2013.10.2
 

 

第68回 国民体育大会(スポーツ祭東京2013)


第68回国民体育大会は開催地・東京が
男女総合優勝、女子総合優勝を獲得!



成年男子の部は三鷹で熱戦を展開



成年男子の部は「ソフトボール王国」高知が制覇!



成年女子の部はエース・上野由岐子擁する群馬が優勝



成年女子の部・東京は熱い声援にも後押しされ、ベスト4進出



少年男子の部は瑞穂町を会場に開催された



少年男子の部を制したのは伏兵・埼玉

  少年女子の部は「優勝候補」千葉が優勝を手にした

  少年女子の部・東京は決勝進出を果たす大健闘!

  長年にわたる強化、準備……国体はそれが問われる
「総決算」の舞台であり、それが歴史と伝統を築いていく

  成年女子の部、初日の競技終了後には宇津木妙子氏ら
オリンピアンよる「ソフトボール教室」が実施された

開催地・東京、男女総合、女子総合優勝を飾る!




第68回 国民体育大会 4種別ダイジェスト

 

 9月29日(日)〜10月1日(火)の3日間、東日本大震災復興支援「第68回国民体育大会(スポーツ祭東京2013)」ソフトボール競技が、成年男子・三鷹市、成年女子・福生市、少年男子・瑞穂町、少年女子・あきる野市を会場に開催された。

 天皇杯得点となる男女総合は、ブロック予選免除の開催地の「利典」を生かし、全4種別すべてにエントリーし、初戦を突破した東京が順調に得点を伸ばし、他をリードする展開。同じく九州ブロック予選を突破し、全4種別の出場権を獲得した長崎とのデッドヒートとなったが、成年男子が初戦で、少年女子が準決勝で、その長崎との「直接対決」を制した東京が、2000年(平成12年)の富山国体以来となる「開催地総合優勝」を決めた。
 皇后杯得点となる女子総合も、成年女子がベスト4進出、少年女子が決勝進出を果たした東京が制し、男女総合・女子総合の「二冠」を勝ち獲る「完全優勝」を成し遂げた。

 三鷹市・大沢総合グラウンド野球場・ソフトボール場を会場に行われた成年男子の部は、「ソフトボール王国」高知がその「本領」を発揮。1回戦の広島戦、3回裏に安井伸二の三塁打を含む6長短打を集中し、4点を奪い、高橋速水、立石壮平の継投で4−2と快勝すると、準々決勝の和歌山戦では打線が爆発! 監督兼任でチームを引っ張る岡本友章の本塁打を含む14安打と打ちまくり、大量14点を奪い、14−1と大勝。準決勝に駒を進めた。
 準決勝では、東日本リーグで首位を快走するホンダエンジニアリングを擁する栃木と激突。この試合では、「日本代表のエース」としても期待される高橋速水が快投。小野洋平、中西康太の本塁打などで4点のリードをもらうと、栃木打線に最後まで得点を許さず、完封勝ち。5年ぶりの国体制覇へ向け、「王手」をかけた。
 もう一方のゾーンでは、今夏の全日本クラブ男子選手権を制した大阪桃次郎を主体に、ベスト4進出を果たした未来都HCのエース・開田卓人、大阪グローバルの山下貴史らを加えた大阪が快進撃。初戦の山形戦では、激しい打撃戦を演じ、試合終盤まで両チーム一歩も譲らぬ白熱の好ゲームを展開。最終回、一死一塁から永田論史が劇的なサヨナラ本塁打を放ち、7−5で勝利を収め、勢いに乗った。
 準々決勝の岡山戦では、「日本代表」に名を連ねる好投手・松田光を攻略。初回、筒井拓友のソロホームランで先手を取ると、3回裏には、澤田優生、山下貴史にも本塁打が飛び出し、5回裏にも1点を追加。守っては、開田卓人、中島幸紀とつなぐ投手リレーで5−0と快勝。準決勝進出を決めた。
 準決勝では、東日本リーグ・デンソーを主体とする愛知に2点のリードを奪われながら、4回表に1点を返し、6回表には「チームリーダー」であり、「主砲」である中村健二が起死回生の同点本塁打。2−2の同点に追いつき、延長タイブレーカーに持ち込むと、8回表、山下貴史のタイムリーと相手守備の乱れで3点を奪い、5−2で押し切り、決勝進出を決めた。
 高知対大阪の決勝は、2回表、高知が一死三塁から山尾竜則のタイムリーで先取点を挙げると、3回表には、「日本代表」小野洋平に豪快なスリーランが飛び出し、3点を追加。4回表にも田中省次のソロホームランで1点を加え、有利に試合を進めると、「エース」高橋速水が6回裏に、澤田優生の三塁打、筒井拓友の犠牲フライで1点は失ったものの、被安打4の完投勝利。5年ぶりの「王座奪還」を果たし、14回目の優勝を飾った。
 開催地・東京は、初戦を突破したものの、準々決勝で愛知に2−10と大敗。ただ、総合優勝争いの「ライバル」となった長崎戦での勝利は、単なる初戦突破以上に価値のある「1勝」だった。

 福生市・市営野球場・市営競技場で行われた成年女子の部は、前評判通り、「優勝候補の大本命」群馬が順当に勝ち進んだ。
 初戦、不戦勝というクジ運にも恵まれ、準々決勝では、日本リーグ3連覇中のトヨタ自動車を主体に、同じく日本リーグ1部の豊田自動織機、デンソーからも「補強」した愛知と対戦。4回表、河野美里の「値千金」の一発で先手を取ると、「日本のエース」上野由岐子が愛知打線を散発3安打に抑え、7奪三振の力投。このところ日本リーグでは、苦汁を舐めさせられている相手に快勝し、準決勝に駒を進めた。
 準決勝では、栃木を相手に、3回裏、一死二塁の好機に山本優が先制ツーラン。今シーズン、現役復帰を果たした「野生児」の一振りで、群馬が試合の主導権を握ると、エース・上野由岐子が安定感抜群のピッチングを披露。栃木打線から12三振を奪い、最終回、芝阜b梨にソロ本塁打を浴びたものの、2−1で勝利を収め、決勝進出。
 もう一方のゾーンでは、開催地・東京が快進撃を見せ、初戦の山形戦を澤井美佑の本塁打を含む11安打と打線が爆発! 大量11点を奪い、11−0で大勝した。続く準々決勝では北海道に6−0と快勝。ベスト4進出を果たし、準決勝の愛媛戦でも中盤まで1点差の接戦を演じるなど、「大学生軍団」が若さ溢れるプレイを展開。結果的には、終盤、頼みのエース・三木綾菜が愛媛打線につかまり、2−7で敗れたが、地元国体を大いに盛り上げる健闘を見せた。
 決勝は、その愛媛と「優勝候補の大本命」群馬の顔合わせとなり、2回裏、群馬が一死から四球で出塁した走者を犠打で得点圏に走者を進め、ベテラン・岩渕有美が二遊間をしぶとく破る先制のタイムリー。結局、これが決勝点となり、守っては、エース・上野由岐子が「1点あれば十分」とばかりに快刀乱麻のピッチング。愛媛打線をわずか2安打に抑え込み、11三振を奪う力投で、2年連続20回目の優勝に花を添えた。

 瑞穂町・シクラメンスポーツ公園・町営第2グランドで行われた少年男子の部では、3連覇を狙う長崎、「ソフトボール王国」高知がともに準決勝で敗れる「波乱」があった。
 1回戦、上位進出の常連・群馬との逆転、また逆転の好ゲームを制し、6−4で競り勝った岡山が、準々決勝では開催地・東京を6−1で撃破。「完全アウェー」の雰囲気をものともせず、快勝し、その勢いを加速させると、「優勝候補」長崎との準決勝でも、互角の試合を展開。1点を先制されながら、男子U19日本代表にも選出された好投手・吉田尚央、平湯剛憲を攻略し、6回裏、小見山拓也の走者一掃の三塁打などで3点を奪い、逆転。このリードをエース・松田祐汰が6安打を浴びながらも、粘り強いピッチングで守り切り、3−1の逆転勝ち。長崎の3連覇の夢を打ち砕き、決勝進出を決めた。
 もう一方のゾーンでは、埼玉が初戦の沖縄戦で試合後半までリードを許す苦しい試合展開ながら、5回裏、田口英雄の二塁打や相手守備の乱れで大量5点を挙げ、6−3の逆転勝ち。続く山形戦はランナーを溜めてはスクイズで得点するソツのない攻めを見せ、長打なしで大量8点を奪い、8−0の大勝で準決勝進出。
 準決勝では、「ソフトボール王国」高知と対戦。試合は息詰まる投手戦となり、1−1の同点のまま、延長タイブレーカーに突入。9回に1点ずつを取り合い、迎えた10回表、埼玉は田口英雄の犠牲フライで1点を勝ち越すと、猪野真史が勝利を決定づけるツーランホームラン。この回3点を奪い、粘る高知の息の根を止め、5−2で勝利を収め、岡山の待つ決勝へと駒を進めた。
 岡山対埼玉の決勝は、2回裏、この回先頭の田口英雄が三遊間安打で出塁すると、一死後、準決勝で勝利を決定づけるツーランを放った猪野真史が左中間を深々と破るランニングホームラン。この回2点を先制すると、続く3回裏にも、中島悠貴が右中間を抜くランニングホームランを放ち、1点を追加。守っては、エース・中島優人が4回表に、小見山拓也、赤木翔一に連続二塁打を浴び、1点を失ったものの、冷静なピッチングで後続を断ち、3−1で快勝。3年ぶり4回目となる優勝を手にした。
 開催地・東京は、初戦の福島戦は地元の熱狂的な声援を味方につけ、7−2で快勝したものの、準々決勝の岡山戦ではその熱い声援に応えることができず、1−6で完敗。上位進出はならなかった。

 あきる野市・市民球場・市民運動広場で行われた少年女子の部は、開催地・東京が快進撃を見せ、初戦の山形戦を8−0で大勝する好発進。準々決勝の香川戦では試合終盤まで1−5とリードを許す苦しい試合展開。しかし、地元の声援を背に猛反撃に転じ、6回裏、3点を返し、1点差に詰め寄ると、土壇場の7回裏には、長谷川ゆりかの安打からチャンスをつかみ、二死二塁から加福直子が左中間へ起死回生の二塁打を放ち、同点。さらに石川恭子がサヨナラのタイムリーを放ち、熱戦に終止符。奇跡的な大逆転でベスト4進出を果たした。
 長崎との準決勝でも、序盤2点のリードを許す試合展開となったが、3回裏、深沢未花が左翼線二塁打を放ち、猛攻の口火を切ると、一挙4点を奪い、逆転。6回裏にも、石川恭子、川平典華の安打や市川咲子のスクイズなどで3点を追加。追いすがる長崎の息の根を止め、決勝進出を決めると同時に、東京の男女総合優勝・女子総合優勝を確定させた。
 もう一方のゾーンでは、春の全国高校選抜の覇者・木更津総合高を主体とする「優勝候補」千葉が勝ち進み、初戦不戦勝とクジ運にも恵まれ、準々決勝では、兵庫と息詰まる投手戦を演じ、1−0の完封勝ち。「超高校級」で日本代表候補にも名前の挙がる濱村ゆかりが、その実力を存分に発揮。兵庫打線を散発4安打に抑え込むと、打線もようやく7回表、鳥海菜月のタイムリーで待望の先取点を挙げ、そのまま逃げ切り、準決勝進出を決めた。
 福島との準決勝では、打線が爆発! 2回裏、一場茉裕のエンタイトルツーベースからチャンスをつかみ、角頼遼香のタイムリーで1点を先制。4回裏には、4連打で4点を加え、5−0の快勝。「優勝候補」らしい強さを見せ、決勝へ駒を進めた。
 決勝では、千葉・濱村ゆかり、東京・萩原あゆみ両投手が好投。これを両チーム堅守で支え、決勝にふさわしい緊迫した試合を展開した。千葉は3回表、この回先頭の山本葵衣が安打で出塁すると、「投打の大黒柱」濱村ゆかりが右中間を深々と破るタイムリーツーベース。自らのバットで貴重な先取点を挙げた。
 東京も懸命の反撃を見せるが、好投を続ける千葉・濱村ゆかりを崩せず、最終回も安打と盗塁で一死二塁の「一打同点」のチャンスをつかんだが、連続三振で万事休す。千葉が3年ぶり5回目の栄冠に輝いた。

 開催地・東京が男女総合優勝、女子総合優勝を飾り、大会は幕を閉じた。長年の強化が実を結び、大会を支えた審判員・記録員をはじめ、多くの関係者が準備に費やした長い年月とその労苦の日々を思い出し、感極まり、涙を見せる姿もあった。
 来年は長崎へと「国体」の舞台が移される。また、そこで新たな歴史の一頁が刻まれることになる。流した汗と努力の日々の「総決算」国体の「歴史」は連綿と続いていく……。

 また、成年女子の部、初日(9月29日/日)の競技終了後には、福生市営野球場で、宇津木妙子氏(公益財団法人日本ソフトボール協会常務理事・国際委員長/シドニーオリンピック、アテネオリンピック女子日本代表ヘッドコーチ)を講師に、三科真澄氏(アテネオリンピック銅メダリスト・北京オリンピック金メダリスト)、江本奈穂氏(北京オリンピック金メダリスト)がアシスタントとなり、地元の中学生を対象に、ソフトボール教室を実施。これは公益財団法人日本体育協会の各中央競技団体への要請もあり、実施されたもので、「国体」という日本のトップレベルで活躍するアスリートたちが、そこで大会に参加し、試合を行うだけでなく、開催都道府県の競技力向上や競技の普及・発展のために還元できる事業・イベントを行ってほしいとの意を受けてのものであった。

 ソフトボール教室では、宇津木妙子氏が女子日本代表ヘッドコーチ時代と変わらぬ率先垂範、陣頭指揮に立つ、「熱血指導」でウォーミングアップから直々に指導。子どもたちと一緒になってグラウンドを駆け回った。技術指導では、宇津木妙子氏がキャッチボールの指導にはじまり、基本中の基本を伝授し、守備・打撃は三科真澄氏が、ピッチングの指導は江本奈穂氏が中心となって行い、最後は宇津木妙子氏の「代名詞」でもある「速射砲ノック」の洗礼を受け、子どもたちだけではなく、その場に居合わせた指導者たちにも容赦のないノックの雨が浴びせられ、汗と泥にまみれながら、無心でボールを追いかける姿に、子どもたちが歓声を上げる一幕もあった。

 残念ながら2020年東京オリンピックでの「オリンピック競技復帰」は実現しなかったが、それでもこれだけの子どもたちが集まり、また、それを熱心に指導してくださる指導者の皆さんがおり、それを支える保護者の皆さんもいる。ソフトボールの「原点」はまさにここにあり、「国体」という舞台を通じて、このソフトボールという競技がさらに盛り上がり、さらなる普及・発展につながり、いつの日か、「オリンピック」という「夢の舞台」に通じていることを信じて……。昨日から今日、今日から明日へと、夢と希望をつなぐ努力を積み重ねていかなくてはならない。