公益財団法人日本ソフトボール協会

〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町4番2号 Japan Sport Olympic Square
日本ソフトボール協会 TEL.03-5843-0480 FAX.03-5843-0485

公益財団法人
日本ソフトボール協会

ニュース

ニュース 女子GEM3(U18)

◆WBSC第15回女子U18ワールドカップ ファイナル 【現地レポート②】

日本、大会2日目のダブルヘッダー(メキシコ戦・プエルトリコ戦)に連勝!
オープニングラウンド「3戦全勝」「グループB1位」でスーパーラウンドへ !!

大会2日目、「ダブルヘッダー」に臨む日本

オープニングラウンド第2戦の相手はメキシコ

「上り調子」の打線が爆発! 13点を奪う猛攻 !!

オープニングラウンド最終戦ではプエルトリコと対戦

打つだけではなく、「小技」も駆使して得点を重ねる

日本、オープニングラウンド・グループB1位通過!

メキシコ戦ハイライト
女子U18日本代表

メキシコ戦ハイライト

プエルトリコ戦ハイライト
女子U18日本代表

プエルトリコ戦ハイライト

 「WBSC第15回女子U18ソフトボールワールドカップ ファイナル」第2日、前日の開幕戦(チェコ戦)に9-2の5回コールド勝ちを収め「快調に白星発進」した女子U18日本代表は「ダブルヘッダー」(メキシコ戦・プエルトリコ戦)に臨み、まずメキシコと対戦した。

◎大会スケジュールはこちら

◎選手名簿・プロフィールはこちら

◎大会オフィシャルサイトはこちら

大会第2日/9月28日(日)
オープニングラウンド第2戦

※大会規程により4回得点差コールド

1 2 3 4 5 6 7 R
メキシコ 0 0 0 0 0
日  本 4 2 7 x 13

日本:○山本心音(4回)-加減夢華
〔本塁打〕野口芽生
〔三塁打〕藤原真優美、石川まゆは
〔二塁打〕島津リノ、藤原真優美、石川まゆは、加減夢華

 後攻の日本は初回、1番・石川まゆはがセンター前ヒットで出塁。2番・小賀唯美はショートゴロで一死となったが、この間に一塁走者が二塁へ進塁。3番・加減夢華のライト前ヒットで一・三塁とすると、4番・島津リノが右中間を深々と破るタイムリーツーベース! 塁上の走者を一掃し、2点を先取!! さらに連係プレーのミスもあり、三塁に進んでいた島津リノを5番・佐藤絵鈴がヒットエンドランで還し、3点目。続く6番・野口芽生の二遊間を抜くヒット、7番・藤原真優美にも右中間を破るタイムリースリーベースが飛び出し、いきなり4点を先制した。
 「勢い」に乗る日本打線は2回裏にも一死から1番・石川まゆはがライト線を鋭く破るスリーベースを放ち、チャンスメイク。2番・小賀唯美のセカンド後方に落ちるタイムリーで1点を追加し、さらに盗塁、四球で一・二塁。4番・島津リノはショートフライに倒れ、二死となったが、5番・佐藤絵鈴がライト前にタイムリー! リードを6点に!!
 3回裏には7番・藤原真優美の左中間フェンス直撃のツーベースを足場に、相手守備の乱れと3本の長打(※1番・石川まゆはのタイムリーツーベース、3番・加減夢華のライトフェンス直撃のタイムリーツーベース、6番・野口芽生の右中間へのランニングホームラン)等で大量7点を加え、勝利を決定づけた。
 守っては、開幕戦に続き先発投手を任された山本心音が序盤「イリーガルピッチ」の宣告に戸惑いながらも、ピッチングの内容自体は問題なく、メキシコ打線を「わずか1安打」に抑える好投。13-0(4回得点差コールド)の文字通り「大勝」で、オープニングラウンド2勝目を挙げた。

オープニングラウンド第3戦

※大会規程により5回得点差コールド

1 2 3 4 5 6 7 R
プエルトリコ 0 0 1 0 0 1
日   本 0 0 1 7 x 8

日本:○山本心音(4回)、藤原真優美(1回)-加減夢華
〔二塁打〕加減夢華

 初回、2回と両チーム得点を挙げられず、迎えた3回表、プエルトリコは日本の守備の乱れから二死二塁のチャンスをつかみ、3番打者が二遊間を抜くタイムリー。二塁走者を生還させ、1点を先制した。
 しかし、日本もその裏すぐに反撃。この回先頭の7番・藤原真優美が粘った11球目、空振り三振となる投球がワイルドピッチとなり、振り逃げで出塁すると、さらにワイルドピッチ、送りバントで一死三塁。ここで9番・中西華がワンボールからの2球目、スクイズを決め、三塁走者が生還! 1-1の同点に追いついた。
 試合を振り出しに戻した日本は続く4回裏にも、3番・加減夢華が一・二塁間を鋭く破るヒットで出塁。4番・島津リノの叩きつけた打球は高いバウンドのファーストゴロとなり、一塁手が二塁へ送球したが間に合わず、オールセーフ! 無死一・二塁に。この後パスボール、死球で満塁とチャンスが広がり、6番・野口芽生のファーストゴロの間に三塁走者が生還。2-1と勝ち越しに成功!! なお一死二・三塁のチャンスが続き、7番・藤原真優美のショートゴロの間に1点追加。その後も足を絡めた攻撃と要所でのタイムリー(※9番・中西華のレフト前タイムリー、3番・加減夢華のライト前タイムリー)等、大量7点を奪い、8-1と一気に突き放した!
 投げては、「連投」となった先発・山本心音が先制点こそ許したものの、「落ち着いたピッチング」で失点を最小限に。5回表、藤原真優美へ投手リレーし、試合を締めくくり、「5回コールド勝ち」でオープニングラウンド「3戦全勝」! 文句なしの「グループB1位」で次なるスーパーラウンド(2次リーグ)に進むこととなった。

 「WBSC第15回女子U18ソフトボールワールドカップ ファイナル」第2日は、この日本戦と同じく「第1試合」でカナダ vs 中国が行われ、「第2試合」では日本戦と並行して中国 vs チャイニーズ・タイペイを実施。「第3試合」はチェコとメキシコ、アメリカとカナダが激突し、中国(※カナダに10-0:4回コールド、チャイニーズ・タイペイに4-1)、日本(※メキシコに13-0:4回コールド、プエルトリコに8-1:5回コールド)が連勝。アメリカが1勝(※カナダに11-1:4回コールド)。メキシコが1勝1敗(※日本に0-13、チェコに9-5)。チャイニーズ・タイペイ(※中国に1-4)、プエルトリコ(※日本に1-8)、チェコ(※メキシコに5-9)が1敗。カナダ(※中国に0-10、アメリカに1-11)が連敗を喫する形に。
 これをもってオープニングラウンド(予選リーグ)の戦いを終了し、グループAは1位・アメリカ(3勝0敗)、2位・中国(2勝1敗)、3位 チャイニーズ・タイペイ(1勝2敗)、4位・カナダ(0勝3敗)。グループBは1位・日本(3勝0敗)、メキシコ、チェコ、プエルトリコの3チームが1勝2敗で並ぶ状況になったが、大会規程により「TQB」(※チームクオリティバランス:3チームが同率で並んだ場合の順位決定法 = 各チームの『総得点×3÷攻撃イニングアウトカウント総数 - 総失点×3÷守備イニングアウトカウント総数』を算出し、数値が高いチームほど上の順位になる)の比較で、2位・メキシコ、3位・チェコ、4位・プエルトリコとなることが決定。グループA上位2チーム(アメリカ、中国)、グループB上位2チーム(日本、メキシコ)の「合計4チーム」がスーパーラウンド進出となった。

 大会はいよいよ後半戦「スーパーラウンド」に突入。オープニングラウンド・グループB1位の日本は同グループ・メキシコ戦の勝利を持ち越し、「1勝0敗」からスタート。スーパーラウンド第1戦で「オープニングラウンド・グループA1位」の「王者」アメリカと対戦する。

 ここまでの日本の戦いぶりを振り返ってみると、投手陣は ″まだ高校1年生″ の山本心音がチームの「エース的役割」を託され、すべて先発登板。一昨年(2023年)のU15ワールドカップで「世界の舞台」を経験し、このU18カテゴリーへ「ステップアップ」した「可能性ある右腕」が「物怖じしない・相手に向かっていくピッチング」で試合を作り続けている。得意とするドロップボール(打者の膝元に落ちる変化球)のキレが戻り、ライズボール(打者の胸元に浮き上がるような変化球)との「高低にしっかり投げ分ける」コンビネーションがより明確になれば、強打のアメリカ打線と言えど……的を絞りづらくなるはず。その強気な投球スタイルを継続させながら、ときに大胆に、クレバーに、ピッチングをアレンジしていけるかどうか。「世界トップレベル」にあるアメリカの打者と対峙し、駆け引きしながら、自らの持ち味を活かし切ることができるか否か……真の意味での「センス」「力量」が試されることになるだろう。

 打撃面においては、チェコ戦、メキシコ戦、プエルトリコ戦とそのスコアが物語る通り「打って、得点を量産できている」上り調子の状態にあるが、王者・アメリカの投手陣との対戦では「レベル、世界観がガラッと変わる」ということを今一度肝に銘じておく必要がある。「アメリカに勝つためには、常に『創意工夫』が必要!! 」今大会に至るまで佐藤洋介ヘッドコーチが口酸っぱく選手たちに投げかけてきたように、「明確な対策・準備」をもって挑むことができるかどうかが「大きなポイント」になりそうである。

 アメリカは今大会、その「自慢のパワーソフトボール」を象徴するかのように、1番・2番に「チーム一、二の好打者」を並べている。1番打者は昨年のグループステージでも「打率5割超」のハイアベレージを記録した「マクレーン・ハドソン」。2番打者は一昨年のU15ワールドカップで「本塁打王&MVP」に輝いた「アスペン・ボールウェア」。現代の野球・ソフトボールで主流になりつつある「超攻撃型スタイル」(※シンプルに打率・出塁率の高い選手から並べ、打順を組むスタイル。送りバントや進塁打は後回し(むしろ戦略にない)、とにかく先頭打者が出塁して、次の打者が返す! それを繰り返していく攻撃パターン)をリアルに体現していると言っていいだろう。

 次なる「王者・アメリカ戦」で、女子U18日本代表の「現在地」がおおよそ示されることとなる。まだまだ「伸びしろ」の大きい、「可能性」溢れる選手たちにとっては、厳しくも、「絶好の対戦相手」となるはずだ。

 日本のみならず、世界のソフトボールファンが「JAPAN vs USA」の大一番を心から楽しみにしている!

●文・写真
女子U18日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)

PageTop