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ニュース 男子TOP日本代表

◆WBSC第18回男子ワールドカップ ファイナル【現地レポート⑤】

日本、ニュージーランドの ″気迫の猛攻″ に屈す…。
ワールドチャンピオンシップファイナル進出はならず、
「ブロンズメダルゲーム」(3位決定戦)へ

いよいよ、「スーパーラウンド最終戦」!
決勝進出へ、ニュージーランドと勝負 !!

日本は先発投手に「今大会初登板」の
長井風雅を起用。勝利をめざしたが…

かつて「黄金時代」を築いた「魂」「伝統」を
受け継ぐ ″ブラックソックス″ が襲い掛かる

最終的に「痛恨の5点差」をつけられ、敗戦

最終日、アメリカとの3位決定戦へ回ることに…

ニュージーランド戦ハイライト

ニュージーランド戦ハイライト

 「WBSC第18回男子ソフトボールワールドカップ ファイナル」第5日、前日のスーパーラウンド第1戦・ベネズエラ戦に5-1で快勝! 「スーパーラウンド2勝0敗」とし、ワールドチャンピオンシップファイナル(優勝決定戦)進出へ大きく前進した男子TOP日本代表は、第2戦でグループA2位・ニュージーランドと対戦した。

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 日本 vs ニュージーランドの前に行われたスーパーラウンド「アメリカ vs ベネズエラ」は、ベネズエラが「6-4」で勝利。この時点でアメリカ(0勝3敗)の2位以上がなくなり(4位が決まり)、ベネズエラ(2勝1敗)は、仮に日本が最終戦(ニュージーランド戦)を落とし、日本、ベネズエラ、ニュージーランドの3チームが同率(2勝1敗)で並ぶ状況になっても、その際の順位決定法「TQB」(※チームクオリティバランス = 総得点×3÷攻撃イニングアウトカウント総数-総失点×3÷守備イニングアウトカウント総数)で「3位以下になることはない」ため、「2位以上・決勝進出」が確定。優勝決定戦に進むもう一つのチームは、次なるスーパーラウンド最終戦(日本 vs ニュージーランド)の結果に委ねられることとなった。

大会第5日/7月12日(土)
スーパーラウンド第2戦

1 2 3 4 5 6 7 R
ニュージーランド 4 1 0 1 0 1 1 8
日  本 2 0 0 1 0 0 0 3

日本:●長井風雅(0回1/3)、池田空生(6回2/3)ー上田郁也、片岡大洋
〔本塁打〕浜本悌
〔三塁打〕片岡大洋
〔二塁打〕鳥山和也

 勝てば、「文句なし」の決勝進出、負けても先にふれた「TQB」(※チームクオリティバランス)の算出で「4点差以内」であれば「スーパーラウンド1位」となる日本。「アドバンテージ」を持った状態で臨む男子TOP日本代表は、先発投手にここまで4連投の池田空生ではなく、今大会「初登板」の長井風雅を起用した。
 しかし、その長井風雅に初回からニュージーランド打線が襲い掛かる。優勝決定戦進出へ「5点差以上」の勝利が求められるニュージーランドは、まさに「闘争心剥き出し」! 1番打者が四球で出塁すると、ワイルドピッチで二塁に進塁。2番打者は大きなセンターフライを打ち上げ、二塁走者がタッチアップから三塁へ進み、一死三塁。ここで3番打者がセンタースコアボードに運ぶ「ツーランホームラン」! 2点を先取。さらに4番打者がレフト前ヒットで出塁し(※日本はここで先発・長井風雅から池田空生へ投手交代)、5番打者は空振り三振に倒れたが、6番打者が「初球のライズボール」を完璧にとらえ、ライトスタンドに運ぶ「ツーランホームラン」!! いきなり4点を先制した。
 日本もその裏、1番・浜本悌がツーボール・ワンストライクからの4球目を鮮やかに振り抜き、左中間最深部に突き刺す「ソロホームラン」! 2番・森田裕介はセカンドゴロで一死となったが、3番・佐藤光希がフルカウントまで粘って四球で出塁。4番・真﨑海斗の空振り三振、相手キャッチャーの盗塁を勘違いした二塁への悪送球で二死二塁となった後、5番・鳥山和也がレフトオーバーのタイムリーツーベースを放ち、二塁走者を迎え入れ、2点を返した。
 だが、「先手」を取り「勢いづいた」ニュージーランドは攻撃の手を緩めない。4回表、1番打者がセンタースタンドに「ソロホームラン」を突き刺し、1点を追加。日本もその裏、一死一塁から7番・片岡大洋の左中間を深々と破る適時三塁打で1点を返したが、終盤6回表にもニュージーランドが一死満塁と攻め立て、4番打者のライトへの犠牲フライで1点、最終7回表には先頭の6番打者がフルカウントから左中間最深部に運ぶ「ソロホームラン」を放ち、「5点差をつける」大きな、大きな……1点を追加。8-3とリードを広げた。
 追いつめられた日本は、7回裏、一死から1番・浜本悌が振り逃げで出塁。2番・森田裕介のファーストゴロが3-6-3とわたるダブルプレーの判定。江口真史ヘッドコーチが「チャレンジ」(ビデオ判定を要求)したが……結果は「判定通り」となり、試合終了。男子TOP日本代表は3-8「痛恨の5点差」でニュージーランドに敗戦。
 この結果、スーパーラウンドの勝敗はベネズエラ、ニュージーランド、日本の3チームが「2勝1敗」で並び、「TQB」(※チームクオリティバランス)による争いの末、「1位・ベネズエラ、2位・ニュージーランド、3位・日本」となることが決定。男子TOP日本代表は「目前」にあったワールドチャンピオンシップファイナル(優勝決定戦)進出を逃し……大会最終日、4位・アメリカと「ブロンズメダル」をかけた「3位決定戦」を戦うこととなった。

 「たとえ負けても、4点差以内であれば……」スーパーラウンド最終戦・ニュージーランド戦を前にして、「決勝進出まであと一歩、あと数センチ」という状況の男子TOP日本代表チームにはこの「共通認識」があった。しかし、その「受けて立つ思い・姿勢」がわずかな隙を生み、「3-8」の試合スコアに表れてしまった……率直な胸の内として、そう感じずにはいられない。

 逆に「5点差をつけて勝つしか道はなかった」ニュージーランドは、「全力」「死に物狂い」で日本に向かってきた。オープニングラウンド・オーストラリア戦の現地レポートでも「メンタリティの大切さ」をクローズアップしたが、今日のスーパーラウンド最終戦においても、そこが、両者の明暗を分ける「ポイント」になったことは間違いない。

 先制されてもすぐに取り返し、諦めることなく「相手に食らいついていくスタイル」は継続されていたと見るが、「ここぞ!」という局面での、一つのプレーにかける「集中力」「精度」、状況を見極め「プレー・戦い方を選択する判断能力」といった部分は、まだまだ「物足りなさ」が残る。冷静に、客観的に見て、日本とニュージーランドの「差」はそこにあった。

 ″決勝進出を果たし、日本男子ソフトボール悲願の優勝・世界一をつかみ取る″
 その「夢」は無情にもここで、こういった形で潰えてしまったが……まだ大会は終わっていない。

 大会最終日、アメリカとの最終戦(3位決定戦)で「次のステップ」に進むための、「未来へつながる」戦いを見せてほしいと強く思う。

●文・写真
男子TOP日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)

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