2014.10.22
 

 

第69回国民体育大会(長崎がんばらんば国体)


第69回国民体育大会
(長崎がんばらんば国体)が開催された



好天にも恵まれ、連日多くの観客が詰めかける中、
会場では「2020年野球・ソフトボールのオリンピック競技復帰」をPRする光景も!



地元・長崎県勢も男女4種別で健闘!



成年男子は、「破壊力抜群の打線」が売りの
宮崎が3年ぶり5回目の優勝



成年女子は、神奈川が3年ぶり8回目の優勝を飾り、
王者・群馬の大会3連覇を阻止!



少年男子は、「優勝候補の大本命」
地元・長崎を破った鹿児島が、7年ぶり3回目の頂点へ



少年女子は、愛知が4年ぶり4回目の栄冠を手にした

  成年女子の会場では、初日の試合終了後、
恒例となった宇津木妙子氏の「ソフトボール教室」も実施された

  来年の「国体」の舞台は和歌山へ
新たな歴史の一頁を!大会の成功を切に願う!!

男女4種別で熱戦を展開
群馬が男女総合、愛知が女子総合優勝!




第69回国民体育大会 長崎がんばらんば国体2014 ソフトボール競技 ダイジェスト

 第69回国民体育大会(長崎がんばらんば国体)ソフトボール競技が、去る10月18日(土)〜20日(月)の3日間にわたり、長崎県時津町(成年男子)・壱岐市(成年女子)・大村市(少年男子)・長与町(少年女子)の2市2町を会場に開催された。

 大会期間中は好天にも恵まれ、多くの観客が詰めかける中、その大声援に応えるかのように熱戦を展開。結果は、成年女子、少年男子でともに準優勝の成績を収めた群馬が天皇杯得点となる男女総合優勝。成年女子で第3位、少年女子で優勝を飾った愛知が皇后杯得点となる女子総合優勝を飾った。

 成年男子、少年男子の「ダブル優勝」、また男女総合優勝が期待された地元・長崎は、少年女子が第3位となる健闘を見せたものの、「優勝候補」に挙げられていた成年男子が第5位、少年男子が第3位に終わる形となり、男女総合成績では惜しくも第2位。女子総合成績では、成年女子が3連覇を狙う王者・群馬と手に汗握る接戦を演じたが、惜しくも1−2で敗れ、初戦敗退。少年女子は徳島、埼玉を破り、ベスト4へ名乗りを上げたものの、優勝した愛知に1−4で敗れ、準決勝敗退となり、第5位に終わる結果となった。

 各種別の戦いに目を向けると、長崎県時津町/とぎつ海と緑の運動公園において開催された成年男子は、日本男子西日本リーグに所属する旭化成のメンバーを主体とし、米良孝太、上杉大輝、松岡真央、川田直諒ら「現役日本代表」を打線の軸に、「破壊力のある攻撃」を売りにする宮崎が3年ぶり5回目の優勝。

 1回戦・岐阜戦では、4回表まで1点をリードされながらも、その裏、4番・松岡真央、6番・園田努のタイムリーを含む10安打を集中させる怒涛の攻撃で、一挙11点を奪い、逆転に成功。5回裏にも3番・黒木大輔のタイムリー、5番・川田直諒、6番・園田努の連続ホームランで4点を追加し、終わってみれば15−1の大差で圧勝すると、準々決勝・大阪との対戦でも、初回に2番・上杉大輝のタイムリーなどで早々と2点を先制。この「先制攻撃」で勢いに乗り、その後も5番・川田直諒のソロホームラン、2番・上杉大輝のタイムリーなどで着々とリードを広げ、8−1の快勝。危なげのない戦いで準決勝進出を決めた。準決勝では、福島を破り、勝ち上がってきた石川と対戦。序盤に2点を失い、追いかける展開となったが、3回裏、3番・黒木大輔のタイムリー、押し出しの四球、犠牲フライで一挙3点を挙げ、逆転。終盤6回裏にも、相手守備の乱れと1番・米良孝太、4番・松岡真央のタイムリーでダメ押しの4点を奪い、7−2で勝利を収め、決勝へと駒を進めた。決勝では準々決勝で地元・長崎を撃破し、勢いに乗る岡山と激突。試合は2−2のまま延長タイブレーカーにもつれ込む「大熱戦」となったが、迎えた10回表、二死三塁から9番・金丸祝一の右中間を破るタイムリースリーベースで勝ち越し点を奪うと、続く1番・米良孝太にも左中間へのタイムリーが飛び出し、大きな4点目を追加。そのまま逃げ切り、3年ぶりの頂点へと登り詰めた。

 先月(9月)の全日本総合選手権を制したNeo長崎のメンバーを主体とし、優勝が期待されていた地元・長崎は、1回戦の東京戦で、5回表まで0−1とリードを奪われる劣勢に立たされながら、その裏、5番・津本大貴の「起死回生」のツーランホームランなどで一挙3点を奪い、逆転に成功。3−1と競り勝ち、昨年の「リベンジ」を果たしたものの、準々決勝・岡山との対戦で無念の完封負け。0−0で迎えた4回裏、エース・森勇紀が3番・松田光、4番・小見山敦吏に連続ホームランを叩き込まれ、2点を先制されると、続く5回裏にも二死一・二塁から4番・小見山敦吏にレフト前タイムリーを浴び、痛い3失点目。打線も6安打を放ちながら、岡山・松田光を最後までとらえ切れず、そのまま0−3で敗れ、残念ながら地元国体での優勝を飾ることはできなかった。

 長崎県壱岐市/壱岐市大谷公園ソフトボール球場・壱岐市ふれあい広場多目的広場において開催された成年女子は、日本女子1部リーグに所属する日立の単独チームである神奈川が、同じく日本女子1部リーグに所属し、今回もルネサスエレクトロニクス高崎・太陽誘電の混成チームとして3連覇を狙う王者・群馬と決勝で対戦。緊迫した試合展開の末、神奈川が先発・泉礼花の好投で1−0の完封勝利を飾り、3年ぶり8回目の優勝を飾った。

 神奈川は、1回戦・北海道戦に、5番・清原奈侑のソロホームラン、2番・川村可奈子のスリーベース、9番・奥田茉優希、6番・田邊奈那(2本)、1番・林佑季のツーベースを含む計16安打を浴びせる猛攻を仕掛け、15−0で圧勝すると、準々決勝・愛媛との対戦でも、0−0で迎えた4回表、二死から4連打と1番・林佑希の二遊間を抜くタイムリーなどで一挙4点を先制。先発・泉礼花が6回裏に3点を返され、1点差に詰め寄られたものの、4−3で接戦をモノにし、準決勝へと駒を進めた。準決勝・兵庫戦では、初回、二死から3番・杉山真里奈がライトオーバーのソロホームランを叩き込み、強烈な「先制パンチ」。3回裏にも相手守備の乱れに乗じて2点目を奪い、6回表に1点を返されはしたが、その裏、5番・清原奈侑、6番・濱名真未の連続ホームランなどで決定的な4点を加え、6−1で快勝。決勝進出を決めた。3連覇を狙う王者・群馬との対戦になった決勝では、群馬の先発・濱村ゆかりの立ち上がりを攻め、初回、二死二塁から4番・濱本静代の左中間を破るタイムリーツーベースで1点を先制。この1点のリードを先発・泉礼花が「緩急自在」のピッチングで最後まで守り抜き、完封勝利を飾り、王者の3連覇の夢を阻んだ。

 地元・長崎は、1回戦で王者・群馬と激突。群馬の先発・濱村ゆかりを攻め、初回から得点圏に走者を進めるなど「押し気味」に試合を運ぶと、先発した「大型右腕」豊永優も気迫溢れるピッチングで3回まで被安打1の力投。4回裏に2点を先制された後も懸命に食らいつき、6回表、3番・野中めぐみ、4番・安永美穂の連打と送りバントで一死二・三塁と攻め立て、ワイルドピッチの間に1点を返すなど、詰めかけた多くの観客を沸せる粘りを見せたが……、反撃もここまで。「あと一歩」及ばず、初戦敗退に終わった。

 長崎県大村市/大村市総合運動公園運動広場において開催された少年男子は、今年、春の全国高校選抜、夏のインターハイを圧倒的な強さで制し、「春・夏連覇」を達成した大村工業高校のメンバーを主体に、この秋の国体で「全国三冠」の偉業を狙う「優勝候補の大本命」地元・長崎の戦いに注目が集まったが、準決勝で鹿児島に延長9回タイブレーカーの末、惜しくも2−3で競り負け、優勝ならず……。その地元・長崎を破る大金星を挙げた鹿児島が、決勝でも群馬を相手に延長10回タイブレーカーに及ぶ死闘の末、4−3でサヨナラ勝ちを収め、7年ぶり3回目の優勝に輝いた。

 鹿児島は、1回戦の北海道戦で、エース・岩松右近が13奪三振の「圧巻のピッチング」を披露し、ノーヒット・ノーランを達成。今年7月にカナダ・ホワイトホースで開催された第10回世界ジュニア選手権大会にU19日本代表として出場し、銅メダル獲得を果たした「実力」を見せつけ、4−0で快勝すると、準々決勝・兵庫戦でもその「剛腕」が唸りを上げ、2試合連続のノーヒット・ノーラン達成に迫る被安打1、奪三振13の快投。「絶好調」なエースの活躍で2−0の完封勝利を飾り、準決勝進出を決めた。準決勝では、地元・長崎と対戦。U19日本代表としてともに世界の舞台を経験した長崎・櫻田侑也との投げ合いになり、1−1の同点のまま、試合は延長タイブレーカーに突入した。8回も互いに1点ずつを取り合い、迎えた9回表、鹿児島はタイブレーカーの走者を4番・岩松右近が送りバントで確実に三塁へ進めると、続く5番・田中雄貴のショートゴロの間に三塁走者が本塁を陥れ、再び1点を勝ち越し。その裏、この回の先頭打者に一・二塁間を破られ、タイブレーカーの走者に一気に本塁を狙われたが、ライトからの好返球で本塁寸前タッチアウト。この1点のリードを守り抜き、3−2で「優勝候補の大本命」を撃破。決勝へと駒を進めた。決勝・群馬戦は、準決勝に続き、延長タイブレーカーにもつれ込む死闘となったが、3−3の同点で迎えた10回裏、送りバント、野選、盗塁、四球で一死満塁と攻め立て、5番・田中雄貴のライト前へのサヨナラタイムリーで熱戦に終止符。4−3で競り勝ち、見事優勝を成し遂げた。

 長崎県長与町/長与総合公園運動公園広場・長与総合公園ふれあい広場において開催された少年女子は、準決勝で地元・長崎を4−1で破った愛知が、決勝でも栃木に1−0の完封勝利を収め、4年ぶり4回目の優勝。

 準々決勝から登場した愛知は、まず山形と対戦。2回表、相手守備の乱れと9番・河澄星菜、2番・川辺ちなつ、3番・中島未琴のタイムリーで一挙5点を先制すると、5回表にも4番・大参花菜、6回表にも2番・川辺ちなつのタイムリーで着実に1点ずつを追加し、7−1で快勝。準決勝の地元・長崎戦でも、初戦の「勢い」をそのまま持ち込み、2回裏、二死一・二塁から8番・河澄若菜、9番・長井美侑の連続タイムリーで3点を先制。5回表に1点を返されたが、迎えた6回裏、二死二・三塁から1番・吉田彩夏のライト前タイムリーで大きな4点目を奪い、そのまま逃げ切り、決勝進出を決めた。決勝・栃木戦では、「今大会屈指の好投手」栃木・渋井美波の立ち上がりを攻め、1番・吉田彩夏がプレーボール直後の初球をセンター前にはじき返し、出塁。すかさず盗塁を成功させ、送りバントで三塁へ進塁すると、3番・中島未琴のピッチャーゴロが野選となる間に本塁へ還り、貴重な1点を先制。守っては、この1点のリードを先発・河澄星菜が最後まで守り抜き、完封勝利を飾り、4年ぶりの栄冠を手にした。

 また、今回の国体でも、成年女子の部の初日、試合終了後に壱岐市大谷公園ソフトボール球場で、宇津木妙子氏(公益財団法人日本ソフトボール協会副会長・国際委員長/シドニーオリンピック、アテネオリンピック女子日本代表ヘッドコーチ)を講師に、増淵まり子氏(シドニーオリンピック銀メダリスト)、伊藤幸子氏(北京オリンピック金メダリスト)がアシスタントとなり、地元の小・中学生を対象に「ソフトボール教室」を実施。これは公益財団法人日本体育協会の各中央競技団体への要請もあり、実施されたもので、「国体」という日本のトップレベルで活躍するアスリートたちが、そこで大会に参加し、試合を行うだけでなく、開催都道府県の競技力向上や競技の普及・発展のために還元できる事業・イベントを行ってほしいとの意を受けてのものであった。

 「ソフトボール教室」では、宇津木妙子氏が女子日本代表ヘッドコーチ時代と変わらぬ率先垂範、陣頭指揮に立つ、「熱血指導」でウォーミングアップから直々に指導。子どもたちと一緒になってグラウンドを駆け回った。技術指導では、宇津木妙子氏がキャッチボールの指導にはじまり、基本中の基本を伝授し、守備・打撃は伊藤幸子氏が、ピッチングの指導は増淵まり子氏が中心となって行い、最後は宇津木妙子氏の「代名詞」でもある「速射砲ノック」の洗礼を受け、子どもたちだけではなく、その場に居合わせた指導者たちにも容赦のないノックの雨が浴びせられ、汗と泥にまみれながら、無心でボールを追いかける姿に、子どもたちが歓声を上げる一幕もあった。

 男女4種別が3日間にわたり熱戦を繰り広げ、今回は群馬の男女総合優勝、愛知の女子総合優勝という結果で幕を閉じた。開催地の行政や関係者の苦労はもちろんのこと、大会を「盛り上げ」、「成功させる」ために、この国体の開催にあたっては、長年たくさんの人々が思いを込め、力を注ぎ、準備を進めている。来年は和歌山へと「国体」の舞台が移される。そこでまた、新たな歴史の一頁が刻まれ、人々の記憶に残る大会となることを切に願いたい。