いよいよ「ワールドカップ ファイナル」開幕!
第1戦の相手は「難敵」ドミニカ共和国
初戦の先発投手を任された、池田空生
高低にしっかりと投げ分け、試合を作る!
打線も2本のホームランを放ったが…
土壇場の7回裏に決勝点を奪われ、
痛いサヨナラ負け。「黒星スタート」に…
7月8日、カナダ・プリンスアルバートを舞台に「WBSC第18回男子ソフトボールワールドカップ ファイナル」が開幕。各グループステージを勝ち抜いた6チーム(アルゼンチン、オーストラリア、日本、アメリカ、ニュージーランド、ドミニカ共和国)にワイルドカード2チーム(カナダ、ベネズエラ)を加えた合計8チーム「世界のトップ8」が「ワールドチャンピオン」の座をかけて競う、文字通り ″世界最高峰″ の戦いがはじまった。
「グループステージ/グループC第2代表」として今大会に挑む男子TOP日本代表は、オーストラリア、アメリカ、ドミニカ共和国と同じ「グループB」に振り分けられ、オープニングラウンド(予選ラウンド)初戦でドミニカ共和国と対戦。グループステージ/グループAを1位通過した「難敵」といきなり激突することになった。
大会第1日/7月8日(火)
オープニングラウンド第1戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
日 本 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 |
ドミニカ共和国 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1x | 3 |
日本:池田空生(6回)、●小野寺翔太(0/3回)-片岡大洋
〔本塁打〕佐藤光希、鳥山和也
日本は大事な初戦の先発投手に「エース」としての役割が期待される池田空生を起用。対するドミニカ共和国も「グループステージ/グループA MVP」ヤン・カルロス・ゴンザレスを先発に立て、必勝を期してきた。
序盤は両投手「一歩も譲らず」投げ合い、0-0。試合が動いたのは4回表、日本はこの回先頭の3番・佐藤光希がレフトスタンドへ運ぶ「先制ソロホームラン」! 先取点を奪った!!
ドミニカ共和国も5回裏に反撃。一死から7番打者が三塁線を鋭く破る二塁打で出塁すると、続く8番打者もレフト頭上を越える適時二塁打を放ち、1-1の同点に。6回裏にも一死走者なしから3番を打つ左打者が「逆方向」レフトスタンドに飛び込む「勝ち越しソロホームラン」。2-1と日本からリードを奪う。
迎えた7回表、日本は先頭の5番・鳥山和也が「初球」を叩き、センター頭上を遥かに越える「同点ソロホームラン」! 鳥山和也「らしい」豪快な一発で試合を振り出しに戻した!!
しかし、土壇場の7回裏、「次第に目を覚ます」ドミニカ共和国打線が投手交代した日本・小野寺翔太に襲い掛かり、この回先頭の6番打者がライトオーバーの三塁打。7番打者は三遊間を襲う強烈な打球、サード、ショートが身体を張って止めたが、一塁には投げられず(記録はサード強襲安打)、無死一・三塁。日本はここで8番打者を故意四球で歩かせる満塁策をとり、ピンチ切り抜けを図ったが、9番打者の打球が高いバウンドでサード頭上を襲い、サード・櫻庭佑輔が懸命に手を伸ばし、グラブを差し出したものの、届かず……無情のサヨナラ負け。
ドミニカ共和国が3-2と「劇的なサヨナラ勝ち」で日本を下し、開幕戦に勝利! 男子TOP日本代表は痛い「初戦黒星スタート」となってしまった。
「WBSC第18回男子ソフトボールワールドカップ ファイナル」第1日は、この日本戦の後、ベネズエラ vs アルゼンチン、アメリカ vs オーストラリア、オープニングセレモニーをはさんでニュージーランド vs カナダが行われ、ベネズエラ(アルゼンチンに1-0)、アメリカ(オーストラリアに10-0)、ニュージーランド(カナダに8-3)がそれぞれ勝利。まず、白星発進した。
大会前の展望でも記したが、日本にとって「初戦勝利をつかむこと」が非常に重要だっただけに……このドミニカ共和国戦の「惜敗」は悔やまれる結果となった。
厳しい評価になってしまうが、現状、「世界のトップ8の8番目」に位置すると目される日本の戦力・実力を考えると、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、アメリカといった「世界の上位常連国」は言わば「格上」の相手であり、日本を含め ″世界の5番目あたりを争う状況にある″ ドミニカ共和国、ベネズエラ、ニュージーランドとの対戦には「確実に勝っておきたい」「ここに勝てないようだと、上位進出は不可能に近い……」という正直な思いが心の中にあった。
まして、今大会においては、まだ初日の段階にありながら「現・世界ランキング1位」のアルゼンチンを「ダークホース」ベネズエラが1-0と撃破、投打に戦力充実「勢い確か」なアメリカが「前回王者」オーストラリアを10-0という「衝撃のスコア」で打ちのめし、「躍進・復活」を誓うニュージーランドも「地元開催に強い」カナダを相手に8-3で快勝する「戦前の予想を超えた展開」を見せている。「まさにハイレベル!」「男子ソフトボールのレベルの進化」を感じずにはいられない熱戦・激闘が繰り広げられており、そのリアルな現実を目の前で観て、肌で感じ、己に矢印を向けてみれば……「今の日本男子ソフトボールに、いや、これからの未来に『危機感』を抱いてしまう」のが本音のところなのである。
これほどまで「ハイレベルな戦い」を見せつけられて、「現状維持のまま」でいいはずがない。
男子TOP日本代表(日本男子ソフトボール)が、世界の舞台で勝つために「やらなければならないこと」とは何か。ここで戦う選手・スタッフのみならず、協会・関係者一丸となって、総力を挙げて動き出さなければ……アッと言う間に「世界のレベル」から取り残されてしまう。
それほどまでに、熾烈で、シビアな「男子ワールドカップ ファイナル」が繰り広げられているということを……まずここで伝えたいと思う。
●文・写真
男子TOP日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)