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ニュース 男子U18

◆WBSC第14回男子U18ワールドカップ 【現地レポート③】

日本、オープニングラウンド第3戦(アメリカ戦)に屈辱のコールド負け。
今大会「初黒星」を喫し、予選ラウンド・グループB「2勝1敗」に……

ここまで2連勝の日本。チームの団結をより強めて!

オープニングラウンド第3戦の相手はアメリカ

日本は「投手陣のリーダー」阿曽慣太を
3試合連続で先発させ、必勝を期したが…

アメリカの「強力打線」が容赦なく襲い掛かる…

気迫・パワーに押され、 ″日本らしさ″ を最後まで発揮できず

選手たちが敗戦から何を得て、どう学ぶか。
今後の成長へ「結果より大切なモノ」がある

アメリカ戦ハイライト

 「WBSC第14回男子U18ソフトボールワールドカップ」大会第3日/11月13日(月)、前日のアルゼンチン戦に12-1(4回コールド)で大勝し、開幕2連勝! オープニングラウンド(予選ラウンド)の成績を2勝0敗とした男子U18日本代表は、この日オープニングラウンド第3戦でアメリカ(※世界ランキング5位)と対戦した。

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大会第3日/11月13日(月)
オープニングラウンド第3戦

※大会規程により5回得点差コールド

1 2 3 4 5 6 7 R
アメリカ 0 1 5 0 3 9
日  本 0 0 1 0 0 1

日本:●阿曽慣太(2回2/3)、高橋理央(1回1/3)、新井大和(1回)-上野結来
〔二塁打〕津田龍輝

 日本の先発投手は、阿曽慣太。 ″星の取りこぼしが許されない″ シビアな試合方式のワールドカップを戦うにあたって「万全を期す」ため、初戦(ニュージーランド戦)、第2戦(アルゼンチン戦)に続き「投手陣のリーダー」を満を持して先発登板させた。
 初回、アメリカの先頭打者にいきなり痛烈なレフト前ヒットを許しながらも、落ち着いて後続を断ち無失点に抑えた先発・阿曽慣太だったが、続く2回表、この回先頭の5番打者にレフトスタンドへソロホームランを叩き込まれ(インコース高めのライズ。やや甘く入ったか……思い切り振り抜かれ、スタンドまで運ばれてしまった)、1点を先制されてしまう。
 与えてはいけない先取点を許してしまった日本は、3回表にもこの回先頭の9番打者にライトスタンドへソロホームランを被弾。さらにファーストへの内野安打、センター前ヒットで無死一・三塁とチャンスを作られ、3番打者にセンターへのタイムリーを浴び、3点目。なお無死一・二塁のピンチが続き、送りバント、四球で一死満塁。6番打者を見逃し三振に仕留めたが、7番打者に右中間を破るタイムリーツーベースを浴び、満塁の走者を一掃され、この回5失点。6-0とリードを広げられてしまった。
 何とか反撃に出たい日本は、その裏、この回先頭の8番・木原和也がセンター前ヒットで出塁。送りバントで一死二塁とし、1番・大野流畏斗はセンターフライで二死二塁となったが、2番・津田龍輝がライト頭上を越えるエンタイトルツーベースを放ち、1点を返す!
 しかし、6-1とアメリカ5点リードで迎えた5回表、3回表途中から登板した日本の2番手・高橋理央が4番打者にライト前ヒットを許し、5番打者に死球を与えたところで3番手・新井大和へ継投を図ったが……その新井大和も6番打者を空振り三振に取った後、7番打者に四球を与え、一死満塁。8番打者にもフルカウントから四球を与え、押し出しで1点を献上。さらにワイルドピッチで1点、ライトへの犠牲フライでもう1点奪われ、9-1と大きく得点差を広げられてしまった。
 その裏、日本は7番・上野結来のヒット、パスボール、8番・木原和也のセンターフライ(二塁走者がタッチアップ)で一死三塁と得点圏に走者を置いたが、後続がショートゴロ、レフトフライに打ち取られ、スリーアウト。5回終了時点で9-1となり、この時点で「5回得点差コールドゲーム」が成立し(※3回15点、4回10点、5回以降7点以上の差が生じた場合は得点差コールドゲームを適用)、1-9でアメリカに屈辱の5回コールド負け。今大会「初黒星」を喫することとなった。

 「WBSC第14回男子U18ソフトボールワールドカップ」大会3日目(11月13日)は、この日本戦の他、コロンビア 8-5 シンガポール、オーストラリア 3-2 チェコ(※延長8回タイブレーク)、アルゼンチン 18-1 ニュージーランド(※4回コールド)、メキシコ 10-3 カナダという試合結果になり、グループAの上位(3チーム)は3勝0敗:同率1位のオーストラリア、メキシコに2勝1敗でカナダが続き、グループBの上位(3チーム)は1位・アメリカ(2勝0敗)、2位・日本(2勝1敗)、同率3位でアルゼンチンとベネズエラ(ともに1勝1敗)が続く状況となった。

 日本は明日、オープニングラウンド第4戦/最終戦でベネズエラと対戦。スーパーラウンド進出へ「負けられない一戦」を戦うことになる。
 前日のアルゼンチン戦での大勝から一転、この日の ″アメリカ戦のコールド負け″ は……正直なところ ″力負けをした″ と認めざるを得ない試合内容であった。アメリカの攻守における「気迫」「実力」は確かなものがあり、投手陣も、打線も、力でねじ伏せられてしまった印象がある。もちろん、今日コールド負けを喫したからと言って、下を向いたり、諦めたりする必要はまったくないのだが、こちら(日本側)が次戦うとき何か「明確な対応策」を持っておかないと……同じような結果を繰り返すことになりかねない「危機感」を感じたことは間違いなかった。

 その中で、一つ気になったのは「相手に挑む姿勢」。これは特に投手陣(もしくはバッテリー)の「戦い方・挑み方」に言えることだが、投げ込むコースや高さ、配球をこと細かく気にするがあまり肝心の ″自らのベストボール″ ″自分が最も得意とする武器″ を二の次、後回しにしてしまい、各々の良さ・強みをまだ最大限発揮し切れていない部分がある……ということだ。

 いくら一発・長打が脅威の世界の強豪国であっても、基本的には、「打者は打っても三割」のはず。そこを恐れるがあまり、何かと考えすぎて ″自分たちの良さ・強みを出せない、消してしまう″ のでは意味がないし、逃げ回っていたのでは次(もう一段階上のレベル)へつながっていかない。ボールをちらすことも大事なのだが、「ここぞ!」という場面では「打つなら打ってみろ‼ 」と意識的にストライクゾーンで勝負するぐらいの気概と決め球(ウイニングショット)がほしいところである。

 何度もしつこく繰り返すようだが、この男子U18日本代表のカテゴリーは日本男子ソフトボールの強化において、まだ「育成段階」にある。優勝・世界一を競う舞台で戦っている以上、目の前の ″結果″ がまず第一なのだが、今後・未来に向けて「それ以上に大切なモノ」もあるはずだ。

 1-9(5回コールド負け)という大敗から、何を得て、どう学ぶか。
 それを真に考え、一歩一歩ステップアップしていくことこそ……必要ではないだろうか。

●文・写真
男子U18日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)

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