いいとろこなく初戦敗退。5連覇は夢と消え、国体では、ここ10年で9回の優勝を誇る強豪が早々に姿を消した。
これで勢いづいた神奈川は、続く準々決勝で愛媛を8−0で破り、続く準決勝では先制、中押し、ダメ押しの理想的な試合展開で3点を奪うと、先発・山口憲子が兵庫打線を完封。決勝進出を決めた。
もう一方のゾーンでは、「日本リーグチャンピオン」トヨタ自動車を主体に、日本リーグの強豪・豊田自動織機から補強した愛知が余裕の試合運び。「絶対的エース」モニカ・アボットこそいないものの、現役日本代表、元日本代表が多数揃うチームだけに、初戦の長崎戦を5−1で快勝すると、準々決勝の北海道戦は17−0の大差で勝利。準決勝では、京都を相手に鮮やかな先制攻撃を見せ、初回に2点、2回裏に1点を奪うと、宮本直美、森田千晶の継投で京都打線を完封。3年ぶりの優勝に「王手」をかけた。
決勝は、女子としては珍しい派手な打撃戦となり、二転三転する好ゲームとなったが、神奈川が6回表、西山麗の同点タイムリー、濱本静代の逆転打、山田恵里のダメ押しタイムリー等で一挙4点を奪って勝負を決め、10−6と打ち勝ち、3年ぶり7度目の栄冠を手にした。
宇部市・東部体育広場を会場に開催された少年男子は、インターハイ優勝の大村工業高を中心とした長崎が、初戦の神奈川戦を7−0で快勝すると、準々決勝では国体5連覇を継続中の高知と対戦。「事実上の決勝」ともいえるこの試合、長崎・中坂誠、高知・大石貴也両投手が息詰まる投手戦を展開。両チーム無得点のまま、迎えた7回表、長崎は升水大瑚が「値千金」のソロホームランを放ち、待望の先取点を挙げると、この1点をエース・中坂誠が守り切り、苦しみながらも準決勝へ駒を進めた。準決勝では一転、打線が爆発。朝長聖斗の本塁打を含む5本の長打を効果的に生かし、13−1と大勝。インターハイに続く、「二冠」達成へ向け、決勝進出を果たした。
もう一方のゾーンでは、初戦となった準々決勝の静岡戦を5−2で勝ち、続く準決勝でも、岡山に3−0の完封勝ちを収めた沖縄が決勝に勝ち上がった。
決勝では、長崎が2回裏に1点を先制したが、沖縄はその直後の3回表、長崎のお株を奪う叩きつけるバッティングに足を絡めた攻撃で長崎守備陣を揺さぶり、2点を奪い、逆転。そのまま逃げ切るかと思われたが、終盤長崎が底力を発揮。5回裏に山口清隆、朝野航、藤原雄歩の3連打で同点に追いつくと、7回裏には、朝野航、藤原雄歩の連打で無死一・二塁とし、「主砲」朝長聖斗が右前に運ぶサヨナラ安打。数々の修羅場をくぐり抜け、勝ち続けてきた「王者」が、勝負どころで驚異的な集中力と底力を発揮。インターハイに続く「二冠」を達成した。
宇部市・東部体育広場で開催された少年女子は、地元・山口との息詰まる投手戦を制し、勝ち上がった大阪が、準々決勝の鳥取戦も3−2の接戦を競り勝ち、準決勝進出。準決勝では、すでに「日本代表」に選出された経歴を持ち、U19日本代表のメンバーにも選ばれている「超高校級」のエース・岡村奈々を擁する福岡と対戦。この試合も緊迫した投手戦となり、両チーム無得点のまま、延長タイブレーカーに突入。大阪は8回表に好投手・岡村奈々からようやく1点をもぎ取り、1−0の完封勝ち。すべて1点差の接戦をモノにし、チーム一丸の戦いで、決勝へ駒を進めた。
もう一方のゾーンは、初戦となった準々決勝の北海道戦を1−0、準決勝の愛媛戦も3−0と2試合連続の完封勝ち。安定した投手力で相手に得点を許さず、勝ち上がった栃木が、大阪と決勝で顔を合わせることになった。
決勝は、大阪が初回に先取点を挙げ、3回表に1点、6回表に1点と小刻みに加点。このリードをエース・市谷愛美の力投で守り切った大阪が14年ぶり4度目の優勝を飾った。
また、大会初日には下関会場、2日目には宇部会場で、宇津木妙子氏(ISF(国際ソフトボール連盟)副会長・財団法人日本ソフトボール協会常務理事・国際委員長/シドニーオリンピック、アテネオリンピック女子日本代表ヘッドコーチ)、増淵まり子氏(シドニーオリンピック銀メダリスト)、伊藤幸子氏(北京オリンピック金メダリスト)が、地元の小学生・中学生を対象に、ソフトボール教室を実施。これは財団法人日本体育協会の各中央競技団体への要請もあり、実施されたもので、国体という日本のトップレベルで活躍するアスリートたちが、そこで大会に参加し、試合を行うだけでなく、開催県の競技力の向上や競技の普及・発展のため、開催県に還元できる事業・イベントを行ってほしいとの意向を受けてのものであった。
そのソフトボール教室では、宇津木妙子氏が女子日本代表ヘッドコーチ時代と変わらぬ率先垂範、陣頭指揮に立つ「熱血指導」でウォーミングアップからストレッチ、キャッチボール、そして十八番の「速射砲ノック」で次代を担う選手たちとコミュニケーションを図れば、増淵まり子氏は、投手の「お手本」として、実際にその投球を披露。伊藤幸子氏は野手の指導を担当。キャッチボールや守備の基本を分かりやすく丁寧に指導し、好評を博していた。
参加した選手、指導者の皆さんが、この貴重な機会を少しでも生かそうと目を輝かせ、一言一言に真剣に耳を傾け、懸命にボールを追う姿に「ソフトボールの原点」があり、国体という大きなイベント・大会を開催するのと並行して、そういった場を活用し、ソフトボールのさらなる「普及」をめざし、ソフトボールという競技が持つ「魅力」を伝え、アピールする努力を続けていくことが大切であり、重要である。
この「おいでませ!山口国体」のスローガン「君の一生懸命に会いたい」にある通り、私たちもソフトボールのさらなる普及・振興のための方策を「一生懸命」考え、実行していかなければ、ソフトボールに「明るい未来」は来ないのではないだろうか。
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