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ニュース 女子TOP日本代表

第1次海外強化合宿
第2次海外強化合宿
第7次国内強化合宿
を振り返って

「第1次海外強化合宿」(オーストラリア)では「Asia Pacific Cup」に出場

年明け早々の海外遠征にも選手たちは元気いっぱい!

「Asia Pacific Cup」は予選リーグ、順位決定戦ともに「全勝」で優勝!!

「第2次海外強化合宿」は「最大のライバル」アメリカの本拠地に乗り込む

アメリカでは「Mary Nutter Classic」に参戦。
アメリカのプロリーグ、大学の強豪と対戦

アメリカプロリーグのトップチーム「USSSA Pride」との対戦も実現。
1勝2敗と負け越す

平成29年度「強化事業」の締めくくりは千葉県鴨川市での「第7次国内強化合宿」

「第7次国内強化合宿」は紅白戦を主体とした「実戦形式」で強化に励む!

「偉大な先輩」に囲まれ、4人の「高校生」が必死に頑張る姿が見られた

世界選手権での「王座奪還」を果たし、2020東京での「金メダル」へ突っ走れ!!

 今年8月、千葉県千葉市・成田市・習志野市・市原市を会場に開催される「第16回世界女子選手権大会」(大会公式サイトはこちら)での「王座奪還」、2020東京オリンピックでの「金メダル獲得」をめざす女子TOP日本代表が、去る3月11日(日)、千葉県鴨川市での「第7次国内強化合宿」を打ち上げ、平成29年度の強化事業の全日程を終了した。
 ここでは年明け早々からはじまった「第1次海外強化合宿」(オーストラリア)、「第2次海外強化合宿」(アメリカ)、「第7次国内強化合宿」(千葉県鴨川市)を振り返り、その「成果」と「課題」を探ってみたい。

第1次海外強化合宿
(1月24日(水)~2月6日(火)/オーストラリア・ブラックタウン)


 この女子TOP日本代表「第1次海外強化合宿」は、真冬の日本とは季節が逆となる南半球・オーストラリアで国際大会参加を含む選手強化を施すことを目的とし、「平成29年度 後期女子TOP強化指定選手」29名の中から20名を選出・派遣(第1次海外強化合宿参加メンバーはこちら)。強化に励んだ。

 この「第1次海外強化合宿」では、強化の一環として、イタリア、中国、チャイニーズ・タイペイ、ニュージーランド、オーストラリア(代表チーム、オールスターズ/代表チームに次ぐカテゴリーのチームの2チーム出場)がエントリーした「Asia Pacific Cup」に出場。「世界の強豪」を相手に「実戦経験」を積んだ。
 大会は、全チーム参加によるシングルラウンドロビン(1回戦総当たり)の予選リーグを行い、予選リーグの順位に基づいて最終順位決定戦を実施。上位4チームの1位対4位、2位対3位がまず対戦し、その勝者が「決勝」で優勝をかけて戦うという試合方式で覇が競われた。

 女子TOP日本代表は、大会初日(2月1日/木)、初戦のイタリア戦を3-1、続く中国戦は10-0の4回コールドで初日のダブルヘッダーを連勝。
 快調なスタートを切ると、2日目(2月2日/金)のニュージーランド戦では、初回に大量8点をリードしたこともあり、先発に起用された「現在、高校3年生」の勝股美咲に続き、同じく高校3年生の山内早織、切石結女を「代表デビュー」させ、10-0で4回コールド勝ち。続く「ホスト国」オーストラリアとの対戦では、原田のどかの3安打を放つ活躍と洲鎌夏子のダメ押しのツーランホームランで3点を奪い、先発・濱村ゆかりが相手打線を2安打に封じ、完封。3-0で勝利を収め、無傷の4連勝を飾った。
 大会3日目(2月3日/土)、チャイニーズ・タイペイに9-1、オールスターズに9-0と2試合連続の5回コールド勝ち。予選リーグを6戦全勝の1位で通過し、最終順位決定戦に駒を進めた。
 大会最終日(2月4日/日)、最終順位決定戦では、初戦で予選リーグ4位のチャイニーズ・タイペイと対戦し、2回裏、長﨑望未の今大会第3号となるツーランホームランで先手を取ると、4回裏には藤田倭のタイムリー、5回裏には洲鎌夏子のタイムリーツーベースで1点ずつを加え、濱村ゆかり、小薗美希とつなぐ投手リレーでチャイニーズ・タイペイ打線を完封。4-0で勝利を収め、決勝ではホスト国・オーストラリアと優勝をかけ、激突。3回裏、洲鎌夏子のタイムリースリーベースで先取点を挙げ、4回裏には藤田倭、長﨑望未の連打からチャンスをつかみ、大工谷真波の犠牲フライ、山田恵里のタイムリーで2点を追加。3点のリードを奪うと、先発・藤田倭が「貫禄」のピッチング。オーストラリア打線をわずか1安打に抑え、3-0の完封勝利。予選リーグ・最終順位決定戦の計8試合、4日連続のダブルヘッダーという「ハードスケジュール」をモノともせずに8戦全勝。「無敗」で優勝を飾る圧倒的な強さを見せ、第1次海外強化合宿を締めくくった。

 今回の合宿での「収穫」は、若手選手、特に「高校3年生トリオ」のうち、すでに昨年「代表戦」で登板を果たしていた勝股美咲に続き、山内早織、切石結女が「代表デビュー」を飾ったことか。特に山内早織は「初安打」や「初打点」も記録する等、「大器」の片鱗を感じさせるプレーを見せた。着実に「代表」「TOPチーム」で登板機会を増やし、しっかりと「実績」を残しつつある勝股美咲を筆頭に、「Next Generation」の台頭は明るい話題といえるだろう。
 また、「ベテラン」山田恵里、山本優、「投打の大黒柱」藤田倭が「実力通り」の働きを見せ、「チームの中心選手」に成長しつつある原田のどか、洲鎌夏子も相変わらず安定感のあるプレーを見せている。3本塁打・9打点の活躍を見せた長﨑望未、打率5割の市口侑果の「中堅組」もそれに続き、ベテラン・中堅・若手がそれぞれに刺激し合い、競い合いながら、着実に「強化」が進められている。

第2次海外強化合宿
(2月6日(火)~2月16日(金)/アメリカ・カリフォルニア州アーバイン)
(2月17日(土)~3月1日(木)/アメリカ・カリフォルニア州パームスプリングス)


 この「第2次海外強化合宿」は、「平成29年度後期女子TOP強化指定選手」から19名の選手を選出・派遣(第2次海外強化合宿参加メンバーはこちら)、金メダル争いの「最大のライバル」であるアメリカに乗り込み、強化合宿と大会参加を行った。
 合宿期間中にメキシコ代表チーム、メキシコU19代表チームとのテストマッチを行う他、アメリカプロリーグ、大学の強豪チームが集う「Mary Nutter Classic 」にも参戦。選手強化を行うと同時に、「宿敵」アメリカの「本拠地」で「情報収集」を行う機会とした。
 メキシコ代表、メキシコU19代表との4試合のテストマッチは全勝。その「実力差」「戦力差」は歴然としていた。対戦機会の少ない中南米のチームとの対戦、出場機会の少ない「若手」を試す貴重な機会とはなったが、「手応えのある相手」とは言い難い面もあった。

 「Mary Nutter Classic」では、アメリカプロリーグで常に優勝争いを演じ、「アメリカ代表」や日本リーグでのプレー経験を有する選手を多数集める「強豪」USSSA Prideと3試合のテストマッチが実現。また、昨年の全米大学選手権優勝のオクラホマ大学や「名門」UCLAとの対戦が組まれる等、絶好の強化の機会を得た。

 もちろん、シーズン開幕前のこの時期であり、今夏の世界選手権、2020年のオリンピックで「世界一」「金メダル」争いの「最大のライバル」となる日米両国のトップチームの対戦とあって、互いに手の内を見せたくないところでもあり、完全な「ガチンコ」でのぶつかり合いとはいかなかったが……。USSSA Prideとのテストマッチでは1勝2敗と負け越す結果となった。

 USSSA Prideは、日本女子ソフトボールリーグ1部の豊田自動織機 シャイニングベガの「投打の大黒柱」ケイラニ・リケッツ、戸田中央総合病院 Medics「躍進」の原動力となったジョーダン・テーラーのように、現在、日本リーグで活躍している選手や豊田自動織機 シャイニングベガのカースティー・メリット、デンソー ブライトペガサスのケリー・クレッチマンのように今シーズンから日本リーグでプレーすることが決まっている選手、ビックカメラ高崎 BEE QUEENで首位打者1回、本塁打王2回、打点王1回のタイトルを獲得したメーガン・ウィギンズら、過去に日本リーグでプレーしていた選手もおり、「アメリカ代表」の経験を有する選手も在籍するアメリカプロリーグのトップチーム。このチームとの対戦が実現したことは、今回の海外強化合宿の「大きな収穫」であった。

 結果的には、USSSA Prideとの対戦は初戦こそ8-0と圧倒したものの、第2戦は初回に2点のリードを奪いながら、先発・濱村ゆかりがその裏、あっさり3点を奪われ、結局4-7の逆転負け。初回のスリーラン、2回裏のソロホームランで4点を奪われる等、「一発攻勢」での大量失点が最後まで響く結果となった。
 第3戦も3回表に、この回から登板した小薗美希がいきなり「一発」を浴び、相手を勢いづかせてしまい、3失点。結局、これが致命傷となり、追撃及ばず2-4で敗れ、1勝2敗と負け越す形となった。

 また、3-3の引き分けに終わった全米大学選手権の「覇者」オクラホマ大との一戦も、初回に1点を先制しながら、2回表、3回表に先発・藤田倭が2本の本塁打を浴びて逆転を許し、最終回に同点に追いつき、何とか「代表チーム」としてのメンツは保ったが、サヨナラのチャンスを逃して勝ち切ることができず、3-3の引き分け。最終的には17-5の大差で勝利したオレゴン大との対戦でも、「期待の若手」勝股美咲が2回裏にスリーランホームランを含む大量5失点。それを追いかける苦しい試合展開を強いられている。

 こう見ていくと、敗れた試合、苦戦した試合は、いずれも「アメリカの特徴」である「ホームラン」「一発」がその引き金となっており、「敗因」へと結びついている。その「パワー」「長打力」という点においては、「ライバル」アメリカに「一日の長」があり、そこで「勝負」するのは日本にとっては分が悪いということが改めて露呈する結果となった。相手のパワーを封じ、使わせない、出させない、クレバーなピッチング、頭脳的・戦略的な投球の組み立てができるか否かがポイントになるのではないだろうか。

 逆にアメリカの投手陣に目を向けて見ると、大学生であっても110km/hを超え、120km/hに迫る球威・球速を誇るピッチャーも珍しくない。日本の投手陣と比べて、球威・球速といった点では明らかにアドバンテージがあり、これに磨きをかけられたら……という「恐怖感」は確かにある。
 ただ……時代は移り変わり、当時とは投球距離やボールも違っているので一概に比較はできないが、かつてのリサ・フェルナンデスやミッシェル・スミスのような「完成度の高いピッチャー」はおらず、「ボールが消える……」とまで形容された切れ味鋭いライズ、ドロップで三振の山を築かれ、キリキリ舞いさせられたキャット・オスターマンのようなアメリカ“らしい”ピッチャー、「真のエース」がいないようにも感じる。
その証拠に、日本がアメリカに敗れる試合はあっても、「完封負け」はほとんどしていない。「完璧に抑え込まれた」「手も足も出なかった」という試合は皆無に近く、逆にいえば、「必ず」得点のチャンスをつかみ、それを活かしており、昨年の「日米対抗」や「JAPAN CUP」のように奇跡的ともいえる「逆転勝利」を演じた試合もあった。
 アメリカは、今年8月、千葉での「第16回世界女子選手権大会」には、トヨタ自動車 レッドテリアーズの「絶対的エース」モニカ・アボットを、2010年の「第12回大会」以来、4大会ぶりに「代表復帰」させているが、これもまたモニカ・アボット以外に「切り札」がなく、それに続く「柱」となり得る存在が育っていない証左といえよう。

 日本にとって「理想的」な試合展開は、「ロースコアでの競り合い」である。それを実現させるためには、やはり「投手陣の踏ん張り」がカギとなる。アメリカの「上野由岐子アレルギー」(上野由岐子のいる日本には勝てない)が払拭される前に、今夏の世界選手権でしっかりと叩き、「王座奪還」を果たすのはもちろんのこと、やはり「日本には勝てない」という「苦手意識」を持ってもらったまま、2020年東京オリンピックを迎えるのが「理想のシナリオ」といえそうだ。

第7次国内強化合宿
(3月1日(木)~11日(日)/千葉県鴨川市)


 千葉県鴨川市での「第7次国内強化合宿」では、「実戦主体」の強化スケジュールが組まれ、連日「紅白戦」を行い、強化に励んだ。また、合宿後半には、今夏の世界選手権を担当する可能性のある国際審判員を招き、実際にジャッジを行ってもらい、「国際基準」のストライクゾーンを含め、その判定基準を入念に確認した。

 この「第7次国内強化合宿」は、オーストラリアでの「第1次海外強化合宿」、アメリカでの「第2次海外強化合宿」と長期にわたる海外合宿、国際大会参加を経てそのまま参加したメンバーと、この「第7次国内強化合宿」から参加したフレッシュなメンバーが混在しており、二度にわたる海外強化合宿では「レギュラー」として活躍してきたはずのメンバーが、この合宿から参加したメンバーに「紅白戦」で圧倒されてしまうケースもしばしば見られた。
 その度、宇津木麗華ヘッドコーチに「カミナリ」を落とされていたが、裏を返せば、海外強化合宿のメンバーからは漏れてしまったとはいえ、「女子TOP日本代表」に名を連ねる選手たちの「力」は確かなものがあり、それだけ「レベルの高い」選手が揃っているということを証明してくれたともいえるだろう。少々選手が入れ替わったところで、その「チーム力」に変わりはなく、「世界トップレベル」のソフトボールを展開できる、という点において、改めて日本の女子ソフトボールの「選手層の厚さ」「底力」を垣間見た気がする。
 もちろん、今後はより選手を絞り込み、さらに鍛え上げ、他の追随を許さぬようなレベルにまで引き上げていくことが目標になるが、現時点でその「候補」となり得る選手がこれだけいるという「事実」は、日本の「チーム力」「総合力」といものを考えたとき、他国に対して「大きなアドバンテージ」となり得るだろう。

 また、今回の合宿では、勝股美咲、山内早織、切石結女の「高校3年生トリオ」に、唯一の「高校2年生」後藤希友を加えた4選手がバッテリーを組む機会も多く、この「若きバッテリー」が、日本が世界に誇る山田恵里、山本優といった「世界的スラッガー」に、臆することなく果敢に挑んでいく姿は見応えがあった。
 「格の違い」を見せつけられ、打ちのめされるシーンもあれば、「真っ向勝負」で立ち向かい、抑え込んで見せるシーンもあった。打たれても、抑えても、その一球一球が、その一つひとつのプレーが、「若きバッテリー」にとっては「勉強」となり、成長の「糧」となったはずである。

 正直なところ、すでに何度も代表戦で登板機会を与えられている勝股美咲でさえ、「まだ時間がかかる」といった印象は拭えなかった。「上野由岐子二世」と期待される「逸材」であり、大きな可能性と豊かな将来性を持ったピッチャーであることは間違いないが、本来はまだ「ジュニア」のカテゴリーの選手に過ぎない。
 逆にいえば、その勝股美咲を含め、17歳や18歳で「女子TOP日本代表」の一員としてプレーしていること自体が「驚くべきこと」であり、少なくとも、この段階で「世界」で通用する「可能性」を見出され、期待されている、という「事実」に「自信」を持つべきだろう。
 また、この世代の選手は、何かのキッカケで「大化け」する可能性があり、驚異的な速度で「進化」を遂げることもある。それだけの潜在能力、素質は誰もが認めるところだけに、この環境でプレーできていること、より高いレベルに身を置き、自らを磨く「チャンス」を与えられていることを、素直に喜び、前向きにトライしていってほしいものである。

 この「第7次国内強化合宿」でひとまず平成29年度の女子TOP日本代表の強化は一区切りを迎える。平成29年度の選手強化は、「発掘育成段階」を終え、「選抜・強化段階」へと入り、従前以上の徹底的な基礎体力強化はもちろんのこと、戦術理解を推し進め、外国チームの情報収集とその対策にも力を注いできた。
 平成30年度は、世界選手権に向けた強化と、その後の東京オリンピックを見据えた「2段階の強化」が推し進められ、女子TOP日本代表には延157日に及ぶ強化事業の実施が予定されている。

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