今年も恒例の「日韓ジュニアスポーツ交流事業」が実施された
親善・交流試合を実施し、互いの交流を深め、レベルアップと競技力向上をめざした
現時点では「力の差」はあるものの……互いのレベルアップの「契機」となることを期待
天候に恵まれず……それでも臨機応変な対応で室内でもできる練習内容を共有する等、有意義な時間を過ごすことができた
ソフトボールの「基本」を見つめ直し、さらなる飛躍のために、日々何をすべきか、積み重ねるか、確認し合った
日ソ協・宇津木妙子副会長が駆けつけ、「熱血指導」を行い、選手たちの士気を高めてくれた
グラウンド内外で日韓両国の「絆」を深め、今後のさらなる競技発展を誓い合った
言葉の壁や文化の違い、国境を越え、ソフトボールを「共通言語」とした交流を深め合った
この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」は相互派遣方式で実施されているため、11月25日(火)〜30日(日)には韓国・釜山を千葉経済大学附属高等学校が訪問する
【実事業概要】
去る8月8日(金)〜13日(水)、千葉県千葉市・千葉県総合スポーツセンターを主会場に、2025年度の「日韓ジュニアスポーツ交流事業」(ソフトボール競技)の「チーム招待」事業が実施された。
この「日韓交流事業」は、日本と韓国のジュニア世代のソフトボール選手が、試合や合同練習、文化交流を通じて相互理解と友情を深めながら競技力向上を図ることを目的として2001年にスタートし、今年で22回目の開催となる。
今回の「チーム招待」事業では、韓国女子U-18代表チームが来日。2025年3月に開催された「第43回全国高校選抜女子大会」で優勝した千葉経済大学附属高等学校ソフトボール部を交流の相手、「ホストチーム」となり、6日間にわたり充実した交流プログラムを実施した。
【実施内容】
・8月8日(金)
韓国代表チームが成田空港に到着。韓国チームは、日本の夏の蒸し暑さにも負けず、元気いっぱい。ホテルへ移動し、明日からのプログラムに向けてしっかり心身の準備を整えた。
・8月9日(土)
快晴に恵まれた千葉県千葉市・千葉県総合スポーツセンターソフトボール場にて、両国選手による交流試合を2試合実施。「真剣勝負」の中でも笑顔が絶えず、互いのプレースタイルを学び合う一日となった。
お昼は両チームが揃ってお弁当を囲み、試合中とは違う和やかな時間を過ごした。互いの好物を話し合ったり、練習や学校生活の話で盛り上がったりと、笑顔と会話が溢れるひとときとなった。
試合の方は、午前中の第1試合は韓国が先制するも、日本が後半追い上げ、結果は7-1で日本の勝利、午後の第2試合は旅の疲れか、暑さのためか、韓国が精彩を欠き、18-0の大差で日本の勝利となった。
・8月10日(日)
雨天のため、千葉県ソフトボール協会のご尽力により、稲毛海浜公園室内運動場を前日夕方に確保、トレーニングとポジション別合同練習を実施した。千葉経済大学付属高校ソフトボール部が常日頃行っている練習メニューをウォーミングアップから一緒に行い、日韓両チームの選手がペアとなり、サーキットトレーニングも行った。
午後には、ソフトボール界の「レジェンド」である(公財)日本ソフトボール協会・宇津木妙子副会長が駆けつけ、両チームに熱のこもったノックを披露。選手たちは宇津木妙子副会長の「代名詞」でもある「速射砲ノック」に懸命に食らいつき、真剣な表情でボールを追いかけ、貴重な指導のひとときに大きな感銘と刺激を受けるこことなった。
この日の夜は歓迎食事会を開催。(公財)日本ソフトボール協会・宇津木妙子副会長、千葉県ソフトボール協会・井之上会長、同・鈴木理事長、同・佐藤事務局長がホスト役を務め、韓国チームを歓待した。韓国チームは人気の「K-POPダンス」、日本チームは「ソーラン節ダンス」を披露し、会場は笑顔と拍手に包まれ、互いの交流・親善と相互理解を深める一夜を過ごした。
・8月11日(月)
午前中は雨の予報であったが、雨が降り出す前に千葉県総合スポーツセンターソフトボール場で試合を開始。
しかし、途中から雨が強まり中断。急遽、千葉経済大学附属高校の施設をお借りし、昼食は教室で、午後はグラウンドに移動し、ポジション別練習を実施した。
その後また雨足が強くなり、体育館でのトレーニングを実施。日本チームの選手は、常日頃から中学生へのクリニックを行っていることもあり、その経験・実体験を活かし、分かりやすく、かつ理論的な技術指導を行っていた。細部にまでこだわったアドバイスに、韓国チームの選手たちも真剣な表情で耳を傾け、互いのレベルアップ、技術向上につながる貴重にして濃密な時間を過ごした。
雨が降ったりやんだりの天気であったが、千葉県ソフトボール協会、千葉経済大学附属高校の柔軟かつ迅速なスケジュール変更等、臨機応変な対応で限られた時間を最大限に活用することができた。最後は別れを惜しみながらも「次は韓国で会おう」と約束を交わし、ハイタッチでお別れした。
・8月12日(火)
韓国チームは終日、東京都内と千葉県内の観光とショッピングを満喫。日本の文化を体験する一日となった。
・8月13日(水)
羽田空港にて韓国チームを見送り、無事、交流事業(チーム招待事業)が終了した。
【成果と感想】
・試合・練習・文化交流を通じ、言葉の壁を超えて友情を育むことができた。
・宇津木妙子さんからの直接指導は、選手たちのモチベーション向上に大きく貢献。
・日本と韓国、それぞれの練習方法やプレースタイルを体験し、視野が広がった。
【まとめ】
今回の交流事業は、技術向上だけでなく、文化や人とのつながりを深める貴重な機会となった。韓国チームは、日本特有の蒸し暑さにも負けることなく、最後までエネルギッシュにプレー。千葉経済大学附属高等学校ソフトボール部との対戦を通して、互いのプレースタイルを肌で感じ合った。
現状における力の差は否めないが、スポーツが国境を越える力を改めて実感し、この若いソフトボールプレーヤーたちが、今後の日韓両国のソフトボールを牽引することを確信した。また、選手たちにとって、この多感な時期の国際交流が、今後の競技生活や人生においても大きな財産となることを心から願う。