2008 日韓ジュニアスポーツ交流事業(訪韓)を実施 (2008.9.19)


今年も日韓交流事業が実施された

日本選手団は韓国の熱烈な歓迎を受けた

歓迎パーティーなども催され、両国の交流を深めた

交流試合も数多く行い、競技力向上を図った

クリニックでは、宇津木団長自らノックバットを握った

インターハイ優勝の京都西山高が派遣され、
「日本代表」として日韓交流の架け橋となった
 
 
 
 

 去る9月2日(火)〜7日(日)、2008 日韓ジュニアスポーツ交流事業が行われ、宇津木妙子団長(日本協会常務理事)以下、本年度のインターハイ優勝チームである京都西山高(京都)が韓国・ソウルを訪問した。
 この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」は、アジア近隣諸国とのスポーツ交流を促進し、相互理解を深め、両国の友好親善とスポーツの普及・振興、競技力の向上を目的に、1997年から相互派遣方式で実施されている。
 実施当初は、ソフトボールは交流事業の実施種目に入っていなかったが、韓国側の強い要望もあり、2001年から採用され、今年で8回目を迎える。
 従来は、インターハイを対象に、日本協会選手強化本部会から視察員を派遣し、選手選考を実施。交流事業に派遣する日本代表選手17名を選出する方式がとられていたが、一昨年からインターハイ優勝チームを単独で派遣する方式に変更され、一昨年は佐賀女子短大付属佐賀女子高(佐賀)を派遣。また、昨年は木更津総合高(千葉)が派遣されており、本年度は今夏のインターハイを制した京都西山高(京都)が派遣された。
 交流事業は、前述の通り、「相互派遣方式」で行われるため、まず京都西山高(京都)が9月2日(火)〜7日(日)の日程で韓国・ソウルを訪問。韓国チームとの交流試合、クリニック(技術講習会)などを行った。交流試合は、3日(水)〜5日(金)の3日間、午前と午後に1試合ずつが行われ、その合間を縫ってクリニックを実施するというスケジュールが主であった。
 韓国のソフトボールは、近年着々と力をつけてきており、この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」が実施されるようになった2001年以降では、2004年の第3回アジア女子ジュニア選手権(韓国・仁川で開催)で初の予選リーグ突破を果たし、決勝トーナメント進出。また、昨年8月にタイ・バンコクで開催されたユニバーシアードでは、アメリカ、オーストラリア、日本といった「ソフトボール強国」を次々と撃破。予選リーグを全勝の1位で通過するという快進撃を見せたことは記憶に新しい。まだ、代表レベルでは国際大会で目立った成績を残すには至っていないが、今後このような機会を通じて、ますます力をつけてくることは間違いなく、日本にとっても互いに「切磋琢磨」する相手、「ライバル」が身近に存在することになれば、大きな意義があるといえるだろう。
 また、この韓国との交流を一つの契機、糸口として、アジア全体でのソフトボール競技のさらなる普及・振興、競技力の向上等、視野に入れていく必要があり、「金メダル」を獲得し、「世界一」となった日本だからこそ、「アジアのリーダー」として果たすべき役割は大きく、重いものがある。
 いくら日本が強くても、他にソフトボールをやる国がいなければ、競い合う相手がいなければ、オリンピック競技への復帰など、夢のまた夢でしかない。もはや自国の利益や自国の強化・競技力向上だけを考えていればよいという立場ではないのである。
 現時点では、このソフトボールという競技においては、まだまだ日韓の競技力の差は大きいかもしれないが、ソフトボール競技のさらなる普及・振興を考え、オリンピック競技への復帰をめざすのであれば、韓国はじめアジアの多くの国々と、ともに手を携え、お互いを大切な「パートナー」として認め合い、刺激し合い、高め合っていく「仲間」を増やしていく努力をしていかなければならないはずである。
 11月には、韓国チームが日本を訪問し、交流試合、日韓合同でのクリニックなどの実施が予定されている。いつの日か、日韓両国がアジア大会、あるいは世界選手権の決勝で戦うことを実現させたいものである。そのためにも……地道な一歩を積み重ねることを忘れてはならない。


スタッフ
役職 氏 名 所   属
1 団長 宇津木妙子 ルネサス高崎(日本協会常務理事)
2 監督 森村俊輔 京都西山高(京都)監督
3 マネージャー 井上知里 京都西山高(京都)マネージャー
4 トレーナー 小野多恵子 日本協会
5 総務 加瀬俊介 日本協会事務局
       
選手
ポジション 氏名 所   属
1 内野手 小西つどい 京都西山高(京都)3年 ※主将
2 投手 森 真里奈 京都西山高(京都)2年
3 西村 瑞紀 京都西山高(京都)2年
4 捕手 清原 奈侑 京都西山高(京都)2年
5 内野手 井端悠加里 京都西山高(京都)3年
6 金澤 杏奈 京都西山高(京都)3年
7 古澤 春菜 京都西山高(京都)1年
8 外野手 林  杏奈 京都西山高(京都)3年
9 塚本  栞 京都西山高(京都)3年
10 谷口 敏子 京都西山高(京都)3年
11 東 真奈美 京都西山高(京都)3年
12 内野手 松木 美伽 京都西山高(京都)3年
13 外野手 浦野真理子 京都西山高(京都)3年
14 長崎 望未 京都西山高(京都)1年
15 宮部 綾子 京都西山高(京都)2年
16 内野手 内山  茜 京都西山高(京都)2年
17 唐橋亜由佳 京都西山高(京都)2年