第45回日本女子ソフトボール2部リーグ第3節が、5月25日(金)〜27日(日)の3日間、アドバンスセクションが愛知県大口町・大口町総合運動場、ホープセクションが島根県雲南市・木次運動公園野球場・加茂中央公園野球場を会場に開催された。
結果は、アドバンスセクションは、第2節まで無傷の5連勝で単独首位に立っていた東芝北九州が、今節初戦の日本精工戦に敗れ、今シーズン初黒星。全勝チームがなくなり、東芝北九州と日本精工が7勝1敗で並び、同率首位となった。
ホープセクションは、NECアクセステクニカ、ドリーム☆ワールドの両チームが開幕からの連勝を「6」に伸ばし、今節2日目に注目の「全勝対決」を迎えたが、ドリーム☆ワールドが3−2で競り勝ち、全勝を守り、単独首位に立った。
しかし、今節最終日、そのドリーム☆ワールドが島根三洋電機に敗れ、NECアクセステクニカが大和電機工業に勝ったことから、アドバンスセクション同様、NECアクセステクニカ、ドリーム☆ワールドの両チームが7勝1敗で同率首位に並んだ。
■アドバンスセクション
アドバンスセクションは、5月25日(金)〜27日(日)の3日間、愛知県大口町・大口町総合運動場で開催された。
第2節まで開幕から無傷の5連勝で単独首位に立っていた東芝北九州は、今節初戦の日本精工戦に2−3で敗れ、今シーズン初黒星。2日目、3日目はその両チームが連勝を飾り、通算7勝1敗で同率首位に並んだ。
東芝北九州は、今節初戦の日本精工戦、初回に日本精工・先発の曽根原一葉の立ち上がりを攻め、3番・笹田知里の安打と2つの四球で二死満塁のチャンスをつかみ、相手守備の乱れと森田千晶のレフト前にタイムリーで幸先良く2点を先制。開幕から無傷の5連勝を飾っているチームの「勢い」を感じさせたが、2回裏、先発・森田千晶が波多江紗希にツーランホームランを浴び、同点に追いつかれると、4回裏には、大満百央の二塁打、内野ゴロで一死三塁とされ、波多江紗希のライトへの犠牲フライで逆転を許した。打線も2回以降、立ち直った日本精工・曽根原一葉の力投の前に2つの併殺でチャンスを潰すなど、追加点を奪えず、2−3で競り負け、今シーズン初黒星を喫した。
今節2日目の靜甲戦も、終盤までリードを許す苦しい試合展開となったが、6回裏、立花佑希子、菊原麻紀子の長短打に相手守備の乱れが絡み、同点。最後は、プレーイングマネージャーとしてチームを引っ張る「闘将」長澤佳子がレフトスタンドにサヨナラホームランを叩き込み、3−2のサヨナラ勝ち。苦しみながらも勝利を収めた。
今節最終戦となった湘南ベルマーレ厚木戦では打線が爆発。菊原麻紀子のソロ本塁打、「監督」であり、「主砲」でもある長澤佳子の満塁本塁打を含む22安打と打ちまくり、21−1と大勝。通算成績を7勝1敗とした。
日本精工は、今節初戦の東芝北九州戦を、波多江紗希のツーランホームランを含む全打点を挙げる活躍で3−2と競り勝つと、続く東海理化戦ではルーキーながら「4番」に座る「主砲」安井聖梨奈のソロホームランで先制。序盤3点のリードを奪うと、3回裏に一度は同点に追いつかれながら、5回表に安井聖梨奈、大満百央の連続二塁打、加藤美穂のタイムリーなどで4点を勝ち越し。このリードを吉田遥香、染谷由紀とつなぐ投手リレーで守り切り、7−3と圧勝。今節最終戦の平林金属戦では、先発・曽根原一葉が平林金属打線をわずか2安打に抑え込む力投を見せ、見事な完封。4−0と快勝し、今節3連勝を飾り、通算7勝1敗で東芝北九州と並び、同率首位に浮上した。
3位には5勝3敗の伊予銀行。今節初戦の甲賀健康医療専門学校戦を2−1の辛勝。U19日本代表にも選出された左腕・岩田みゆきの力投に苦しめながらも、6回表に外山裕美子の本塁打で先制し、同点に追いつかれた7回表には足を絡めた攻めで決勝点を挙げ、2−1で競り勝ち、今節2日目の湘南ベルマーレ厚木戦も序盤はリードを奪い、このまま勢いに乗るかと思われたが、投手交代が裏目となり、3−6の逆転負け。今節最終戦の靜甲戦は終盤の逆転劇で2−1と競り勝ち、通算5勝3敗。何とか上位争いに踏み止まってはいるが、もう一つ波に乗り切れない感がある。
これに3勝5敗の靜甲、東海理化、甲賀健康医療専門学校の3チームが続く。靜甲は、今節初戦の東海理化戦で勝利目前の7回表に追いつかれ、8回表、中井詩恵のタイムリー、満塁の走者を一掃する片山郁乃のタイムリースリーベースで5点を勝ち越され、その裏の猛反撃も及ばず6−8で競り負け、出足で躓くと、続く東芝北九州戦でも終盤までリードを奪いながら、2−2の同点で迎えた7回裏、長澤佳子にサヨナラホームランを浴び、2−3の惜敗。今節最終戦の伊予銀行戦も終盤までリードしながら1−2の逆転負け。今節3試合とも「勝利目前」のところから、ことごとく逆転負けを喫し、順位決定プレイオフ進出圏内からは大きく後退。1シーズンでの「1部復帰」は、ほぼ絶望的な状態となった。
東海理化は、地元の熱い声援にも後押しされ、今節初戦の靜甲戦を延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦の末、8−6で勝利を収めると、続く日本精工戦も序盤3点のリードを奪われながら、3回裏、中田奈緒、越智華奈子、石田沙也佳の3連続長短打と赤堀栄美の犠牲フライで一気に同点。大勢の応援団が詰めかけたスタンドを大いに沸かせたが、投手陣が踏ん張れず、3−7で敗れ、続く甲賀健康医療専門学校戦は0−7の完敗。「地元で一気に上位進出」を狙ったが、今節1勝2敗と星を伸ばせず、順位決定プレイオフ進出は厳しい状況となった。
甲賀健康医療専門学校も今節1勝2敗。初戦の伊予銀行戦で1−2の惜敗。続く平林金属戦でも序盤は互角の試合を展開しながら、終盤投手陣が打ち込まれ、2−8の大敗。最終戦の東海理化戦では、エース・岩田みゆきが力投を見せ、7−0の完封勝利を挙げ、「意地」を見せたが、通算3勝5敗の同率4位と星を伸ばすことはできなかった。
湘南ベルマーレ厚木と平林金属は2勝6敗。第2節まで開幕5連敗と元気のなかった湘南ベルマーレ厚木は、今節初戦の平林金属戦で今シーズン初勝利。コーチ兼任の佐藤真澄の力投で完封勝利を収めると、続く伊予銀行戦も序盤リードを許しながら、4回表、7安打を集中し、一挙5点を奪い、6−3の逆転勝ち。最終戦の東芝北九州戦こそ大敗を喫したが、今節2勝を挙げ、通算成績を2勝6敗とした。
平林金属は、今節初戦の湘南ベルマーレ厚木戦で終盤まで息詰まる投手戦を演じながら、0−1の完封負け。続く甲賀健康医療専門学校戦は終盤の猛攻で8−2と快勝したが、最終戦の日本精工戦は0−4の完封負け。今節1勝2敗で通算2勝6敗となった。
■ホープセクション
ホープセクションは、5月25日(金)〜27日(日)の3日間、島根県雲南市・木次運動公園野球場・加茂中央公園野球場において開催され、今節2日目、ドリーム☆ワールドがNECアクセステクニカとの注目の「全勝対決」を制し、開幕からの連勝を「7」に伸ばし、単独首位に立った。
しかし、そのドリーム☆ワールドが今節最終戦の島根三洋電機を落とし、開幕からの連勝は「7」でストップ。それを追うNECアクセステクニカが大和電機工業に快勝し、両チームが7勝1敗で並び、同率首位のまま、リーグ後半戦を迎えることになった。
ドリーム☆ワールドは今節初戦のぺヤング戦を10−0と大勝。上位争いを演じる両チームの対戦だけに接戦が予想されたが、ぺヤング投手陣に11安打を浴びせ、二桁得点の圧勝。これで勢いづいたか、続くNECアクセステクニカとの「全勝対決」も、好調な打線がNECアクセステクニカのエース・宮崎夏菜に10安打を浴びせ、終始先手を取る試合展開。初回に佐々木結翔のライト前へのタイムリーで先制すると、3回表には青野可奈のレフト前へのタイムリーで2点目。その裏、同点に追いつかれたが、5回表、二死一・二塁から森本早苗がセンター前へはじき返し、勝ち越し。このリードを高野里穂、松村綾菜、熊澤怜子の3投手をつなぐ投手リレーで守り切り、3−2で勝利を収めた。
このまま連勝街道を突っ走るかと思われたドリーム☆ワールドだが、今節最終戦の島根三洋電機戦では、2点をリードされる苦しい試合展開。5回表に一度は同点に追いついたが、その裏すぐに3点を勝ち越され、万事休す。得意の継投策も不発に終わり、今シーズン初黒星を喫し、通算7勝1敗となった。
第2節まで無傷の連勝街道を突っ走ってきたNECアクセステクニカは、今節初戦のカネボウ化粧品小田原戦で初回に1点を失ったものの、その裏、渡辺祐子、渡邊南、林優貴の3連続長短打などで3点を奪い、あっさり逆転。その後も攻撃の手を緩めず、12安打・9得点の猛攻で9−3と圧勝。続くドリーム☆ワールド戦では2−3と競り負けたが、今節最終戦の大和電機工業戦では、山本梢、宮崎夏菜とつなぐ投手リレーで大和電機工業打線を3安打に抑え込み、4−0の完封勝利。今節2勝1敗で通算7勝1敗とし、ドリーム☆ワールドと並んで同率首位となった。
第2節最終戦のNECアクセステクニカとの「直接対決」に敗れ、今シーズン初黒星を喫したぺヤングは、今節初戦のドリーム☆ワールド戦で投手陣が打ち込まれ、0−10の完敗。予想外の大敗を喫し、続くカネボウ化粧品小田原戦でも初回に先取点を許す苦しい試合展開。その裏、打線が奮起し、一挙4点を挙げ、逆転。その後も攻撃の手を緩めず、12安打で7点を挙げ、7−3の快勝。最終戦の日本ウェルネススポーツ専門学校戦も8−2で大勝し、今節2勝1敗。通算6勝2敗の3位につけた。
これに続くのは、4勝4敗の島根三洋電機。今節初戦の日本ウェルネススポーツ専門学校戦に12−0と大勝し、続く大和電機工業戦では、エース・古瀬由梨亜が被安打3の力投を見せ、5−0の完封勝利。打線も13安打を放ち、しっかりとこれを援護。ここまで全勝で首位を快走するドリーム☆ワールド戦では、7安打で5点を奪い、5−2と快勝。ドリーム☆ワールドの開幕からの連勝を「7」でストップさせ、今節3連勝。確実に調子は上向き、それだけに第1節の3連敗が悔やまれるところだが、後半戦は「台風の目」となりそうな気配だ。
YKK、カネボウ化粧品小田原は3勝5敗。YKKは、初戦の大和電機工業戦で初回に1点を失い、そのまま最終回までリードを許す苦しい試合展開。しかし、7回裏、二死満塁から谷口恵理がセンター前にはじき返し、逆転サヨナラ。土壇場の逆転で勝利を飾ると、続く日本ウェルネススポーツ専門戦は19安打・14得点の猛攻。14−0で大勝し、最終戦のカネボウ化粧品小田原戦では6−8で惜敗したものの、今節2勝1敗で通算成績を3勝5敗とした。
カネボウ化粧品小田原は、今節初戦のNECアクセステクニカ戦で初回に先制しながら、すぐに逆転を許し、3−9の大敗。続くぺヤング戦も投手陣が12安打と打ち込まれ、3−7で敗れ、連敗を喫したが、最終戦のYKK戦は10安打を放ち、終盤の猛攻で8−6の逆転勝ち。壮烈な打撃戦を制し、今節1勝2敗。通算3勝5敗となった。
大和電機工業は、初戦のYKK戦で終盤までリードを奪いながら、勝利目前の最終回二死から逆転サヨナラ負け。これでリズムが狂ったか、続く島根三洋電機戦では元気なく、0−5の完封負け。今節最終戦のNECアクセステクニカ戦も0−4と2試合連続の完封負けを喫し、今節3連敗。通算2勝6敗の7位に後退した。
日本ウェルネススポーツ専門学校は開幕から勝ち星なしの8連敗。今節も3試合中2試合が二桁失点で3試合の総得点はわずかに「2」と、投打ともにいいところなし。最終戦のぺヤング戦では初回に先取点を奪い、「久々のリーグ2勝目か」と期待させる場面もあったが、その裏あっさり逆転を許し、終わってみれば2−8の大敗。連敗に終止符を打つのはいつの日か……後半戦の巻き返しを期待したいところだ。
第45回日本女子ソフトボール2部リーグ第4節、アドバンス・ホープ両セクションの全チーム成績は下記の通りで、第3節は9月7日(金)〜9日(日)の3日間、アドバンスセクションが岡山県久米南町で、ホープセクションが佐賀県佐賀市を会場に開催される。
●第45回 日本女子ソフトボール2部リーグ 第3節終了時 全チーム成績
アドバンスセクション |
順位 |
チーム名 |
勝 |
敗 |
1位 |
日本精工 |
7 |
1 |
〃 |
東芝北九州 |
7 |
1 |
3位 |
伊予銀行 |
5 |
3 |
4位 |
靜甲 |
3 |
5 |
〃 |
東海理化 |
3 |
5 |
〃 |
甲賀健康医療専門学校 |
3 |
5 |
7位 |
湘南ベルマーレ厚木 |
2 |
6 |
〃 |
平林金属 |
2 |
6 |
ホープセクション |
順位 |
チーム名 |
勝 |
敗 |
1位 |
NECアクセステクニカ |
7 |
1 |
〃 |
ドリーム☆ワールド |
7 |
1 |
3位 |
ぺヤング |
6 |
2 |
4位 |
島根三洋電機 |
4 |
4 |
5位 |
YKK |
3 |
5 |
〃 |
カネボウ化粧品小田原 |
3 |
5 |
7位 |
大和電機工業 |
2 |
6 |
8位 |
日本ウェルネススポーツ専門学校 |
0 |
8 |
※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。 |