2015.1.23
 

 

2020東京オリンピック実施競技復帰をめざし
野球・ソフトボールが一体となり、合同会議を実施!




2020東京オリンピック実施競技復帰をめざし、
野球・ソフトボールが第1回の合同会議を実施!

  合同会議後、記者会見に臨むWBSC リカルド・
フラッカーリ会長(左)とロウ・ベンチュー事務総長



ソフトボールからは徳田脂長が記者会見に出席



野球界からは「世界の王」が出席。『熱い思い』を語った



あの感動を再び……今度は東京で!!

 去る1月21日(水)、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)のリカルド・フラッカーリ会長、WBSC、ISF(国際ソフトボール連盟)の事務総長であり、SCA(アジアソフトボール連盟)の終身名誉会長であるロウ・ベンチュー氏が来日。2020東京オリンピック実施競技復帰をめざし、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会・森喜朗会長、JOC(公益財団法人日本オリンピック委員会)・竹田恆和会長を表敬訪問し、ソフトボールからはJSA(公益財団法人日本ソフトボール協会)・徳田脂長、尾武ウ則副会長が、野球からはNPB(一般社団法人日本野球機構)・熊崎勝彦コミッショナー、王貞治コミッショナー特別顧問、BFJ(一般財団法人全日本野球協会)・八田英二会長、鈴木義信副会長、内藤雅之専務理事が同行した。

 WBSC・リカルド・フラッカーリ会長は、「あくまで表敬訪問だが、フレンドリーな雰囲気で行うことができた」と意義を強調。JOC・竹田恆和会長も、「熱意を感じた。二つの競技団体がオリンピック競技復帰をめざして『一つの団体』となり、非常に協力的に動いている」と語った。

 その後、グランドプリンスホテル新高輪を会場に、「第1回」となるBFJ、JSA,NPBの野球、ソフトボールの3団体が、2020東京オリンピック実施競技復帰をめざし、合同会議を行った。

 合同会議では、野球・ソフトボールの2020東京オリンピック実施競技復帰へ向けた機運を盛り上げるべく3団体が連携・協力し、PR映像を制作することを決定。早ければ3月21日に開幕する「春のセンバツ甲子園」(第87回選抜高等学校野球大会)で、甲子園球場のオーロラビジョンで初披露され、その後、開幕を迎えるプロ野球、ソフトボール・日本女子リーグ1部の開幕節・ナゴヤドームその他、各種大会でもPR映像を流し、野球・ソフトボールの競技復帰へ向け、積極的なPRを行っていく予定である。

 合同会議終了後には、記者会見も行われ、WBSC・リカルド・フラッカーリ会長、ロウ・ベンチュー事務総長、NPB・熊崎勝彦コミッショナー、王貞治コミッショナー特別顧問、BFJ・八田英二会長、JABA(公益財団法人日本野球連盟)・市野紀生会長、JSA・徳田脂長が記者会見を行った。

 WBSC・リカルド・フラッカーリ会長は、「昨年末のIOC(国際オリンピック委員会)臨時総会で承認された『アジェンダ2020』に沿った形で慎重に進めていきたい。今日は、分刻みの忙しい一日だったが(笑)、野球・ソフトボールにとって歴史的な一日であり、重要な一日になったと思う」と語った。
 BFJ・八田英二会長は、「プロ、アマチュアの垣根を越え、さらにはソフトボールと、三者が手を携え、歩みをともにし、『第一歩』を踏み出したことに意義があると感じている。また、それぞれの関係者がオリンピック競技復帰へ向け、大きな熱意を持っていることを確認できた。ただ……熱意だけでオリンピック競技復帰が実現できるとは思っていない。これからさらに野球ファン、ソフトボールファン、ひいては国民の皆さんから、『野球・ソフトボールのオリンピック競技復帰が実現してほしい』という支持を得なければならないと思っているし、その支持がなければ、オリンピック競技復帰実現は難しいとも考えている。決して現状を楽観しているわけではない」と、今後の活動へさらなる意欲を見せた。
 JSA・徳田脂長は、「野球のプレミア12のような国際大会の開催も視野に入れ、日本に国際大会を招致することも考えている。今年8月にはジャパンカップ(「2015ジャパンカップ」8月7日〜9日、岐阜県大垣市・北公園野球場を会場に、毎日新聞社との共催で実施)の開催も予定しており、国民的な人気を誇る野球、ソフトボールのオリンピック競技復帰の実現が、さらに日本を盛り上げ、元気にし、アベノミクス「4本目の矢」となってくれれば……と期待している」とジョークを交えて語り、緊張気味の会場を和ませた。
 NPB・熊崎勝彦コミッショナーは、「2020東京オリンピックでの野球・ソフトボールの競技復帰へ向けて、三者が連携を密にし、最大限の努力をしていく。そのための結束を確認することができた」と語り、王貞治コミッショナー特別顧問も「国民の皆さんも野球・ソフトボールのオリンピック競技復帰を熱望していると思う。復帰実現へ向け、我々がこれだけの『熱い思い』を共有しているということを確認できたのが一番の収穫。今日まで野球一筋に生きてきた私だからこそ、その競技の素晴らしさを誰よりも知っている。その魅力を声を大にして伝えていきたいし、できることは何でもやりたいと思っている。とにかく我々の真剣さ、熱さ、をご理解いただければ」と、「球界のレジェンド」「世界の王」自らがオリンピック競技復帰へ向けた「熱い思い」を語った。

 2020東京オリンピック競技復帰へ向け、「大きな一歩」を踏み出した野球・ソフトボール。一部には、オリンピック競技復帰が決定したかのような報道もあるが、現実には、まだ何も決まってはいないし、様々な課題が克服されたわけでもない。
 だからこそ、プロ、アマチュアの垣根を越え、あるいは野球、ソフトボールという競技の枠さえも超えて、皆が力を合わせ、前に進んでいかなければならない。その意味でも、この「合同会議」が持つ意味・役割は大きく、今後の具体的な展開に期待がかかる。