2014.2.10
 

 




今年も恒例の「全国審判員・記録員中央研修会」が開催された



開講式冒頭、挨拶に立つ日ソ協・久保源治副会長



公益法人の「あるべき姿」を説く日ソ協・笹田嘉雄専務理事



審判の部の研修で、昨シーズンの大会を総括する押野稔審判委員長



審判の部、2日目の実技研修は、大雪の影響で体育館で実施



実際に投球を行いながら、不正投球の判定基準を確認した



記録の部、末廣善紀記録委員長がルール改正点を解説

  この研修会に合わせ、2014年版のルールブックと競技者必携を発行

  記録の部、コンピュータ研修は大会本番さながらの研修となった

  記録の部の研修は、受動的な研修ではなく、能動的な研修内容で実施された

  3日間にわたり、熱心な研修が行われた。新たなシーズンの幕開けももうすぐ……

平成25年度 全国審判員・記録員中央研修会




平成25年度全国審判員・記録員中央研修会

 去る2月7日(金)〜9日(日)の3日間、愛知県刈谷市・刈谷市総合文化センター・刈谷市体育館を会場に、「球春」の訪れを告げる恒例の全国審判員・記録員中央研修会が開催された。

 この中央研修会には、全国各都道府県支部の審判委員長・記録委員長またはそれに準ずる「指導的役割」を担う130名余りが参加。2014年のルール改正点をはじめ、それに伴う審判員・記録員の実務的な変更点を中心に熱心な研修が行われた。

 全国有数のチーム登録数、審判員・記録員登録数を誇る愛知県において5年連続で実施された中央研修会。6年目を迎えた今回は、昨年と同じく、男女の日本リーグで活躍する豊田自動織機、デンソーの「ホームタウン」と知られる刈谷市で実施されたが、十分な経験を積んだ愛知県ソフトボール協会・刈谷市ソフトボール連盟のスタッフが一致団結して献身的にサポート。「誠心誠意」の対応で、40回目という「節目」の年を迎えた「全国審判員・記録員中央研修会」に、新たな「歴史」の一頁を加えた。

 なお、研修内容の詳細については、審判委員会・記録委員会からそれぞれ報告され、公益財団法人日本ソフトボール協会機関誌「JSAソフトボール」に掲載される予定である(第361号/平成26年4月号掲載予定)。

 研修会初日、開講式の冒頭で、まず公益財団法人日本ソフトボール協会・久保源治副会長が挨拶に立ち、「審判員の最も大切な役割は、『正確で公正な判定を行うこと』にあり、記録員においては『正確な記録を迅速に提供し、後世に残すこと』にある。しかしながら、審判員のローテーションは、その正確な判定を行うために、より効率良く、より合理的な位置取りを行い、判定を下すのに最適な動きとして考え出されたはずが、そのローテーションにとらわれ過ぎ、ローテーション通りに動くことが『目的』となってしまい、肝心なプレーを見逃し、正確な判定を下すことができなかったという話を聞く。記録員もコンピュータの扱いに長け、記録・集計ソフトは見事に使いこなしていても、グラウンド上のプレイを見ておらず、実際に起こったプレイと違う記帳をしていた等という話も聞く。審判員にとって、記録員にとって、本来果たすべき役割は何なのか、最優先しなければならない任務は何なのかを、もう一度見つめ直してほしい」と、審判員・記録員としての「原点回帰」の必要性を説き、「近年、試合時間が長すぎるとの声もよく聞くようになった。ソフトボールの魅力は、なんといってもそのスピード感。野球より投・捕間、塁間が短く、ほんの些細なミスも判断の誤りも許されないスピード、スリルがソフトボールの魅力のはずだが、試合時間は長くなる一方。これではファンからもメディアからも見放されてしまう。試合のスピードアップに努め、試合の進行をコントロールする審判員、それを側面からサポートする記録員、そしてチーム・選手が一体となって、より魅力あるソフトボールを展開してほしい」と、研修会参加者に『檄』を飛ばした。また、「ここに集う皆さんは、各ブロック・各都道府県支部でも指導的立場にある方々ばかり。どうかこの研修会で伝達された事柄を、それぞれのブロック・支部へ持ち帰り、正確な伝達を行ってほしい」と、この研修会の持つ意味とその重要性を説くと同時に、正確な伝達の必要性が改めて強調された。

 続いて、公益財団法人日本ソフトボール協会・笹田嘉雄専務理事が「ソフトボール協会が『公益法人』となり、すべての物事に、『公益性』と『透明性』が求められている。ソフトボール愛好者・協会員といった限られた人々への『内向き』な情報公開・情報発信ではなく、何が、どのような基準に基づいて、どのような手続きで進められたか、といったことを、すべての人に向け、外へ外へと、広く公開・発信することが義務づけられるような時代になった。例えば、各カテゴリーの『日本代表』選手選考、選考方法・選考過程・選考手続き等といったことも、すべて公開することが求められ、手始めに女子日本代表について、ホームページ上で掲載をはじめている。皆さんも、公益法人の一員であることをしっかりと受け止め、認識し、襟を正して、誰から見ても、どこから見られても、後ろ指を指されるようなことのない言動をお願いしたい」と、公益法人としての『あるべき姿』が強調され、各都道府県支部の「指導的役割」である研修会参加者に対し、正しい認識に基づく組織参画と組織運営への協力が求められた。

 最後に、愛知県ソフトボール協会・艸田聰副会長から、国体で初めてソフトボール競技が採用されたとき、『男女混合』で行われた種目があったこと、そこで起こった数々のエピソード等が披露された。
 また、この中央研修会の会場となっている『愛知県』並びに『刈谷市』が、ソフトボールの歴史と深い関わりを持つ土地柄であり、公益財団法人日本ソフトボール協会発足当初から数々の全日本大会の開催を引き受け、日本男子ソフトボールリーグを立ち上げた歴史も持っていることも紹介され、「この研修会をより実りあるものとできるよう、愛知県ソフトボール協会の総力を挙げて、皆さんをサポートしたい」と、歓迎の言葉を述べ、開講式を締めくくった。

 この後、研修会は本格的な研修に入り、審判・記録それぞれに分かれての研修が行われた。審判委員会では、押野稔審判委員長が平成25年度の大会を振り返り、「いくつかの大会で判定を巡るトラブルがあった。審判員も人間である以上、ミスは避けられない。ただ、ミスが起こらないように細心の注意を払い、普段から努力していくことはできるはず。例えば、リーグ審判員になったからといって、そこが『ゴール』のような気持ちになってもらっては困る。審判技術の向上に終わりはなく、リーグ審判員など、その入口、スタートラインに立ったに過ぎない。競技レベルが高くなればなるほど、そこで求められる審判技術も高くなる。また、そういう場に身を置くことによって自分自身の審判技術を高めていくことになる。常に謙虚な姿勢で臨み、技術向上に対しては貪欲な意欲を持つ。そんな審判員であってほしい」と、常に向上心を持って日々を過ごし、自らを磨いていく努力の積み重ねが何より大切であることが強調された。
 また、昨年『重点課題』とされた『試合のスピードアップ』については、「まだまだ道半ばであり、リーグ監督会議でチーム側から申し出てくれた試合のスピードアップへの協力についても途中で立ち消えになってしまった部分もあり、もう一度チームとも協力し、不要な部分は削ぎ落とし、より魅力ある試合が展開されるよう、審判委員会としても『できること』を考えたい」と語った。

 次に、奥村紘史技術委員長が証紙の撤廃と新検定マークについての『再確認』を行い、「革ボール用のバットについては反発基準が変更され、従来の反発基準に基づくバットについては、平成25年6月以降は新たな製品の製造は中止し、順次、新反発基準に基づいたバットへ移行し、平成28年度以降の革ボール使用大会については、新検定マークの表示されたバット以外は使用できないことが改めて説明された。
 ただ、これは革ボール使用大会に限定した措置で、「ゴムボール用バットも同じように現行のものは使えなくなるという『誤解』があり、そんな話が一部で出回っているようだが、ゴムボール使用大会並びにヘルメットについては、新検定マークへの移行と証紙の撤廃は順次行っていくものの、平成28年以降も旧検定マーク・証紙貼付の製品も混在して使用される可能性があることを理解し、正しい認識に基づいた処置をお願いしたい」と、あくまでも革ボール使用大会だけの限定的な処置であることが強調された。

 続いて、2014年のルール改正点についての研修が行われ、工藤澄子審判副委員長が、今回のルール改正について説明。「昨年10月にISF(国際ソフトボール連盟)総会が行われ、そこでルール改正も行われ、今年1月1日から新たなルールが施行されている。ただ、JSA(公益財団法人日本ソフトボール協会)ルールには、それをすぐに採り入れるのではなく、改正後のルールが実際の大会でどのように運用され、適用されているかを慎重に見極め、そのルールの内容をしっかりと吟味した上で、数年をかけてそれを採り入れていく予定になっている」と、ISFルールの改正と、その改正に対するJSAの基本的な姿勢が説明された。
 その中で、「従来からそのペナルティに『矛盾がある』『違反したチームが有利になる場合がある』と批判の多かった再出場違反のペナルティ(効果)を、無通告交代の場合と同様の形に改めることを日本が提案し、その日本の提案が採用され、ISFルールが改正されることになった。従来のルールでは、例えば7回裏、AチームがBチームを3−0でリードし、二死満塁という場面で、再出場違反をした選手が打席に入り、逆転サヨナラホームランを打った場合、その直後にアピールがあり、再出場違反が認められたとしても、プレイは『すべて有効』となり、再出場違反の選手・監督は退場になっても、サヨナラホームランは取り消されることなく、違反したBチームが4−3で逆転サヨナラ勝ちしてしまうというケースも考えられた。しかし、今回のルール改正により、無通告交代と同様のペナルティ(効果)となったため、前述のようなケースでは、打撃完了直後(次の投球動作に入る前、イニング終了のときは守備者全員がフェア地域を離れる前、試合終了のときは審判員が試合終了の宣告をする前)に、正しく再出場違反のアピールがあれば、打撃によるすべてのプレイは無効となり、逆転サヨナラホームランは取り消され、違反者はアウトとなり、3−0で試合終了。Aチームの勝利となり、従来のルールが抱えていた『矛盾』が解消された」とルール改正点を説明。その他、ルール3−2項「ボール」に(球)をつけ、「ボール(球)」としたこと。「4−8項 プレイヤーのマナー」と「7−3項 打撃姿勢」に「3」を新設し、「攻撃側のチームメンバー、あるいは打者が、故意に打者席のラインを消してはならい」ことを付け加えた。ただし、これにはISFルールのようにペナルティ(打者に対してワンストライクが宣告される)は課さず、JSAルールでは、あくまでも「マナー」としての対処に留めたことが説明された。

 この後、吉里弘副委員長を中心に、「競技者必携」の修正点について、一項目ごと丁寧に確認。漏れなく正確な伝達が行えるようにと、前年とその修正点や内容を修正項目ごとに比較しながら、入念な確認作業が行われた。

 これに続き、大橋健吾副委員長を中心に、『審判実務等について』の研修。昨年の大会での反省を含め、「各種大会で実際に試合を担当した審判員は、(4人制であれば)その4人が『日本協会の代表』であるという強い意識と責任感を持って臨んでほしい。それだけの覚悟がなければ審判員の責任を全うすることはできない。チームや選手は、一投一打に全力を注ぎ、その試合に勝つために、あるいは優勝をめざし、日々厳しく苦しい練習を積み重ねてきている。それを裁く審判員にも相応の覚悟が求められるのは当然であり、必然でもある。選手たちと同じように汗を流し、努力を重ね、試合を迎え、大会の審判員としての務めを全うしてほしい」と、強い口調で語り、引き締めを図った。
 最後に、各ブロックに分かれてブロック研修。各ブロックの実情に合わせた「効果的な伝達講習会の在り方」について議論を重ね、初日の研修を終えた。

 2日目の実技研修は、全国的な大雪の影響もあり、刈谷市体育館に場所を移しての実技研修。ここでは、まず「不正投球の判定基準の確認」が行われ、男子東日本リーグ・トヨタ自動車の濱口寿二投手がモデルとなり、投手板の踏み方、セットポジションでの完全停止、リーピング、クローホップ等の様々なケースを実演。実際に投球を行いながら、不正投球か否かの判定基準について確認する作業が繰り返された。

 この後、吉里弘審判副委員長を中心に、「基本動作の確認」。「ストライク」「ボール」「アウト」「セーフ」と大きな声が体育館中に響き渡った。

 午前中の最後は、「投球判定」の研修。愛知県下の日本リーグ男女(男子東日本:デンソー、トヨタ自動車、豊田自動織機。女子:豊田自動織機)、高校女子(安城学園高、豊川高)の協力を得て、8組のバッテリーが実際に投球を行い、「ストライク」「ボール」を見極める投球判定の研修を行った。

 昼食を挟み、「各塁の判定の要点」の研修。本塁、一塁、二塁、三塁それぞれでの判定における注意点、留意事項等が確認され、その後、ローテーションの研修。昨年「ISF方式」に変更された4人制のローテーションでは、球審の動きに若干の変更のあった走者三塁、走者一・三塁、走者二・三塁、走者満塁でレフト、センター方向へ打球が飛んだ場合のケースを中心に研修を行い、2日目の研修を終了した。

 最終日には、ルール改正や競技者必携の改訂について再確認され、本来であれば修正されなければならなかった内容(ルール1−51項 オプション(選択権)(P19)、「競技者必携」6.審判実務のために 7.監督の選択権について(P66))について説明され、来年度のルール・競技者必携の修正の際には、それぞれに「6」の項目を新設し、ルールでは「再出場違反したプレイヤーが守備でプレイしたとき」と明記。競技者必携では、「再出場違反したプレイヤーが守備のプレイをしたとき」と明記し、適用項目としてルール4−6項3〈効果〉3(P43)を記載することが確認された。
 また、今回の研修会には間に合わなかったが、来月(3月中)の発行をめざし、作業が急がれている「オフィシャルソフトボールルールケースブック」の改訂第5版についても、その内容の一部を紹介。今まで議論を呼んでいた事例やルールの適用・解釈についても見解・意見が分かれていたような事例に対しても「統一見解」を示し、実際の試合で直面する様々な状況において、どのようにルールを適用し、どう処置すればよいかの「根拠」を示す「審判員必携のバイブル」となっていることが紹介され、ルール・競技者必携・ケースブックを「三種の神器」とし、研鑽を積むことが奨められ、今回の研修の全日程を終了した。

 記録委員会では、まずは末廣善紀記録委員長が昨年の大会を振り返り、現状の問題点や今後の課題に触れた後、2014年のルール改正点・競技者必携の修正点等の確認作業を行った。
 ルール改正では、ISFルールの改正に伴い、再出場違反のペナルティ(効果)が、無通告交代の場合のペナルティ(効果)と同様に改正されたことが説明され、ルール・競技者必携ともに、その修正点については、前年との比較一覧表を利用しながら、修正点一つひとつを丁寧に確認した。

 続いて、山田隆夫記録副委員長を中心に、2013年の大会を振り返り、反省点を洗い出し、次年度への課題を見つめ直すと同時に、記録委員会の「統一事項」が確認され、全日本大会や日本リーグを迎えるにあたって、どのような準備をして大会を迎えればよいか、あるいは開催地記録委員長としての責務・役割は何か等が再確認された。

 次に、井之上哲夫記録副委員長が「国体マニュアル」を説明。行政と連携しながら長年にわたって準備が進められる「一大イベント」であり、他の日本協会主催大会以上に煩雑な手続きや報告義務等を伴う国体で、どのような準備を進め、大会を迎えれば良いか、大会の準備段階から大会本番での対応までをまとめた「国体マニュアル」が提示され、今後、国体を迎える開催都道府県は、このマニュアルを参考に、このマニュアルに示された内容に基づき、準備を進めてほしいと要請された。

 この後、スコアカードの記帳に関する研修が、遠藤正人記録副委員長を中心に行われ、あらかじめ設定された試合経過に基づき、スコアカードを記帳。特に選手交代があった場合の集計等、どのような点に注意すべきか、誤りやすいポイントはどこか等が明示され、その解答を照合しながら、入念に確認作業を行い、初日の研修を終了した。

 2日目の研修は、井之上哲夫記録副委員長を中心に、スコアカードの点検に関する留意点の研修が行われ、スコアカードを点検する際、正確なスコアカードを完成させるための点検のポイント、効果的で効率のよい点検方法・作業手順が提示され、実際のスコアカードの点検ミスの具体例を検証。誤りやすい項目、それを防ぐための作業手順・確認方法等、正確かつ迅速なスコアカードの完成と提供をめざす研修が行われた。

 続いて、下村征二記録委員を中心に、実際の試合のスコアカードを基に、それを集計・点検する研修を実施。これは、スコアカードの記帳とともに、「記録員は実務者たれ」のモットーのもと、「受動的な研修ではなく、能動的な研修を」という記録委員会のポリシーを象徴する研修である。それだけに、このスコアカードの点検に取り組む記録員の姿は真剣そのもの。独特の緊張感の中、研修が進められた。

 午後からは、導入3年目となる新記録集計システム「Windmill」を利用したコンピュータ研修。研修参加者を複数のグループに分け、実際の大会を想定し、仮想「記録本部」を立ち上げ、「Windmill」を活用した記録集計・処理を行った。
 ここでは、「記録長」をはじめ、グループ内でそれぞれに役職をつけ、役割分担を行い、実際の大会での一日の流れを想定し、記録業務にあたった。
 ここでは、打順表(スタートリスト)の作成(4試合分)にはじまり、大会速報(戦評入り/4試合分)の作成、記録1号、記録3号(組み合わせ表・大会結果)、記録4号(イニングスコア/4試合分)、記録5号(規定投球回数以上の投手成績)、記録6号(1〜3位チームの成績)、記録6号順位別(規定打席数以上の打撃・守備記録)等、実際の大会時に作成する資料を「Windmill」(記録3号のみExcel)で作成する研修が行われた。
 従来のコンピュータ研修では、初級、中級、上級といったクラス分けが多く、それぞれの習熟度に合わせた研修を行ってはいたものの、それでも研修途中で数名が「わからなくなっちゃった……」「もうついていけない!」となってしまうこともしばしば……。
 しかし、今回のように「チーム」としての研修となると、一人だけ途中で投げ出すわけにはいかない。それぞれのグループで、それぞれが持ち味や特徴を生かし、得手・不得手をうまくフォローしたり、カバーして助け合ったり……。まさに、実際の大会の「記録本部」を見るような研修となった。

 この後、コンピュータ研修の中に組み込まれていた「戦評」の点検・校正についても行われ、ここでは昨年、千葉で行われた「全日本教員選手権大会」で参加チームや関係者に配布され、大好評を博した「写真入り大会速報(戦評)」が、千葉県協会・村田文敏記録副委員長から、その作成方法や活用方法等がレクチャーされ、2日目の研修を終えた。

 研修最終日、まず戦評の点検・校正の研修が、小野昭三郎、伊藤高行、中原祥雄記録委員を中心に行われ、スコアカードの記帳・集計の研修について、川田稔之記録委員により、その解答が示され、注意すべき点や誤りやすい点についての再確認が行われた。

 続いて、スコアカードの点検に関する確認が下村征二記録委員により行われた。この研修会に参加している面々が、各都道府県の「指導的立場」にあることを踏まえれば、特にこのスコアカードの点検が重要な任務となるだけに、具体的にどのような誤りがあったかを洗い出し、それを防ぐためにどうしたらよいか、その留意点を一つひとつ確認していった。昨年に比べ、正答率は10%以上アップしているが、その一方で、まだ「100点満点」は出ていないことが報告された。

 最後に、本間恵美子記録委員を中心に事例研修。実際の試合で起こった事例3例が示され、具体的な記帳方法を確認し、研修を進めた。この事例研修については、「スコアリングマニュアル」が発行され、定着したこともあって、その件数は年々減少傾向にある。「スコアリングマニュアル」によって、全国的に記帳方法に対する見解や考え方が統一された結果であり、大きな成果を挙げているその「証」であるともいえ、その意味では来年度に改訂が予定されている「スコアリングマニュアル」改訂第3版の発行が待たれるところである。

 最後に、末廣善紀記録委員長が研修会を総括。「記録委員会では、常に『受動的』な研修ではなく、『能動的』な研修を行っていきたいと考えてきた。その意味では、今回のコンピュータ研修は、実際の大会さながらの記録業務の研修となり、『チームワーク』や『役割分担』の重要性が問われ、ともに力を合わせ、協力し合う研修とすることができたのではないか。記録業務を『チーム』として行うときには、途中で『脱落』するわけにはいかない。自らの役割を果たそうとする責任感、互いに助け合う連帯感、支え、絆……そういったことを大切に、新たなシーズンでも正確、迅速な記録提供に励んでほしい」と、研修会を締めくくった。

 「球春」の訪れを告げる中央研修会。この中央研修会を終えると、シーズンの幕開けはもうすぐそこである。