第43回 日本女子ソフトボール1部リーグ第4節
     

(2010.5.25) 

 

トヨタ自動車が開幕9連勝
単独首位をキープ!

豊田自動織機はルネサスエレクトロ二クス高崎
との「直接対決」を制し、単独2位

ルネサスエレクトロ二クス高崎は
通算7勝2敗となり、首位争いから一歩後退

通算6勝3敗で4位につける日立ソフトウェア
打線は好調なだけに、投手陣の復調が待たれる

デンソーは日立ソフトウェア戦で「執念」の勝利
ここから波に乗れるか!

佐川急便は通算5勝4敗
デンソーと並び同率5位

なかなか波に乗り切れないHonda
上位争いに割って入りたいところだが……

次節は前半戦最後の節となる第5節
各チームの「熱いプレー」は続く!

トヨタ自動車、無傷の開幕9連勝!

 第43回日本女子ソフトボール1部リーグ第4節が、5月22日(土)・23日(日)の両日(広島大会は雨天のため23日(日)の試合を24日(月)に順延)、広島県福山市、埼玉県さいたま市、岩手県金ケ崎町において開催され、前節まで開幕7連勝を飾り、「連勝街道」をひた走るトヨタ自動車が、今節も連勝。開幕からの連勝を「9」に伸ばし、単独首位の座をキープした。

 前節まで開幕7連勝を飾り、勢いに乗るトヨタ自動車は、岩手県金ケ崎町で開催された岩手金ケ崎大会に登場。初日の太陽誘電戦に、伊藤幸子のタイムリースリーベースなどで4−0で勝利し、快調なスタートを切ると、2日目のシオノギ製薬戦でも「切り込み隊長」ナターシャ・ワトリーに、今シーズン5本目の本塁打(ナターシャ・ワトリーは今節終了時点で打率6割2分1厘、本塁打5本、打点9と絶好調)が飛び出すなど、3−0で勝利し、2連勝。守っては、「絶対的エース」モニカ・アボット、山根佐由里、上村さつきをそれぞれ起用し、あらかじめ継投を意識した余裕の投手リレーで2試合連続の完封勝ち。投打に“盤石”な戦いぶりを見せ、開幕からの連勝を「9」に伸ばし、単独首位の座をキープした。

 前節まで通算6勝1敗で同率2位につけ、首位・トヨタ自動車を星一つの差で追いかけているルネサスエレクトロニクス高崎、豊田自動織機の両チームは、ともに埼玉県さいたま市で開催された埼玉大会に登場。大会2日目には、上位争いを繰り広げる両チームが激突した。
 初日は、ルネサスエレクトロニクス高崎、豊田自動織機がともに「両エース」を温存。豊田自動織機は、伊予銀行戦で先発に江本奈穂を起用し、「元気なルーキー」小柳薫のタイムリーなどでリードを奪うと、終盤、粘る伊予銀行をキャプテン・古田真輝の本塁打で再び突き放し、6−4で勝利。ルネサスエレクトロニクス高崎も、戸田中央総合病院戦にこの試合はDPとして出場した上野由岐子のタイムリー、山本優の本塁打などで先手を奪い、その後も着々と加点。守っては、今シーズンから新加入した百戦錬磨の「ベテラン」メラニー・ローチ、黒川春華、山下絢とつなぐ余裕の投手リレーで9−1と快勝した。
 2日目の“直接対決”では、降りしきる雨の中、上野由岐子、ケイティ・バークハートの「両エース」が先発。試合は互いに無得点のまま終盤へと突入し、迎えた6回裏、豊田自動織機はこの回先頭の9番・菅野愛が右翼線三塁打。その後、1番・狩野亜由美への四球と盗塁で二・三塁と攻め立て、2番・白井沙織がヒットエンドランを決め、1点を先制。さらに3番・松岡恵美の右犠飛で大きな2点目を追加し、試合を決めた。守っては、「エース」ケイティ・バークハートがルネサスエレクトロニクス高崎打線をわずか3安打に抑え込み、12三振を奪う力投で完封。3年ぶりの王座奪還に向けて、上位を争う「ライバル」から大きな1勝を勝ち取った。豊田自動織機はこれで通算8勝1敗。開幕から無傷の9連勝で首位を走るトヨタ自動車を、星一つの差で追いかける2位の位置をキープし、前半戦最後の節となる次節(第5節)では、ついに首位・トヨタ自動車と激突する。一方、この“直接対決”に敗れたルネサスエレクトロニクス高崎は通算7勝2敗。首位争いから一歩後退した。

 広島県福山市で開催された広島大会には、第3節終了時点で通算5勝2敗と4位につける日立ソフトウェアが登場。前節、敗れたとはいえトヨタ自動車の「絶対的エース」モニカ・アボットから5点を奪った打線は今節も好調で、初日の佐川急便戦では、オーストラリア代表のエースでもあるジャスティン・スメサートを攻略。初回に1点を先制されながら、3回表に長打3本を含む6安打を集中。打者11人を送る猛攻で一挙7点を奪い、7−2で圧勝。雨天のため予備日へ順延となったデンソー戦でも、初回にキャプテン・山田恵里のツーランで先手を取り、3−0とリードを奪ったまま試合は終盤を迎え、勝利は目前かと思われた。しかし、6回裏に「エース」藤原麻起子がつかまり、またしてもこの「勝ちゲーム」をモノにできず、まさかの5失点。3−5で痛い逆転負けを喫し、通算6勝3敗。順位は前節と変わらず4位につけてはいるが、ここ数試合は要所で投手陣が大量失点を喫してしまう展開が続いている。打線は相変わらず強力で、好調を維持しているだけに、今後は投手陣の奮起に加え、このような「勝ちパターン」にある試合をしっかりと「勝ち切る」ことが上位争いを生き残る「カギ」となるといえるだろう。
 また、初日のHonda戦で0−1のサヨナラ負けを喫し、この日立ソフトウェア戦を落とせば、上位争いから脱落しかねない状況に追い込まれていたデンソーは、立ち上がり日立ソフトウェアに3点のリードを奪われながらも、終盤に「執念」を見せ、6回裏にキャプテン・衣笠久美のタイムリーツーベースなどで一挙5点を奪い、逆転勝利。追い込まれた状況から「底力」を発揮し、ここにきてついに「上位チームからの白星」を勝ち取った。佐川急便も通算5勝4敗で同率5位に並んでおり、次節以降、この2チームが上位争いに生き残っていくことができるか、今後の戦いが注目される。

 この他、第4節では前節まで通算3勝4敗のHondaが、今節初日のデンソー戦で1−0のサヨナラ勝ちを収め、勢いに乗るかと思われたが、次戦の佐川急便戦では初回に先制点を奪いながら、1−5の逆転負け。結局今節も1勝1敗と勢いに乗り切れず、通算4勝5敗の7位。太陽誘電、伊予銀行は通算3勝6敗で同率8位。戸田中央総合病院、シオノギ製薬は通算2勝7敗で10位タイとなり、大鵬薬品は未だ勝ち星なく、開幕9連敗と苦しんでいる。
 次節は、いよいよ前半戦最後の節となる第5節。開幕9連勝と勢いに乗る首位・トヨタ自動車と、そのトヨタ自動車を星一つの差で追いかける2位・豊田自動織機が激突する。前半戦の最後を締めくくる「大一番」で、はたしてどのような熱戦が展開されるのだろうか。たくさんのソフトボールファンを魅了する、選手たちの「熱いプレー」に注目したい。
 第4節を終えた全12チームの成績は下記の通りで、前半戦最後の節となる第5節は5月29日(土)・30日(日)の両日、山口県柳井市、千葉県習志野市、富山県高岡市において開催される。


第4節終了時、全チーム成績

1位 トヨタ自動車 9勝0敗
2位 豊田自動織機 8勝1敗
3位 ルネサスエレクトロニクス高崎 7勝2敗
4位 日立ソフトウェア 6勝3敗
5位 デンソー 5勝4敗
佐川急便 5勝4敗
7位 Honda 4勝5敗
8位 太陽誘電 3勝6敗
伊予銀行 3勝6敗
10位 シオノギ製薬 2勝7敗
戸田中央総合病院 2勝7敗
12位 大鵬薬品 0勝9敗