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WBSC第1回男子U23ワールドカップ 【現地レポート⑧】

日本、ホスト国・アルゼンチンに惜敗し、今大会「初黒星」を喫したものの…
スーパーラウンド1位(4勝1敗)でゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)へ

スーパーラウンド最終日、日本戦の直前には
オーストラリアがカナダを4-0で破り、「自力」
で2位の座を確保! 決勝進出決定 !!

スーパーラウンド最終戦の相手は、ホスト国・アルゼンチン。
球場には予想通り「満員の観客」が押し寄せ、熱気が溢れる

男子U23日本代表も気合十分で臨む!

試合は「息詰まる投手戦」となり、延長タイブレークへ

延長9回表、アルゼンチンについに1点を奪われる…

いよいよ大会もクライマックス!
「最大の難関」オーストラリアとの
「最終決戦」に…挑む !!

◎アルゼンチン戦ハイライト

 「WBSC第1回男子U23ソフトボールワールドカップ」大会第8日(スーパーラウンド最終日)、前日の ″大一番″ オーストラリア戦に8-1(5回コールド)で圧勝し、早々とスーパーラウンド1位通過「ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)進出」を確定させた日本は、スーパーラウンド最終戦でオープニングラウンド・グループA3位の「ホスト国」アルゼンチンと対戦することになった。

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 日本戦の直前に行われたオーストラリア(通算2勝2敗でスーパーラウンド同率2位) vs カナダ(通算1勝3敗でスーパーラウンド同率5位)の「注目の一戦」では、オーストラリアが前日の日本戦で ″あえて温存″ した「絶対的エース」ジャック・ベスグローブを先発に立て、「必勝態勢」。初回、5番 アシュリー・ゴッファーのスリーランホームランでいきなり3点を先取すると、終盤6回裏にはワイルドピッチで決定的な4点目を追加。
 投げては、「戦略的休養」をしっかりとった「今、世界でもっとも注目を浴びる左腕」ジャック・ベスグローブがまさに「本気モード」! 「もう一段ギアを上げたピッチング」を展開!! カナダ打線を寄せつけることなく「狙ってノーヒット・ノーラン」(※無安打・10奪三振)を達成してみせ、通算成績を3勝2敗とし、自力でスーパーラウンド2位の座を確保(※現時点で順位を争うメキシコ、アルゼンチンに勝敗で並ばれたとしても「オープニングラウンドの直接対決の勝利」が反映されており、オーストラリアの順位が上となる)。大会最終日のゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)進出を決めた。

大会第8日/4月22日(土)
スーパーラウンド第3戦

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
アルゼンチン 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
日  本 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
※延長9回タイブレーク

日本:小野寺翔太(3回)、八木孔輝(2回)、海邉和也(2回)、●大西泰河(2回)-西森亜夕夢

 この日の最終試合(20時30分からの試合)に組まれた「日本 vs アルゼンチン」の「スーパーラウンド最終戦」には、予想通り、地元・アルゼンチンの「熱狂的なソフトボールファン」が押し寄せ……スタジアムは超満員。まさに「南米特有」の「熱く燃え上がるような」雰囲気の中、プレーボールがかかった。

 試合は日本、アルゼンチンの両投手陣が互いに一歩も譲らず「好投」「熱投」! その「息詰まる投手戦」を象徴するかのようにスコアボードには「0-0」の表示が続き……延長タイブレークへ突入することとなった。

 延長タイブレークに入った8回の表裏も両チーム得点を奪うことができず、迎えた9回表、日本は8回から「4人目の投手」として登板した大西泰河が続投。しかし、アルゼンチンがまずタイブレークの走者を送りバントで三塁に進塁させると、9番打者はインコース低めのドロップで三振、二死三塁となったが、続く1番打者がサード前に「捨て身」のセーフティーバント! サード・黒岩陽斗が処理しランニングスローで一塁に送球したが……送球が走者に当たってしまい、一塁セーフ!! この間に三塁走者が本塁生還を果たし、アルゼンチンに「喉から手が出るほどほしかった先制点」がもたらされた。

 1点を先取された日本もその裏、懸命に反撃を試みたが、この回先頭の3番・宮本海斗が見逃し三振で走者を進めることができず。4番・松尾翔輝もセカンドフライに倒れ、二死二塁。最後は5番・濱田慎がサードファウルフライに打ち取られ、スリーアウト。試合終了となり、ホスト国・アルゼンチンの前に0-1で惜敗。スーパーラウンド最終日にして「今大会初黒星」を喫する形になった。

 スーパーラウンド最終日の試合結果は、メキシコ 5-4 ニュージーランド、オーストラリア 4-0 カナダ、アルゼンチン 1-0 日本となり、これをもってスーパーラウンドの最終順位/1位・日本:4勝1敗、2位・オーストラリア:3勝2敗、3位・メキシコ:3勝2敗、4位・アルゼンチン:3勝2敗(※オーストラリア、メキシコ、アルゼンチンの3チームは勝敗で並んだが、3チーム間の対戦成績(オーストラリア2勝0敗、メキシコ1勝1敗、アルゼンチン0勝2敗)により最終順位を決定)、5位・カナダ:1勝4敗、6位・ニュージーランド:1勝4敗(※カナダ、ニュージーランドは勝敗で並んだが、オープニングラウンドの直接対決の成績(カナダがニュージーランドに5-3で勝利)を持ち越し、最終順位が決定)が決定。1位・日本、2位・オーストラリアがワールドチャンピオンシップ/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)へ、3位・メキシコ、4位・アルゼンチンがワールドチャンピオンシップ/ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)へ駒を進めることとなった。

 日本の ″全勝優勝″ は今日の敗戦によってなくなりはしたものの、残すは泣いても笑っても、「世界一の座」をかけたゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)のみとなった。
 対戦相手は、やはり、今大会「優勝候補の筆頭」にして「最大の難関」と目されてきたオーストラリア。今度は間違いなく、「切り札」ジャック・ベスグローブが「闘争心を漲らせて」先発登板し、日本打線に牙を剥いて「真剣勝負」を挑んでくるはずである。

 今日のアルゼンチン戦で ″無得点″ に抑え込まれた日本打線が、決勝までの短い時間で「どう修正し、どのように立て直すか!? 」が最大のポイントになる。
 実際に試合映像をご覧いただくと明らかだが、昨年のTOPカテゴリーのワールドカップ・決勝(カナダ戦)では、オーストラリアの先発 ジャック・ベスグローブが「サウスポー特有の球筋」(※対左打者に『有効』とされる『アウトコースに逃げる(スライドするような)』ファストボール)をフル活用し、左打者に対しては「徹底してアウトコース」(※ほぼ全球同じコース、同じ球種)を攻め、逆に右打者が打席に立つ際には、左打者のときよりも捕手が甘め(真ん中寄り)に構え、そこにコースは限定するものの、投げ込む球種を増やしてくる(※ハイライズやチェンジアップを織り交ぜてくる)という「事実」が残っている。

 このアルゼンチン戦もそうだったが……攻撃の際、打者は「アウトコース広め」に投げ込まれる相手投手の「速球・ウイニングショット」にいかに「対応」するか? 「世界トップレベル」のボールをいかにして見極め、さばくことができるか?? 日本の「打での活路」はこの一点に尽きると言っても過言ではない。

 TOPカテゴリーの「ワールドカップ優勝投手」と対峙して ″甘い球などこない″ ことを想定し、「今、日本ができる最善の準備・工夫」をもって、戦いに挑まなければならない。

 そこには大胆さ、いや、状況・展開によっては極端さも必要だろう。
 今大会「最大のライバル」にして「最大の難関」、オーストラリアとの「最後の決戦」が……いよいよはじまる!!

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