第44回 日本女子ソフトボール1部リーグ第9節

(011.10.17) 

 

決勝トーナメント進出の4チームが決定!

トヨタ自動車、ルネサスエレクトロクス高崎の
首位並走は変わらず、首位争いは最終節へ

日立ソフトウェアは
初日の太陽誘電戦にサヨナラ勝ち
決勝トーナメント進出を決めた

豊田自動織機も「伝統の力」で
18年連続の決勝トーナメント進出

太陽誘電の4年ぶりの決勝トーナメント進出はならず

わずかな可能性を信じ、戦ったデンソーだったが……
大鵬薬品は今節1勝1敗
最終節で連勝を飾り、入替戦を避けることができるか!?

今節痛い連敗を喫したシオノギ製薬
最終節、地元・兵庫で連勝を飾りたい!

最後まで懸命に戦った靜甲
1部の壁は、やはり厚く……

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終節を残し、
決勝トーナメント進出の4チームが決定!


 小田原大会 太陽誘電 vs 日立ソフトウェア



 岐阜大会 豊田自動織機 vs トヨタ自動車



 第44回日本女子ソフトボール1部リーグ第9節が、10月15日(土)・16日(日)の両日、神奈川県小田原市、山梨県甲府市、岐阜県岐阜市において開催された。

 第9節では、同率首位を並走するトヨタ自動車とルネサスエレクトロニクス高崎がともに快調な戦いぶりで連勝。それぞれ初日の試合に勝利した時点で、早々と決勝トーナメント進出を決めると、この2チームを追いかける日立ソフトウェア、豊田自動織機も、今節1勝1敗ではあったものの、4強入りを争うライバル・太陽誘電、デンソーが敗れたため、決勝トーナメントへ進出できる4位以内が確定。最終節となる次節(第10節)を待たずに、決勝トーナメントに出場する4チームが決定する形となった。

 岐阜県岐阜市で開催された岐阜大会には、ルネサスエレクトロニクス高崎と首位を並走するトヨタ自動車と、18年連続の決勝トーナメント進出に向け、「気迫溢れる」戦いを続ける豊田自動織機が登場。初日は、トヨタ自動車がまずシオノギ製薬戦に、長楓]未のツーランなど5本の長短打を含む15安打を浴びせる猛攻で13−0で圧勝すると、豊田自動織機も、大鵬薬品戦では降りしきる雨の中、5回まで4点をリードされる劣勢に立たされながら、勝利への「執念」を見せ、6回表に小柳薫のライト前タイムリー、押し出しなどで3点を挙げ、1点差に詰め寄り、7回表には本田小百合のレフト前タイムリーで同点に追いつくと、そのまま延長タイブレーカーに突入し、迎えた8回表に2点を勝ち越し。苦しみながらも6−4で勝利を収めた。
 岐阜大会の「注目の一戦」となった両チームの対戦では、トヨタ自動車が3回裏に、一死満塁から坂元令奈のライトへの犠牲フライ、藤崎由起子のセンター前への2点タイムリーで3点を先制。1点を返された直後の5回裏にも、一死から長楓]未がセンターオーバーのソロホームランを叩き込み、再び豊田自動織機を突き放すと、その後も二死満塁から代打・細野了華の走者一掃のタイムリーツーベースで3点を追加。6回裏にも長楓]未の2打席連続となるライトオーバーのツーランで着々と加点し、終わってみれば12安打で9点を奪う圧勝。今節連勝を飾り、ルネサスエレクトロニクス高崎との同率首位は変わらず、最終節を迎えることになった。
 一方、今節1勝1敗となった豊田自動織機は、初日の大鵬薬品戦に辛勝し、決勝トーナメント進出をほぼ確定させる勝ち星を挙げると、2日目、小田原大会の第1試合で太陽誘電が佐川急便に敗れたことを受けて、1994年に決勝トーナメント制が導入されて以来、18年連続となる決勝トーナメント進出が決定。王座奪還への「切り札」キャット・オスターマンが怪我で戦列を離れるという予想外のアクシデントに見舞われながらも、「伝統の力」で4強の座を守った。

 トヨタ自動車と同率首位を並走するルネサスエレクトロニクス高崎は、山梨県甲府市で開催された山梨大会に登場。初日の日立マクセル戦に、宇野有加里の満塁ホームラン、中野久美、森さやかのツーランなど長打攻勢で10−0の圧勝。トヨタ自動車と同じく、今節初日の勝利で早々と決勝トーナメント進出を確定させると、2日目のデンソー戦にも、山本優、峰幸代、森さやかの3本の本塁打で3−0の快勝。投打に「盤石の戦い」を見せ、今節も連勝を飾り、トヨタ自動車と同率首位のまま、リーグ戦1位通過をかけ、最終節に臨むことになった。
 また、決勝トーナメント進出に向けて、“負ければその時点で可能性が断たれる”状況に追い込まれ、わずかながら残された可能性を信じ、今節の戦いに臨んだデンソーは、初日の靜甲戦に16−1の圧勝。2日目のルネサスエレクトロニクス高崎戦にすべてをかけたが、先発した染谷美佳、リリーフしたアイリーン・キャニーが相次いで被弾し、0−3の完敗。2008年以来3年ぶりとなる決勝トーナメント進出はならなかった。

 神奈川県小田原市において開催された小田原大会には、豊田自動織機と同率3位に並ぶ日立ソフトウェアが登場。小田原大会の「注目の一戦」となった初日の太陽誘電との対戦では、日立ソフトウェアが初回に1点を先制されながらも、3回裏に濱本静代のレフト前タイムリーで同点に追いつくと、再び勝ち越され、迎えた土壇場の7回裏には、二死二塁から、この試合1打席目にライト前ヒットを放った後は徹底的に勝負を避けられた山田恵里が、3度目の敬遠で歩き、一・二塁とし、目の前の3度の敬遠に燃えた眞鍋幸維のライトオーバーのツーベースで劇的なサヨナラ勝ち。決勝トーナメント進出を争うライバルを叩き、「大きな1勝」を勝ち取った。日立ソフトウェアは、今節2日目のHonda戦に敗れたものの、同じく2日目、決勝トーナメント進出を争うもう一つのライバル・デンソーが山梨大会でルネサスエレクトロニクス高崎に敗れたため、最終節を残し、決勝トーナメント進出が決定した。
 一方、デンソーと同じく、決勝トーナメント進出に向けて“負ければその時点で可能性が断たれる”状況に追い込まれていた太陽誘電は、この「大一番」での敗戦のショックからか、2日目の佐川急便戦でもサヨナラ負けを喫し、今節連敗。2007年以来4年ぶりとなる決勝トーナメント進出はならなかった。

 この他、1部リーグ「生き残り」をかけた戦いでは、前節まで2勝18敗と苦しい戦いの続いていた靜甲が、今節2日目の日立マクセル戦で延長タイブレーカーにもつれ込む接戦を演じたものの、あと一歩およばす、1−2で敗れ、連敗。今節1勝1敗の大鵬薬品に勝ち星2つ差をつけられ、最終節で仮に大鵬薬品が連敗、靜甲が連勝し、同率で並んだとしても、直接対決では1勝1敗ながら、対戦得失点差で大鵬薬品が上回るため、最終節を残し、靜甲の12位、2部リーグへの降格が決定してしまう結果となった。また、今節1勝1敗で通算成績を4勝16敗とし、2部リーグへの自動降格は免れたものの、11位での入替戦出場を避けたい大鵬薬品は、順位を争う当面のライバル・シオノギ製薬と勝ち星2つ差で最終節を迎えることになり、最終節の結果次第(大鵬薬品が連勝し、シオノギ製薬が連敗した場合は同率となり、両チームの対戦成績、対戦得失点差でも並ぶことから、総得失点差によって順位が決定される)では、順位が逆転する可能性が出てきた。最終節では、トヨタ自動車とルネサスエレクトロニクス高崎の首位争いはもちろんのこと、この両チームの順位争いも最後の最後まで目が離せない。
 第44回日本女子ソフトボール1部リーグも、いよいよ次節で最終節を迎える。全12チームがどのような形で今シーズンのリーグ戦を終えるのか。その戦いに注目したい。

 第9節終了時、全チームの勝敗は下記の通りで、最終節となる第10節は10月22日(土)・23日(日)の両日、愛知県豊橋市、兵庫県豊岡市、福岡県小郡市において開催される。


■第9節終了時 全チーム成績

1位 トヨタ自動車 17勝3敗
ルネサスエレクトロニクス高崎 17勝3敗
3位 日立ソフトウェア 14勝6敗
豊田自動織機 14勝6敗
5位 デンソー 11勝9敗
太陽誘電 11勝9敗
7位 Honda 10勝10敗
8位 佐川急便 7勝13敗
日立マクセル 7勝13敗
10位 シオノギ製薬 6勝14敗
11位 大鵬薬品 4勝16敗
12位 靜甲 2勝18敗