去る11月8日(日)〜13日(金)、「2009日韓ジュニアスポーツ交流事業」が静岡県伊豆市を会場に実施された。
これは、去る9月1日(火)〜6日(日)、高橋義明団長(日ソ協理事)以下、本年度のインターハイ優勝チーム・須磨ノ浦女子高(兵庫)が日本代表として、韓国・ソウルを訪問したのを受けて行われたもので、今回は韓国女子ジュニア代表チームが来日。インターハイチャンピオンの須磨ノ浦女子高との再戦を中心に、地元・静岡の高校生チームとも対戦。親善・交流を深めるとともに、互いの強化に努めた。
この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」は、アジア近隣諸国とのスポーツ交流を促進し、相互理解を深め、両国の友好親善とスポーツの普及・振興、競技力の向上を目的に、1997年から相互派遣方式で実施されている。実施当初は、ソフトボールは交流事業の実施種目に入っていなかったが、韓国側の強い要望もあり、2001年から採用され、今年で9回目を迎える。
また、この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」にソフトボールが採用された当初は、インターハイを対象に、(財)日本ソフトボール協会選手強化本部会から視察員を派遣し、選手選考を実施。交流事業に派遣する日本代表選手17名を選出する方式がとられていたが、2006年からインターハイ優勝チームを単独で派遣する方式に変更され、2006年は佐賀女子短大付属佐賀女子高(佐賀)、2007年は木更津総合高(千葉)、2008年は京都西山高(京都)が派遣され、本年度は今夏のインターハイを制した須磨ノ浦女子高(兵庫)が派遣された。
交流事業は、「相互派遣方式」で行われるため、本年度も例年通り、まず日本側(須磨ノ浦女子高)が9月1日(火)〜6日(日)の日程で韓国・ソウルを訪問。韓国女子ジュニア代表チーム、韓国の実業団チーム・大学チームと計6試合のテストマッチを実施している。今回は韓国女子ジュニア代表チームが日本を訪問。昨年まで5年連続で日本側の受け入れを行ってきた千葉県を離れ、静岡県伊豆市で交流事業を行った。
今回の交流事業では、「インターハイチャンピオン」の須磨ノ浦女子高との「再戦」を中心に、静岡県ソフトボール協会所属の高校生チーム(加藤学園高、三島北高、飛龍高)と計6試合の交流試合を行った。
結果は、須磨ノ浦女子高には0−12、0−7、1−8の3試合連続のコールド負けを喫し、「インターハイチャンピオン」の貫禄を見せつけられる形となったが、加藤学園高とは5−6、三島北高とは6−7の大接戦を演じ、特に三島北高戦は最終回までリードを奪う試合展開。最終戦の飛龍高戦は連戦の疲れも出たか、0−8で敗れ、6戦全敗で勝利を上げることはできなかったが、この交流事業を通じ、韓国女子ジュニアチームの確実な成長・レベルアップを感じさせた。
また、グラウンド上以外でも、歓迎パーティーなどが盛大に催され、日韓両国の役員はじめ、次世代を担う選手たちが、「ソフトボール」という競技を架け橋として、国際的な交流を深め、親密な関係を築く貴重な場とすることができた。
北京オリンピックで女子日本代表が金メダルを獲得したのをはじめ、大学女子日本代表がワールドゲームズを制し、女子U16日本代表がユースワールドカップで「世界一」に輝くなど、各カテゴリーで輝かしい成績を残し続けている日本のソフトボール。もはや名実ともに「世界のトップ」に登り詰めたといっても過言ではない。
しかし、「世界のトップ」に立つ日本だからこそ、求められる国際的立場・国際貢献があるのも事実である。自国の利益、競技力向上だけでなく、アジアの、ひいては世界の、ソフトボールのレベルアップ、普及・発展を視野に入れ、取り組んでいかなければならない。
日本が、世界が、願ってやまない「Back Softball」は、きっとその先にある。願い、求めるだけでなく、今、日本が何をすべきか、日本に何ができるか、それを具体的に考えなくてはならない。この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」を、世界中へソフトボールを広めていくための足掛かりとしたいものである。そして、この事業だけではなく、世界中にソフトボールを普及させ、この競技をもっともっと盛り上げ、多くの人々が楽しんでくれるよう、力を尽くしていかなくてはならないのではないだろうか。 |