第45回日本女子ソフトボール1部リーグ開幕節が、4月14日(土)・15日(日)の2日間にわたり、京都府京都市のわかさスタジアム京都において開催された。
昨年に続き、今年で4回目の開催となった開幕節は、日本女子ソフトボール1部リーグの全12チームが一堂に会して対戦する文字通り今シーズンの「開幕」を告げる節であり、今年は女子1部リーグ決勝トーナメントの舞台としてもおなじみの「聖地」わかさスタジアム京都において開催。リーグの開幕を待ちわびた多くのソフトボールファンが会場に足を運んだ。
試合は、初日の戸田中央総合病院対大鵬薬品戦が「開幕ゲーム」となり、熱戦がスタート。初日、2日目とそれぞれ3試合が行われ、2日間ともにすべての試合が1点差の接戦(延長タイブレーカー3試合、サヨナラ勝ち4試合)となり、大鵬薬品、日立マクセル、豊田自動織機、佐川急便、デンソー、トヨタ自動車が開幕白星スタートを飾った。
また、今回は、昨年の決勝トーナメントの再現となる好カードがいきなりこの開幕節で組まれ、初日の第3試合では、日立ソフトウェアと豊田自動織機戦が対戦。2日目の第3試合には、昨年、劇的な勝利でリーグ連覇を達成し、今年は決勝トーナメント制が導入されて以来初となるリーグ「3連覇」をめざす王者・トヨタ自動車が登場。昨年の決勝トーナメント・ファイナルの再現となる「宿命のライバル」ルネサスエレクトロニクス高崎との対戦カードが組まれ、各試合期待通りの熱戦が繰り広げられた。
初日の注目カード、日立ソフトウェア対豊田自動織機戦では、昨年までチームのエースとして活躍した藤原麻起子の引退後、「期待の左腕」として頭角を現しつつあり、開幕投手に抜擢された日立ソフトウェア・山中しほと、カナダ代表のエースでもあり、今シーズンから豊田自動織機に「新戦力」として加わったダニエル・ローリーが、見応えのある投げ合いを展開。両投手が持ち味を発揮し、0−0のまま、試合は終盤に入った。迎えた5回表、日立ソフトウェアは、二死二塁のチャンスで2番・西山麗が一・二塁間を破るタイムリーを放ち、1点を先制。先発した山中しほも起用に応え、テンポの良いピッチングと、左投手特有の左打者のアウトサイドに逃げ、右打者のインサイドをえぐるピッチングで、6回まで豊田自動織機打線をわずか2安打に抑える好投を見せた。しかし、土壇場の7回裏、豊田自動織機打線がついに反撃。この回先頭の3番・白井沙織が四球で出塁し、次打者の内野ゴロで走者が入れ替わると、今シーズン伊予銀行から移籍し、チームに新加入した5番・中森菜摘が、膝元に沈むボールにうまくバットを合わせ、右中間へ値千金の同点タイムリー。さらに二死三塁のサヨナラのチャンスに、続く6番・本田小百合も、この回まで各打者が手を焼き、抑え込まれてきた山中しほのアウトコースのボールを鮮やかにレフト前にはじき返し、三塁走者を迎え入れ、2−1の劇的なサヨナラ勝ちで開幕白星を飾った。
2日目の注目カード、ルネサスエレクトロニクス高崎対トヨタ自動車戦では、昨年の決勝トーナメント・ファイナルと同様に、ルネサスエレクトロニクス高崎・上野由岐子、トヨタ自動車・モニカ・アボットの「両エース」が立ち上がりから一歩も譲らぬ投手戦を展開。互いに山となった6回の攻防では、ピンチを迎えた場面を両投手がまさに「世界トップレベル」の実力を見せつけるピッチングで切り抜け、0−0のまま、延長タイブレーカーに突入した。8回表を無失点で凌いだトヨタ自動車はその裏、8番・小野真希のセカンドゴロでタイブレーカーの走者を三進させると、二死後、1番・ナターシャ・ワトリーがフルカウントからの7球目をセンター前にはじき返し、サヨナラタイムリー。この試合最大の山場で“真向勝負”を挑んだ上野由岐子の勝負球を見事に狙い打ち、優勝を争う最大のライバルから「大きな一勝」を挙げ、リーグ「3連覇」に向けて好スタートを切った。
新たなシーズンが開幕した日本女子ソフトボール1部リーグ。全12チームが「頂点」をめざし、今年も全国30会場で熱戦を繰り広げる。決勝トーナメント制が導入されて以来初となるリーグ「3連覇」の偉業達成に挑むトヨタ自動車、「リベンジ」に燃えるルネサスエレクトロニクス高崎が今年も優勝を争うのか。それともこの2チームに代わり、新たに「台風の目」となるチームが現れるのか。今シーズンも全12チームの「熱き戦い」から目が離せない!
日本女子ソフトボール1部リーグ開幕節、各チームの成績は下記の通りで、第1節は4月21日(土)・22日(日)の2日間、富山県射水市・兵庫県尼崎市・佐賀県嬉野市において開催される。
■開幕節終了時、全チーム成績
| トヨタ自動車 |
1勝0敗 |
| 豊田自動織機 |
1勝0敗 |
| デンソー |
1勝0敗 |
| 日立マクセル |
1勝0敗 |
| 佐川急便 |
1勝0敗 |
| 大鵬薬品 |
1勝0敗 |
| ルネサスエレクトロニクス高崎 |
0勝1敗 |
| 日立ソフトウェア |
0勝1敗 |
| 太陽誘電 |
0勝1敗 |
| Honda |
0勝1敗 |
| シオノギ製薬 |
0勝1敗 |
| 戸田中央総合病院 |
0勝1敗 |
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