2015.8.13
 

 

●女子U19日本代表レポート
第11回世界女子ジュニアソフトボール選手権大会(アメリカ・オクラホマシティ)


日本、予選リーグ最終日も圧倒的な強さで連勝!
開幕から無傷の6連勝でPOOLAを1位通過




いよいよ予選リーグ最終日
日本は再び、ダブルヘッダーに臨む!



予選リーグ第5戦の相手はアルゼンチン



日本の先発は「開幕投手」を務めた中村美樹
3安打を許したものの、3回無失点と先発投手の役割を果たした


前日の反省を活かし、序盤から得点を重ねる日本
先制後、2回裏に一挙7点を奪い、試合を決めた!


予選リーグ最終戦(第6戦)の相手は中国


先発・福井遥香が、カナダ戦同様安定感溢れるピッチングを展開
2イニングを投げ、中国打線をパーフェクトに抑え込んだ


勢いに乗る日本打線は序盤から得点を量産!
計19点を挙げる猛攻で、中国に4回コールド勝ち


日本、予選リーグ・POOLAを6戦全勝で1位通過
戦いの舞台は「最後の決戦」となる決勝トーナメントへ


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 第11回世界女子ジュニア選手権大会(※大会スケジュールはこちら ※大会オフィシャルサイトはこちら)第4日。大会もいよいよ予選リーグ最終日を迎え、ここまで無傷の4連勝と快調な戦いを続ける日本は、POOLA1位通過をかけ、アルゼンチン、中国とのダブルヘッダーに臨むことになった。

・大会第4日/8月12日(水)
《予選リーグ第5戦》
  1 2 3 4 5
アルゼンチン 0 0 0 0 0 0
日  本 1 7 1 0 x 9
※大会規程により5回得点差コールド
(日)○中村美樹(3回)、廣瀬夏季(2回)−古平綾香
〔本塁打〕中西舞衣〔二塁打〕屋禰未奈、石川恭子

 ダブルヘッダー1試合目、日本は予選リーグ第5戦でアルゼンチンと対戦。今大会「開幕投手」を任された中村美樹を先発に起用した。その中村美樹は立ち上がり、先頭打者にセンター前ヒット、3番打者にも右中間へ運ばれるなど2本のヒットを許したが、ここから慌てることなく「落ち着いたピッチング」で後続を断ち、まずは初回を無失点に抑えた。

 後攻の日本はその裏、一死から2番・屋禰未奈がレフトへのツーベースで出塁。パスボールの間に三塁へ進むと、二死後、四死球で満塁。ここで6番・石川恭子の思い切って引っ張った打球がセカンドのグラブをはじき、その間に三塁走者が生還。1点を先制した。

 先制点を奪った日本は、2回裏にも二死から1番・石野江里佳のライト前ヒット、盗塁、四球で一・二塁のチャンスを作り、3番・那須千春のセンター前に運ぶタイムリーで2点目を追加。なお一・二塁のチャンスが続き、パスボールの間に走者がそれぞれ進塁。二・三塁とすると、4番・坂本結愛もセンターへ鋭い打球ではじき返し、二者が生還。さらにここから連続四球で満塁とした後、7番・中西舞衣にレフトへ「特大」の「満塁アーチ」が飛び出し、この回一挙7得点。勢いに乗った日本は、続く3回裏にも無死三塁から1番・石野江里佳のショートゴロの間に9点目を奪い、着々とリードを広げた。

 守っては、先発・中村美樹がアルゼンチン打線に3安打を許したものの、3イニングを投げ、無失点。先発投手の役割をしっかりと果たすと、4回表、5回表は2番手・廣瀬夏季が一人の走者も許さぬパーフェクトピッチングで締めくくり、9−0の5回コールド勝ちを収めた。

《予選リーグ第6戦》
  1 2 3 4
日  本 2 3 7 7 19
中  国 0 0 0 0 0
※大会規程により4回得点差コールド
(日)○福井遥香(2回)、原奈々(2回)−坂本結愛
〔本塁打〕坂本結愛 〔三塁打〕那須千春A

 ダブルヘッダー2試合目、予選リーグ最終戦となる第6戦では中国と対戦。中国は日本にとって、これまで「アジアのライバル」と称されてきたチームだけに、対戦前は展開次第でクロスゲームになることも予想されたが、いざ試合がはじまると、その心配も無用。勢いに乗った今の日本の敵ではなかった。

 先攻の日本は初回、1番・石川恭子がサードへ叩きつける内野安打で出塁。すかさず二盗に成功し、2番・屋禰未奈の送りバントで三塁へ進むと、ここで3番・那須千春がライトオーバーのタイムリースリーベースを放ち、1点を先制。なお一死三塁のチャンスが続き、4番・坂本結愛はサードゴロに倒れたが、続く5番・櫻岡春香が鋭くセンター前にはじき返し、2点目。「鮮やかな先制攻撃」を見せ、早速先手を奪った。

 日本は2回表にも、相手守備の乱れに乗じて一死二・三塁と攻め立てると、9番・竹中真海の打席でヒットエンドランを敢行。ここで「一気に息の根を止める!」と早めの仕掛けに出た有住隆ヘッドコーチの采配が功を奏し、3点目を加え、さらにこの後、ワイルドピッチの間に4点目、3番・那須千春の二遊間を抜くタイムリーで5点目を追加。アルゼンチン戦に続き、この中国戦も序盤で早々と試合を決めてしまった。

 リードを広げた日本は、この後も容赦なく中国を攻め続け、3回表には8番・本間睦、3番・那須千春の2点タイムリー、4番・坂本結愛の特大のツーランホームランを含む7安打を集中し、一挙7点を追加。4回表にも完全に意気消沈した中国から、4番・坂本結愛、7番・有吉茜の2点タイムリーを含む4安打などで7点を加え、計19点を挙げる猛攻。

 守っては、先発した福井遥香が2イニングを投げ、一人の走者も許さぬ完璧なピッチングを展開。3回表から2番手・原奈々へと投手リレーし、3回表、4回表はその原奈々が守備の乱れにより一人走者を出塁させたものの、中国打線をノーヒットに抑え込み、完封。まさに「一方的な試合展開」で、日本が19−0の4回コールド勝ちを飾り、予選リーグ最終日のダブルヘッダーに連勝。開幕から無傷の6連勝で、文句なしのPOOLA1位通過を決めた。

 予選リーグを終了し、POOLAは日本が6戦全勝と圧倒的な強さを見せつけ、1位。続いて2位は5勝1敗のカナダ。3位には4勝2敗の中国。4位には3勝3敗のニュージーランドが入り、それぞれ決勝トーナメントへ進出。一方、POOLBは日本の最大のライバルであり、ホスト国のアメリカがこちらも他を寄せ付けない強さで7戦全勝。余裕の戦いぶりで1位通過を決め、2位は5勝2敗のメキシコ。3位、4位争いはチェコとプエルトリコが4勝3敗の同率で並んだが、両チームの直接対決でチェコがプエルトリコに1−0で勝利していたため、チェコの順位が上となり、チェコの3位、プエルトリコの4位が決定。この4チームがそれぞれ決勝トーナメントへと駒を進めた。また、POOLBでは前回3位のオーストラリアが、今回最終日を前に3勝2敗と大苦戦。その嫌な流れを最後まで断ち切ることができなかったか、この日もチェコに0−1、メキシコに1−2で敗れ、まさかの連敗。決勝トーナメント進出を逃すという波乱もあった。

 いよいよ明日から「最後の戦い」となる決勝トーナメントに突入。日本はまず、決勝トーナメント初戦(POOLA1位対POOLB2位)で、今回、強豪・オーストラリアを撃破するなど金星を挙げたメキシコと対戦する。ここまでの各チームの戦いぶりを見ても、やはり日本とアメリカの「2強」は揺るがず、他のチームと比べて明らかな「レベルの差」があることは間違いない。決勝トーナメントでも、この両者の「一騎打ち」となる可能性が非常に高いといえるだろう。そのためにも日本としては、まず明日のメキシコ戦にしっかりと勝利を収め、アメリカとの戦いが予想されるセミファイナルに向け、「万全の準備」を整えたいところだ。

 予選リーグとは違い、まさにここからが「本当の戦い」「世界一」を決める戦いになる。さぁ!チーム一丸、心を一つに!! 世界の舞台で再び「女子U19日本代表の実力」を見せつけてほしいものである。



予選リーグ第5戦
アルゼンチン戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 CF 石野江里佳 ビックカメラ高崎 11
2 2B 屋禰未奈 園田学園女子大学 2
3 SS 那須千春 日立 6
4 1B 坂本結愛 戸田中央総合病院 25
5 RF 櫻岡春香 東京女子体育大学 1
6 3B 石川恭子 園田学園女子大学 9
7 DP 中西舞衣 高松南高校 12
8 C 古平綾香 戸田中央総合病院 5
9 LF 竹中真海 日本体育大学 8
FP P 中村美樹 戸田中央総合病院 13

※選手交代
4回表 投手交代 中村OUT→廣瀬夏季(とわの森三愛高校)IN  


予選リーグ第6戦
中国戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 石川恭子 園田学園女子大学 9
2 2B 屋禰未奈 園田学園女子大学 2
3 SS 那須千春 日立 6
4 C 坂本結愛 戸田中央総合病院 25
5 RF 櫻岡春香 東京女子体育大学 1
6 DP 石野江里佳 ビックカメラ高崎 11
7 CF 飯田瑞稀 日本体育大学 14
8 1B 本間睦 日本体育大学 3
9 LF 竹中真海 日本体育大学 8
FP P 福井遥香 Honda 19

※選手交代
3回裏 投手交代 福井OUT→原奈々(園田学園女子大学)IN  
守備交代 飯田OUT→有吉茜(IPU・環太平洋大学)IN  
 
予選リーグ戦績表
■POOL A
チーム名 アルゼンチン カナダ 中  国 コロンビア イギリス 日  本 ニュージーランド 勝数 敗数 得点 失点 順位
アルゼンチン ●0-7 ●0-15 ○12-0 ●0-1 ●0-9 ●0-5 12 37
カナダ ○7-0 ○11-1 ○10-0 ○4-0 ●0-5 ○7-0 39
中  国 ○15-0 ●1-11 ○5-0 ○2-1 ●0-19 ○3-0 26 31
コロンビア ●0-12 ●0-10 ●0-5 ●1-8 ●0-20 ●0-7 62
イギリス ○1-0 ●0-4 ●1-2 ○8-1 ●0-4 ●1-4 11 15
日  本 ○9-0 ○5-0 ○19-0 ○20-0 ○4-0 ○7-0 64
ニュージーランド ○5-0 ●0-7 ●0-3 ○7-0 ○4-1 ●0-7 16 18

■POOL B
チーム名 オーストラリア ブラジル チャイニーズ・タイペイ チェコ イタリア メキシコ プエルトリコ アメリカ 勝数 敗数 得点 失点 順位
オーストラリア ○10-0 ○7-6 ●0-1 ○5-2 ●1-2 ●1-4 ●1-6 25 21
ブラジル ●0-10 ●1-7 ●2-3 ●2-5 ●1-2 ●0-7 ●0-16 50
チャイニーズ・タイペイ ●6-7 ○7-1 ○2-0 ○1-0 ●1-4 ●1-4 ●0-10 18 26
チェコ ○1-0 ○3-2 ●0-2 ○5-0 ●0-1 ○1-0 ●0-7 10 12
イタリア ●2-5 ○5-2 ●0-1 ●0-5 ●5-6 ○2-1 ●0-20 14 40
メキシコ ○2-1 ○2-1 ○4-1 ○1-0 ○6-5 ●1-10 ●0-16 16 34
プエルトリコ ○4-1 ○7-0 ○4-1 ●0-1 ●1-2 ○10-1 ●2-7 28 13
アメリカ ○6-1 ○16-0 ○10-0 ○7-0 ○20-0 ○16-0 ○7-2 82
※同率に並ぶ3位・4位、5位・6位は同率で並ぶチームの直接対決の結果(勝敗)により決定(勝者は敗者より順位が上となる)
※戦績表の掲載順は公式サイト掲載順に準じて掲載

決勝トーナメント組み合わせ