第45回日本女子ソフトボール2部リーグ第2節が、5月19日(土)・20日(日)の両日、アドバンスセクションが滋賀県草津市・野村運動公園、ホープセクションが長野県茅野市・茅野市運動公園広場野球場・自由広場を会場に開催された。
結果は、アドバンスセクションは、第1節で開幕3連勝と「開幕ダッシュ」に成功した東芝北九州が今節も連勝。開幕からの連勝を「5」に伸ばし、単独首位に立った。同じく第1節で3戦全勝と好調だった日本精工は今節初戦の甲賀健康医療専門学校戦は15−2で大勝したが、靜甲戦に0−8と完敗。今シーズン初黒星を喫した。
ホープセクションは、NECアクセステクニカ、ドリーム☆ワールドが全勝を守り、NECアクセステクニカとの「直接対決」に敗れたぺヤングが4勝1敗で追う展開となっている。
■アドバンスセクション
アドバンスセクションは5月19日(土)・20日(日)の両日、滋賀県草津市・野村運動公園において開催された。
第1節で開幕3連勝を飾った日本精工と東芝北九州は、東芝北九州が快調に勝ち星を重ね、開幕からの連勝を「5」に伸ばしたが、日本精工は今節最終戦の靜甲戦で0−8の大敗を喫し、今シーズン初黒星。明暗が分かれる結果となった。
東芝北九州は、今節初戦の伊予銀行戦、初回に伊予銀行・先発の江本侑香の制球の乱れにつけ込み、押し出しの死球などで2点を先制。4回裏には、菊原麻紀子の四球、山本澪の二塁打でチャンスをつかみ、原田明香のタイムリーで2点を追加。このリードを先発・森田千晶が8安打を打たれながらも、相原冴子のソロ本塁打による1点のみに抑え、4−1で快勝。続く東海理化戦では、3回表に打者一巡の猛攻。大量4点を先制すると、6回表には原田明香、7回表には中村早織がタイムリーツーベースを放ち、1点ずつを追加。守っては、森田千晶、實政咲紀の継投で東海理化打線の反撃をかわし、6−1で圧勝。今節も投打がガッチリと噛み合い、連勝を飾り、開幕からの連勝を「5」に伸ばした。
日本精工は、今節初戦の甲賀健康医療専門学校戦で大満百央、安井聖梨奈の本塁打を含む7本の長打を浴びせ、14安打・15得点の猛攻で15−2と大勝。しかし、続く靜甲戦では、投手陣が靜甲打線につかまり、8失点。好調の打線も予想外の大量失点に反撃の意欲が削がれたか、7安打を放ちながら完封負けを喫し、今シーズン初黒星。4勝1敗で第2節を終えた。
3位には靜甲、伊予銀行が3勝2敗で並んだ。靜甲は、初戦の湘南ベルマーレ厚木戦を吉田早希の本塁打を含む16安打・15得点と打ちまくり、大勝。その「勢い」を首位を走る日本精工との「直接対決」にも持ち込み、4回表、「チームリーダー」萩藤寛子の二塁打でチャンスをつかみ、松井志帆実のタイムリーで先取点を挙げると、5回表には打者11人を送る猛攻。大量7点を挙げ、日本精工を圧倒。守っても、ベテラン・鈴木麻美が7安打を打たれながらも要所を締め、最後まで日本精工に得点を許さず、完封。今節連勝で通算成績3勝2敗まで持ち直してきた。
伊予銀行は今節初戦、東芝北九州との「直接対決」を1−4で落としたのが響いた。相手を上回る8安打を放ちながら、得点は本塁打による1点のみ。打線につながりを欠き、痛い星を落とした。続く平林金属戦は、初回から鮮やかな先制攻撃を見せ、相原冴子のタイムリー、矢野輝美の犠牲フライ、外山裕美子のツーランホームランなどで、いきなり4点を奪い、試合の主導権を握ると、6回裏には代打・川野真代がダメ押しのソロホームランを放ち、5−0と圧勝したものの、通算3勝2敗と星を伸ばすことはできなかった。
これを追うのが2勝3敗の東海理化、甲賀健康医療専門学校の2チーム。東海理化は、初戦の平林金属戦で初回に1点を先制されながら、その裏、越智華奈子の三塁打などですぐに逆転。その後も石田沙也佳の本塁打を含む16安打・17得点と打線が爆発。17−2で大勝し、開幕4連勝と好調な東芝北九州に挑んだが、東芝北九州の「勢い」に飲み込まれ、1−6と完敗。3位グループから抜け出すことはできなかった。
甲賀健康医療専門学校は、今節初戦の日本精工戦に2−15と大敗。続く湘南ベルマーレ厚木戦は、昨年、世界女子ジュニア選手権に出場し、銀メダルを獲得した岩田みゆきを先発に立て、2−1と辛勝。岩田みゆきが登板しない試合をどのように乗り切るかがカギになりそうだ。
平林金属は今節連敗で1勝4敗。相変わらず失点が多く、投手陣が崩壊状態。今節初戦の東海理化戦でも初回に先制しながら、投手陣が踏ん張れず、終わってみれば大差をつけられての敗戦。伊予銀行戦も初回から投手陣が打ち込まれ、いきなり4点のビハインドを背負う試合展開では勝利を得るのは難しい。今後の巻き返しを図るには、投手陣の立て直しが急務だ。
湘南ベルマーレ厚木も今節連敗で開幕5連敗。こちらも投手陣が大量失点を喫するケースが多く、未だ勝ち星がない。甲賀健康医療専門学校戦では、好投手・岩田みゆきを相手に互角の投手戦を展開。先制されながら、一度は同点に追いつく粘りを見せたが、惜しくも競り負けた。まず1勝を挙げ、この悪い流れを断ち切りたいところだ。
■ホープセクション
ホープセクションは、5月19日(土)・20日(日)の両日、長野県茅野市・茅野市運動公園広場野球場・自由広場において開催され、NECアクセステクニカ、ドリーム☆ワールドがともに全勝を守り、同率首位に並んでいる。
第1節で3戦全勝と好調な滑り出しを見せたNECアクセステクニカは、今節初戦の島根三洋電機戦を苦しみながらも延長8回を1−0の辛勝。エース・宮崎夏菜が被安打4・奪三振7の力投。最後は押し出しの死球でサヨナラ勝ちを収め、開幕からの連勝を「4」に伸ばした。
続くぺヤングとの「全勝対決」は、壮絶な打ち合いとなり、まずNECアクセステクニカが馬場香織の先頭打者本塁打で先制すれば、ぺヤングもその裏、大塚枝里香が「お返し」とばかりに先頭打者本塁打を放ち、あっさり同点。さらに3連続四球で一死満塁となったところで先発・山本梢を諦め、エース・宮崎夏菜を投入。しかし、その宮崎夏菜が死球を与え、押し出しで逆転を許し、続く2回裏にも守備の乱れと岩本典子のタイムリーで3点を失い、この時点で1−5と大きくリードを許した。このままぺヤングの圧勝に終わるかと思われたが、NECアクセステクニカは4回表に林優貴のタイムリーでまず1点を返し、5回表にも4本の長短打に相手守備の乱れが絡み、一挙4点を奪い、逆転に成功。7回表にも、嘉屋千紘の左中間を破るタイムリーツーベースで2点を追加。8−5と逆に3点のリードを奪い、今度こそ勝負あったかと思われた。その裏、ぺヤングも驚異的な粘りを見せ、4安打を集中し、3点差を跳ね返し、土壇場で同点。8−8の同点で延長タイブレーカーにもつれ込む「死闘」となった。
NECアクセステクニカは8回表、二死二塁から田畑このみ、井本琴美の長短打で2点を勝ち越し。粘るぺヤングを振り切り、全勝を守り、開幕からの連勝を「5」に伸ばした。
ドリーム☆ワールドも今節連勝。初戦の大和電機工業戦を「チームリーダー」川上恵莉子、森本早苗の本塁打などで得点を重ね、燒里穂、松村綾菜、熊澤怜子とつなぐ投手リレーで大和電機工業の反撃を1点に抑え、8−1と快勝。続くカネボウ化粧品小田原戦も打線が爆発。森本早苗の2試合連続本塁打を含む7本の長打を効果的に生かし、12安打で9点を奪い、9−1で大勝。余裕の試合運びで開幕から無傷の5連勝を飾り、同率首位に並んだ。
「今シーズンこそ1部昇格!」と意気込むぺヤングは、今節初戦のYKK戦でいきなり先頭打者本塁打を浴び、リードを許す不安な滑り出し。しかし終わってみれば、17得点を奪う猛攻でYKKを圧倒し、17−2の大勝。続くNECアクセステクニカ戦は、壮絶な打ち合いを演じ、序盤大量リードを奪いながら逆転を許し、土壇場の7回裏に3点のビハインドを跳ね返す驚異的な粘りを見せたが、延長8回、勝ち越しを許し、結局、8−10の惜敗。今シーズン初黒星を喫し、首位争いから一歩後退した。
大和電機工業、カネボウ化粧品小田原は通算2勝3敗。ともに日本ウェルネススポーツ専門学校には大勝したものの、ドリーム☆ワールドには大敗。今節1勝1敗で勝ち星を伸ばすことはできなかった。
ここまで開幕4連敗と勝ち星のなかった島根三洋電機はYKKを破り、今シーズン初勝利。それまでの鬱憤を晴らすかのように11安打と打ちまくり、エース・古瀬由梨亜が4安打完封。7−0で快勝し、この2チームが1勝4敗の同率で並んだ。
日本ウェルネススポーツ専門学校は開幕から勝ち星なしの5連敗。いずれも大差での敗戦であり、この泥沼を抜け出す光明は未だ見えていない。それでもカネボウ化粧品小田原戦では今シーズン初得点を挙げ、続く大和電機工業戦では8安打・4得点と打線の調子は上がりつつある。投手陣が踏ん張れば、久々の日本リーグ勝利も見えてくるのだが……。
第45回日本女子ソフトボール2部リーグ第2節、アドバンス・ホープ両セクションの全チーム成績は下記の通りで、第3節は5月25日(金)〜27日(日)の3日間、アドバンスセクションが愛知県大口町で、ホープセクションが島根県雲南市を会場に開催される。
●第45回 日本女子ソフトボール2部リーグ 第2節終了時 全チーム成績
アドバンスセクション |
順位 |
チーム名 |
勝 |
敗 |
1位 |
東芝北九州 |
5 |
0 |
2位 |
日本精工 |
4 |
1 |
3位 |
靜甲 |
3 |
2 |
〃 |
伊予銀行 |
3 |
2 |
5位 |
東海理化 |
2 |
3 |
〃 |
甲賀健康医療専門学校 |
2 |
3 |
7位 |
平林金属 |
1 |
4 |
8位 |
湘南ベルマーレ厚木 |
0 |
5 |
ホープセクション |
順位 |
チーム名 |
勝 |
敗 |
1位 |
NECアクセステクニカ |
5 |
0 |
〃 |
ドリーム☆ワールド |
5 |
0 |
3位 |
ぺヤング |
4 |
1 |
4位 |
大和電機工業 |
2 |
3 |
〃 |
カネボウ化粧品小田原 |
2 |
3 |
6位 |
島根三洋電機 |
1 |
4 |
〃 |
YKK |
1 |
4 |
8位 |
日本ウェルネススポーツ専門学校 |
0 |
5 |
※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。 |