第42回 日本女子ソフトボール2部リーグ第3節     

(2009.6.9) 


靜甲は9勝1敗で好位置をキープ

パナソニック電工 津が今シーズン初勝利!

大鵬薬品は投打が噛み合い、開幕9連勝!

開幕から絶好調だった島根三洋電機が今節連敗

日立マクセルは今節3連勝で通算8勝2敗とした

最後に笑うのはどのチーム???

1部昇格をめざす激闘が続く……

大鵬薬品、開幕9連勝!
無敗のまま、1部昇格へ向け、驀進!!

 第42回日本女子2部リーグ第3節が、6月5日(金)からの3日間、茨城県古河市・神奈川県小田原市の2会場で開催された。今節も天候に恵まれず、小田原大会の2日目(6日/土)が雨のため、中止・順延。この日予定されていた試合は予備日(8日/月)に持ち越された。7日(日)・8日(月)は天候も回復。何とか予定された全試合を実施することができた。

 茨城県古河市で開催された茨城大会には、前節まで5勝1敗、今シーズンの開幕戦で優勝を争うと見られる大鵬薬品との直接対決で1−2のサヨナラ負けを喫した後は、5戦全勝と快進撃を続ける靜甲が登場。初日の平林金属戦を植松尚子の本塁打、先発・鈴木麻美の力投で4−0と快勝すると、2日目のダブルヘッダーは、まずパナソニック電工 津戦をキャプテン・鈴木優子の本塁打などで8−1と大勝。続く日本ウェルネススポーツ専門学校戦は9−2で圧勝。2試合連続の5回コールド勝ちを収めると、最終日の東芝北九州戦は試合中盤までリードを許す苦しい試合展開ながら、4回裏に植松尚子の逆転満塁ホームランが飛び出し、今や鈴木麻美との「二枚看板」としてフル回転している河部祐里が好リリーフ。東芝北九州打線に反撃を許さず、6−3の逆転勝ち。今節無傷の4連勝で通算成績を9勝1敗まで伸ばし、開幕から連勝街道を突っ走る大鵬薬品をピタリと追走する好位置につけた。
 また、今節まで開幕から勝ち星なしの6連敗と不振に喘いでいたパナソニック電工 津が今節最終戦のYKK戦に7−6と競り勝ち、今シーズン初勝利。ようやく片目が開き、この1勝をキッカケとして、後半戦の巻き返しを期待したいところだ。
 対照的に、リーグ加入以来、4シーズン目を迎えながら、未だに勝ち星のない日本ウェルネススポーツ専門学校は、初日はYKKに1−3、2日目は靜甲に2−9、最終日もTOETECKに2−8で敗れ、今節も3連敗。開幕からの連敗は「9」となり、4シーズン通算では59連敗。待ち焦がれている「リーグ初勝利」は、またしてもお預けとなった。

 神奈川県小田原市で開催された小田原大会には、前節まで開幕7連勝の島根三洋電機、同じく6連勝の大鵬薬品が登場。大会初日は、激しく降る雨の中、島根三洋電機が古瀬由梨亜の力投でNECアクセステクニカに2−0の完封勝ち。大鵬薬品は日本精工に10−2と圧勝。ともに連勝を伸ばした。
 しかし、翌6日(土)もあいにくの雨。グラウンドコンディションが回復せず、この日予定された試合は予備日(8日/月)に順延。この試合スケジュールの変更により、7日(日)に両チーム全勝のまま、直接対決に臨むことになった。
 今シーズンの優勝争いの行方を左右しかねない注目の一戦、「全勝対決」は、2回裏に大鵬薬品が先制。佐々木瞳の右中間二塁打を足場に1点を先制すると、4回裏には辻本明香の二塁打から追加点のチャンスをつかみ、佐藤光紗の中犠飛で1点を追加。5回裏にも足を絡めた攻めで相手守備陣を揺さぶり、決定的な2点を加え、ここまでチームのすべての勝ち星を挙げている頼れるエース・鈴木碧がこの試合も力投。島根三洋電機打線をわずか3安打に抑え込み、見事な完封。開幕からの連勝を「8」に伸ばすと、今節最終戦の甲賀健康医療専門学校戦も3−0の完封勝利。エース・鈴木碧はその右腕でチームのすべての勝ち星を稼ぎ出す、獅子奮迅の働き。今節も無傷の3連勝で開幕からの連勝を「9」に伸ばし、2部リーグ優勝と1部昇格をグイッと手繰り寄せた。
 逆に、この「全勝対決」「首位決戦」に敗れた島根三洋電機は、今節最終戦でも湘南ベルマーレに4−5と競り負け、痛い連敗。通算8勝2敗と星を伸ばせず、優勝争いから一歩後退した。
 一方、1シーズンでの1部復帰をめざす日立マクセルは、今節3連勝。湘南ベルマーレに9−2で圧勝すると、地元・カネボウ化粧品小田原に2−0の完封勝ち。今節最終戦のNECアクセステクニカにも9−3で勝利を収め、通算成績を8勝2敗まで伸ばし、優勝争いに望みをつないだ。

 第3節を終え、大鵬薬品が無傷の9連勝。これを9勝1敗の靜甲が追い、8勝2敗の日立マクセル、島根三洋電機が続いている。優勝争いはこの4チームに絞られた感があるが、連勝・連敗があれば、状況が一変してしまう可能性もある。その意味では、まだまだ今後の展開から目を離せないが、2部リーグは1回総当たりのリーグ戦のため、直接対決での勝敗が大きくモノをいう。9連勝中の大鵬薬品がすでに靜甲、島根三洋電機との直接対決に勝利していることは、それだけに見た目の勝敗数以上に有利な状況にあることは間違いない。
 ただ、ここからが長丁場のリーグの「正念場」であり、「勝負どころ」。優勝を目の前にしたプレッシャー、1部昇格への強い思い、下位チームの意地……。勝負を決める要素が複雑に絡み合ってくる。このまま大鵬薬品が優勝まで一気に突っ走るのか。靜甲、日立マクセル、島根三洋電機が巻き返すのか。あるいは思いもよらぬチームの大逆襲があるのか。「台風の目」となるようなチームが出現するか。注目が集まる。
 全チームの成績は下記の通りで、第4節は9月4日(金)〜6日(日)の3日間、愛知県大口町・栃木県大田原市で開催される。


9勝0敗 大鵬薬品
9勝1敗 靜甲
8勝2敗 日立マクセル
8勝2敗 島根三洋電機
7勝3敗 日本精工
6勝4敗 平林金属
5勝4敗 東海理化
5勝4敗 カネボウ化粧品小田原
5勝5敗 甲賀健康医療専門学校
4勝5敗 東芝北九州
4勝6敗 TOETECK
4勝6敗 大和電機工業
2勝7敗 NECアクセステクニカ
2勝7敗 湘南ベルマーレ
2勝8敗 YKK
1勝8敗 パナソニック電工 津
0勝9敗 日本ウェルネススポーツ専門学校