第43回 日本女子ソフトボール1部リーグ第8節
     

(2010.10.4) 

 

トヨタ自動車が開幕から無傷の17連勝!
リーグ連勝記録も「24」に伸ばす

ルネサスエレクトロニクス高崎は
依然トヨタ自動車を2位で追走

豊田自動織機は今節2連勝を飾り単独3位
2試合連続「二桁得点」と打線が爆発

今節痛い連敗を喫した日立ソフトウェア
大量失点を喫した投手陣は立ち直れるか……

今節1勝1敗のデンソーは10勝7敗で4位タイ
決勝トーナメント進出を争う「ライバル」を倒したい

Hondaは9勝8敗の6位
残り2節「エース」ステイシー・ネルソンを
フル回転させるのか

1部リーグ「生き残り」をかけた戦いにも注目

シーズンもいよいよ大詰め
ここからは全チーム総力戦で勝負!

トヨタ自動車強し!
リーグ連勝記録を「24」に伸ばし、首位を快走

 第43回日本女子ソフトボール1部リーグ第8節が、10月2日(土)・3日(日)の両日、兵庫県豊岡市、愛知県豊橋市、群馬県高崎市において開催され、今シーズン未だ無傷で単独首位をひた走るトヨタ自動車が、今節も連勝。開幕から17連勝を飾り、決勝トーナメントを有利に戦える2位以上を早々と確定させ、昨シーズンから続いているリーグ連勝記録も「24」に伸ばした。

 前節(第7節)でリーグ連勝記録を塗り替える22連勝を飾り、今シーズンここまで15連勝と首位を独走するトヨタ自動車は、愛知県豊橋市で開催された豊橋大会に登場。今節初日は、先の全日本総合選手権大会決勝の再現となったHondaとの対戦となったが、序盤からいきなり打線が爆発。2回表に小野真希の右前タイムリーで早々と先制点を奪い、さらに渡邉華月の左中間二塁打、前薗理絵の右越三塁打でこの回一挙4点をリード。その後も勢いづいた打線は5回表に2点、7回表に2点ずつを奪い、Hondaの繰り出した3人の投手(金尾和美、上原楓、稲元沙貴)を一蹴。守っては、「絶対的エース」モニカ・アボットを3回途中で交代させる余裕の試合運びを見せるなど、8−2で圧勝した。
 2日目のデンソー戦でも、その勢いは衰えることなく、2回裏に「切り込み隊長」ナターシャ・ワトリーの鮮やかな右越三塁打で2点を先制。序盤から試合の流れをつかむと、このリードを「絶対的エース」モニカ・アボットの力投でしっかりと守り抜き、盤石の戦いぶりで2−0の完封勝利。今シーズン未だ無傷の17連勝で、昨年から続いているリーグ連勝記録も「24」に伸ばし、決勝トーナメントを有利に戦えるリーグ2位以上を早々と確定させた。

 前節終了時点で12勝3敗の2位につけ、星3つの差で首位・トヨタ自動車を追いかけるルネサスエレクトロニクス高崎は、地元・群馬県高崎市で開催された高崎大会に登場。初日の佐川急便戦では、中盤から終盤にかけて打線が爆発し、4回表に4点、5回表に2点、6回表に4点を挙げるなど計10点を奪い、10−6で勝利を飾ると、2日目の「上州対決」太陽誘電戦では、太陽誘電の先発・伊藤美幸の立ち上がりを攻め、初回にいきなり1点を先制。5回裏には、上野由岐子の右中間二塁打、山本優の中越二塁打、峰幸代の犠牲フライで試合を決める3点を追加。このリードをメラニー・ローチ、上野由岐子が守り抜き、今節2連勝で単独2位の座をキープした。

 兵庫県豊岡市で開催された豊岡大会には、決勝トーナメント進出へ向け、熾烈な順位争いを繰り広げる豊田自動織機、日立ソフトウェアが登場。2日目には、その両者が激突した。初日は、まず豊田自動織機が戸田中央総合病院を相手に、ジェニー・トッピング、小柳薫、横野涼、白井沙織の4本の本塁打など長打攻勢で15−0の圧勝。
 一方、日立ソフトウェアは初日のシオノギ製薬戦では初回に先制点を挙げ、3回表にも2点を追加。このまま試合を有利に進めるかと思われたが、3回裏に3点、4回裏に1点、6回裏に1点を奪われ、まさかの5失点。頼みの投手陣が打ち込まれ、4−5の痛い逆転負けを喫した。
 2日目の両者の「直接対決」では、豊田自動織機・ケイティー・バークハート、日立ソフトウェア・藤原麻起子の「両エース」の先発で試合がスタート。1点を争う緊迫した展開が予想されたが、初日の戸田中央総合病院戦に長打攻勢で圧勝した豊田自動織機打線が再び爆発。初回に白井沙織の2試合連続となる本塁打で先制点を挙げ、2−2の同点で迎えた5回表にも、効果的に長打を浴びせて一挙3点を勝ち越し。6回表には、狩野亜由美、ジェニー・トッピングの本塁打でさらに4点を追加し、7回表にもダメ押しの4点を挙げ、13−2と豊田自動織機が予想外の大差をつけ、圧勝した。豊田自動織機は今節連勝を飾り、通算成績12勝5敗で単独3位。同率4位の日立ソフトウェア、デンソーとは星2つの差をつけ、決勝トーナメント進出に向けて大きく前進した。

 この結果、今節連敗を喫した日立ソフトウェア、今節1勝1敗のデンソーが通算10勝7敗で並び、同率4位。さらに、今節連敗を喫したものの、Hondaが通算9勝8敗の6位で追いかける形となり、決勝トーナメント進出をかけた争いは、ますます激しさを増してきた。
 日本代表メンバーを揃え、持ち前の強力打線はその力を発揮し続けているものの、日本代表でもある藤原麻起子を中心とする投手陣が、勝負所で「一発」を浴び、大量失点を喫する悪いパターンから抜け出せない状況が続いている日立ソフトウェア。
 功守にタレントは揃っているものの、決勝トーナメント進出を争うライバルとの「大一番」ではなかなか勝ち切ることのできないデンソー。
 「エース」ステイシー・ネルソンをフル回転させれば、上位を食う可能性も十分にあり、今後の戦い方、戦術次第では“ミラクル”な展開も期待できるHonda。
 その他、これに続く佐川急便、太陽誘電は今節ともに1勝1敗で足踏み状態が続いており、佐川急便が通算7勝10敗で7位、太陽誘電が通算6勝11敗で8位と上位争いから大きく後退している状況を考えると、クライマックスに向け、首位を走るトヨタ自動車を追いかけるルネサスエレクトロニクス高崎、豊田自動織機に続き、この3チームによる熾烈な4位争いに注目が集まる。

 また、1部リーグ「生き残り」をかけた戦いでは、大鵬薬品、戸田中央総合病院が今節連敗。戸田中央総合病院は前節から4連敗と元気がなく、通算4勝13敗まで星を落とし11位。前節シオノギ製薬を破った大鵬薬品も、通算3勝14敗で最下位という苦しい状況が続いている。その一方で、今節はシオノギ製薬が初日の日立ソフトウェア戦で勝ち星を挙げるなど元気な戦いぶりを見せ、連勝。伊予銀行も2日目のHonda戦で、0−2で迎えた3回裏、中森菜摘が逆転スリーランを放ち、3−2で逆転勝利。今節終了時点で通算5勝12敗(9位タイ)と星を伸ばした。

 4月に開幕を迎え、長かったシーズンも残すところあと2節のみとなった日本女子ソフトボール1部リーグ。開幕から「連勝街道」をひた走るトヨタ自動車は、この連勝記録をどこまで伸ばすのか。また、各チームの決勝トーナメント進出をかけた戦い、1部リーグ生き残りをかけた戦いも、いよいよ大詰めを迎える。この激しい戦いに生き残り、最後に「笑顔」でシーズンを終えることができるチームはどのチームか。残り2節、全チームの熱い戦いから目が離せない。
 第8節終了時、全チームの成績は下記の通りで、第9節は10月9日(土)〜11日(月/祝)の3日間、大分県大分市・岐阜県岐阜市・愛知県刈谷市において開催される。


第8節終了時、全チーム成績

1位 トヨタ自動車 17勝0敗
2位 ルネサスエレクトロニクス高崎 14勝3敗
3位 豊田自動織機 12勝5敗
4位 日立ソフトウェア 10勝7敗
デンソー 10勝7敗
6位 Honda 9勝8敗
7位 佐川急便 7勝10敗
8位 太陽誘電 6勝11敗
9位 シオノギ製薬 5勝12敗
伊予銀行 5勝12敗
11位 戸田中央総合病院 4勝13敗
12位 大鵬薬品 3勝14敗