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「UTSUGI CUP U-18国際女子ソフトボール大会in高崎」を開催

「UTSUGI CUP U-18 国際女子ソフトボール大会in高崎」を開催!

6カ国が参加し、2日間にわたり熱戦を繰り広げた

「優勝決定戦」には富岡賢治高崎市長も駆けつけ、始球式を行ってくれた

高崎市内5校から選出された「高崎選抜」が「日本代表」として大会に出場。見事、優勝を飾った

「優勝決定戦」は日本(高崎選抜)とイタリアが対戦。日本がイタリアを破り、優勝!

「3位決定戦」はシンガポールとドイツが対戦し、シンガポールが勝利! 3位に!!

「5位決定戦」はタンザニアとボツワナが対戦。同点のまま、「抽選」にもつれ込む「熱戦」となり、タンザニアが抽選勝ち!

世界中、どこを探しても他にはない「唯一無二」の大会として「継続」「定着」することを信じ、期待したい

2025「UTSUGI CUP U-18 国際女子ソフトボール大会in高崎」
女子U18日本代表

2025「UTSUGI CUP U-18 国際女子ソフトボール大会in高崎」

 去る6月28日(土)・29日(日)の両日、群馬県高崎市・高崎市ソフトボール場(宇津木スタジアム)・第二ソフトボール場を会場に、日本(高崎選抜)、イタリア、ドイツ、タンザニア、ボツワナ、シンガポールの6チームが参加し、「UTSUGI CUP U-18 国際女子ソフトボール大会in高崎」が開催された。

 この大会は、「UTSUGI CUP U-18 国際女子ソフトボール大会in高崎」実行委員会の主催、高崎市、上毛新聞社の共催で開催され、将来のソフトボール界を担うジュニア世代の子どものたちの「夢の実現」に向け、世界的に競技を普及させることを目的として開催されている。

 同大会の開催は2023年に続き、2回目。元・女子日本代表監督であり、2000年シドニーオリンピックで「限りなく金メダルに近い銀メダル、2004年アテネオリンピックで銅メダルを獲得し、現在、(公財)日本ソフトボール協会で副会長であり、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)理事でもある名将・宇津木妙子氏の名を冠して開催されている。
 前回は「U15」(15歳以下)の大会として開催されたが、今回は「U18」(18歳以下)に対象カテゴリーを変更し、開催された。

 大会に先立ち、前日(6月27日/金)には、テクニカルミーティング、オープニングセレモニー、レセプションが、群馬県高崎市「サンコーカントリークラブ」を会場に、参加各チームの選手ら約150人が一堂に会し、開催された。
 主催者を代表し、高崎市・曽根光広副市長が「大会を通じて国際交流を深め、心身ともにさらに成長することを期待しています」との富岡賢治市長のメッセージを代読。日本代表(高崎選抜)の相須絵恋主将が「互いに切磋琢磨し、全力で戦います!」と力強く選手宣誓。「タンザニア大使」バラカ・ハラン・ルヴァンダ氏、「ボツワナ臨時代理大使」ダニエル・カサ氏も出席する中、互いの健闘を誓い合い、大会の幕が切って落とされた。

 大会は初日(6月28日/土)、参加6チームをA・B2つのグループに分け、「予選リーグ」を実施。その「予選リーグ」の順位に基づき、A・B両グループの3位同士が「5位決定戦」を、同2位が「3位決定戦」を、同1位が「優勝決定戦」を行う試合方式で覇が競われた。

 「日本代表」(高崎選抜)は、高崎市内5校(高崎健康福祉大学高崎高等学校、高崎商業高等学校、高崎女子高等学校、高崎東高等学校、高崎北高等学校)で合同チームを編成。普段は「ライバル」として競い合っているチームが「ALL TAKASAKI」としてチームを編成。「JAPAN」の名のもとに「ONE TEAM」となり、この大会に参加。応援団も各学校の垣根を越え、スタンドから声をからし、「同じチームの仲間」に声援を送っていた。

 日本は予選リーグ「グループA」を全勝の1位で通過。「グループB」1勝1分でシンガポールと並んだが、「得失点差」で1位となったイタリアとこの大会の「優勝」をかけ、対戦することになった。予選リーグの試合結果は下記の通り。

※予選リーグ試合結果はこちら

 大会最終日(6月29日/日)、「最終順位決定戦」が行われ、まず第1試合で「5位決定戦」が実施され、「予選リーグ・グループA」3位のタンザニアと「予選リーグ・グループB」3位のボツワナが対戦。ともに「今大会初勝利」をめざすチーム同士の「意地と意地」がぶつかり合う一戦となり、3回を終了し、6-6の同点のところで制限時間(決勝戦以外は90分の時間制限を採用)を迎えてしまい、この試合の勝敗は大会規程により、「抽選」に委ねられることに……。ピッチャー、キャッチャー……のポジション順に9名が並び、各チーム交互に「運命」のくじを引いていく。全員の抽選が終わった後、その結果が告げられ、「〇」の数が5個以上あったタンザニアが「勝利」する結果に! 前回大会では1勝どころか、1点も取れず、大会を後にしたチームが、日本で学んだ「ジャパニーズスタイル」の「猛練習」を積み重ね、今大会に臨み、アフリカ勢では各種国際大会で「実績」のある「格上」ボツワナを相手に互角の試合を展開。最後は「同点」「抽選」という結果ではあったが「勝利の女神」はタンザニアに微笑み、これまで辿ってきた「道のり」の正しさが認められ、祝福を受けているかのようでもあった。

 「3位決定戦」では「予選リーグ・グループB」2位・シンガポールが「予選リーグ・グループA」2位・ドイツを7-3(4回時間切れ)で破り、3位のメダルを手にし、「優勝決定戦」では「予選リーグ・グループA」1位・日本(高崎選抜)が「予選リーグ・グループB」1位のイタリアを10-0の5回得点差コールド(優勝決定戦のみ、「時間制限」は設けず、得点差コールドゲームを採用)で勝ち、見事、優勝を飾った。

 ※「最終順位決定戦」の結果はこちら

 ※「全試合イニングスコア」はこちら

 前回大会に続き、試合結果だけにとらわれることなく、ソフトボールを「心から楽しんだ」今大会。大会の「主役」となったのはタンザニア。詰めかけた観客の心を鷲掴みにし、今大会「一番」の声援を受けていた。
 アウト一つとっては、まるでその試合に勝利したかのように、優勝を決めたかのように喜び、エラーをしたり、打てなかったり、点を取られたりすれば、まるで「人生が終わった」かのように落胆。悲しみに暮れ、それでもまたすぐに気持ちを切り替え、立ち直り、再びプレーに向かっていく姿は、観る者の心をひきつけて離さなかった。ひたむきさと明るさ、元気で陽気、結果を恐れず立ち向かう勇気、ソフトボールに「本気」で取り組む姿が人々の心を打った。

 

 高崎市内5校で編成された「日本代表」も見事な戦いを見せてくれた。地元・高崎の熱い声援を背に、すべて「コールド勝ち」で優勝を飾った。
 今大会に出場したメンバーは、今月の全国高校総体(インターハイ)県予選で火花を散らした「ライバル」。インターハイの晴れ舞台をめざし、全力を尽くし、戦った「ライバル」たちが、今大会では同じ「日の丸」のユニフォームを身にまとい、全員の力で「優勝」を勝ち獲った。
 国際大会は普段使っている「ゴムボール」ではなく「革ボール」を使用(※日本以外で「ゴムボール」を使っている国はない)、それぞれのチームでのやり方の違いや戦術・戦略、戦い方の違い、対戦する海外のチームの選手との体格差、プレーの迫力……国内で競技しているだけでは、決して経験することのできない様々な出来事、場面に巡り会うことになった。
 勝敗を超え、国際スポーツの「本質」、ソフトボールの「原点」を垣間見るような場面にも遭遇した。大差がついたタンザニア戦後、両チームの選手が手を取り合って歌い、踊りながら笑顔で交流。「日本とは違ったソフトボールの楽しみ方がある」と知った瞬間でもあった。
 場内アナウンスは地元中学生が担当。「国際大会に関わることができて、ともて貴重な経験になった。いつかこの舞台に立てたら……」と目を輝かせ、夢を膨らませる姿に、改めて、この「UTSUGI CUP」を開催することの意味・意義を感じることができた。

 ジュニア世代の育成・発掘、野球・ソフトボールのヨーロッパ、アフリカへの普及・定着、「高崎発」でのソフトボールのオリンピック競技「復活」「継続」等、この「UTSUGI CUP」は壮大な構想に基づいて開催され、「世界」へ向け、発信されている。この「UTSUGI CUP」が果たす意義・意味の大きさは前述のように計り知れないほど、大きなものがある。
 ただ……この大会の「象徴」であり、企画・発案者でもある宇津木妙子氏が常々語っているように、この「UTSUGI CUP」はソフトボールの「原点」を見ることのできる大会である、ということが何よりも大きいと感じる。世界中、どこを探しても見当たらない、見ることのできない「唯一無二」の大会。ただひたすらにボールを追いかけ、ソフトボールを心から楽しみ、プレーの一つひとつに一喜一憂し、泣き、笑う。
 そう……人生の「すべて」がソフトボールには詰まっている。そして、ソフトボールが人生の「すべて」を教えてくれる。その「原点」に立ち返ることのできる大会。「UTSUGI CUP」はその意味で、世界中、他のどこにもなく、「唯一無二」の大会であり、これから先も、この「UTSUGI CUP」が継続して開催されていくことを心から願うと同時に、それだけの「価値」がこの大会にはある、と声を大にして伝えていきたいと思う。

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