第43回日本女子ソフトボール2部リーグ第1節     

(2010.4.27) 


女子2部第1節が茨城、京都の2会場で開幕!

ドリーム・ワールドのエース・松村。
今節3連投で3勝を挙げる大活躍

「勢い」に乗るぺヤング。開幕ダッシュに成功し、
「1部昇格」へ向け、突っ走ることができるか!?

浦野新監督の采配が注目されたNECアクセステクニカ。
開幕3連敗と苦しいスタートとなってしまった

1試合1試合の戦いが「1部昇格」へとつながる。
それだけに戦局を見守る目は厳しさを増していく

新たなシーズンを迎え、躍動する選手たち。
今シーズンはどんな「ドラマ」を見せてくれるか

「1部昇格」をめざして……。
熱い戦いが続いていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アドバンスセクション
ドリーム・ワールド、ぺヤングが開幕3連勝!
ホープセクション
島根三洋電機、東海理化が好スタート


 第43回日本女子ソフトボール2部リーグ第1節が4月23日(金)に開幕。2部リーグは今シーズンから2セクション制を採用。参加16チームをアドバンスセクション、ホープセクションの両セクションに前年の順位に基づき、8チームずつを振り分け、そのセクション内で2回戦総当たりのリーグ戦を行い、両セクションの上位2チームずつがページシステム(敗者復活戦を含むトーナメント方式)で行われる最終順位決定プレイオフに駒を進め、1位のチームは自動的に1部昇格が決定。2位のチームが1部リーグ11位のチームとの入替戦(3試合制で先に2勝したチームが1部昇格または残留が決定)に進むことになる。
 昨シーズンまでとは様変わりした2部リーグ。新たなシステムを勝ち抜き、1部リーグ昇格を果たすのはどのチームか、注目が集まった。

アドバンスセクション

 アドバンスセクションは、4月23日(金)〜25日(日)の3日間、茨城県常陸太田市・白羽スポーツ広場を会場に開催された。
 結果は、今シーズンからリーグに新加入したドリーム・ワールド、ペヤングの2チームが開幕3連勝を飾り、好スタートを切った。

 昨シーズン、1部リーグで3位の好成績を残しながら廃部となったレオパレス21から11名の選手が移籍し、その選手を受け入れたことで2部リーグからのスタートとなったドリーム・ワールドは、初戦の東芝北九州戦をレオパレス21時代にもレギュラーとして活躍していた小野奈津子の本塁打などで8−2と快勝。続く日本精工戦ではエース・松村綾菜が力投を見せ、2−0の完封。今節最終戦となった平林金属戦も3連投となった松村綾菜が2−0の完封勝ち。かつて全中、インターハイを制した右腕が再び輝きを放ちはじめ、今後がさらに期待される投球内容を見せた。また、最終戦では元U19日本代表で日本代表候補にも名前が挙がっている伊藤綾香にも待望の一発が飛び出し、この最終戦で第2号本塁打を放った小野奈津子とともに打線の中核を担い、チームを引っ張っていく存在となりそうだ。

 一方、昨シーズン、全日本クラブ選手権では惜しくもベスト8で敗退したものの、全日本総合選手権への出場権を獲得し、2部リーグ加盟の条件を満たしたぺヤングも今節3戦全勝。「開幕ダッシュ」に成功した。
 昨シーズンは、リーグ加盟へ万全を期すため、かつてのオリンピックメダリスト、日本代表選手などを呼び寄せ、念願のリーグ加盟を果たしたが、今シーズンは大幅に陣容を入れ替え、今シーズンを迎えただけに、戦力的には未知数な部分があった。
 しかし、初戦のカネボウ化粧品小田原戦に中村藍子、村中梢の本塁打などで15−5で大勝し、勢いに乗ると、平林金属にも8−0と圧勝。今節最終戦の日本精工戦では、初めて先手を奪われる苦しい試合展開となったが、キャプテン・須藤綾子の本塁打で同点に追いつくと、土谷裕美子の三塁打、中村藍子のタイムリーで勝ち越し。「総力戦」の末、2−1で競り勝ち、無傷の開幕3連勝を飾った。

 この2チームとは対照的に、アテネオリンピック、北京オリンピックで日本代表のコーチを務め、銅メダル、金メダル獲得に貢献した浦野光史氏を新監督に迎えたNECアクセステクニカは開幕3連敗と苦しい船出。今後、どうチームを立て直すか、その「手腕」が注目されるところだ。

ホープセクション

 ホープセクションは、4月23日(金)〜25日(日)の3日間、京都府宮津市・宮津運動公園グラウンドで開催された。
 こちらは島根三洋電機、東海理化が3戦全勝と絶好調。北京オリンピック中国代表として活躍した呂偉を補強した日立マクセル、2年連続で入替戦に駒を進めている靜甲といった前評判の高かったチームを抑え、同率首位に躍り出る活躍を見せた。
 島根三洋電機は、初戦の甲賀健康医療専門学校戦で7−2と勝利を収めると、続く日立マクセル戦では好投手・呂偉から古瀬由梨亜が「値千金」の一発。この「一振り」が勝負を決め、1−0で息詰まる投手戦を制し、今節最終戦の大和電機工業戦も延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦を制し、5−4の辛勝。苦しい試合の連続をモノにし、3戦全勝でこの第1節を終了した。

 同じく3連勝の東海理化は、初戦でエース・呂偉を温存した日立マクセルを叩き、6−1の快勝。これで勢いづいたか、甲賀健康医療専門学校戦でも二転三転した打撃戦を制し、5−4で競り勝ち、最終戦の日本ウェルネススポーツ専門学校戦を11−2で大勝。第2節以降もこの勢いが持続できるか、注目される。

 その一方で、「優勝候補」に挙げられていた日立マクセルが、まさかの1勝2敗。初戦はエース・呂偉の温存策が裏目となり、第2戦の島根三洋電機戦ではその呂偉の力投に報いることができず、0−1の完封負け。最終戦で同じく「優勝候補」の靜甲との直接対決を制し、4−0で今シーズン初勝利を挙げたが、この「躓き」が最後に響かなければよいのだか。
 靜甲は、初戦の日本ウェルネススポーツ専門学校戦に22−1の大勝。これで打ち疲れたわけではないだろうが、続く大和電機工業戦では、3点リードで試合終盤を迎えながら、6回表に一挙4点を失い、一度は逆転を許す、苦しい試合展開。ここから「地力」を発揮し、逆転サヨナラ勝ちで2勝目を挙げたのは「さすが」だが、最終戦の日立マクセル戦ではいいところなく0−4で敗れ、今節2勝1敗。ここで日立マクセルを叩いておけば、今後の展開が非常に楽になったところだが、「ここ一番」での詰めの甘さが気になるところだ。

 両セクションの全チームの勝敗・順位は下記の通りで、第2節は5月14日(金)〜16日(日)の3日間、アドバンスセクションが三重県亀山市で、ホープセクションが愛知県大口町でそれぞれ開催される予定である。



第43回日本女子ソフトボール2部リーグ 第1節終了時点 全チーム勝敗・順位

アドバンスセクション
1位 ドリーム・ワールド 3勝0敗
ペヤング 3勝0敗
3位 東芝北九州 2勝1敗
YKK 2勝1敗
5位 平林金属 1勝2敗
カネボウ化粧品小田原 1勝2敗
7位 日本精工 0勝3敗
NECアクセステクニカ 0勝3敗

ホープセクション
1位 島根三洋電機 3勝0敗
東海理化 3勝0敗
3位 靜甲 2勝1敗
湘南ベルマーレ 2勝1敗
5位 日立マクセル 1勝2敗
大和電機工業 1勝2敗
7位 甲賀健康医療専門学校戦 0勝3敗
日本ウェルネススポーツ専門学校 0勝3敗