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ニュース 男子TOP日本代表

◆WBSC第18回男子ワールドカップ ファイナル【現地レポート③】

日本、 ″前回王者″ オーストラリアに「コールド勝ち」 !!
「グループB1位」でスーパーラウンド(2次ラウンド)へ

ここまで「予選ラウンド1勝1敗」の日本。
第3戦の相手は ″世界王者″ オーストラリア

「世界最高の左腕」ジャック・ベスグローブを
見事「攻略」! 序盤から大量リードを奪う

止まらぬ日本打線! 二桁11得点の猛攻 !!

2回途中「屈辱の5失点」で降板した
ジャック・ベスグローブ。「何を思う……」

岡本友章チームリーダーも合流。
選手・スタッフ一丸となって、進む!

動画タイトル

オーストラリア戦ハイライト

 「WBSC第18回男子ソフトボールワールドカップ ファイナル」第3日、前日 ″優勝候補″ アメリカを見事「撃破」し「オープニングラウンド1勝1敗」とした男子TOP日本代表は、第3戦で ″前回大会チャンピオン″ オーストラリアとスーパーラウンド(2次ラウンド)進出をかけ激突した。

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 日本、オーストラリアともにここまで1勝1敗(※日本は初戦のドミニカ共和国戦を2-3で落としたものの、次戦・アメリカ戦に5-4で勝利。対するオーストラリアも初戦・アメリカ戦に0-10の『まさか……』の大敗を喫しながら、次なるドミニカ共和国戦は9-2の6回コールド勝ち)。この日の第1試合でアメリカがドミニカ共和国を圧倒(11-1の4回コールド勝ち)し、「2勝目」を挙げ、一足先にスーパーラウンド進出が確定。グループB上位2チーム「残り一枠」は、この日本 vs オーストラリアの勝者がつかむこととなり、男子TOP日本代表は「上位生き残り」をかけた「運命の一戦」に挑んだ。

大会第3日/7月10日(木)
オープニングラウンド第3戦

※大会規程により5回得点差コールド

1 2 3 4 5 6 7 R
オーストラリア 0 0 2 0 0 2
日  本 0 5 1 5 x 11

日本:◯池田空生(5回)-片岡大洋
〔本塁打〕浜本悌、真﨑海斗、森田裕介、鳥山和也
〔二塁打〕片岡大洋、森田裕介

 日本の先発投手は、今大会「試合を作り続け、もっとも信頼できる」エースの池田空生。オーストラリアも「世界No.1サウスポー」ジャック・ベスグローブを先発に立て、必勝を期した。
 試合が動いたのは2回裏、日本はこの回先頭の4番・真﨑海斗がツーストライクと追い込まれた後、死球で出塁。5番・鳥山和也はレフトフライに倒れたが、6番・八角光太郎がワンボール・ツーストライクと追い込まれながら、しぶとく食らいつき、サード強襲安打。一死一・二塁と得点圏に走者を進め、さらに相手のピックオフプレー、キャッチャーの二塁送球が逸れる間に二塁走者が三塁へ進塁。一死二・三塁となり、ワイルドピッチ(※本塁クロスプレー、ベースカバーに入ったピッチャー・ベスグローブを三塁走者・真﨑海斗がスライディングで吹っ飛ばし、両チーム全選手がベンチから飛び出し、『乱闘寸前』『一触即発』の雰囲気に。三塁走者・真﨑海斗に手を出した(突き飛ばし、つかみかかった)キャッチャー・マクガバンが『退場処分』となった)で1点先取! なお一死三塁のチャンスが続き、7番・片岡大洋がライト線へ鋭い当たりの適時二塁打を放ち、1点追加。8番・黒岩誠亥も三遊間を破る安打で続き、一死一・三塁となり、一塁走者・黒岩誠亥がすかさず二盗に成功、一死二・三塁。9番・大川竜志のファーストゴロで三塁走者・片岡大洋が本塁に突入し、間一髪セーフの判定となったが、オーストラリアが「チャレンジ」(※ビデオ判定を要求)し、「アウト」の判定に。日本の得点は取り消され、二死二・三塁と状況が変わった。しかし、ここで1番・浜本悌がセンター頭上を越える「スリーランホームラン」! チャレンジでの得点取り消しを3倍返しし、3点を追加。この回一挙5点を先制した!!
 日本は直後の3回表に2本のタイムリーを浴びて2点を返されたものの、その裏、4番・真﨑海斗が代わったマーシャル・クロンクの「初球」を叩き、レフトスタンドに「弾丸ライナー」で突き刺す「ソロホームラン」! 4回裏にも1番・浜本悌のセンター前タイムリー、2番・森田裕介のレフトスタンドへ運ぶ「ツーランホームラン」、5番・鳥山和也も代わったオーストラリアの3番手にレフトスタンドへ飛び込む「ツーランホームラン」を浴びせ、大量5点を追加! 11-2と大きくリード!!
 守っては、5回表のオーストラリアの攻撃を先発・池田空生が空振り三振、セカンドゴロ、ショートゴロに斬って取り、スリーアウト、試合終了! 大会規程により「5回得点差コールド」が成立し、 ″前回チャンピオン″ オーストラリアから見事「金星」。オープニングラウンドの成績を2勝1敗とし、「スーパーラウンド進出」を決めた!!

 「WBSC第18回男子ソフトボールワールドカップ ファイナル」第3日は、この日本戦の他、ドミニカ共和国 vs アメリカ、ベネズエラ vs ニュージーランド、アルゼンチン vs カナダが行われ、アメリカ(ドミニカ共和国に11-1 ※4回得点差コールド)、ベネズエラ(ニュージーランドに7-2)、アルゼンチン(カナダに7-3)がそれぞれ勝利。
 これをもってオープニングラウンド(予選ラウンド)のすべての試合が終了し、グループAは1位・ベネズエラ(2勝1敗)、2位・ニュージーランド(2勝1敗 ※ベネズエラとの直接対決の成績により2位)、3位・アルゼンチン(1勝2敗)、4位・カナダ(1勝2敗 ※アルゼンチンとの直接対決の成績により4位)の順で、ベネズエラ、ニュージーランドの「スーパーラウンド進出」が決定。グループBは1位・日本(2勝1敗)、2位・アメリカ(2勝1敗 ※日本との直接対決の成績により2位)、3位・オーストラリア(1勝2敗)、4位・ドミニカ共和国(1勝2敗 ※オーストラリアとの直接対決の成績により4位)の順となり、日本、アメリカの「スーパーラウンド進出」が決まった。
 大会4日目から、戦いの舞台はいよいよスーパーラウンドへ突入。ベネズエラ、日本、ニュージーランド、アメリカと「予選ラウンドを勝ち抜いた世界のTOP4」が最終日の「ワールドチャンピオンシップファイナル」(優勝決定戦)進出をかけ、「クライマックスの激闘」を繰り広げることになる。

 初戦のドミニカ共和国戦に惜敗しながらも、 ″優勝候補″ アメリカ、 ″前回チャンピオン″ オーストラリアを「連破」、「勢いに乗った」最高の状態で次なるベネズエラ戦に挑む男子TOP日本代表。スーパーラウンドは同グループの対戦結果(アメリカ戦の勝利)が持ち越されるため、日本としては「1勝0敗」の成績からスタートできる「好条件」付き。オープニングラウンド同様「勝ち続けること!」が第一の条件だが、前評判の高いアメリカが実力通りベネズエラ、ニュージーランドを食ってくれたりすると……日本の「決勝進出」が現実味を帯びてくる。

 あの世界王者・オーストラリアに「コールド勝ち!」。男子TOP日本代表の歴史において「世界の上位常連国を滅多打ちにした」記憶はないが、そのスコア・結果以上に、今回は「両者のメンタリティ」が勝敗を左右する形になった……と感じる。
 日本、オーストラリアともやはり「アメリカ戦の結果」が分岐点になっており、トータルの成績でとらえると対戦時は同じ(1勝1敗)なのだが、初戦・アメリカに「まさか……」の大敗を喫し「今大会の構想・歯車が狂ってしまった」オーストラリアと、逆に格上のアメリカから勝利をもぎ取り「息を吹き返した、俄然勢いづいた!」日本とでは、大一番に臨む上で ″精神状態に差が生じていた″ ことは明らかだった。「もう後がない……」「こんなはずではなかった……」百戦錬磨のオーストラリアでさえ、そんなストレスに蝕まれ、結局それが最後爆発して……「正捕手退場」という最悪の展開を引き起こしてしまったのではないだろうか。
 正捕手のジョシュ・マクガバンがグラウンドを去ったことによって、当然のことながら、ジャック・ベスグローブの ″全力・ベスト″ は引き出されなかった。実質のところ、この時点で「日本の勝利が濃厚になった」と私自身は見ている。
 日本が「世界最高の左腕」ジャック・ベスグローブを「攻略し、打ち崩した」ことは紛れもない事実であって、改めて今大会における「日本の躍進」を印象づける一戦になった。だが、どこか心の中に「お互い、もっといいゲームができたはずでは……」と複雑な思いも残る。「世界の頂点」をめざすにあたり技術・戦略はもちろん重要であるが、このように「メンタリティの大切さ」もつくづく痛感させられている……「ワールドカップ ファイナル」だ。

 男子ソフトボール ″世界最高峰″ の戦いは、いよいよスーパーラウンドに入っていく。

 オープニングラウンド・グループB1位の座をつかみながらも、「変わることなく、チャレンジし続ける!!」今大会における男子TOP日本代表チームの「姿勢」を最後まで貫き通してほしい。

 日本は ″世界のTOP8の8番目″ そこからスタートし、這い上がっていく! それぐらいの気概・したたかさを持って、世界の強豪に「全力」で挑もうではないか。

●文・写真
男子TOP日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)

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