2016.8.4
 

 

東京2020オリンピック
野球・ソフトボール正式種目採用決定!




記者会見場ではIOC総会の様子を映し出す
インターネットの中継を緊張の面持ちで見守った



5種目18競技の追加が正式決定! 思わず歓声が上がった!!



正式決定の報を受け、慌ただしく記者会見場がセッティングされる



記者会見は、一般財団法人全日本野球協会、公益財団法人日本ソフトボール協会、
一般社団法人日本野球機構の3団体合同で行われた



記者会見では、公益財団法人日本ソフトボール協会・徳田寬会長が
オリンピック復帰の「喜び」と今後への「意欲」を語った



野球・ソフトボールがともに手を携え、さらなる進化・普及・発展を!

 8月4日(木)、午前4時46分、IOC(国際オリンピック委員会)総会が行われているブラジル・リオデジャネイロから、その「一報」が届いたとき、記者会見場のインターネットでその状況を伝える画面を注視していた野球・ソフトボールの関係者から、思わず「歓声」が上がった。

 すでにIOC理事会で承認されていた東京2020オリンピックへの5種目18競技の追加が総会で諮られ、正式に承認。野球・ソフトボールの正式種目採用、2008年北京オリンピック以来となる「復活」がついに実現した。

 8月4日(木)早朝、行われた記者会見には、一般財団法人全日本野球協会・市野紀生会長、公益財団法人日本ソフトボール協会・徳田寬会長、一般社団法人日本野球機構・熊撫泄F会長が出席。「喜びの声」を語った。

 公益財団法人日本ソフトボール協会・徳田寬会長は、「決定の報を聞き、胸に込み上げてくるものがありました。まずは、ようやく『スタートライン』につくことができたという思いであり、2008年の北京オリンピックで金メダルを手にしながら、オリンピック競技除外という悲しくも寂しい思いをし、再びオリンピックの舞台に戻ってこられたということを考えると、感慨深いものがあります。ここに至るまで応援していただいた皆さま、追加種目に推薦いただいた東京2020組織委員会の皆さまに感謝申し上げます」と率直な感想とオリンピック種目「復活」への謝意を述べた。

 さらには、「ソフトボールとしては2008年北京以来のオリンピックとなりますので、あの金メダルの興奮と感動を再現すべく東京2020オリンピックでの金メダルの獲得へ向け、協会組織を挙げて『ALL JAPAN体制』で選手強化を進めてまいりたいと思っておりますし、すでにその具体策についても本協会選手強化本部会を中心に推し進めているところでございます。オリンピックの『前哨戦』となる2018年に千葉で行う世界女子ソフトボール選手権大会では『金メダルの奪還』を至上命令とし、さらなる選手強化に取り組み、また大会開催の準備・運営という両輪において、全力で取り組んでいきたいと思います」と、今後日本が「ホスト国」として取り組む国際的な一大事業へ向け、意欲を語った。

 また、会見後には、「今回のオリンピック種目復帰で、従前以上にソフトボールに注目していただけることと期待しております。実施種目となる女子の代表チームの強化はもちろんのこと、野球でも女子がございますように、ソフトボールには男子もございます。先週、アメリカ・ミッドランドで開催されたジュニア(U19/19歳以下)の世界選手権では、優勝することができました。そういった意味では男子にもご注目いただきたいと思っております」と、男子のソフトボールをPRするとともに、「ソフトボールは競技スポーツとしてだけでなく、レクリエーションスポーツとしても実に盛んに行われております。今回のオリンピック種目復帰のニュースを糧に、そういったことを含めた『ソフトボール全体の活性化』につなげることができるよう、さらなる努力を重ね、ソフトボールファンの皆さまも含めた「仲間」をどんどん増やしていきたいと思います」と、その席上では語り尽くすことのできなかった、女子ソフトボールだけではなく、男子のソフトボールへの想い、レクリエーションスポーツ・生涯スポーツ・地域スポーツとしてのソフトボールの『活性化』を視野に入れた今後の協会の取り組みにも言及した。

 また、「日本は世界有数の競技力を有していることは間違いありません。今回の東京オリンピックの発表ということも併せ、日本はソフトボールにおいては、まさに世界の『中心的存在』であり、『アジアのリーダー』『世界のリーダー』として世界を牽引していく立場にあります。もちろん、国際的な普及はIF(国際競技連盟)の役割ではありますが、日本が積極的にリーダーシップを執り、世界中にソフトボールを愛する『仲間』を増やしていく努力を積み重ねてまいりたいと思います」と締めくくった。

 野球界からも「今日がスタート!」であり、野球・ソフトボールという日本では「国民的な競技」であり、もはや一つの「文化」として定着しているスポーツの「面白さ」「楽しさ」「醍醐味」を世界中にどう発信していくか、世界中にどれだけ「仲間」を増やしていくことができるかがカギになるということが「今後の課題」であり、今までも、これからも、継続していくべき地道な努力の積み重ねであることが語られた。

 また、これだけの素晴らしいスポーツを、どのように伝え、理解してもらうか、また、人の心を動かし、注目を集めていくために、どうあるべきか……。そのための一つの「答え」として、常に日本が「世界最先端」にあり、世界トップレベルの力と技を世界中の人々の前で披露し、多くの人たちが「憧れ」を抱くだけの「強さ」を持たなければならないことも確認された。

 この「喜びの日」を契機とし、野球・ソフトボールがともに手を携え、さらなる進化・普及・発展を遂げるべく努力を積み重ねていくこと。それを忘れてはならないし、オリンピック種目に復帰した今だからこそ、それをさらに加速させ。2020年のさらに「その先」へ向けた取り組みを始めていかなければならない。