2015.8.11
 

 

●女子U19日本代表レポート
第11回世界女子ジュニアソフトボール選手権大会(アメリカ・オクラホマシティ)


日本、ダブルヘッダーで
カナダ、コロンビアを撃破し、快調に3連勝!




大会2日目、日本はダブルヘッダーに臨む



予選リーグ第2戦の相手は、POOLA
最大のライバルと目されるカナダ



初回に幸先良く1点を先制した日本は
3回表にも5番・櫻岡春香の一打で貴重な2点目!


4回表、6回表にも1点ずつを加え、試合は完全に日本ペース
7回表には、キャプテン・那須千春にトドメとなるソロホームランが飛び出した


守っては、日本のエースと期待される福井遥香が好投
6イニングを投げ、被安打2とカナダ打線を抑え込んだ


予選リーグ第3戦ではコロンビアと対戦


初回から日本打線が爆発!
計20点を奪い、貫録の3回コールド勝ち


まだまだこのチームは強くなれる!
一戦一戦着実に勝利を重ね、「世界一」へと駆け上がれ


Broadcast live streaming video on Ustream


Broadcast live streaming video on Ustream

 第11回世界女子ジュニア選手権大会(※大会スケジュールはこちら ※大会オフィシャルサイトはこちら)第2日、前日ニュージーランドに7−0の5回コールド勝ちを飾り、初戦白星スタートを飾った日本は、この日カナダ、コロンビアとのダブルヘッダーを戦うことになり、まず予選リーグ第2戦でPOOLA最大のライバルと目されるカナダと対戦した。

・大会第2日/8月10日(月)
《予選リーグ第2戦》
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 1 0 1 1 0 1 1 5
カナダ 0 0 0 0 0 0 0 0
(日)○福井遥香(6回)、原奈々(1回) − 坂本結愛
〔本塁打〕那須千春 〔三塁打〕櫻岡春香 〔二塁打〕那須千春、坂本結愛

 先攻の日本は初回、四球、敵失、盗塁などで一死二・三塁のチャンスを作ると、4番・坂本結愛がレフトにキッチリと犠牲フライを打ち上げ、早々と1点を先制。POOLA最大のライバルとの「大一番」で、いきなり先制点を奪った。日本は、3回表にも一死から3番・那須千春がセンターフェンス直撃のツーベースを放ち、チャンスメイク。さらにカナダバッテリーの守備の乱れを突き、すかさず三塁を陥れると、二死後、5番・櫻岡春香にライトオーバーのスリーベースが飛び出し、2点目を追加。前日のニュージーランド戦でも2本のタイムリーを放つなど活躍した「ラッキーガール」が、この試合もチームに勢いをつける一打を放ち、日本に貴重な追加点をもたらした。

 流れをつかんだ日本は、この後も4回表に一死二塁から9番・竹中真海のレフト前タイムリーで1点を追加。終盤の6回表、7回表にも、8番・石野江里佳の犠牲フライ、3番・那須千春のセンターへの豪快なソロホームランで1点ずつを挙げるなど着々と加点し、リードを広げた。

 守っては、先発・福井遥香が持ち味の「制球力」を発揮し、立ち上がりから安定感抜群のピッチングを披露。「本来であれば、投手陣の中でエースとなる存在。力投派の中村美樹とはタイプが異なり、こちらは球威もさることながら、球種も豊富で、何より変化球にキレがある。強豪国との大一番では、この福井遥香を先発に起用して『勝負』に出たい」と語っていた有住隆ヘッドコーチの期待に応えるかのように、6イニングを投げ、被安打2の好投。7回裏は2番手・原奈々へとつなぐ余裕の投手リレーでカナダ打線を抑え込み、予選リーグ・POOLA「最大のライバル」相手に5−0の完封勝利を飾った。

《予選リーグ第3戦》
  1 2 3
コロンビア 0 0 0 0
日  本 12 8 x 20
※大会規程により3回得点差コールド
(日)○廣瀬夏季(2回)、中西舞衣(1回) − 古平綾香
〔本塁打〕那須千春 〔三塁打〕本間睦、石野江里佳 〔二塁打〕竹中真海

 予選リーグ第2戦でカナダに快勝した日本は、ダブルヘッダーの2試合目でコロンビアと対戦。後攻で先に守備についた日本は初回、この試合先発投手に起用された廣瀬夏季が、持ち前の「気迫」とテンポの良いピッチングでコロンビア打線を難なく三者凡退に打ち取ると、その裏、いきなり打線が爆発。1番・石野江里佳からの3連打でアッという間に1点を先制し、なお6番・中西舞衣、7番・本間睦、9番・有吉茜のタイムリー、4番・那須千春の2試合連続となる左中間へのスリーランホームランなど集中打を浴びせ、この回圧巻の12得点。明らかに「格下」と見られたコロンビア相手とはいえ、各打者がキッチリとバットの芯でボールをとらえ、センター方向へと打ち返す「基本に忠実なバッティング」に徹し、早々と試合を決めてしまった。

 日本打線は、2回裏にもコロンビアを容赦なく攻め、8番・古平綾香、1番・石川恭子、2番・竹中真海、3番・石野江里佳、7番・本間睦のタイムリーと相手守備の乱れなどで一挙8点を追加。日本の猛攻を受け、完全に集中力の途絶えたコロンビアから計20点を奪い、3回コールド勝ちが成立する得点差にリードを広げた。

 守っては、先発・廣瀬夏季が2回表に1本ヒットを許したものの、貫録のピッチングで2イニングを無失点。3回表は、日本代表では「内野手」として選出した中西舞衣を登板させる選手起用を見せるなど、終始余裕の試合運びで20−0の3回コールド勝ちを収めた。

 この日の日本の収穫は、何といっても強豪・カナダを5−0でしっかり叩いたということに尽きる。また、大会前に膝のケガを抱え、調整に出遅れていた福井遥香が、そのケガの影響を感じさせることなく「好投」。カナダ相手に6イニングを投げ、被安打2と、「期待通り」のピッチングを見せてくれたことも非常に大きかった。まだ大会は2日目を終えたばかりだが、他のチームの戦力やここまでの戦いぶりを見る限り、今回もやはり日本とアメリカの「2強」感は否めない。その意味でも、福井遥香の復調は日本にとって「光明」であったといえるだろう。アメリカに勝ち、「連覇」を成し遂げるためには、何よりもまず投手陣が奮起しなければならない。今後、福井遥香、中村美樹の「二枚看板」が中心となり、試合を組み立てていくことは間違いないが、その中でも相手打線の目先を変え、継投でかわすという点においては、原奈々、山田蓮、廣瀬夏季ら他の投手も当然重要な役割を担っている。

 攻撃面でも、この日2本のホームランを放ったキャプテン・那須千春を中心に、「中軸」を担う打者が好調。特に、予選リーグ第1戦(ニュージーランド戦)、第2戦(カナダ戦)で計3本のタイムリーを放つなど活躍した櫻岡春香が、要所でことごとく快打を放ち、打線の「キープレーヤー」となっている。今後も、この好調な「中軸」の前に、石川恭子、屋禰未奈、竹中真海ら機動力を持ち合わせた打者が、いかにチャンスを作り出すことができるかというところが大きなカギとなりそうだ。

 日本は明日、予選リーグ第4戦でイギリスと対戦する。日本のめざすところは大会「連覇」、そして「世界一」。そのためには、今後も一戦一戦着実に勝利を積み重ね、チームとしての「完成度」を高めていくことが重要である。



予選リーグ第2戦
カナダ戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 石川恭子 園田学園女子大学 9
2 2B 屋禰未奈 園田学園女子大学 2
3 SS 那須千春 日立 6
4 C 坂本結愛 戸田中央総合病院 25
5 RF 櫻岡春香 東京女子体育大学 1
6 DP 中西舞衣 高松南高校 12
7 1B 本間睦 日本体育大学 3
8 CF 石野江里佳 ビックカメラ高崎 11
9 LF 竹中真海 日本体育大学 8
FP P 福井遥香 Honda 19

※選手交代
6回表 代走 中西OUT→有吉茜(IPU・環太平洋大学)IN  
7回裏 投手交代 福井OUT→原奈々(園田学園女子大学)IN  


予選リーグ第3戦
コロンビア戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 石川恭子 園田学園女子大学 9
2 2B 竹中真海 日本体育大学 8
3 RF 石野江里佳 ビックカメラ高崎 11
4 SS 那須千春 日立 6
5 CF 飯田瑞稀 日本体育大学 14
6 DP 中西舞衣 高松南高校 12
7 1B 本間睦 日本体育大学 3
8 古平綾香 戸田中央総合病院 5
9 LF 有吉茜 IPU・環太平洋大学 7
FP P 廣瀬夏季 とわの森三愛高校 10

※選手交代
2回裏 代打 FP・廣瀬がDPの打撃を兼務し、代打に入る
3回表 投手交代 DP・中西がFPの守備を兼務し、投手に入る