第65回国民体育大会(ゆめ半島千葉国体)

(2010.9.29)  

9月26日、「ゆめ半島千葉国体」が開幕!

成年男子 開催県・千葉は富山に圧勝!

少年男子 千葉は福井に5−0で快勝

少年女子 千葉は難敵・京都を1−0で下し、辛勝
成年女子を除く3種別で初戦を突破し、総合優勝!

大雨のため、大会2日目・3日目は競技を実施できず、
無念の打ち切り。成田国際文化会館で表彰式を実施

全種別8チーム同時優勝という結果となった

挨拶に立つ千葉県ソフトボール協会・江波戸会長
無念の思いに言葉を詰まらせる場面も……

男女総合優勝の表彰を受ける千葉県・兵庫県
「晴れの舞台」も、喜びより無念さがこみあげる


来年こそ……すべての人に晴天と満面の笑顔を!

悪天候で無念の競技打ち切り。
全種別8チーム同時優勝で大会を終了!


 第65回国民体育大会(ゆめ半島千葉国体)が9月26日(日)〜28日(火)の3日間、千葉県成田市で開催された。
 大会は、初日(26日/日)こそ、順調に1回戦を終了したものの、2日目以降は天候が悪化。大雨のため中止・打ち切りとなり、2年前の大分国体に続き、全種別8チーム同時優勝という形で大会の幕を閉じた。

 国民体育大会は予備日が無く、2日目・3日目と降り続いた雨の影響で無念の競技中止・打ち切りが決定した。
 選手たちは、この国体をめざし、「この日のために!」練習を重ね、大会に備えてきた。また、それを迎える開催地の千葉県、成田市、千葉県ソフトボール協会、成田市ソフトボール協会らが中心となって、「選手たちの晴れの舞台にふさわしい大会運営をしよう!」「多くの人々に『よい大会だった』と言ってもらえるよう頑張ろう!!」と関係者一同が一丸となり、大会の準備を進め、大会運営・試合進行をスムーズに、気持ちよく、行えるようにと工夫を重ね、趣向を凝らしてきた。しかし、その何年にもわたる苦労も文字通り「水の泡」と消え、「涙雨」となってしまった。

 2003年に打ち出された『国体改革』の一環で、国体への参加人員が15%削減され、夏季大会・秋季大会の一本化により、従来10月に開催されていたソフトボール競技も9月末の実施に変更された。しかし、これにより、「秋の長雨」「台風」の影響を受けることになり、3年前の秋田国体、2年前の大分国体、そして今回の千葉国体で雨により、競技の打ち切りを余儀なくされている。
 また、参加人員の削減の影響で各種別の参加チームが、従来の16チームから13チームに削減され、この結果(あくまでも結果論にすぎないが)、大分国体、千葉国体では、「1試合も行っていないのに優勝」という何ともスッキリしない結末を迎えるに至っている。
 もちろん、(財)日本ソフトボール協会もこのような事態に手をこまねいていたわけではない。理事会でも何度も打開策が議題となり、討議を重ね、「何とか予備日を設けることはできないか」「日程の変更はできないか」を主催者である(財)日本体育協会に改善策・打開策を掛け合い、働きかけてはきたのだが……。国体はソフトボール単一の大会ではなく、多くの競技・種目とともに開催する「総合競技大会」だけに、ソフトボールだけに「特例」を設けることは難しく、交渉は難航。暗礁に乗り上げていた。その結果……2年前の「悲劇」「悪夢」が繰り返されることになってしまった。

 各種別表彰式は、雨天のため、予定されていた各会場での表彰から急遽、成田市国際文化会館に会場が変更され、全種別それぞれ8チームが一堂に会して行われた。選手たちは、「試合をしたかった……」という複雑な思いを抱えながらも、「天候ばかりは致し方ない」と諦め顔。この結果を受け止めるしかなかった。

 各種別の結果は下記の通りで、全種別の総合得点で争われる天皇杯(男女総合優勝)の種別総合優勝は開催県である千葉県と兵庫県が分け合い、皇后杯(女子種別のみの総合得点)の種別女子総合優勝には、兵庫県が輝いた。

【成年男子優勝】

宮崎県、鹿児島県、福島県、千葉県、北海道、広島県、大阪府、愛知県
【成年女子優勝】
石川県、栃木県、兵庫県、群馬県、島根県、愛媛県、熊本県、福岡県
【少年男子優勝】
新潟県、千葉県、兵庫県、埼玉県、静岡県、大阪府、高知県、群馬県
【少年女子優勝】
広島県、千葉県、愛知県、神奈川県、香川県、兵庫県、北海道、長崎県

 表彰式を終え、開催地を代表し、挨拶に立った千葉県ソフトボール協会・江波戸三好会長が、関係者に謝意を述べ、たとえ1日だけでも競技を行えたことを心から喜びながらも、「私たちの思い届かず……」と込み上げる思いに言葉が続かず、胸を詰まらせた場面は、見ている側にもその無念さが伝わってきた。
 また、本来なら、「晴れの舞台」であり、「勝利と栄光の象徴」である種別総合優勝のブロンズ授与の場面でも、千葉県ソフトボール協会・安塚正明理事長は、兵庫県と優勝を分け合い、開催地・ホストとしての配慮もあったのだろうが、終始遠慮がちで笑顔はなかった。これが3日間の競技を戦い抜いた上での結果なら……。堂々と勝利の美酒に酔うこともできたのだろうが、このような状況下では「笑顔なき勝利」もやむを得ない。
 来年の「おいでませ! 山口国体」こそ、大会を運営する方々も、参加する選手たちも、観客の皆さんも、晴天下のもと、笑顔で大会を終えることができることを心より祈念したい。