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ニュース 男子U18

◆WBSC第14回男子U18ワールドカップ 【現地レポート①】

メキシコ・エルモシージョにおいて9日間に及ぶ大会が「開幕」!
日本、初戦(ニュージーランド戦)に10-5で勝利し、白星発進 !!

第14回男子U18ワールドカップ、開幕!

日本の初戦の相手はニュージーランド

「投手陣のリーダー」阿曽慣太が試合を作る

先制タイムリーツーベースを放った「主砲」山本陸人

ニュージーランド打線も「気迫の攻撃」で反撃に出る

相手守備の乱れにつけ込み、終盤日本がリードを広げた

世界の強豪との連戦から学び、成長しよう !!

ニュージーランド戦ハイライト

 「男子U18」(男子18歳以下)のカテゴリーにおける「世界一の座」を競う「WBSC第14回男子U18ソフトボールワールドカップ」が、11月11日(土)、メキシコ・エルモシージョで開幕。世界各国男子ソフトボールの「ジュニア世代」「次代を担う選手たち」が集い、しのぎを削る、9日間に及ぶ「熱き戦い」がスタートした。

 大会は出場11チーム(※当初12チームで覇が競われるはずだったが、大会直前にイスラエルが出場を辞退)を世界ランキングに基づき2グループに振り分け、まず1回総当たりの「オープニングラウンド」(予選ラウンド)を実施。各グループの上位3チームが「スーパーラウンド」へ進み、同じく1回総当たりで対戦し(※ただし、オープニングラウンドで同グループだったチーム同士の対戦は、オープニングラウンドの試合結果が持ち越される)、ラウンド順位を決定。最終日、スーパーラウンド3位・4位がブロンズメダルゲーム(3位決定戦)を、スーパーラウンド1位・2位がワールドチャンピオンシップ/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)を戦うというスケジュールで覇が競われる。

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 11月5日(日)に日本を出発し、大会開催地(メキシコ・エルモシージョ)に到着した男子U18日本代表チームは現地で入念に調整・強化。同じく今大会に出場するアルゼンチン、オーストラリア、チェコと3試合のテストマッチを行い、貴重な「収穫・課題」を得て、いよいよ大会本番を迎えることとなった。

大会第1日/11月11日(土)
オープニングラウンド第1戦

1 2 3 4 5 6 7 R
ニュージーランド 0 0 0 2 0 3 0 5
日  本 1 0 0 3 4 2 x 10

日本:○阿曽慣太(4回)、新井大和(1回0/3)、高橋理央(2回)-上野結来
〔二塁打〕山本陸人、松尾唯斗

 大会初日、第2試合(13時30分からの試合)に登場した日本はニュージーランドと対戦。後攻の日本は初回、一死から2番・津田龍輝がライト前にクリーンヒットを放ち、出塁。3番・松尾唯斗はレフトファウルフライで二死一塁となったが、二盗を決めて二死二塁と得点圏に走者を進め、4番・山本陸人が一塁線を鋭く破るタイムリーツーベース! 大事な先取点を奪った。
 しかし、 ″ソフトボール王国復活″ へ闘志を燃やすニュージーランドも4回表に反撃。この回先頭の1番打者が死球で出塁すると、2番打者がサード前にバント。間一髪で一塁アウトとなったが、一塁走者が二塁へ進塁し、一死二塁。3番打者の右中間へのエンタイトルツーベースで1-1の同点に追いつき、さらに二死後、5番打者がレフト前に落とすタイムリー。2-1と試合をひっくり返した。
 ニュージーランドの「気迫」を感じさせる攻撃で逆に1点を追う状況に立たされた日本だったが、直後の4回裏、2番・津田龍輝がセンターフェンス際まで運ぶ打球を放ち、センターが追いついたかに見えたが……落球し、無死二塁。3番・松尾唯斗はセカンドフライで一死二塁となり、4番・山本陸人の二遊間寄りのゴロを捕球したセカンドの一塁送球が逸れ、一塁セーフ! 一死一・三塁に。5番・淀川瑛澄のショートゴロも一塁送球がワンバウンドとなり、オールセーフ!! 三塁走者が還り、2-2の同点に追いついた。試合の流れを引き戻した日本は、なおも一死一・三塁から仕掛け、一塁走者が二盗。キャッチャーの二塁送球の間に三塁走者が還り、3-2と勝ち越しに成功。この後も相手守備の乱れにつけ込み、内野ゴロの間に1点を追加し、4-2とリードを広げた。
 「勢い」に乗る日本は続く5回裏、打線の「リードオフマン」3番・松尾唯斗のタイムリー、相手守備の乱れ、5番・淀川瑛澄のタイムリー等で一挙4点を加え、3点を返された後の6回裏にも死球を足場に無死満塁と攻め立て、ワイルドピッチ、犠牲フライで決定的な2点を追加。
 守っては、この大事な開幕戦の先発投手に起用された阿曽慣太から新井大和、高橋理央と投手陣3名(全員)をつないで、ニュージーランド打線に5点を奪われはしたものの、再度の逆転を許すことなく10-5で勝利。まずは今大会初戦をモノにし、「白星スタート」を飾った。

 男子U18日本代表の「大会連覇」をめざす戦いがいよいよはじまった。大会初日(11月11日)は日本の他、優勝を争う「ライバル」と目されるカナダ、アメリカ、オーストラリア、メキシコがそれぞれ快調に「白星発進」(※カナダがチェコに5-2、アメリカがベネズエラに8-5、オーストラリアがシンガポールに14-0:4回コールド、メキシコがコロンビアに10-0:4回コールドで勝利)。大会前のテストマッチ・調整段階とはやはり違う「本番モード」の戦いぶりで、今後 ″さらなる激闘″ ″熾烈な順位争い″ が大いに予想される。

 大会直前レポートでもふれたが、「星の取りこぼしが許されない」シビアな試合方式の中、日本はこの後アルゼンチン、アメリカ、ベネズエラといった「世界の強豪」との「3連戦」に挑み、まさに1試合たりとも気が抜けない厳しい戦いの連続、タフで、ハードな組み合わせ・スケジュールを進んでいくこととなる。
 だが、考え方を変えてみれば、ここからの「さらなる成長」「ステップアップ」が必要不可欠となる彼ら(選手たち)にとって、アルゼンチン、アメリカ、ベネズエラら世界の強豪国は「最適の対戦相手になる」とも言えるだろう。
 この日のニュージーランド戦は大会初日の開幕戦。選手たちからすれば ″国際舞台デビュー″ となる試合であり、緊張やかたさはもちろんのこと、ちょっとしたプレーの迷い、判断の遅れがミスとなって、それが失点へつながってしまう場面もいくつか見受けられた。はじめからミスなく、完璧にやろう! というのは言わば酷な注文であり、パーフェクトを求めるよりは「状況判断を的確に行う」こと、その上で「プレーの最適解」(置かれた状況でのベストなプレー)を見出し、冷静に、忠実に、遂行していくことが「まず大切になる」ことを再認識させられた試合だったのではないだろうか。

 先に記した内容へと戻るが、U18という育成段階のカテゴリーにある「男子U18日本代表チーム」にとって、今回のU18ワールドカップは「実際に自らの身を持って、世界の強豪を体感することができる」絶好のチャンスとなる。

 前回チャンピオンの日本には、その誇りと自信を胸に、世界の強者たちへ臆することなく立ち向かっていってほしいと思うし、そこから多くのことを学び、未来への糧としてもらいたい。

●文・写真
男子U18日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)

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