2012.10.9
 

 

第67回国民体育大会(2012ぎふ清流国体)

成年男子・成年女子・少年男子・少年女子の4種別で熱戦を展開!

第67回国民体育大会(2012ぎふ清流国体)が
10月6日(土)〜8日(月)の3日間開催された

成年男子
地元・岐阜は決勝進出を果たしたが……

成年男子
優勝は群馬。29年ぶりの優勝で歓喜の胴上げ!

成年女子
地元・岐阜は初戦に快勝したが……ベスト8止まり

成年女子
群馬が王座奪還! 山路典子監督の身体が宙を舞う

少年男子
地元期待の岐阜は残念ながら1回戦敗退

少年男子
選抜、インターハイに続き、長崎県勢「三冠」達成!

少年女子
期待された少年女子もベスト8止まり。悔し涙が止まらない……

少年女子
5試合連続完封。今大会無失点で投げ抜いた
兵庫のエース・福井遥香。優勝に大きく貢献!

成年女子、2日目の競技終了後、宇津木妙子氏が
ソフトボール教室を実施。小学生の指導を行った




 10月6日(土)〜8日(月/祝)の3日間にわたり、第67回国民体育大会(2012ぎふ清流国体)が、岐阜県羽島市(成年男子)・大垣市(成年女子)・下呂市(少年男子)・揖斐川町(少年女子)の3市1町を会場に開催された。
 大会期間中、好天に恵まれ、それぞれの会場に多くの観客が詰めかけ、また、その大声援に応えるように、熱戦が展開された。

 結果は、天皇杯得点(男女総合)では、成年男子、成年女子で優勝を飾った群馬が男女総合優勝を飾り、皇后杯得点(女子総合)では成年女子優勝の群馬、少年女子優勝の兵庫が女子総合優勝を分け合った。
 開催県・岐阜は、少年男子が惜しくも1回戦で敗退したが、成年女子、少年女子が初戦を突破。ベスト8進出を果たし、成年男子が決勝進出。惜しくも久々の開催県の「男女総合優勝獲得」は成らなかったが、全種別で大健闘を見せ、大会を大いに盛り上げてくれた。

 各種別の成績に目を向けると、羽島市運動公園はしま清流スタジアム・多目的広場を会場に開催された成年男子は、地元・岐阜が快進撃。初戦の長崎戦では、地元開催で「優勝」を期待される「プレッシャー」もあってか、やや硬さが感じられ、先発・坂本俊行が初回にいきなり「一発」を浴びるなど、重苦しい試合展開。しかし、4回表、枦山竜児のタイムリースリーベースで1点を返し、「沈黙」を突き破ると、終盤6回表に2点を挙げ、3−2の逆転勝ち。これで勢いに乗ったか、続く東京戦は打線が爆発! 金刺大地、鈴村和正、西貴史、嶋田智希の本塁打4本を含む7本の長打を効果的に得点に結びつけ、東京を圧倒。12−0で大勝し、準決勝進出を決めた。
 この日の準々決勝では「波乱」が相次ぎ、現在「国内最強」「日本で最も勢いのある男」松田光を擁する岡山が、愛媛の強力打線に打ち込まれ、3−4の敗戦。二転三転の好ゲームは、最終回、愛媛が豊田健二のタイムリースリーベースで勝ち越し。その裏、二死一・二塁のピンチを切り抜け、準決勝に駒を進めた。
 また、「優勝候補」に挙げられていた大阪も福井に大敗。「エース」中村健二を温存し、開田卓人を先発に起用したのが裏目となり、3回までに3点を奪われ、慌てて「エース」中村健二を投入したが、火のついた福井打線を止められず、岩本憲史朗の本塁打などで4点を追加され、2−7の大差で敗れ、福井がベスト4進出を果たした。
 ベスト4進出の残る1チームは群馬。初戦の熊本戦を原田泰光の本塁打などで6−0と快勝すると、続く北海道戦も堀口和保が3本塁打、小田澤正紀が2本塁打を放つなど、1試合7本の本塁打の猛攻。12−0で大勝し、準決勝に勝ち上がった。
 準決勝、福井対岐阜は、「地元で優勝!」をめざす岐阜が満員の大観衆の熱い声援にも後押しされ、初回からエンジン全開! トップバッター・横山拓が「現役日本代表」の実力を見せつけ、いきなりのツーベースで突破口を開くと、枦山竜児、鈴木周平の「元日本代表」コンビが相次いでタイムリーを放つなど、初回に大量4点を先制。早々と勝負を決めると、その後も攻撃の手を緩めず、9−2で快勝。目標とする「地元での国体優勝」に王手をかけた。
 もう一方のゾーン、「全日本クラブ選手権」の覇者・ウエストSBC主体の愛媛と「全日本実業団選手権」優勝の高崎市役所を主体とする群馬の対戦は、愛媛・客野卓也、群馬・照井賢吾の両左腕が息詰まる投手戦を展開。序盤は両チーム無得点で試合が進み、4回裏、群馬が青山紀彦のツーベースからチャンスをつかみ、小田澤正紀のツーランで先制。5回裏にも1点を加え、このリードをエース・照井賢吾が7回一死までノーヒット・ノーランという快投を演じ、3−0の完封勝利。決勝へ駒を進めた。
 決勝は、「地元での国体優勝」に燃える岐阜が初回に先制。スタンドを埋めた満員の観客を喜ばせたが、その裏、群馬が準々決勝で1試合3本塁打という「離れ業」を演じた堀口和保が同点本塁打を放ち、手放しかけた試合の流れを引き戻すと、2回裏には瀧本和正のタイムリー、吉田亨平の犠牲フライで2点を勝ち越し。3回裏には4番・青山紀彦のタイムリーで1点を加え、5回裏には、原田泰光の三塁打、青山紀彦の本塁打で2点を加え、ダメ押し。
 岐阜も必死の反撃を試み、毎回のように得点圏に走者を進めながら、「日本代表」の左腕・照井賢吾の打者の手元で微妙に変化するボールをとらえ切れず、得点は初回の1点のみ。惜しくも「地元での国体優勝」には手が届かなかった。

 大垣市浅中公園総合グラウンドで開催された成年女子は、今夏の世界選手権で42年ぶりの世界選手権優勝を果たした女子日本代表選手が「チームの中核」をなす群馬、神奈川、愛知が「優勝候補」に挙げられ、全日本クラブ選手権を制した大垣ミナモソフトボールクラブに日本女子リーグ1部で活躍する岐阜県出身の選手を「ふるさと選手制度」を利用し、効果的な補強を行った岐阜が、どこまで迫ることができるか、注目された。
 地元・岐阜は、1回戦で女子リーグ1部・大鵬薬品単独チームの徳島と対戦。チームリーダー・伊藤良恵の先制スリーランを含む4本塁打で12点を奪い、初戦を突破。オリンピックメダリストたちが躍動し、現役・日本リーガーもその実力を発揮。その攻撃力は圧巻だった一方、「エース」の左腕・山中しほが大乱調。7点を失い、大量リードをもらいながら、一度は逆転を許すなど、今後に不安を残す出来であった。
 結局、山中しほは続く愛知戦にも先発に起用されたものの、初回に5失点。打線もわずか2安打では打つ手なく、地元の期待に応えられず、上位進出はならず、準々決勝で姿を消した。
 結局、ベスト4には、女子リーグ1部のチームを主体とするチームが勝ち残り、準決勝、「全日本総合選手権の覇者」ルネサスエレクトロニクス高崎と太陽誘電連合軍の群馬、日本リーグ2連覇中のトヨタ自動車に今シーズン好調のデンソーから染谷美佳、増山由梨の2選手を加えた愛知の一戦は、群馬が愛知・先発の染谷美佳の立ち上がりを攻め、敵失、バントヒット、四球などで二死満塁とし、佐藤みなみのショート内野安打で1点を先制。続く2回表にも、二死走者なしから河野美里、市口侑果の長短打で1点を追加した。
 序盤に2点のリードを奪い、先発が「世界のエース」上野由岐子とくれば、このまますんなり勝利を収めるかと思われたが、愛知が6回裏、今シーズン好調の「デンソーの切り込み隊長」増山由梨が三遊間を破り、反撃の口火を切ると、鈴木美加がレフトオーバーのタイムリーツーベースを放ち、まず1点を返し、長楓]未がセンター前に同点のタイムリー。2−2の同点のまま、延長タイブレーカーにもつれ込み、群馬は8回表、一死一・三塁から原田のどかがヒットエンドランを決め、1点を勝ち越し。その裏、「エース」上野由岐子が愛知必死の反撃を三振、サードゴロ、三振に仕留め、3−2で競り勝ち、決勝進出を決めた。
 決勝は、日立ソフトウェア単独チームで「連覇」を狙う神奈川と2年ぶりの「王座奪還」をめざす群馬の対戦となり、3回裏に群馬が先制。この回先頭の遠山佑奈がセンター前ヒットで出塁すると、手堅く犠打で送り、市口侑果の内野安打に敵失が絡み、1点を先制。さらに大久保美紗が左中間を深々と破るタイムリーツーベース。この回2点を挙げ、リードを奪った。6回裏には、原田のどかの左中間を破るツーベースからチャンスをつかみ、ワイルドピッチで三塁へ進んだ後、山本晴香がヒットエンドランを決め、ダメ押しの3点目を奪った。
 守っては、エース・上野由岐子が強打の神奈川打線をわずか3安打に抑え込み、3回表の一死一・二塁、6回表の一死二塁のピンチも落ち着いて後続を断ち、無得点に抑え、それ以外はすべて三者凡退。安定感溢れるピッチングで2年ぶり19度目の優勝を飾ると同時に天皇杯得点(男女総合)、皇后杯得点(女子総合)の優勝も決めた。

 下呂市あさぎりスポーツ公園多目的グラウンド・野球場を会場に開催された少年男子は、春の全国高校選抜の覇者・大村工業高とインターハイ優勝の佐世保西高を擁する長崎が圧倒的な強さを見せた。
 初戦、インターハイで決勝まで進んだ九州産業大付属九州高を主体とする福岡を7−0で一蹴。続く準々決勝の岡山戦も4−1で快勝。結局、これが大会を通じて唯一の失点で、準決勝では、福島を相手に、初回、先発・大串泰生自らのレフトへのタイムリーで2点を先制し、敵失で1点を追加。この回3点を挙げ、試合の主導権を握ると、2回表には機動力を使った攻めで1点を追加。さらに4回表には、金子祐也のタイムリースリーベースで1点を加え、7回表にもダメ押しの1点を追加。
 守っては、春の全国高校選抜優勝投手・大串泰生からインターハイ優勝投手・吉田尚央へつなぐ「豪華投手リレー」で完封。決勝進出を決め、「長崎県勢三冠」に王手をかけた。
 決勝の相手は和歌山。箕島高単独チームながら、初戦の北海道戦に8−0で圧勝すると、準々決勝の山梨戦では初回に先制されながら後半逆転。3−1でベスト4進出を決め、準決勝では静岡を相手に、エース・椿原時矢がスリーランを放つなど、投打に大活躍。その後も上垣内裕士がツーランを放つなど、攻撃の手を緩めず、10安打・11得点の猛攻で11−3と大勝し、決勝へ駒を進めた。
 決勝は、後攻の長崎が初回に先制。先発・大串泰生が先制タイムリーを放ち、自らのバットでリードを奪うと、続く2回裏には、林田博樹がタイムリースリーベースを放ち、2点目を奪い、このリードを大串泰生が被安打1・奪三振14の力投。守備陣も堅守でこれを支え、見事な完封で2年連続3度目の優勝を飾った。

 揖斐川町揖斐川健康広場ビッグランドで開催された少年女子は、春の全国高校選抜ベスト4、インターハイベスト8の多治見西高を中心とする岐阜がどこまで勝ち進むかに注目が集まった。
 また、関東ブロック予選でインターハイ優勝の厚木商業高を擁する神奈川、木更津総合高を主体とする千葉が相次いで姿を消したことで、「本命不在」の混戦模様の大会となった。
 地元・岐阜は、初戦の石川戦を2−0で快勝。準々決勝へ駒を進めたが、強豪・須磨ノ浦女子高を主体とする兵庫に0−1と惜敗。最終回、無死満塁と攻め立て、「一打逆転サヨナラ」という場面を迎えながら、ヒット性の痛烈な当たりがことごとく野手の正面を突き、1点に泣いた。
 その岐阜を倒した兵庫は、準決勝の埼玉戦も緊迫した投手戦を展開。両チーム無得点のまま、延長タイブレーカーに入った8回表、兵庫は一死満塁の好機に、中村瑞穂の内野ゴロの間に三塁走者を迎え入れ、待望の先取点を挙げると、「頼れるキャプテン」児島優が勝負を決める2点タイムリー。この回3点を挙げ、粘る埼玉を振り切り、決勝進出を決めた。
 もう一方のゾーンでは、中学生にして「日本代表」に抜擢された経歴を持つ好投手・岡村奈々を擁する福岡、昨年の国体優勝投手であり、春の選抜準優勝の市谷愛美を中心とする大阪が対戦。奇しくも昨年の山口国体と同じ顔合わせとなり、またそのときの試合を再現するかのような投手戦が展開された。
 この試合も両チーム無得点のまま、延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦となり、延長8回表、大阪が巽麗菜の内野安打で1点を勝ち越し。その裏、福岡の反撃を市谷愛美が無得点に抑え、決勝進出。昨年と得点経過までまったく同じという試合展開で福岡を下し、連覇へ「王手」をかけた。敗れた福岡のエース・岡村奈々は早くから将来を嘱望された「逸材」でありながら、高校時代を「無冠」のまま、終えることになった。
 決勝は、大阪対兵庫の近畿勢同士の対戦となり、大阪・市谷愛美、兵庫・福井遥香両投手が好投。息詰まる投手戦となり、両チーム無得点のまま、迎えた5回裏、長平優花が決勝タイムリーを放ち、待望の先取点を挙げた。
 このリードをエース・福井遥香が被安打4の力投で守り切り、見事な完封。大阪の連覇を阻み、2年ぶり7度目の優勝を飾った。

 また、成年女子の2日目の試合終了後には、宇津木妙子氏(公益財団法人日本ソフトボール協会常務理事・国際委員長/シドニーオリンピック、アテネオリンピック女子日本代表ヘッドコーチ)、岐阜県出身でシドニーオリンピック銀メダリストである安藤美佐子氏、藤井由宮子氏が、地元の小学生・中学生を対象に、ソフトボール教室を実施。これは公益財団法人日本体育協会の各中央競技団体への要請もあり、実施されたもので、国体という日本のトップレベルで活躍するアスリートたちが、そこで大会に参加し、試合を行うだけでなく、開催県の競技力の向上や競技の普及・発展のため、開催県に還元できる事業・イベントを行ってほしいとの意を受けてのものであった。
 宇津木妙子氏が女子日本代表ヘッドコーチ時代と変わらぬ率先垂範、陣頭指揮に立つ「熱血指導」でウォーミングアップからストレッチ、キャッチボール、そして十八番の「速射砲ノック」で次代を担う選手たちとコミュニケーションを図れば、藤井由宮子氏はデモンストレーションとしてドロップを披露。現役時代「世界一の遊撃手」と呼ばれた安藤美佐子氏は現役時代を彷彿とさせる華麗なグラブさばきでキャッチボール、守備の基本を指導していた。
 さらに、宇津木妙子氏の計らいにより、成年女子・岐阜県代表チームでのプレーを終えたばかりの北京オリンピック金メダリスト・藤本索子選手も選手一人一人にアドバイスを行ったり、ボールを集めたりと教室全体のサポートに回り、観戦に来ていたシドニーオリンピック銀メダリスト、アテネオリンピック銅メダリストの高山樹里氏も飛び入り参加で特別にライズの投球を実演するなど、豪華な講師陣の下、選手達は目を輝かせており、失敗しても果敢にチャレンジし、キャッチに成功して喜ぶ笑顔が見られた。
 参加した選手、指導者の皆さんが、この貴重な機会を少しでも生かそうと目を輝かせ、一言一句に真剣に耳を傾け、懸命にボールを追う姿は、これこそ「ソフトボールの原点」であり、こういったところから「国体」の「新しい形」が生まれ、育っていくのかもしれない。