2015.7.23
 

 

●女子U19日本代表レポート
世界ジュニア選手権「連覇」をめざして!
第2次国内強化合宿を実施




迫る第11回世界女子ジュニア選手権大会に向け
女子U19日本代表が第2次国内強化合宿を実施!



今回の合宿では、日本女子1部リーグに所属する日立が
全面的にバックアップ。その胸を借り、テストマッチも行われた



「仮想・外国人投手」として「男子ピッチャー」とも対戦
大学男子ソフトボール界の名門・日本体育大がサポート!


可能性を秘めた選手たちが、世界の舞台で覚醒すれば……
大会に向けて抱負を語った有住隆ヘッドコーチ


合宿3日目には、日本代表選手団結団式・壮行会も催された


1999年の第6回大会(台湾・台北)で優勝を飾った
日立・鈴木由香監督からも、熱いエールが送られる


北京オリンピック金メダリストの日立・西山麗コーチからは
「国際大会での経験を経て、タフな選手になってほしい!」と
世界で通用する選手になるためのアドバイスが送られた


世界ジュニア選手権はゴールではなく、スタート!
連覇をめざし、力の限り戦え、女子U19日本代表

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 来る8月9日(日)〜15日(土)の7日間にわたり、アメリカ・オクラホマシティで開催される「第11回世界女子ジュニアソフトボール選手権大会(大会スケジュールはこちら)」に向け、「連覇」を狙う女子U19日本代表が第2次国内強化合宿を実施。去る7月16日(木)〜19日(日)の4日間、神奈川県横浜市・日立製作所(日立グラウンド)を会場に本格的な強化に励んだ。

 今回の第2次国内強化合宿では、日本女子1部リーグに所属する日立がすべての日程を全面的にバックアップ。合宿初日、2日目はあいにくの雨にたたられ、終始室内での調整を余儀なくされたものの、3日目以降は天候も回復し、大会本番を見据えた「実戦主体」の強化メニューに取り組むことができた。

 合宿3日目、最終日に行われた実戦では、日本女子1部リーグ・日立の胸を借りて計4試合のテストマッチを実施。また、「仮想・外国人投手」として「男子ピッチャー」にも協力を依頼し、大学男子ソフトボール界の名門・日本体育大学(投手2名、捕手1名)が合宿をサポート。テストマッチでは日立チームの投手として登板し、実際に女子U19日本代表打線と対戦する場面も設定されるなど、常に大会「本番」の戦いが想定され、男子ピッチャーが投じる球速105km/h〜110km/hのライズ・ドロップを入念に打ち込みながら、最大のライバル・アメリカをはじめとする海外の投手の「速球」や「切れ味鋭い変化球」への対応力を身につけることにも多くの時間が割かれた。

 また、合宿3日目の夜には、日本代表選手団結団式・壮行会も催され、多くの関係者が「昨年の世界選手権連覇、アジア大会4大会連続の金メダル獲得に象徴されるように、現在、日本の女子ソフトボールは『世界一』に君臨している。特にこのジュニア(U19)のカテゴリーでは、これまで5回の優勝を成し遂げるなどまさに『輝かしい実績』を残しており、今回も『連覇』達成を期待したい」と口を揃え、注目・関心の高さを感じさせると、それに応え、女子U19日本代表・有住隆ヘッドコーチも「皆様の期待を力に変え、日の丸を胸に精一杯戦ってきます。まずは決勝進出が最低条件。今回は最大のライバル・アメリカの『ホーム』で戦うということもあり、難しい戦いになるのは覚悟の上ですが、『チーム一丸』となって必ず『連覇』を達成します!」と力強く決意表明。大会へと臨む熱い思いを語った。

 第2次国内強化合宿を通し、女子U19日本代表・有住隆ヘッドコーチは「4月に実施した第1次国内強化合宿に比べると、徐々にチームとしての『形』ができてきた。『連覇』を達成するためには、何よりもまず投手陣が奮起し、失点を最小限に食い止めなければならない。残念ながら、今回のチームには前回の中野花菜(現・ビックカメラ高崎)のような柱となる『エース』がおらず、大会本番では個々が持ち味を最大限に発揮しながら『継投』で乗り切るしかないと考えているが、その中でもやはり日本リーグに所属する中村美樹(戸田中央総合病院)、福井遥香(Honda)には『投手陣のリーダー』となり、試合をしっかりと作る存在になってもらいたい。一方、野手については、今回非常に能力の高い選手が揃っていると私は見ている。内野の要であり、チームのキャプテンを務める那須千春(日立)を中心に、坂本結愛(戸田中央総合病院)、中西舞衣(香川県立高松南高校)ら右打者には長打、一発が期待できる選手が多く、逆に竹中真海(日本体育大学)、屋禰未奈(園田学園女子大学)、櫻岡春香(東京女子体育大学)ら左打者にはミート力や小技に優れ、走れる(足の速い)選手が多い。この『大きな可能性』を秘めた選手たちが世界の舞台で『覚醒』してくれれば、チーム力は今よりも格段にアップする」と現在のチーム状態についてコメント。また、「最も重要な部分は、世界の舞台でその実力を十分に発揮できるか否かということ。海外に行けば、気候やグラウンドコンディションはもちろんのこと、大会の雰囲気も独特なものがあるし、国際大会特有のストライクゾーンにも柔軟に対応していかなければならない。まして、今回我々が戦う場所は最大のライバル・アメリカのホームグラウンド。『完全アウェー』の中でいかに日本本来の戦いを展開し、勢いに乗れるかがポイントになる」と、自身も男子日本代表時代に数々の国際大会を経験し、世界選手権では第3位、準優勝と黄金時代を築いた一員でもある有住隆ヘッドコーチならではの意見・考えも聞かれた。

 合宿最終日には、今回の合宿を全面的にバックアップした日立・鈴木由香監督、西山麗コーチからも、世界の舞台に挑む女子U19日本代表に熱いメッセージが送られ、鈴木由香監督は「私自身も1999年の第6回大会(台湾・台北)にキャプテンとして出場し、優勝を勝ち取った経験があるが、世界ジュニア選手権は自分の中ではじめて『世界』を意識した思い出深い大会でもある。皆さんには、まずこの年代のトップ選手であるいう自覚を強く持ってもらいたいと思うし、日の丸を胸に戦うということはどういうことなのか。自分だけのことを考えるのではなく、たくさんの人の思いや期待を背負って戦うことを絶対に忘れないでほしい。君たちなら必ず世界一になれる!『日本のソフトボールの素晴らしさ』を世界に証明してほしい」とエール。

 西山麗コーチからは「ソフトボール人生には、必ずタイミングと運がある。大切なことは、その時それを自分の力でモノにできるかどうかということ。皆さんには、ぜひこの機会を『良いチャンス』ととらえ、世界の舞台で悔いのないよう、力の限り戦い、世界一の座をつかみ取ってほしいと思う。また、それと同時に海外(アメリカ)のソフトボールもその目で見て、肌で感じてもらいたい。日本とは違う環境でプレーすることは自分自身にとっても必ず大きな財産になるだろうし、アメリカを『アウェー』と感じるのではなく、会場の雰囲気や観客の声、反応を逆に自分の力に変え、楽しむぐらいの気持ちで臨んでほしい。私としては、何よりもそういった場所・環境でプレーできるということに喜びを感じてほしいと思っているし、この世界ジュニア選手権を通して、一人一人が精神的にも肉体的にも『タフ』な選手に成長してくれることを期待している。そのためにも、世界の舞台で戦う準備をしっかりと!ここにいる全員が万全の状態で大会に臨んでほしい」と激励の言葉が送られた。

 「第11回世界女子ジュニアソフトボール選手権大会」で「連覇」をめざす女子U19日本代表。未来のソフトボール界を担う「若き17名の戦士」たちが、偉業達成に向け、いよいよ世界の舞台にチャレンジする。チームの目標は、もちろんこの大会で優勝し、世界一の座をつかみ取ること。しかし、彼女たちにはそれと同時に、この機会を「大きく飛躍するチャンス」ととらえ、今後さらなる成長を遂げていくための「ターニングポイント」にしてもらいたいとも思う。

 2020年野球・ソフトボールのオリンピック復活を前提においた本格的な選手強化が進められる中、女子日本代表TAP-A、TAP-B同様「ターゲットエイジ」と位置づけられている女子U19日本代表。その女子U19日本代表が、今大会世界の強豪に対していかに立ち向かい、どのような戦いを繰り広げてくれるのか、大きな注目が集まる。



平成27年度 女子U19日本代表チーム
第11回世界女子ジュニアソフトボール選手権大会 選手団名簿
選手 *ポジション別五十音順
No. 守備 氏名 支部 所属
1 投手 中村 美樹 埼玉 戸田中央総合病院
2 原 奈々 兵庫 園田学園女子大学
3 廣瀬 夏季 北海道 とわの森三愛高校
4 福井 遥香 栃木 Honda
5 山田 蓮 東京 日本体育大学
6 捕手 古平 綾香 埼玉 戸田中央総合病院
7 坂本 結愛 埼玉 戸田中央総合病院
8 内野手 飯田 瑞稀 東京 日本体育大学
9 石川 恭子 兵庫 園田学園女子大学
10 竹中 真海 東京 日本体育大学
11 中西 舞衣 香川 高松南高校
12 那須 千春 神奈川 日立
13 本間 睦 東京 日本体育大学
14 屋禰 未奈 兵庫 園田学園女子大学
15 外野手 有吉 茜 岡山 IPU環太平洋大学
16 石野 江里佳 群馬 ビックカメラ高崎
17 櫻岡 春香 東京 東京女子体育大学

コーチングスタッフ
No. 役職 氏名 支部 所属
1 団長 矢端 信介 北海道 (公財)日本ソフトボール協会
2 ヘッドコーチ 有住 隆 山形 上山明新館高校
3 アシスタントコーチ 佐藤 洋介 千葉 千葉経済大学附属高校
4 アシスタントコーチ 藤本 索子 福岡 三潴高校
5 トレーナー 高松 久美子 愛知 豊田自動織機
6 サポートスタッフ
(マネージャー)
増原 晴奈 兵庫 兵庫大学附属須磨ノ浦高校
7 広報 竹普@治   日本体育社
8 帯同審判 後藤 春日 東京 (公財)日本ソフトボール協会