「第79回国民スポーツ大会」(わたSHIGA輝く国スポ2025)が滋賀県下4市で開催された
天皇杯得点(男女総合成績)では栃木県が1位に!
皇后杯得点(女子総合成績)では開催県・滋賀県が1位に!!
「成年男子」開催県・滋賀県は残念ながら初戦で敗退
「成年男子」三重県が50年ぶり2回目の優勝! 半世紀ぶりに「頂点」へ!!
「成年女子」開催県・滋賀県がベスト4進出! 第3位に!!
「成年女子」栃木県が15年ぶり3回目の優勝
「少年男子」開催県・滋賀県も懸命の戦いを見せたが……初戦で敗退
「少年男子」優勝候補・長崎県が下馬評通りの強さを発揮! 13年ぶり4回目の優勝
「少年女子」開催県・滋賀県がベスト4進出の快進撃を見せ、会場を大いに沸かせた
「少年女子」激闘・死闘の連続を最後まで勝ち抜き、7年ぶり9回目の栄冠を手にした兵庫県
去る9月29日(月)~10月1日(水)の3日間にわたり、第79回国民スポーツ大会ソフトボール競技(わたSHIGA輝く国民スポーツ大会ソフトボール競技会)が開催され、「成年男子」が滋賀県東近江市/東近江市総合運動公園布引多目的グラウンド、「成年女子」が滋賀県高島市/高島市今津総合運動公園第1グラウンド・第2グラウンド、「少年男子」が滋賀県草津市/草津市立野村運動公園グラウンド、「少年女子」が滋賀県守山市/守山市民球場・守山市民運動公園ソフトボール場を会場にそれぞれ開催された。
【種別総合成績/天皇盃(男女総合)・皇后杯(女子総合)得点成績】
男女総合成績となる「天皇杯得点」は、「成年女子」で15年ぶり3回目となる「優勝」を飾り、「成年男子」でも「第3位」の成績を残した栃木県が1位。「種別総合優勝」を飾り、女子総合成績となる「皇后杯得点」では、「成年女子」「少年女子」とも「第3位」となった開催県・滋賀県が1位となった。
「天皇杯得点」2位は「少年男子」で決勝進出を果たして「準優勝」、「成年男子」が「第3位」となった福島県、3位には「成年女子」「少年男子」でともにベスト4進出。「第3位」となった愛媛県が入った。
「皇后杯得点」2位は「成年女子」で優勝を飾った栃木県と「少年女子」で7年ぶり9回目となる「優勝」を勝ち獲った兵庫県が並ぶ形となった。
【成年男子】
「成年男子」は東近江市総合運動公園布引多目的グラウンドを会場に熱戦が展開され、開催県「滋賀県」は1回戦で「日本リーグ」所属の埼玉県庁クラブを主体とする「埼玉県」と対戦し、健闘したものの、1-4で敗れ、初戦で姿を消した。
また、この日の1回戦では「第54回日本男子ソフトボールリーグ」第3節終了時点で「単独首位」に立つ平林金属の単独チームである「岡山県」(第54回日本男子ソフトボールリーグ出場チームの選手紹介、試合結果等詳報はこちら)と、「第65回全日本実業団男子選手権大会」(大会結果詳報・決勝戦ダイジェスト動画はこちら)、「天皇盃第71回全日本総合男子選手権大会」(大会結果詳報・決勝戦ダイジェスト動画はこちら)の「覇者」であり、この「国スポ」でも優勝し、「三冠」を狙うHondaの単独チームである「栃木県」が対戦するという好カードが組まれ、「栃木県」が3-1で「岡山県」を撃破。準決勝で「第46回全日本クラブ男子選手権大会」(大会結果詳報・決勝戦ダイジェスト動画はこちら)の優勝チーム「三重ベルデウィン」を主体とする選抜チームである「三重県」が激突! 「事実上の決勝戦」といわれた「大一番」を迎え、「三重県」が「栃木県」の先発・長井風雅の立ち上がりに襲いかかり、今大会では「監督」を務める2番・櫻庭佑輔の安打を口火に、4番・芦田翔の右中間三塁打で先制。四球を挟み、6番・宮本祐道にも三塁線を抜く適時二塁打が飛び出し、二者を迎え入れ、この後、相手守備の乱れもあって初回に4点を先制する予想外の展開となった。これで勢いづいた「三重県」は5回表には6番・宮本祐道のツーラン、7回表にも代わった大坪優也から3番・上田郁也がダメ押しのツーランホームランを放ち、放った6安打のうち、5本が長打という「長打攻勢」で大量8点を挙げ、「栃木県」を圧倒!
守っては、先発・河野拓郎が5回まで無失点の好投。6回裏にソロホ―ムランを浴び、1点を失いはしたものの、最後は代わった酒井匠が締め、8-1で快勝! 決勝進出を決めた。
一方のゾーンでは、同じく「日本リーグ」所属の旭化成の単独チームである「宮崎県」が初戦「愛媛県」(同じく「日本リーグ」所属の愛媛ウエストを主体とする選抜チーム)を7-1、準々決勝で「埼玉県」に3-2と競り勝ち、準決勝では「福島県」相手に最終回まで1-5と4点をリードされる「想定外」の試合展開の中、1番・永吉飛斗のソロホ―ムランを皮切りに、2番・上杉大輝、3番・川田直諒、4番・米野智陽の3連続長短打でアッという間に1点差に迫り、最後は5番・黒木功弥が左中間に逆転サヨナラのツーランホームランを突き刺し、6-5の逆転勝ち。土壇場で2本の本塁打を含む怒涛の5連続長短打で試合をひっくり返し、劇的な逆転サヨナラ! 「宮崎県」が決勝へ駒を進めた。
「三重県」と「宮崎県」の決勝は、2回表に「三重県」が先制。四球で出塁した走者がすかさず盗塁し、次打者のライトフライでタッチアップから三塁へ進塁。このチャンスに7番・松浦稜太がキッチリとライトへ犠牲フライを打ち上げ、ノーヒットで先取点を挙げると、続く3回表には相手守備の乱れから無死二塁のチャンスをつかみ、2番・宮本祐道の一・二塁間を抜くタイムリーで2点目。4回表にも9番・井上匠のタイムリーで1点を加え、小刻みに加点し、着々とリードを広げた。
守っては、この大会では「選手」「投手」に専念している河野拓郎が好投。「宮崎県」打線を6回まで散発2安打に封じ、3-0とリードしたまま、試合は最終回を迎えた。
7回表、「三重県」が死球、安打で無死一・二塁とし、4番・上田郁也が勝負を決めるスリーランホームラン! ダメ押しの3点を加え、勝利を決定づけた。
その裏、「宮崎県」も必死の反撃を試みたが、力投を続ける河野拓郎の前にセカンドファウルフライ、連続三振で6-0のまま、試合終了! 「三重県」が実に50年ぶり、前回の優勝から「半世紀」の時を経て2回目の優勝を飾った。
【成年女子】
「成年女子」は高島市今津総合運動公園第1グラウンド・第2グラウンドを会場に開催され、JDリーグ・日本精工 ブレイブベアリーズに大学生1名を加えた選抜チームである開催県「滋賀県」が初戦で「鹿児島県」(日本女子ソフトボールリーグ所属のMORI ALL WAVE KANOYAの単独チーム)と対戦し、9-2で大勝! 続く「岐阜県」(JDリーグ・大垣 ミナモの単独チーム)との対戦も先手を奪われながら9-4と打ち勝ち、ベスト4進出。準決勝では、この「成年女子」では過去「優勝」24回と圧倒的な強さを誇る「群馬県」(JDリーグ・ビックカメラ高崎 ビークイーンと太陽誘電 ソルフィーユによる選抜チーム)に0-5で敗れはしたものの、詰めかけた地元の大応援団を沸かせ、大会を盛り上げてくれた。
決勝は、その「群馬県」と初戦でJDリーグ・SGホールディングス ギャラクシースターズの単独チームである「京都府」を3-1で破り、準々決勝では「第60回全日本大学女子選手権大会」(大会結果詳報はこちら)準優勝・日本文理大学の単独チームである「大分県」に7-0の5回コールド勝ち。準決勝ではJDリーグ・伊予銀行 ヴェールズの単独チームである「愛媛県」との息詰まる投手戦を1-0で制して勝ち上がってきた「栃木県」(JDリーグ・ホンダ リヴェルタの単独チーム)との顔合わせとなり、初回に「群馬県」が4番・上林藍子のツーランホームランで先手を奪い、「また今年も群馬か……」という雰囲気が漂う中、その直後の2回表、「栃木県」がすぐに反撃。この回先頭の6番・渡邉瑞貴がセンター前ヒットを放ち、出塁すると、一死後、8番・棚町佳奈がレフトスタンドへ同点のツーランホームラン! これで息を吹き返した「栃木県」は4回表、相手投手の制球の乱れにつけ込み、4四球で押し出し。1点を勝ち越し、続く5回表には一死からの連打で一・二塁とし、7番・山根葉月が勝負を決定づけるスリーランホームラン! 「ルーキー」が大仕事をやってのけ、6-2と大きくリードを広げた。
このリードを先発・新宮怜美、松下華菜とつなぐ投手リレーで守り抜き、初回に2点を失った後は「群馬県」の強力打線に追加点を許さず、6-2のまま、試合終了! 15年ぶり3回目の優勝を手にした。
【少年男子】
「少年男子」は草津市立野村運動公園グラウンドを会場に開催され、滋賀学園高等学校を中心に、彦根工業高等学校、栗東高等学校の選手で編成された開催県「滋賀県」は、初戦で鹿児島工業高等学校を主体とし、鹿屋農業高等学校、加治木工業高等学校、薩南工業高等学校の選手を加えた「鹿児島県」と対戦。初回を「0」で終えたときには、健闘の予感もあったのだが……2回以降、大量失点を喫し、0-15の5回コールドで初戦敗退となった。
「少年男子」は、今夏のインターハイ「第60回全日本高等学校男子選手権大会」(大会結果詳報はこちら)を制した大村工業高等学校を主体とし、いずれも「全国制覇」の経験のある佐世保西高等学校、島原工業高等学校の選手を加えた「長崎県」が他を圧倒。
初戦で興國高等学校を主体とする「大阪府」を14-0の5回コールドで下し、準々決勝では「第43回全国高等学校男子選抜大会」(大会結果詳報・決勝戦ダイジェスト動画はこちら)を制した「春の王者」啓新高等学校の単独チームである「福井県」に序盤3点をリードされながらも「慌てず騒がず」終盤の逆襲で5-3の逆転勝ち。準決勝では「鹿児島県」との九州対決を、今度は一転、序盤から終始リードを奪う「横綱相撲」で6-3と快勝! 下馬評通りの強さを見せつけ、決勝へ駒を進めた。
もう一方のゾーンからは郡山工業高等学校に須賀川創英館高等学校の選手1名を加えた「福島県」が初戦、光明学園相模原高等学校を主体とし、横須賀学院高等学校、向上高等学校の選手を加えた「神奈川県」に4-2で競り勝つと、準々決勝では札幌東陵高等学校を中心に、札幌北斗高等学校、札幌みなみの杜高等学校の3校から選出された9名ギリギリのチーム編成で大会に臨んだ「北海道」に15-0の5回コールド勝ち。
準決勝では東温高等学校を主体に、松山工業高等学校、大洲高等学校の選手も加えた「愛媛県」と対戦。「福島県」が両チーム無得点で迎えた4回表、4番・大森隼斗のセンター前ヒットから二死三塁のチャンスをつかむと、相手投手が突然制球を乱し、4連続四死球の大乱調。二者連続の押し出しで2点を先制し、このリードを「エース」鈴木大が被安打5・奪三振7の好投で守り切り、2-0の完封で決勝進出を決めた。
「長崎県」と「福島県」の決勝は、3回裏、「長崎県」が敵失、犠打で一死二塁とし、1番・遠藤隆正の二遊間を抜く安打で一・三塁。一塁走者がすかさず二塁へ盗塁し、二・三塁とした後、2番・持原力が「ゴムボール」の特性を最大限に利用した「得意」の叩きつけるバッティングで高いバウンドのショートゴロを転がし、三塁走者が生還。先取点を挙げると、「長崎県」のペースとなり、完全に試合を支配。続く4回裏には、四球、内野安打等で二死ながら二・三塁と攻め立て、8番・平山未来の三遊間を抜くタイムリー、9番・北村隆太郎のセカンド内野安打、ワイルドピッチで3点を加え、4-0とリードを広げた。
守っては、「エース」北川氷悟が被安打1・奪三振12の力投で「福島県」打線につけ入る隙を与えず、4-0の完封勝利で13年ぶり4回目の栄冠に輝いた。
【少年女子】
「少年女子」は守山市・守山市民球場・守山市民運動公園ソフトボール場を会場に開催された。この大会と同時期の9月27日(土)~10月1日(水)、アメリカ・オクラホマシティで「第15回女子U18ワールドカップ ファイナル」が開催されていたこともあり、「日本代表」として「世界の舞台」で戦うことと引き換えに、高校生活の「最後」を飾り、「集大成」となる「国スポ」には参加できない……という「苦渋の選択」を迫られる選手もいるという「難しい状況」の中で開催された大会となった。
開催県「滋賀県」は比叡山高等学校、大津商業高等学校を中心に、滋賀学園高等学校、水口高等学校の選手を加えた選抜チームで出場。くじ運にも恵まれ、準々決勝が初戦となり、酪農大学附属とわの森三愛高等学校を主体とし、帯広大谷高等学校の選手を加えた編成のチームで、初戦を勝ち上がってきた「北海道」を6-0で撃破。
準決勝では兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校を主体に神戸野田高等学校の選手4名を加えた「兵庫県」と対戦。「滋賀県」が2回表、この回先頭の5番・澤田芽の左中間二塁打から先制のチャンスをつかみ、犠打で走者を進めた後、7番・藪内心都のタイムリーで先取点を奪った。最終回までこの1点のリードを守り、「勝利は目前」と思われたのだが……7回裏、力投の「エース」細野月菜が2本の二塁打を浴び、1-1の同点に。試合はそのまま延長タイブレークに突入し、延長8回は両チームともに得点なく、迎えた10回裏、「兵庫県」はタイブレークの走者を内野ゴロの間に三塁へ進め、4番・山下璃莉が劇的なサヨナラ安打。「兵庫県」が2-1で粘る「滋賀県」を振り切り、決勝進出を決めた。
もう一方のゾーンでは、こちらも準々決勝からの登場となった「京都府」(京都西山高等学校を主体に、福知山成美高等学校、京都西城陽高等学校、京都明徳高等学校の選手を加えた編成)が山梨学院高等学校の単独チームである「山梨県」との息詰まる投手戦を1-0で制し、準決勝では「鹿児島県」(神村学園高等部を主体に鹿児島女子高等学校の選手を加えた編成)、「長崎県」(向陽高等学校7名、市立長崎商業高等学校6名とほぼ半数ずつの編成)の九州勢を連破して勝ち上がった「福井県」(啓新高等学校を主体に福井商業高等学校、三国高等学校の選手を加えた編成)と対戦。「福井県」が3回表、安打、盗塁、四球等で二死一・二塁とし、4番・丸山夏葵のピッチャー強襲安打の間に二塁走者が還り、先制。先取点を挙げたが、その裏、「京都府」もすぐに反撃。敵失と安打で出塁した走者を塁上に置き、4番・藤木結生が逆転のスリーランホームラン! 3-1と試合をひっくり返した。2点を追う「福井県」は6回表、二死走者なしから8番・濱砂杏花、代打・玉木楓夏の長短打で1点を返し、1点差に詰め寄ったが反撃もここまで。「京都府」が3-2で逃げ切り、決勝へ駒を進めた。
「兵庫県」と「京都府」の決勝は、3回表、「兵庫県」が1番・長尾来瞳のソロホ―ムランで先制! 1点を追う「京都府」は終盤6回裏、安打で出塁した走者を2つの犠打で三塁へ進め、3番・吉岡涼花がセンター頭上を越える適時二塁打。1-1の同点に追いつき、試合はそのまま延長タイブレークへともつれ込んだ。「兵庫県」は延長8回表、タイブレークの走者を進めることができないまま、二死となってしまったが、9番・松浦歩花が安打でつなぎ、一・三塁とチャンスを広げると、1番・長尾来瞳が故意四球で歩かされ、満塁。ここで2番・山中陽月がレフト前にタイムリーを放ち、二者生還。2点を勝ち越した。
「京都府」もその裏、1点を返す粘りを見せたが……反撃もここまで。「兵庫県」が7年ぶり9回目の優勝を手にし、大会の幕を閉じた。