2013.11.11
 

 




9月に日本チームが韓国を訪問



「インターハイ優勝チーム」創志学園高(岡山)が日本代表として派遣された



韓国チームが来日し、加藤学園高(静岡)と記念写真に収まる



三島北高(静岡)とも対戦し、試合終了後に写真撮影



「インターハイ優勝チーム」創志学園高(岡山)が参戦



日韓両国の「誇り」と「プライド」をかけ、激突!



創志学園高が「JAPAN」のユニフォームを身にまとい、登場!!

  日韓両国で「混成チーム」を編成し、試合を行い、交流した

  成長著しい韓国。「インターハイ優勝チーム」を慌てさせる場面も……

  いつの日か……世界選手権決勝で会おう!

2013 日韓ジュニアスポーツ交流事業を実施
訪韓:9月8日(日)〜13日(金)
来日:11月7日(木)〜12日(火)




2013 日韓ジュニアスポーツ交流事業


 この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」は、アジア近隣諸国とのスポーツ交流を促進し、相互理解を深め、両国の友好親善とスポーツの普及・振興、競技力の向上を目的に、「相互派遣方式」で実施されており、ソフトボールは2001年から実施種目となり、今年で13回目を迎える。

 交流事業は、前述の通り、「相互派遣方式」で行われるため、まず日本側(創志学園高等学校)が9月8日(日)〜13日(金)の日程で韓国・鎮川を訪問。福島正一団長(公益財団法人日本ソフトボール協会常務理事/選手強化本部長)以下、本年夏のインターハイの優勝チームである創志学園高(岡山)の選手17名、監督、コーチ、チームトレーナー、そして日ソ協事務局(総務)を加えた計22名を韓国・鎮川に派遣し、韓国女子ジュニア(U19)代表チームとの対戦をメインに、日韓両国の親善・交流を深めた。

 訪韓時には、韓国女子ジュニア(U19)代表チームと計6試合を実施。初日は2−3、5−5の1敗1分。2日目は8−2、2−0の連勝。雨天中止を1日はさんだ4日目は2−6、16−5の1勝1敗で通算3勝2敗1分という試合結果を残した。
 団長を務めた公益財団法人日本ソフトボール協会・福島正一常務理事(選手強化本部長)は、「今回のチーム派遣では、韓国女子ジュニア(U19)代表チームと計6試合を行ったが、選手たちはやはり『革ボール』に慣れておらず、はじめは感触をつかむまで苦労していた。対戦成績は3勝2敗1分と日本が勝ち越したが、韓国チームとの『力の差』は拮抗してきている。むしろ、韓国チームの方が体格、体力という部分で日本に勝るものがあり、今後、本格派の投手を育て、細かな『技術面』により磨きをかければ、いずれ日本に『脅威』を与えるような存在になるだろう」と、対戦した韓国女子ジュニア(U19)代表チームの印象を語っており、「今回は韓国チームとの対戦だけでなく、韓国協会主催の歓迎夕食会等で、両国の選手・スタッフがさまざまな情報交換を行うことができた。最終日には韓国オリンピック委員会の選手強化施設(ナショナルトレーニングセンター)を見学する機会も作っていただき、選手団一同、非常に感謝している」と韓国訪問を総括した。

【2013日韓ジュニアスポーツ交流事業(チーム派遣)選手団名簿】

▽スタッフ
・団長
 福島 正一(公益財団法人日本ソフトボール協会常務理事)
・監督
 長澤 正子(創志学園高)
・コーチ
 市崎 直子(創志学園高)
・チームトレーナー
 矢野絵未莉(創志学園高)
・総務
 久下 知宏(公益財団法人日本ソフトボール協会事務局)

▽選手
 本庄  遥
 松末 紗来
 吉井 朝香
 田内愛絵里
 小林 香月
 米倉 綾香
 堤 乃々華
 松岡 佑奈
 岡野  栞
 兼平 真咲
 浦口  楓
 高木 雪凪
 淺田 祐子
 永見祐美子
 齋藤 梨加
 長濱  遥
 難波 美有 ※選手はすべて創志学園高(岡山)

 今回の受入事業では、11月7日(木)〜12日(火)、韓国女子ジュニア(U19)代表チームが来日。静岡県伊豆市の天城ドーム・野球場を会場に、静岡県下の強豪校・加藤学園高、三島北高と交流試合を実施。今夏のインターハイ優勝チームである創志学園高(岡山)との「再会」も果たし、交流試合を行い、両国の親善・交流を深めるとともに、相互の強化・レベルアップに努めた。
 今回、来日した韓国女子ジュニア(U19)代表チームは、まず8日(金)、地元・静岡の高校生チームと対戦。「日本チームが韓国を訪問してくれた際には日頃慣れない革ボールで対戦してくれたから」と、日本の高校生チームが普段使用しているゴムボールを使用しての対戦となり、初戦の加藤学園高との対戦では2−2の引き分け。続く三島北高戦は3点をリードしたものの、3−4の逆転負け。1分1敗という結果となった。

 翌9日(土)は、9月に韓国を訪問した創志学園高と対戦。この日は革ボールでの対戦となったが、初戦は壮絶な打撃戦となり、10−7で韓国が逆転勝ち。午後からの第2戦では、創志学園高が「王者の意地」を見せ、5−12の6回コールド勝ち。1勝1敗と星を分け合った。
 翌10日(日)も創志学園高と対戦。創志学園高が、9月の韓国訪問のときに着用した「JAPAN」のユニフォームに身を包み、「日本代表」として気合を入れ直し、6−1で快勝。「インターハイ優勝チーム」の面目を保つと、午後からの「最終戦」は、前日の歓迎会の際に両チーム監督同士で話し合い決定した「日韓両国の選手をミックスして試合を行う」という、合同練習という形以外では日韓交流事業初の試みを実施した。言葉は通じなくても、「ソフトボール」という競技を互いの「架け橋」として、言語の違い・文化の違い・生活習慣の違いを乗り越えて「心」を通わせ、ともに力を合わせて試合を行うという「真の交流」が実現。まさに「交流事業」ならではの試合となり、かつてない盛り上がりを見せるとともに、身振り手振りでアドバイスしながら、お互いの「良いところ」を取り入れ、新たな技術や考え方・取り組み方に挑戦する姿は新鮮で、普段接しているチームメイトとは異なるメンバーだからこその「気づき」があり、「何でも挑戦してみよう!」という雰囲気を生んだ。

 また、例年と同じく、グラウンド上以外でも、歓迎パーティーが盛大に催された。
 歓迎パーティーの席上には、公益財団法人日本ソフトボール協会から、久保源治副会長、チーム派遣・訪韓時、日本チームの「団長」を務めた福島正一常務理事(選手強化本部長)が列席し、訪韓時のもてなしに改めて謝意を表し、再会を喜び合った。
 これに対し、韓国選手団ビュン団長は、「日本の歓迎に心より感謝する。この交流事業も13回目を迎え、長い歴史を刻んできた。この日韓交流事業が今後も継続され、両国の友好親善、競技力向上につながることを切望している。ここにいる皆が代表選手になって、いつか世界の舞台でプレーすることを願っている」とお礼の言葉を述べた。
 この後、日韓両国の選手たちによるプレゼント交換なども行われ、予定の時間を30分もオーバー。ソフトボールを愛する選手たち同士、大いに盛り上がった。

 今年で13回目を迎えた「日韓ジュニアスポーツ交流事業」。回を重ねるごとに確実な技術向上と成長を感じさせる韓国女子ジュニア(U19)代表チーム。今回の交流事業では、「インターハイ優勝チーム」を向こうに回し、互角の試合を展開し、「王者」を慌てさせ、本気にさせる場面もあった。
 今後も、この事業を通じて、日韓両国が互いに競い合い、高め合い、「いつの日か、世界選手権の決勝で戦おう!」を合言葉とし、両国の代表チームが世界の舞台で相まみえ、「優勝」「世界一」を争う日が来ること、また、日韓両国でソフトボール競技がさらに盛り上がり、オリンピック競技復帰へのムーブメントを生み出していくことを期待したい。