平成19年度 全国指導者中央研修会を開催 (2008.2.15)


平成19年度 全国指導者中央研修会が開催された

さらなる指導者制度の発展をめざし、活発な意見交換が行われた

各都道府県協会からも、さまざまな活動状況が報告された

情報交換会では和やかな雰囲気の中、互いの親睦も深めた

「スポーツ中の子どもの突然死(心臓震盪)について」講演した
  日ソ協・輿水 健治 医事委員長

実際に投手の投球動作を編集した映像を使い、講演した
                   日ソ協・串田 隆嗣 技術委員長


「女性スポーツから見た選手と指導者について」講演した
       宇津木 麗華 氏

研修会には、一般参加者を含め全国の多くの指導者が出席

 平成19年度全国指導者中央研修会が、2月9日(土)、10日(日)の2日間、東京都・池袋/サンシャインシティ・コンファレンスルームにおいて開催された。
 研修会には(財)日本ソフトボール協会・指導者委員会をはじめ、全国各支部協会の指導者委員長、一般参加者を含めた計66名が参加。さらなる指導者制度の発展をめざして、また、指導者のより一層の資質向上を図るため、各都道府県との情報・意見交換など、今後の“ソフトボール指導者のあり方”について考える活発な研修会となった。
 研修1日目には、まず(財)日本ソフトボール協会・中邑芳邦指導者委員長が、「現在、ソフトボールは約7000人の公認指導者資格を持った指導者がいる。平成20年度に旧公認指導者資格の移行事業が終了すれば、指導者の数は10000人にのぼる可能性もあり、ソフトボールの普及振興を図る上で、ソフトボール指導者が果たす役割が極めて重要になっている。真に社会的評価を得られるために、もう一度“指導者のあり方”を見つめ直し、自己研鑽を重ねてもらいたい」と参加者を激励した。
 指導者連絡会議の後には、地区別(北海道、東北、関東、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州)の9ブロックに分かれて地区別研修会を実施。各都道府県での旧資格保有者の移行状況や、指導者資格の活用に関して、活発な意見交換が行われた。
 地区別研修会終了後には、参加者全員が別会場に移動し、互いの親睦を兼ねて情報交換会。一歩踏み込んだ他の都道府県との活動状況の情報収集・意見交換が行われ、初日の日程を終了した。
 研修2日目は、3名の講師による講演が各50分ずつ行われ、はじめに(財)日本ソフトボール協会・輿水健治医事委員長が、「スポーツ中の子どもの突然死(心臓震盪)について」を演題に講演。スポーツにおける突然死の危険性や国内での発症事例、また自動体外式除細動器(AED)の普及や心臓震盪予防のための胸部プロテクターなどが紹介され、「野球・ソフトボールにおいては、日常の練習の中でも競技の特性上このような事態は起こり得る。そのための十分な備え、知識が必要である」と語った。
 次に、(財)日本ソフトボール協会・串田隆嗣技術委員長が「技術委員会研究発表による投球動作について」を演題とした講演を行い、技術委員会、また審判委員会でも大きな研究課題として取り上げられている、投手の投球動作(イリーガルピッチ)について技術委員会で研究された内容が、実際の投球動作の映像を使用し、具体例として解説された。また、正しい投球動作をもとにジャンピング、ツーステップ、投手板の踏み方などさまざまなパターンが映像として映し出され、「ルールに伴なった正しい投球フォームの指導を、各指導者が統一見解を図り行ってもらいたい」と強く呼びかけた。
 最後に3人目の講師として、現在ルネサス高崎女子ソフトボール部で監督を務める、宇津木麗華氏が「女性スポーツから見た選手と指導者について」を演題に、自身の選手時代の経験、また、指導者となって新たに感じたさまざまな“思い”を語った。講演の中で宇津木氏は、「私自身、これまで選手としてプレーをし、さまざまな経験を積んでこれた事が監督となった今、選手たちへの指導に生きていると思う。選手を一流のプレーヤーに育てていくためには、監督にも当然高い能力が求められる。まだまだ、学んでいかなくてはならない事はたくさんあるが、常に勝利にこだわり指導していきたい。“結果”を残す事で、選手からも周囲の方々からも信頼されるような指導者をめざしていきたい」と、選手から指導者となった現在に至るまでの心境の変化、今後に向けての新たな決意を語った。
 全国から多くの指導者が集まり、指導者制度の発展、さらなる指導者の資質向上を目的として開催された全国指導者中央研修会。五輪競技の除外問題などソフトボールは今、厳しい現実に直面している。
 多くの指導者が一丸となり、社会の変化に応じて活動できる環境や体制づくりが急務となっている今こそ、組織的な活動による指導体制作りを推進していかなければならない。