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JSL(日本女子ソフトボールリーグ)が能登で復興支援活動を実施

 去る4月21日(月)、石川県金沢市・金沢市営専光寺ソフトボール場で「開幕」となる「第1節」が開催され、JSL(日本女子ソフトボールリーグ)所属12チームが一堂に会し、熱戦を展開。その戦いを終えた翌日(4月21日/月)、昨年元旦早々の大地震と9月の豪雨災害で大きな被害を受けた能登へと向かい、復興支援活動を行いました。

JSL(日本女子ソフトボールリーグ)所属12チームが一堂に会し、シーズン「開幕」となる「第1節」を石川県金沢市で開催した後、被災地・能登での復興支援活動に向かった。大会のリーグ審判員を統括した日ソ協・足袋抜豊松審判・ルール副委員長(前列左から3番目)も自宅が珠洲にあり、被災。避難所の生活も経験し、今も金沢と珠洲での2拠点生活を余儀なくされている

 能登といえば、ソフトボールにとっては「門前」(石川県輪島市門前町)。「ソフトボールの街」として知られるこの地は、1970年・大阪で開催された「第2回世界女子選手権大会」(現・ワールドカップ)のメンバーとして大会に出場し、日本に「初」の「世界一」をもたらし、「門前高校」を全国有数のソフトボール強豪に育て上げた名将・室谷妙子さんなくして語ることのできない街であり、1996年のアトランタオリンピック、2000年のシドニーオリンピックに出場し、シドニーオリンピックでは「キャプテン」を務め、「限りなく金メダルに近い銀メダル」獲得に貢献した松本直美選手ら、室谷妙子さんの指導を受けた「教え子」「愛弟子」がオリンピックや世界選手権(現・ワールドカップ)で活躍。日本が誇る「名選手」たちを数々輩出したことでも知られています。
 日本のソフトボールにとって、とても「大切な場所」であり、決して「忘れることのできない地」能登・門前を、震災前、豪雨災害の前の姿に戻したいとの「強い思い」をもって、今回の復興支援活動の実現に至りました。

1970年「第2回世界女子選手権大会」で優勝し、「世界一」となった室谷妙子さん(後列左から7人目)
能登の地で門前高校を全国有数の強豪校に育て上げ、国際舞台で活躍する日本代表選手を多数輩出した

2000年「シドニーオリンピック」で「キャプテン」を務め、銀メダルを獲得した松本直美選手も門前高校出身(前列左から3人目)

 チーム・選手たちは前日まで激戦を戦い抜いた疲れも見せず、8チーム・119人の選手・スタッフが参集。当日、試合を行った金沢市を早朝6:00に出発。輪島市浦上公民館へ8:30集合し、集合後すぐに現状のボランティア活動についてのお話を聞き、そこから約30分をかけ、輪島市上大沢町地区へ移動。現地はまだ電気も水道も復旧されていない状態とのこと……。
 現地に到着後、住民の方々に「現状」を聞き、3班に分かれて9:00から復興支援作業を開始。「長靴部隊」(70人)は側溝内とお墓周りの土砂やヘドロ撤去を行い、他2班は民家周囲の側溝内の土砂撤去(20人)、民家周囲の土砂撤去(29人)と手分けし、13:00頃までこの作業を行い、終わったところから道路周辺の流木や枯れ葉を撤去。すべての作業を終了した後、全員で川に降り、使用した用具を清掃して戻し、この日の復興支援活動を終え、参加者全員で記念撮影。参加チームに輪島塗のお箸がプレゼントされる嬉しい「サプライズ」もありました。

現地の様子。震災、豪雨の爪痕はまだまだ大きく残り、復興半ば。思うように進まぬ現状も……

普段は賑やかでうるさい!?ぐらいの選手たちが黙々と作業に取り組んだ

復興のために……現地の状況を目の当たりにし、改めて自分たちに「何ができるか」を考え、行動していく

 チームの垣根を越え、選手だけなく監督、コーチ、チームスタッフも参加して、時間の許す限り、現地の復興作業に取り組み、普段は賑やかでうるさいぐらい!?の選手たちが現地の状況を目の当たりにして、黙々と作業を行う姿が強く印象的に残りました。やはり現地に足を運び、その目で状況を確かめ、実状を肌で感じると、軽々な言葉を発することはできない……というのが率直な感想です。また、こうした厳しい現状の中にあってもなお希望を失うことなく「復興」へと向かう現地の皆さんの姿を見て、私たちの方が勇気と元気をいただいた……というのが正直なところかもしれません。
 能登はソフトボールにとって、とても縁の深い土地柄でもあり、大切で重要な場所です。その復興のために自分たちに何ができるのか、改めて考える機会とし、思い、考えるだけでなく「行動に移す」ことの重要性・大切さを忘れてはならないと心に刻みました。その上で、自分たちの大好きなソフトボールをすることのできる「日常」に心から感謝するとともに、ソフトボールを通じた「社会貢献」と「恩返し」が少しでもできるよう今後もグラウンド上で「全力プレー」を見せていくことはもちろん、こうした活動にもJSL全体で取り組んでいければ……と決意を新たにした次第です。

 今回の企画に賛同、参加を後押しして下さった各チーム・企業の皆さまや学校、スポンサーの皆さまがあってこそ実現できたことであり、ソフトボールを通じた「社会貢献」と「恩返し」を再認識できたことを含め、改めてJSLだからこその良さと存在意義を感じることができました。また、大会前のイベントからこの最後の復興支援活動まで、石川県出身の坂井寛子さんには開幕節のイベントから最後までご協力いただきましたことに心より感謝申し上げます。貴重な経験をさせていただいたこと、この目で見たこと、現地に行ったからこそ感じることができたこと、決して忘れることなく参加者全員が心に刻み込み、1日も早い復興を願うとともに、そのために「何ができるか」を常に考え、行動していきます。今後もJSLからの発信を続けていきます!

ソフトボールを通じた社会貢献、恩返し……スポーツの、ソフトボールの「チカラ」を信じ、JSL全体で取り組みを続けていく!

実施日:2025年4月21日(月) 復興支援活動参加人数:JSL所属8チーム(119名)

チーム名 監督コーチ・スタッフ 選手
花王コスメ小田原 フェニックス 2 16
Citrine Ichinomiya 2 7
靜甲 3 3
平林金属 Peachblossoms 3 13
VONDS市原 Emerald Green 2 19
MORI ALL WAVE KANOYA 3 15
大和電機 Blue Lakers 2 20
ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校 1 8
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