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ニュース 男子TOP日本代表

挑め、「世界の強豪」へ!
「第18回ワールドカップ ファイナル」に
男子TOP日本代表チームがチャレンジ !!

「第18回男子ワールドカップファイナル」
7月8日、カナダ・プリンスアルバートで
熱戦開始!

「世界のトップ8」が激闘を繰り広げる

グループステージ・グループC第2代表
として挑む日本。世界の強豪とどう戦う??

立ちはだかるのは「世界一線級のチーム・選手」。
重要な初戦・ドミニカ共和国戦で、まず勝利を!

3戦目には、「世界王者」オーストラリアとも対戦

前回の決勝戦はオーストラリアとカナダが激突。
今大会はどんな結末が待ち受けているのか…

男子ソフトボール「世界最高峰の戦い」を見逃すな‼

 男子ソフトボール「世界一の座」を競う「第18回男子ワールドカップ ファイナル」が、来る7月8日~13日、カナダ・プリンスアルバートにおいて開催される。

◎大会概要・試合スケジュール・選手団名簿はこちら

 ワールドカップ「最終決戦」の舞台となる今大会には、A・B・Cの各グループステージを勝ち抜いた6チーム(グループA突破2チーム:ドミニカ共和国⑪、オーストラリア② グループB突破2チーム:アルゼンチン①、ニュージーランド⑧ グループC突破2チーム:アメリカ⑥、日本③)にワイルドカード2チーム(カナダ④、ベネズエラ⑤)を加えた合計8チームが出場。「ワールドチャンピオン」をかけた「まさにハイレベル」な激闘が繰り広げられることとなる。 ※○数字は世界ランキング

 男子TOP日本代表は一昨年(2023年)日本・高知県で開催された「アジアカップ」を全勝で制し(※2023アジアカップには『次世代の強化』を目的とし、同年のU23ワールドカップで準優勝の好成績を収めた男子U23日本代表チームが出場。TOPカテゴリーに挑んだ)、昨年(2024年)9月、「第18回男子ワールドカップ グループステージ/グループC」に出場。前回3位の「強豪」ホスト国・アメリカに5-9、0-10(4回得点差コールド)と「力負け」を喫したものの……第2代表決定戦でグアテマラに3-0の完封勝利。第1代表・アメリカに次いでファイナルへの切符を手にした。

 今回のファイナル、日本は「前回王者」オーストラリアをはじめ、ドミニカ共和国、アメリカと同じグループBに振り分けられ、大会初日 ″オープニングゲーム″ で「グループステージ・グループA第1代表」ドミニカ共和国と激突することになる。
 日本としては、まずこの「大事な初戦」をモノにできるかどうかが大きなカギ。グループステージの「自らの戦い」をどう振り返り、本番(最終決戦)に活かせるか!? 「課題の修正・克服」に努め、挑むことができるかが……重要なポイントになる。
 チームとして一回り、いや、二回り「成長」「レベルアップ」して挑まないと……上位進出は難しい。そう感じずにはいられないほど、男子ソフトボールのレベルは日々進化している。

並み居る ″世界のトッププレイヤー″ たち。
その ″強者″ 相手に、日本はどう戦う??

 先にふれたように、この「ワールドカップ ファイナル」の舞台には男子ソフトボール「世界一線級のチーム・選手」が顔を揃える。
 前回(2022年)のワールドカップで弱冠18歳ながら「ブレイク」し、「世界No.1」の称号を手にしたジャック・ベスグローブ(※オーストラリア代表の現・世界No.1サウスポー。2020U18ワールドカップで国際大会デビューを果たし、そこから飛躍的に成長。2022ワールドカップでは『MAX134㎞/hの左腕』へと変貌を遂げ、『闘争心剥き出しのピッチング』で強豪をなぎ倒し、優勝・世界一の栄冠を勝ち獲った。翌年の2023U23ワールドカップでもオーストラリアの絶対的エースとして君臨し、貫禄の『初代チャンピオン&大会MVP』に輝く。現在は日本リーグ(SAGAダイワアクトに所属)でもプレイし、2024年にはリーグ優勝をはじめ、MVP・最優秀防御率・最多勝利・ベストナインと個人タイトル四冠の偉業を成し遂げた)を筆頭に、まさに「強者」揃い。
 WBSC(世界野球ソフトボール連盟)男子ソフトボール世界ランキングで「1位」に立っているアルゼンチンは、ウエムル・マタ、ロマン・ゴドイの「投手二枚看板」が健在(※2012・2014世界ジュニア選手権(現・U18ワールドカップ)連覇を皮切りに、世界の上位常連国へ仲間入り。2019世界選手権(現・ワールドカップ)決勝では、その『投手二枚看板』の一人:ウエムル・マタが先発登板し、日本と延長10回タイブレークに及ぶ死闘を展開。2-2の同点で迎えた延長10回表、アルゼンチンがマニュエル・ゴドイのタイムリーで勝ち越し点を奪い、そのまま3-2で勝利を収め、初の世界一へ。優勝投手となったウエムル・マタは『ここぞ!』の場面で『球速130㎞/h超』を連発し、日本打線から『17三振』を奪う熱投!! 130㎞/h超の速球で押しながら『絶妙にチェンジアップを交える』多彩な投球術も際立った)。選手層・チームの総合力的にも近年充実していることは確かで、虎視眈々と王座返り咲きを狙っている。
 グループステージ/グループCで日本の前に立ちはだかったアメリカも前回3位から着実に力をつけてきており、今大会「エース」として期待されるマルコ・ディアス(※『MAX140㎞/h超』の若き大型右腕。その球速はさることながら、変化球:ライズ・ドロップの切れ味も一級品で、今大会『要注目投手』の一人)をはじめ、「曲者サウスポー」ブラッドリー・キルパトリック(※前回のワールドカップで『獅子奮迅の働き』をみせ、3位決定戦(アルゼンチン戦)でも13三振を奪う好投。2-0の完封勝利を飾り、『22年ぶりのメダル獲得』に大きく貢献した)、打線の「リードオフマン」で、グループステージ「打率6割超」、攻撃の起点となり最優秀選手にも選出されたジェフリー・ルイスら実力者が名を連ねている。
 日本が初戦でぶつかるドミニカ共和国、ベネズエラといったあたりも「ダークホース」として「不気味」な存在。今やメジャーリーガーを多数輩出する ″野球大国″ でもあり、身体能力の高さを売りにした「攻守にパワフルなソフトボール」を前面に出してくることが予想される。昨年のグループステージ/グループAの戦いをみてお分かりかと思うが、あの「世界No.1サウスポー」ジャック・ベスグローブでさえ、少し気を緩めれば「痛打」されてしまう……そんな底知れぬ「破壊力・爆発力」を有した難敵であることは間違いない。

 繰り返すようだが、今大会、男子TOP日本代表はその「世界の強豪」に「本気の勝負」を挑むこととなる。
 2013年第13回大会から「6大会連続の世界挑戦」(ワールドカップ出場)となる片岡大洋、2017年第15回大会をキッカケに ″世界のトップオブトップ″ を追求・探求し続け、今回「集大成の覚悟」で戦う森田裕介、その片岡大洋、森田裕介とともに「2019世界選手権(現・ワールドカップ)準優勝」の「躍進・復活」を支えた八角光太郎、黒岩誠亥、池田空生には「世界の頂点を競う舞台」で培ってきた「経験値」を活かし、再度しっかり自分たち(日本本来の戦い方)を見つめて……持てる力の「すべて」を発揮してもらいたい。
 競技者として「旬」を迎え、攻守に「日本のキーマン」となる浜本悌、真﨑海斗、2023年第1回U23ワールドカップ決勝で ″世界No.1サウスポー″ ジャック・ベスグローブと対峙、 ″本気のベスグローブ″ に真っ向から挑み、優勝・世界一にはあと一歩届かなかったものの……その「心から湧き出る悔しさ」を「成長の糧」としてきた佐藤光希、大川竜志、井上裕太郎らはこの「ワールドカップ ファイナル」で「真価」が問われる。
 ここで歯が立たないようだと……正直、日本男子ソフトボールの未来は厳しい。「選ばれし、男子TOP日本代表16名」にはそれぐらいの「使命」「危機感」を持って戦ってほしいし、名だたる世界の強豪に食らいつき、一戦一戦勝利をもぎ取って「日本が世界で勝つための道しるべ」を確立してもらいたいものである。

これまでの戦いから「手がかり・ヒント」を得て

 ″世界No.1サウスポー″ ジャック・ベスグローブ(2022ワールドカップ、2023U23ワールドカップを制したオーストラリアのエース)をはじめ、ピタ・ロナ、ライリー・マケア(ともに、かつて世界選手権(現・ワールドカップ)3連覇の偉業を成し遂げたレジェンドを父に持ち、その魂・DNAを受け継ぎ、ニュージーランド代表へ。今大会ブラックソックスの主力として戦う)等、世界的ビッグネームが参戦している日本リーグ。その日本リーグの戦いの中にも、「世界トップレベルに挑むヒント」がいくつかあった。

 昨年・今シーズンの戦いから感じたことで、いずれも「打撃面における気づき」になるが、あえてここで取り上げておきたい。
 具体的に挙げるとすれば、第一に「立ち遅れをなくす」こと、そして、振り回しにかかるのではなく「ボールの軌道にバットを入れる」意識・イメージを持つこと、この2点に手がかり・ヒントがあると考える。
 「立ち遅れ」(打撃の始動/タイミングを取る動きの遅さ)については、以前、岡本友章 氏(※かつて男子TOP日本代表の『主砲』として世界の舞台で活躍し、1996年第9回世界選手権(現・ワールドカップ)『第3位』、2000年第10回世界選手権(現・ワールドカップ)『準優勝』と輝かしい実績を残す。日本人打者として初めて『国際殿堂入り』も果たし、現在は日本ソフトボール協会専務理事兼事務局長の要職にある)や松田光 氏(※現役時代、同じく男子TOP日本代表として5大会連続世界選手権・ワールドカップに出場。岡本友章 氏がヘッドコーチを務めた2019年第16回世界選手権(現・ワールドカップ)では『投打二刀流』で大活躍し、『大会MVP』を受賞。『19年ぶりの準優勝』の立役者となった。現在は日本女子ソフトボールのトップリーグにあたるJDリーグ:SHIONOGIレインボーストークスの監督として指導者の道を歩んでいる)が共通して「球速・パワーで押してくる海外の投手との対戦で、まず直面する課題が『立ち遅れ』です。第一にそこを克服していかないと……国際舞台では通用しない。基本的に、相手ピッチャーがボールをリリースする瞬間には『トップの打撃姿勢を完了させておく』こと。俗に言う『打ちにいって、見逃す』とはそういうことで、それぐらい自分の意識・イメージを変えていかないと……『135㎞/h超』『世界トップレベルの領域』には対応できません」と口にしていたことがあるが、昨年の決勝トーナメント/ベスグローブ vs 日本人打者の局面でも顕著に現れていた。「世界基準」「国際大会使用の打撃」へシフトチェンジするにあたり、「まずもって取り組むべき課題」となるのは確かだ。
 向かってくるボールの軌道にバットを入れ「線でとらえる意識・技術」は、同じく昨年の決勝トーナメント/準決勝(Honda vs ダイワアクト)でHonda・遠畑光希が見事体現(※0-0で迎えた4回裏、Hondaの2番・遠畑光希がジャック・ベスグローブの『初球、甘く入った(ど真ん中に入った)スライダー』にうまくバットを合わせ、ライトへ矢のような当たりのソロホームランを突き刺した!)。「コンパクトかつシャープなスイング」が「実戦向きである」ことを、改めて証明してくれている(※優勝決定戦でダイワアクトのジョシュ・マクガバンが叩き込んだ決勝ツーランホームランも、まず『ミートすること』を強く意識した『パンチショットのようなスイング』が印象的だった)。対ベスグローブのシチュエーションに限らず ″威力抜群、変化量の大きいライズボール″ で押しまくってくる世界トップレベルの投手との対戦では、「ハイライズは捨てる」こと。相手のパワーピッチングにあおられ、振り回しにかかるのではなく、狙い球をしっかりと限定した上で「ボールの軌道にバットを入れる」そして「センター方向へコンパクトに打ち返す」意識・技術が重要になる。
 また、今シーズン要所で見られる「チーム・選手のベスグローブ対策」もポイントに挙げたい。第1節の開幕戦、大阪桃次郎が王者・SAGAダイワアクトを「小原孝太の逆転スリーランホームラン」で撃破した場面、第2節のHonda vs SAGAダイワアクト「Honda・坂田大士が放った勝ち越しソロホームラン」は、いずれもジャック・ベスグローブの「勝負球」を見事「狙い打ち」したものだった。これはベスグローブの「対右打者」における「配球パターン」(※はじめインコースの厳しいところで打者をのけぞらせておいて、最後、アウトコースにくる)をある程度見抜いた上での策で、小原孝太・坂田大士とも ″胸元に食い込んでくるライズもしくはスライダー″ に怯むことなく、勇気をもって(身体を張って)踏み込み、決定打を浴びせた象徴的なシーンといえる。
 このように打撃面をクローズアップしただけでも、 ″世界No.1サウスポー″ ジャック・ベスグローブとの日常的な対戦から「日本が世界で勝つための手がかり・ヒント」を探ることができる。

 もちろん、打つだけではない。投手陣が踏ん張り、日本伝統の堅守で失点を最小限に食い止めなければ……試合展開は厳しくなるだろう。

 打つにしても守るにしても、これまでの戦いから「手がかり・ヒント」を得て。
 世界の強豪から勝利をつかみ取るために「日本がやらなければならないこと」とは何か。

 男子TOP日本代表として、今回の「ワールドカップ ファイナル」に「明確な意図・対策」をもってチャレンジする!

 その積み重ねが……日本男子ソフトボールの未来へつながっていくと信じて。

●文責
男子TOP日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)

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