大会は、いよいよスーパーラウンドへ突入!
初戦の相手はグループA1位・ベネズエラ
先制されたものの、すぐに反撃! 逆転に成功 !!
「上り調子」の打線が着実に得点を重ねる
先発・池田空生からバトンを受けた小野寺翔太。
6回、7回の2イニングを無得点に抑え、締めた!
スーパーラウンド最終戦を、どう戦う !?
江口真史ヘッドコーチの采配に「注目」
「WBSC第18回男子ソフトボールワールドカップ ファイナル」第4日、オープニングラウンド(予選ラウンド)グループBの戦いを「2勝1敗・1位」で通過した男子TOP日本代表は、スーパーラウンド(2次ラウンド)初戦でグループA1位のベネズエラと対戦することになった。
スーパーラウンドにはグループA1位・ベネズエラ、2位・ニュージーランド、グループB1位・日本、2位・アメリカの「4チーム」が駒を進め、1回総当たりで対戦。オープニングラウンド同グループの対戦結果は持ち越され、スーパーラウンド1位・2位が最終日のワールドチャンピオンシップファイナル(優勝決定戦)へ、スーパーラウンド3位・4位は同じく最終日のブロンズメダルゲーム(3位決定戦)を戦うこととなる。オープニングラウンド・アメリカ戦の勝利を持ち越し「1勝0敗」でスタートする日本は、このベネズエラ戦に勝てば ″決勝進出″ が現実味を帯びてくる。
大会第4日/7月11日(金)
スーパーラウンド第1戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
ベネズエラ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
日 本 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | x | 5 |
日本:◯池田空生(5回)、小野寺翔太(2回)ー片岡大洋
〔本塁打〕佐藤光希
〔三塁打〕八角光太郎、西田勘汰
日本の先発投手は、開幕から「4連投」となる「エース」池田空生。今大会 ″海外のパワーソフトボール″ ″ライズボールに強い打者の傾向″ を逆手にとり、「ドロップボール」(打者の膝元に落ちる変化球)を絶妙のコース・高さに駆使。海外の打者が日常的にあまり目にすることのない(慣れていない)「独特の軌道・変化」で、ピッチングを組み立て、試合を作り、ここまで「エースの役割」をキッチリ果たしている。
その先発・池田空生が初回、ヒット、送りバント、セカンドゴロの間に二死三塁とされ、4番打者にレフト前タイムリーを浴びて1点を先制されてしまったが……日本もすぐに反撃。その裏、1番・浜本悌がフルカウントまで粘り、スラップでサード前に転がし、三塁手のエラーを誘って出塁。2番・森田裕介はセカンドフライに倒れたが、3番・佐藤光希の打席で一塁走者が二盗に成功(佐藤光希は空振り三振)し、二死二塁。ここで4番・真﨑海斗が三遊間を破るタイムリーを放ち、二塁走者が生還! 1-1の同点に追いついた。
日本は3回裏にも、一死から1番・浜本悌がスラップで鮮やかな流し打ち! レフト前ヒットで出塁し、2番・森田裕介の見逃し三振となる投球のとき、二盗に成功。二死ながら得点圏に走者を進めると、3番・佐藤光希がワンボール・ツーストライクと追い込まれながら、低めのボールに巧みにバットを合わせ、センター頭上を越える「ツーランホームラン」! 2点を勝ち越し!!
4回裏にはこの回先頭の6番・八角光太郎がレフトフェンス直撃の三塁打を放ち、追加点のチャンスを演出。7番・片岡大洋は空振り三振に倒れたが、8番・黒岩誠亥に代わり「代打」で起用された西田勘汰がセンター頭上を越えるタイムリースリーベース! さらに9番・大川竜志の空振り三振となる投球がワイルドピッチとなり、もう1点追加。5-1とリードを広げた。
投げては、「4連投」の先発・池田空生が5イニングを1失点でまとめ、6回表、小野寺翔太へ継投。小野寺翔太が6回、7回とベネズエラ打線を無得点に抑え、試合終了! 男子TOP日本代表がベネズエラを5-1で下し、「スーパーラウンド2勝0敗」とし、ワールドチャンピオンシップファイナル(優勝決定戦)進出に大きく前進した!!
「WBSC第18回男子ソフトボールワールドカップ ファイナル」第4日は、このスーパーラウンドと順位決定ラウンド(オープニングラウンド・グループABの3位・4位チームが回される)が並行して進み、スーパーラウンドはニュージーランド(アメリカに、ジェロム・ラエマキの『劇的』逆転スリーランでサヨナラ勝ち! ※試合スコアは5-4)、日本(ベネズエラに5-1)がそれぞれ勝利。1位・日本(2勝0敗)、同率2位(1勝1敗)でニュージーランドとベネズエラが並び、ニュージーランドに ″痛いサヨナラ負け″ を喫したアメリカは0勝2敗の4位に位置する状況となった。
今日のベネズエラ戦の勝利によって、「日本の決勝進出の可能性」はかなり高まった。
明日、アメリカがベネズエラに勝ってくれれば、その時点で決勝進出決定。ベネズエラがアメリカに勝ち、日本がニュージーランドに負けると、日本、ニュージーランド、ベネズエラの3チームが2勝1敗で並ぶ事態になってしまうので……「まだ油断はできない」のだが。周囲の動向や結果を注視しながら、「スーパーラウンド最終戦・ニュージーランド戦」にどう臨むか!? 江口真史ヘッドコーチの「選手起用」「采配」に注目したいところである。
今回の「男子ワールドカップ ファイナル」においては、「日本、ニュージーランドの躍進」が大会の勢力図を塗り替えていると言っていい。
日本がアメリカ、オーストラリアを連破すれば、ニュージーランドもカナダ、アルゼンチンを撃破するという……言わば「予想外」の展開。一つの勝利、一つの敗戦がその後の行方を大きく左右する「シンプルかつシビアな試合方式」も影響していて、本来 ″優勝候補″ に挙げられる強豪国であっても、一つ間違えば(試合を落とせば)、状況が一変してしまう……そんな「短期決戦」の醍醐味、もしくは残酷さを、リアルに映し出す大会になっていると感じる。
″前回チャンピオン″ オーストラリア、 ″世界ランキング1位″ アルゼンチン、 ″自国開催にめっぽう強い″ カナダではなく……「躍進・復活」を掲げる日本、ニュージーランドがこの大舞台を盛り上げ、世界のソフトボールファンを驚かせている。
その「両雄」が、いよいよスーパーラウンド最終戦で激突!
ワールドカップ最多優勝(7回)を誇る、男子ニュージーランド代表 ″ブラックソックス″ その「魂」「伝統」を受け継ぐチームと世界最高峰の舞台で戦えることに喜びを感じながら……男子TOP日本代表には変わることなく、「チャレンジ」し続けてもらいたい。
●文・写真
男子TOP日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)